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『快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』感想・第5話

◆#5「狙われた国際警察」◆ (監督:加藤弘之 脚本:香村純子)
ペンギン人間体の人、なんとなく見覚えあるなと思っていたら……
ジーッとしてても……とぉっ!」
銀河マーケットの店長か!
ウルトラマンジード』劇場版公開直後という絶妙のタイミングでしたが、ギリギリ感のある台詞はアドリブで突っ込んだのでしょーか(笑)
そのペンギンの前に、サボテンかと思っていたけどよく見たら手榴弾モチーフだったマッチョ幹部が現れて何事か囁き、「悪い予感がする」と透真が様子見を進言している間に、ペンギンはコレクションによる超跳躍力で姿を消してしまう。
マッチョの指示を受けてペンギンが襲撃したのは、国際警察の新装備を輸送中のヒルトップ管理官。連続強盗殺人犯の怪人が、管理官を軽くしばいただけでアタッシュケースを奪って満足するのが、どーも手ぬるくて怪しい……。
「あーばよ! ひゃっはー!」
ペンギンを追いかけてきた快盗一味は、アタッシュケースの中身がなんと新たな二つのVSビークルである事を確認し、マスカレード。
「すとーっぷ!」
「いいもの持ってるじゃないか」
「おまえらは……」
から指を鳴らして名乗り、というのはバンクシーンをテンポ良く組み込んだ鮮やかな演出で、加藤監督と香村脚本の相性の良さを感じます。
「予告する。 あんたの命 あんたが持ってるお宝、全部まとめていただくぜ!」
……まあ考えてみると、命あっての物種、命こそお宝であると思えば、「いただくお宝」にデフォルトで「命」が含まれているのかもしれませんジャッジメント
その頃デストラは、ボスに内緒で昔の手下に接触した事をゴーシュから探られていた。
「この私がボスを裏切るとでも? そのような事、断じてありえん」
「じゃあ何故、ドグラニオ様の命令でもないのに、コレクションを奪おうとしているの? 金銀宝石には一切興味のない貴方が」
この短いやり取りだけで、「ボスに内緒で接触すると咎められるような昔の手下」→という事はデストラはもともと別の組織に所属していてギャングラーに吸収合併された?という推測をさせた上で、デストラのボスへの忠誠心を重ねて強調、更に「金銀宝石には一切興味がない」(では何に興味があるのか?)という肉付けも自然に加えてみせる、という詰め具合がお見事。
キャラの掛け合いパターンが限定される事からW戦隊メンバーの掘り下げに時間がかかる分、ギャングラー側の描写が薄味になる事が不安でしたが、しっかりと積み重ねてきます。
ペンギンとルパンレンジャーの戦いでも、イエローが管理官達の無事を確認する、という描写が入っているのが実に秀逸。
快盗赤はVSバイクを回収するが、そこに管理官の救援要請に応えたパトレンジャーが駆けつけ、警察戦隊の介入を面倒くさがった赤は、怪人にメッセージカードを投げて撤収。それは、バイクを取引材料にしてペンギンを呼び出すためのものだった……という正義のヒーローらしからぬ搦め手はルパンレンジャーの特色が良く出ました。
「悪知恵なら任せろ!」
自慢げな魁利だが、国際警察が何故二つもルパンコレクションを入手しているのか、なんの情報も示さないコグレは何を隠しているのか、ギャングラーはどこでコレクション輸送の情報を入手したのか……
「どいつもこいつも、裏で何やってるんだか」
快盗も警察も見通しの利かない深い霧に包まれていく中、恐らくこの劇中でもっとも裏のない男・朝加圭一郎の元にカメラは移動し、パトレンジャーは管理官からギャングラーによる襲撃の経緯を聞く。
「もともと本部は極秘でコレクションを調査していたそうです。それが、ギャングラーとルパンレンジャーの出現により、我々、戦力部隊に配備され始めた、と」
ここでパトレンジャーが、ルパンコレクションとは何か、そしてそれがVSチェンジャーを含むという事を明確に認識。
「どこでどのように作られたのかなど、まだ解明できていない事は多い。ただ、明らかなのは、使い方によっては、世界を滅ぼしかねないという事だ」
その危険性も語られ完全に前回の3号の「足が滑った」が超やっちまった案件となりましたが、そもそもコレクションについて知ったの今回だし、隠していたのは上層部だしで、お咎め無しという事なのか……(ちょっと苦しい)。同時に、詳細不明の危険物を毒を以て毒を制すとばかり配備されている実働部隊の、捨て駒度合いが跳ね上がりました。
どうせ捨て駒なので、多少の問題行動は気に留めないから……その戦闘力を存分に活かして、戦って死ね!
どいつもこいつも信用できない世の中ですが、ルパンコレクションの回収を進めるコグレとは別に、ギャングラー抹殺にかこつけてルパンコレクションを破壊してほしい勢力があり、その一派が国際警察にVSチェンジャーを流したのではないか、と推測。
「……そんな危険なものを悪党どもに持たせておけるか」
「絶対に取り戻しましょう!」
警察戦隊がVSビークル奪還の決意を新たにしている頃、親分不在のギャングオフィスでは……
「私たちのお宝と、人間の使ってるお宝が違う? 同じルパンコレクションとやらじゃないの?」
「うむ。確証はないが、どうにも気になってな」
事態を更に混迷させる不穏な発言が飛び出していた。
VSチェンジャー、見るからに他のコレクションとは雰囲気が違い、一目で「あれもルパンコレクション」と呼ぶのはちょっと無理ないか……とは思っていたのですが、一体全体どう転ぶのか、変身アイテムそのものにミステリーを組み込んでくるというのは、好きな手法です。
「ふーん……それでドグラニオ様に内緒で調べようってこと。でも警察の運搬ルートなんてよく掴んだわね」
「とある筋からの情報だ」
あっちもこっちも裏で何やってるんだスタークぅぅぅ!!(混ぜるな危険)
デストラに任されたミッションをこなす為、指定された倉庫で快盗一味を待ち受けるペンギンだったが、そこにやってきたのは発信器の反応を追ってきた警察戦隊。ペンギンは待ち伏せ用に配置しておいた構成員を繰り出し、取引現場に当然罠を仕掛けていたが先に警察に踏み込まれるペンギン→奇襲の筈が結果的に待ち伏せを受ける警察→警察の介入回避を失敗するが結果的に敵戦力を削ってもらえた快盗、それぞれが頭を使いつつも思惑が少しずつズレながら乱戦に、というのは巧みな流れ。
「てめぇ、俺を騙したわけじゃねぇだろうな!」
「まさか。俺だっておまえだけと会いたかったよ!」
「貴様等のバイクも返してもらうぞ!」
入り乱れる三つ巴の中、ヘリ回収に成功した1号、思わず高々とガッツポーズ(おぃ) 描写の差別化として、警察戦隊は基本的にテンション高くて明るめという意図だったのかと思われますが、少々やりすぎた感じ。
「……しゃーない。ねえ、熱血お巡りさん。今度は俺と勝負してよ」
公権力との直接衝突やむなし、と覚悟を決めたルパンレッドはパトレン1号と真っ向勝負を始め、残り4名はそれぞれペンギンを狙って三つ巴を継続。
「遂に警察にまで手を出すとはな」
「ふん……これの事なら、ギャングラーからいただいたんだけど」
善意の第三者理論!
「屁理屈を! それはもともと国際警察のものだ」
「なに言ってるの? 元々はルパン家のものでしょ。今あんたが使っているもんも含めて」
「…………これは正義の為に必要な、国際警察の装備だ!」
ギャングラーへの貴重な対抗手段である現状、ぐっと飲み込んでしまうのですが、由来不明の装備で戦っている事に対する葛藤が1号に入ったのは、ルパンコレクションの正体とも関連して今後に広がってくれそうな要素で良かったです。
「ギャングラーは俺らが倒すから、コレクションも渡してくんないかな?」
「勘違いするな。貴様等にその権限は無いっ」
「あ?」
「どんな言い訳をしようとも、快盗という手段を選んだ時点で! 貴様等は間違っている!!」
激しく激突し、至近距離で睨み合う快盗と警察。
「…………そうかもな。でも――」
正しい道を失っても、取り返せない時間があり、取り戻したいものがある。
「俺たちはこれしかないから快盗やってんだ! 正論なんかどうでもいいね!!」
軽快で飄々とした仮面をかなぐり捨て、感情を爆発させたルパンレッドはマウントからパンチの連打を浴びせ、零距離射撃、そして蹴り。ビークルを奪われそうになった1号は咄嗟にヘリを起動し、快盗赤はバイクでそれを追撃。理屈と感情という対比の衝突に続いては、空と陸、それぞれの使用マシンが逆転して持ち込まれる、というのは面白い趣向。そしてここでも1号を上回ったルパンレッドは、バイクの超電磁ホイールアタックで振り回し攻撃を仕掛けて1号をビークルの外へと放り出し、2つのビークルを手中に収める事に成功。
一方地上では、
「私の名はデストラ・マッジョ。ドグラニオ様の右腕だ」
と名乗りも高らかに、割とノリで物事を進めるボスとなにかと面倒くさい姦夫に挟まれて気苦労の絶えなそうなデストラさんが、「おまえらちょっとギャングラー舐めてない?」とストレス解消に暴れており、そこに落ちてきた1号、背後で4人がデストラに叩きのめされている事にまるで気付かず、颯爽と走り去る快盗を悔しげに見つめている、というのが凶悪な絵。
「おのれ快盗……」
デストラはドリアンゴーレムを召喚して退場するが、1号はギャングラーの巨大兵器出現よりも快盗に気を取られ、ぶらっとやってきたグッティを3号から繰り返し突きつけられ、ようやくパトカイザーを起動。
……まあここは、快盗にまんまとビークルを奪われた悔しさのみならず、本当にこのままコレを使っていていいのだろうか?という疑念も若干入っていそうな気もしますし、そうだと嬉しいのですが。
通常の銃撃を弾くドリアンゴーレムを必殺のマグナムで仕留めるパトカイザーだが、1号は深く溜息をつき、その様子を気にする3号。そしてレストランでは透真と初美花が魁利にデストラの脅威を伝え、ペンギンの追跡について相談。
身についた習性なのか、怪我の治療を終えるとおもむろにニンジンを刻み始める透真の姿に、好感度大アップ(笑) 営業時間外でも、ナチュラルに食事の世話しているのな……!
「あの熱血お巡りめ……」
そんな料理番に背を向け、独り店の外へ出て行った魁利は、夜空の月を見上げる……。
「……痛いところ突きやがって」
自らの歩む暗がりを何もかも呑み込みきれぬ想いがあり、そして、ひたすらに真実一路を進もうとする男の歩みにも陰りが生じていた……
「快盗め……この借りは必ず返す」
快盗と警察、相容れぬ両者が交わったその背を、ただ月が見つめていた――……で、つづく。
三つ巴ならではの状況設定に不穏な要素とさりげないキャラ描写の積み重ねを交えてテンポ良く処理し、今回も面白かったのですが気になったのは、前回の3号のイエローへの便宜供与に触れられなかった事と、レッド対決に尺を採った分、デストラさんの脅威度の描写が薄めだった事。
後者に関しては映像表現の不足をスタッフも気になったのか、戦闘後の青黄の台詞で補強を図っていましたが、もう少しストレス解消させてあげて欲しかったです!
そして前者はこのまま流されてしまうのか、それともつかさに内心思う所があるのか(少なくとも赤緑が気勢を上げるのに加わっていない)、来週、圭一郎の問題と合わせて触れてくれるのを期待したいです。
次回は、超好みのネタをやってくれそうで大変楽しみ。