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『深追い』(横山秀夫)読了

深追い (新潮文庫)

深追い (新潮文庫)

死亡事故の現場でポケベルを拾った交通課の警察官が、そこに送られてきた被害者の妻のメッセージを読む内に、警察官としての職務を逸脱していく姿を描く表題作など、三ツ鐘署で勤務する警察官達の姿を描いた短編集。
一つの所轄警察署を舞台にしている以外は、キャラクター的な繋がりなどもなく、それぞれ独立した短編が収録。お気に入りは、上司の不興を買って左遷された男が本部に居る同期から頼まれて、キャリア警視にちらつく女の影を探る「訳あり」と、会計課に勤務する職員が落とし物の財布から思わぬ繋がりを得る「他人事」の2作。綺麗にまとまりすぎな感もあるのですが、まあそこはフィクションの醍醐味という事で、生臭いリアリティを描く一方で、確かに存在する人間としての矜持、みたいなものの描き方が、横山秀夫は実に秀逸。