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『未来戦隊タイムレンジャー』感想9

先週分。
◆CaseFile.15「狙撃手を探せ」◆ (監督:坂本太郎 脚本:小林靖子
以前にゴウガンの事件で出会った、タイムレンジャーとロンダーズを追うフリーカメラマン森山ホナミが、タイムレンジャーのスクープ写真を撮ったカメラマン、として雑誌に顔写真付きで紹介される。ホナミとタイムレンジャーが知り合いのような記事の内容に、彼女がロンダーズに狙われる可能性を危ぶんだユウリは、彼女の再説得へと向かう。
……なぜ、説得スキルの無いユウリさんを一人で向かわせますか(笑)
だが一足違いで、タイムレンジャー抹殺の為に解凍されたスナイパー・レイホウにホナミは攫われてしまっていた。
荒らされた無人の部屋を捜索する5人。
途中で何か、難しい顔をするシオン。
柱の銃撃跡からタックが武器を割り出し、犯人を解析するくだりは面白い。
世界に一つだけの銃、て殺し屋としては致命的にカスタマイズしすぎな気はしますが(笑)
……まあ、そんな目立ちたがり屋だから、捕まったのか。
詳しいタイムレンジャーの事情など知る筈もないホナミだが、尋問中に(容赦なくひっぱたいてグッド……別にひっぱたかれるシーンが好きなわけではないですが、恐怖を与えるべきシーンで与えるという演出は重要)彼女が落としたパスケースの中を見たレイホウは、そこに挟んであったタイムイエローとアヤセの写真からその関係を勘違い。ホナミを囮にタイムレンジャーを誘い出す作戦に切り替える。
翌日、異常な信号を感知したタイムレンジャー。まずはタックが偵察に行き、ホナミが時限爆弾付きの信号首輪を取り付けられているのを発見する。スナイパーの狙撃を防ぐ為に銃を改造して一時的に不可視のバリアを張り、その隙にホナミを救出。更にバリアに対する銃撃の弾道から相手の狙撃位置を割り出す、という作戦をたてるタイムレンジャー
今回この、銃撃跡から犯人を割り出す→タックが偵察→狙撃への対抗策を練る、という流れがしっかりと頭使って作戦を練っている感じが出ていて良かったです。
そしていよいよ作戦決行。ホナミの周囲にバリアーを張る所までは順調に行ったが、イエローが彼女を励ますつもりで物陰から顔を見せた事で、イエローに憧れるホナミが、爆発に巻き込んではいけないとかえって恐慌をきたす。イエローの姿を見て、ホナミがバリアーの範囲から飛び出してしまう可能性を察知したシオンが飛び出し、ユウリとともにホナミを守る事に成功。連続の銃撃でバリアーは破壊されるが、狙撃位置もタックが割り出し、レイホウも圧縮冷凍して無事に逮捕するのであった。
ホナミの部屋の捜索シーンでシオンが難しい顔をしていたのが伏線で、現場にぶちまけられていたホナミの撮った写真から、ホナミのタイムイエローへの思いを読みとってその後の行動に繋げるなど、思わぬ洞察力の高さを見せました。……そういえば、シオンは空気は読まないけど、頭脳は優秀なのだった。
そして、
「私はシオンのように気付けなかった。同じ写真を、見てたのに。彼女の気持ちも、行動も。本当に嫌になるぐらい」
ユウリさん、反省する
まあプロの捜査官としては、当然、落ち込むべき所でしょう。
きちっとこういう所まで盛り込んでくるのが、今作のいい所。
人の心の機微などに疎い所を改めて自覚するユウリでしたが、さすがに落ちていたパスケースの中身を覗くほど、デリカシーが無いわけではなかった。
そんなわけで、勘違い(タイムイエロー=アヤセ)は続く。
しかも、タイムレンジャーサイドを巻き込んでより複雑な感じで(笑)
……まあ、勘違いというか、都合のいい妄想、と言った方が正確ではあるのですが。
今回は前回の予告からドモン回かと思いきや、レイホウの戦闘シーンで途中乱入して攻撃を弾いたりなど戦闘でもグリーンが格好いい所を見せ、本筋で焦点が集中しているわけでもないのに、随所でいい所を見せてメインを持っていって実はシオン回でした、という面白い構成。敵味方の罠の張りあいなども筋が通っていて、良い回でした。


◆CaseFile.16「そばにある夢」◆ (監督:坂本太郎 脚本:山口亮太
ある日のトゥモローリサーチ、他の4人が忙しく働いている事務所に寝ぼけて入ってきたパジャマ姿のドモンが、客に倒れ込むなどの大騒ぎで、沢山来ていた客が全て帰ってしまう。罰として、仕事を取ってくるまで帰ってくるな、と叩き出されるドモン。
「あの、頑張ってください」と笑顔で言いつつ、しっかり突き飛ばすシオンも、こっそりキレてる模様(笑)
……まあ、そもそもトゥモローリサーチは生活空間と事務所と応接室が一体化しすぎですが。
片隅のロッカーには、圧縮冷凍された怪人が山盛りだったりしますし。
色々と危険。
ビラ配りで歩き回って疲れて入った不味い蕎麦屋で、仲間に裏切られて心を傷つけられた者として、店主・菅原と意気投合したドモンは、菅原の蕎麦屋を美味しくしたいとトゥモローリサーチに戻って仲間に菅原の蕎麦を食べさせるが、なぜかアヤセに「蕎麦に必要な4タテがない。それをわからないものに蕎麦を打つ資格はない」と、滅多切りにされる。
落ち込む菅原を励まし、共に究極の蕎麦を作る為に頑張ろう、と脱線したまま暴走するドモン。
こうして二人の、究極の蕎麦を目指す戦いが始まった……!
というわけで、閑話休題のギャグ回。
シリアス成分の多い今作の雰囲気で、どこまでギャグ回を出来るか、を試したような1本。
蕎麦について熱く語り出すアヤセとか、最初から最後まで、説明なし(笑)
敢えて解釈をするなら、実家が蕎麦屋、とか有りそうですが。
ドモンがトゥモローリサーチを離れて菅原と共に各地の蕎麦屋を巡っている頃、ギエンは殺戮というディナーを運ぶ料理人、美食放火魔・ビンセントを解凍。ビンセントは飲食店に入っては出てきた食べ物に文句をつけ、火を噴いたり店主に暴行を加えるという、極めて迷惑な男であった(ただし、舌は確かな模様)。
見た目も行動も間抜けだが、その懲役、180年。おそらく常習犯なので、どんどん刑が重くなったのでしょう。しかし、データベースの罪状が「食い逃げ」となっていたのですが、放火や障害の方ではないのか……。
一度はビンセントを追い詰めたタイムレンジャーだったが、ドモン不在の為に合体攻撃が出来ず、取り逃がしてしまう。蕎麦屋を訪れたアヤセは、ドモンに「こんな事をしている間に、街が大変な事になっている。おまえはタイムレンジャー失格だ」と言い放つが、ドモンが蕎麦作りを“こんな事”と言われたり前段の感情的なもつれがあった上で、それと知らずにアヤセのタブーワードである「夢」を口にしてしまったりと話はこじれ、物別れに終わる。
この後、「ドモンさん、タイムレンジャーを辞めてしまうんでしょうか」と4人の方は少し深刻な感じが出て、“仲間の絆”というテーマ的な要素も入るのですが、そもそもの発端が、全面的にドモンが悪い(朝寝坊した上に寝ぼけて仕事を台無し)為、ドモン側のこじれに全く共感できない、というのは残念だった所。ここでドモンの言い分にもある程度の理があれば、ギャグ回なりに物語の腰がしっかりと入りましたし、脚本としてはそこを目指していたようなのですが、巧くいきませんでした。
最後、燃やされた菅原さんの店の仇討ちに、アヤセがタックに用意させた蕎麦粉を受け取ったドモンが、ビンセントに屋台で勝負を挑むくだりはまあギャグ回という事で良いとして、調理中はブレスレット外せドモン、とだけは言いたい。
あと、ギャグ回でアヤセがちょっと丸くなるのは、あまりやってほしくなかったかなぁ。
「夢」というワード絡みで……という感じに書きたかったのは何となくわかるのですが、その辺りの細かい仕掛けは、概ね失敗。素直にギャグだけにしておいた方が、かえって良かったとは思います。
次回、予告ではぐっと真面目な感じにタツヤ回。
ここまで意外と、ユウリさん回が無いなぁ……前回は珍しくユウリさんが反省したので、人間的変化が描かれたという意味では、半分ユウリさん回と捉えるのもアリかとは思いますが。