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「格好いい」感

造語です。
今年、個人の読書体験における鍵として到達した境地(笑)
顔が格好いいとか、強くて格好いいとか、そういうものとは別の、人間としての厚みとか在り方とか生き様の格好良さ、それについて物語の作者がどういうものを格好いいと思い、キャラクターをそう描くのか。
これの、合う・合わない、というのが、私が作品を面白く思うか思わないかにかなり影響を与えている、というのが、なんかやっとわかりました。
勿論、物語あってこそでありますし、同じ作者でも作品によって変化はあるわけですが、ただ、一つの芯として、合う作者・合わない作者は、どうも存在する模様。
このピントの合う筆頭が、宮部みゆき
だいぶ以前に書きましたが、中年のおじさん二人と子供一人が語らうシーンでぐっと来るのは、私にとって宮部さんだけだと思う。宮部みゆきの描く「格好いい」キャラは、物凄くピントが合うのです。
続いて、横山秀夫
そして最近では有川浩
現時点では、この3人が、ピントが合うトップ3。
隆慶一郎とか司馬遼太郎は、ちょっと別枠。
逆にどうにもピントが合わなかったのが、東野圭吾。何作か読みましたが今ひとつ好きになりきれなかったのは、「格好いい」感が合わないのだなぁ、という結論に。
これはもう、物語の面白さとは別の次元で、東野さんの思い描く「格好いい」が、私の読みたい「格好いい」とはズレている、としか言いようがなく、どうやらこれを手がかりに作者を選ぶのが、個人的な当たりの作品を探す良い方法ではないか、という事がこの歳になってわかってきました。
例えば近年読んだミステリ作家の中では、比較的、有栖川有栖に評価が高いのは、作風の好みもありますが、「格好いい」感が比較的合うので、物語に馴染みやすい、という事があるらしい。
勿論これが全てではなく、特に「格好いい」が無くても面白い、という作品はありますが。
逆にピントの合う「格好いい」を見つけると、俄然、評価が高くなるというべきなのか。
それがここ数年では、ピントの合う人トップ3という形になっています。
一番わかりやすいのは、横山秀夫かなぁ。横山秀夫が好きで、東野圭吾が今ひとつ、というのが、私の「格好いい」感のわかりやすい所でのサンプルな気がします。
この、極めて個人的な概念がそもそもわかりにくい、というのはさておき。