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『特警ウィンスペクター』感想16

◆第27話「星を呼ぶ百歳美女」◆ (監督:小西通雄 脚本:鷺山京子)
気のせいかもしれませんが、竜馬さん、少し、髪さっぱりした?
笛の音にひかれて家を出ていった子供が、謎の女に誘拐されていく事件が4件連続で発生し、困り切った六角が特警本部へと駆け込んでくる。この尋常ならざる事件に協力して当たる事になったウィンスペクター。誘拐された4人が全て1990年8月5日生まれだった事に気付いて更に調べると、なんと4人の生まれた病院が半径3キロの円内に集中している事が判明。警察は、その条件に該当する最後の一人を全力で警護する事となる。
一方その頃、地球にミジー彗星が再接近していた。
地球上にないミジウムという物質によって構成されるこの彗星は、強力な電磁波をまとっており、その接近にともなって各地で電磁場の乱れが報告されていた。更に、仮にミジウムを入手する事が出来れば強力な電磁場を発生させる事が可能となり、各国の研究機関が隕石落下の可能性を虎視眈々と狙っているという。
……特警本部の電話が故障するレベルの状況で、バイクルとウォルター、普通に動けるのか?(^^;
最後の一人を警護する警察だが、謎の笛の音が響き渡るとともに、警官隊は昏倒。リビングで誘拐犯を待ち受けていた六角と竜馬も思うように体を動かせなくなり、みすみす少年を誘拐されてしまう。
マドックスの生体データ管理により、笛の音により一種の催眠状態にある事が判明した竜馬。「はやく催眠術を解くんだ!」という本部からの正木の無責任な発言を受け、必死に外のパトカーに辿り着くと、パトカーから出る謎電波で催眠術を解消、少年をさらっていった女の車を追跡する。
KKKみたいなの出てきた!
謎の覆面集団に待ち伏せを受けるも、これを撃退する竜馬。再び女が笛を吹こうとするが、必殺の笛狙撃。
催眠術を防ぐが、今度は女が謎の光線を放つ
女の名はカルラ(演:高畑淳子)。
彼女は、ある目的の為に「乙女座の輝きが最も強く当たる場所に生まれた子供達」を誘拐していたのであった。
「おまえは見る事はあるまい。この偉大なるカルラが、腐った人間どもを滅ぼし、選ばれし者達の偉大なる帝国を築く日を」
なんだか大変な事になってきた。
爆発まで起きる謎念動ビームを浴びた竜馬は吹き飛び、倒れ、子供はさらわれてしまう。
負傷を押して、特警本部に姿を見せる竜馬。
「本部長、あの力は?!」
中国武術の、“気”、のようなものだ」
わざわざ竜馬から離れて、“気”のジェスチャーをする正木。
ついさっきまで、カルラは超能力者、って言っていたのに。
そして現場に残された笛に刻まれた紋章から、謎の女カルラが秘密結社Qに関わりがある事が判明する。恐らくその正体は、謎に包まれていた秘密結社Qの総帥!
更に笛に残っていた指紋を検索したところ、1929年に殺人容疑で指名手配されていた女・深野ミユキのものだという事が判明する。だが彼女は当時35歳。生きていれば100歳以上になるが、カルラは若さと美貌を保っていた。果たして、カルラとは何者なのか……?
一方その頃、秘密結社Q。炎の灯る怪しげな空間、覆面の構成員達の前に空から降りてくるカルラ。
「愚かで醜い虫けらにも劣る者どもは、滅びなくてはならん」
カルラの計画は、選ばれた子供達の力を用いて、秘儀によりミジー彗星を呼び寄せ、その隕石を入手。大量のミジウムを手に入れて電磁バリアーを開発。その上で全面核戦争を誘発させ、自分たちの支配下にある都市だけをバリアーによって生き残らせる事で、選ばれた者達だけによる世界を作り上げようという、恐ろしいものだった!!
スタッフ、ノリノリです
頻繁にこんな事をやられたら世界観ガタガタで興ざめもいい所ですが、27話にしてこの話を持ってくる事で突き抜けたトンデモ展開として成立し、ここまでとのギャップが、なんかやたらに楽しい(笑)
その頃、竜馬達は深野ミユキの正体を探るべく、70年前の殺人事件の関係者を探して深い山へと分け入っていた。だが彼の元には、既にQからの刺客が放たれていた。
山中で、KKKと戦う変な老人。
彼もまた気の力を扱い、竜馬達が助ける必要もなく、Qの構成員を撃破してのける。
70年前に殺された教祖の弟だか高弟だかである老人から、ミユキ=カルラの目的は、教団に伝わっていた秘儀により、彗星を呼ぶ事、その為に彼女は、宇宙に向けて強力な電磁波を送れる施設を利用するだろう、という事を教わる竜馬。
早速、国内の電波施設を検証した所、国際通信基地の様子がおかしい事が判明し、竜馬は現場へと急行する。
竜馬達の動きより一足早く、国際通信基地を占拠した秘密結社Qとカルラは、5人の子供達によって念動力を増幅、更にそれを基地のパラボラに乗せる事で宇宙に気のパワーを送り、ミジー彗星を引き寄せるとともに、損傷を与える。
周辺地域に落下し、被害を発生させる隕石。
制止に突入する竜馬だが、カルラの念動力にまたも阻まれる。このままでは、巨大な隕石が落下して近くの街が大被害を受けてしまう! その時、通信基地の壁をぶちやぶって駆けつける仲間達。隙をついて竜馬はファイヤーへと着化。儀式の水晶を破壊し、子供達を救い出す事で、カルラの計画は水泡へと帰す。
「命を無駄にするな、誰であろうと、命の尊さは代わらないんだ!」
「黙れ!」
カルラを諭そうとする竜馬だが、70年間、この日の為に修行を続けてきたと言う彼女の妄執はもはや止められない。念動攻撃に危機に陥るファイヤー。クラステクターの着化タイムリミットも迫る!(どうやら、基本限度5分は改善されていない模様)
その時、竜馬の脳裏に思い浮かぶ、老人の言葉。
“逆らえば弾かれる 全てを受け入れる事”
ファイヤー、ノーガード戦法で、念動攻撃を回避。
「その力を、なぜ、正しい事に使えなかったんだ! 抵抗をやめて、ここを脱出するんだ!」
カルラの超能力を無効化したファイヤーは投降を呼びかけるが、彼女は聞く耳を持たない。やがて力の使いすぎからか年齢にふさわしい老婆と化していったカルラは、助けようと手をさしのべるファイヤーの努力も虚しく、大爆発する研究所の爆炎の中に呑み込まれていく……。
小西監督の少し古いラインの演出が、トンデモ話とマッチして、予想外に面白いエピソードとなりました。
トンデモはトンデモなんですが。
いい変化球。
こんな事ばかりやられると困りますが、1回限りの裏技みたいな感じ。
そう思うと、こちらも割り切って楽しめる(笑)
念動攻撃を回避する為に、なぜか合掌するファイアーの絵は凄く間抜けでしたけど。