あくまで、数字として出ている部分からの分析で、巨人以外の各チームの細かい事情には詳しくありません。ご寛恕いただいた上で、場合
によってはご教示いただければ幸いです。
※7/22、盗塁・四死球・犠打・失策、を追加。
全体としては、
順位 チーム 試合 勝 敗 引 勝率 差 打率 本塁 得点 失点 防御率 盗塁 四死球 犠打 失策 1 ヤクルト 71 38 24 9 .613 − .254 45 239 241 3.18 29 237 79 34 2 中日 72 34 36 2 .486 8.0 .233 45 217 232 2.84 18 251 67 31 3 阪神 71 34 36 1 .486 0.0 .255 43 230 220 2.89 29 181 52 32 4 巨人 74 32 38 4 .457 2.0 .230 52 202 224 2.76 48 188 52 36 5 広島 71 30 36 5 .455 0.0 .244 18 216 270 3.45 31 191 82 37 6 横浜 75 25 44 6 .362 6.5 .239 46 253 322 4.05 12 199 74 34
ヤクルト 独走
2〜5位 毒の沼地
横浜 いつも通り
でありますが、毎年、順位予想で穴候補みたいなヤクルトが快進撃。身近にヤクルトファンが居れば何がどういいのか、聞きたい所でありますが、特にいない。表に出ている数字としては、実は特筆するほどの部分はなく、敢えていうなら、バランスなのか。後は引き分けの多さが目を引きます。
個人単位では、畠山(打率5位・本塁打4位・打点5位)、バレンティン(本塁打1位・打点3位)、というのは効いているのでしょうが。投手陣も館山が目立つ以外は、実はそんなに際だった成績ではなかったり。後は、今季あちこちのチームが必要以上にちぐはぐになっている中、青木が出て(打率2位/.315)、田中が転がして(犠打1位/33)、主軸が返す、というパターンが成立している、という点は言えるかもしれない。
で、色々見ると、中日が6つ、巨人が4つ、貯金を献上しており、この2チームへの相性の良さがヤクルトを波に乗せている原因の一つなのは、間違いないか。特に中日戦は今季ここまで7勝1敗1引分、圧倒的。
巨人とおっつかずの貧打戦ながら、だましだまし、といった感じで貯金も作っていた中日ですが、ここに来ての連敗で、借金生活に転落。岩瀬の不調も気になる所。いずこも同じではありますが、チームの打点トップがリーグ8位(34)の和田の後、次の森野がぐっと下がって16位(24)というのは、厳しい。その下、打率.222と不調にあえぐ井端さんですし(打点20・リーグ20位)。
他では、バント数はそこそこながら、盗塁の少なさは目を引きます。総合的な機動力の低下は、不安要素の一つか。
セリーグで唯一、得点が失点を上回っている阪神、チーム防御率といい打率といい、表面的な数字だけ見るともっと成績良くてもよさそうですが、明らかに藤井が正捕手になってからチーム成績が上昇しており、このチームの場合は色々な部分における、“適材適所”の問題だよな、と。金はかけているわけですし。
ヤクルトの例にならうなら、マートンが出て(打率1位/.325)、平野が転がして(犠打2位/23)、主軸が返す(新井・打点1位/41、ブラゼル・打点8位/34)、という形は成立しそうなわけですが、犠打数は巨人と並んでリーグ最下位と、今ひとつ、チャンスメイクの形が出来ていない模様。
実はチーム防御率はリーグ1位の巨人(12球団でも4位)。何となく、終盤に失点して逆転負け、のイメージが付きまといますが、投手陣全体としては許容範囲の失点しかしていません。問題は、打率・得点ともにリーグ最下位を突っ走り、常識の範疇の追加点を取れない打線の方。1試合の平均得点が3点を下回っているのは、あまりに致命的。あと1点2点と取れば楽に逃げ切れる試合を、あまりに点が取れない為に壊してしまう、というパターンが非常によく数字にも出ています。
ただ巨人投手陣は与四球がリーグ最多(214)で最小の中日(166)とは何と50近い差があり、変な崩れ方で負けるイメージは、この辺りからかも。被本塁打は少ない(34)のですが。
今後のキモは、打率.252ながら、実は未だに得点圏打率は4割を超えている坂本の使い所と、ラミレス不在でなんとなく3番に帰ってきた小笠原が立ち直れるかどうか、か。数字的には、打率.306(リーグ3位)、出塁率.367(リーグ5位)、得点圏打率.298(それでもリーグ9位か)で、機動力を持ち合わせる長野1番が最適解ではないかという気もしますが、なんだかんだで打点39(リーグ5位)のラミレスは合格点として、今季の問題は“3番打者の機能性”にこそあるのだと、数字を見るとくっきり。何試合かありましたが、サブロー辺りがが3番で機能してくれれば、長野1番、ラミレス4番、坂本5番、とかいうのも有りかもしれず、一応まだ、後半戦に向けての希望が持てるかなぁ。
あと一時期、もう開き直って走りまくればいいのに、と書きましたが、現在、鈴木尚、藤村、福地(ヤ)、が盗塁10で同数1位。長野、亀井もベスト10に入っており、走っているといえば、走っていましたた。チーム盗塁数は2位の広島に17も差をつけて、堂々のリーグ1位。全体的な機動力の高さを象徴するように、併殺打もリーグ最小(40)。
一方で犠打数もリーグ最下位というのは、原のスタイルが数字に出ていると言えるかもしれません。現状考えると、あまり成功しているとは言い難いですが。
それにしてもセリーグは異常に盗塁少ないですが、何なのでしょうか(盗塁10だと、パリーグでは11位相当)。
なにしろ、巨人以外の全球団よりも、聖澤諒(楽天)ひとりの方が盗塁数が多い(33個)。
善戦、といっていい広島は、チーム防御率の悪さと得点力の低さからいえば、順位的には仕方のない所か。特に12球団レベルで見ても異常なほど、ホームランが少ない。9勝(リーグ2位)をあげローテを守るバリントンが居なければ、どうなっていた事か。あと、試合数のおよそ半分(34試合)に登板し、チームの勝ち星30の内、22セーブをあげているサファテ、恐るべし。
打線では栗原の奮闘が目立つ他、バント数二桁が3人居るのが、特徴か。
春の椿事、を体現し日本中に勇気と希望を振りまいた捕手王国・横浜は、収まりよく定位置。
もっとも今年は2〜5位までぐだぐだなので、5位とのゲーム差はまだ6.5。目立たないように地味に戦っていれば、気が付いたら5位に居た、なんて事も今年に関しては有り得なくもない、かもしれません。
指揮官が語る後半戦のキーマンが「やっぱりリーチでしょ」と、一度帰った日本で未知数の外国人投手という時点で、前途はあまり明るくはありませんが。
■〔横浜・尾花監督、巻き返しの鍵は「リーチ」/sanspo.com〕
盗塁12も悪い意味で目立ちますが、実は得点はリーグ1位ながら、全てをかき消すチーム防御率4.05はまさに凍てつく波動。巨人と真逆の状態です。
みんなでリーチに期待しよう。
というか、横浜だけボール違うのでは。
なお、被本塁打も70で圧倒的なトップ。これに関しては球場、日程の問題も絡みますが、リーグ最小(28)の阪神の2倍以上、その他のチームとも20本以上の開き。およそプレイボールすると1発は打たれる計算。
やっぱり、横浜だけボール違う?
他、こまごまとした事。
巨人の澤村は被本塁打が気になる、とずっと書いていたのですが、調べたら9本でワースト2位だったものの、館山(ヤ/8勝1敗)も8本打たれていたり、今季いまいちですが前田健太(広/5勝6敗)も8本打たれていたり、際だって多い、という程ではありませんでした。どちらかというと、与四球34(ワースト2位)が多いかもしれない。投球回数を考えると被安打は多くないし、注意するべきはフォアボールか……。
得点圏打率トップはずっと坂本(巨/.404)だと思っていたのですが、なんと渡辺直人(横/.405)でした! まあ、仕組み上、前の方の打順の打者の数字は高くなりやすいわけですが。
坂本といえば、今季非常に目立つ失策ですが、12個で堂々のリーグワースト。と思ったら、荒木(中)が10個でまさかのワースト2位。この二人だけ、二桁失策。3位は横浜の石川(9個)
チーム合計で見ると、大きな差は無いのは面白い所。巨人・中日は、坂本・荒木が、それぞれチームの三分の一を一人で稼いでしまっています。
四球王は、和田(中)が、2位の鳥谷(阪)に7つ差をつけてトップ。その辺りもあってか、和田は打率(.267)の割に出塁率(.378)がいい。
色々と見てきましたが、数字だけ見ると、阪神が上昇しないと嘘だろう、という感じだなぁ(笑)
ちょっと継投に失敗すると叩かれ、微妙な判定に抗議しにいかなかっただけで文句言われ、と大変な真弓監督ですが、城島が上がってきたらどうするのか、見所であります。