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『未来戦隊タイムレンジャー』感想24

◆CaseFile.41「予言者を暴け」◆ (監督:諸田敏 脚本:小林靖子
前回、ドルネロの落とし前により、幼児化したギエンは、アジトでしゃぼん玉で遊んでいた。
「ドルネロ、どこ行っちゃったのかなぁ。お金数えられるようになれば、戻ってくるかなぁ」
ドルネロは新居のビルで、金勘定しながら、ゼニットに命令。
「時々はギエンの様子見に行ってこいよ」
ソファで爪を磨くリラは「全くギエンには甘いんだから」と不満顔だが、「おめえにも、そうとう甘いつもりだがなぁ」と、ドルネロが札束を放り投げると、
「ドルネロのそういうところだーい好き。お金のある限りついていくわ」
と満面の笑顔で買い物へ出かけていく。
「ああ。俺もおめえのそういう所、好きだぜ」
渋い、渋いなぁ、ドルネロ様。
その頃、トゥモローリサーチはいつものビル掃除。事前の事務所のシーンでは、仲間がアヤセを気遣い、それをアヤセが素直に受け入れる、と前回のシーンを受けて進化が。
そしてドモンが、ホナミに「30世紀の事を話した」と突然カミングアウト。もう完全に、頭の中がお花畑で、何を話してものろけ状態
そんなドモンは
タツヤ、ユウリ、おまえらもこの際、はっきりした方がいいぞ」
と煽り、
タツヤさんとユウリさんて、そうだったんですか?」
とシオンが 無邪気を装って つつく。
いやもう、シオンの言動と行動は全て信用できません!(おぃ)
アヤセは生暖かい笑顔。
そこへ外を通りがかった、怪しげな宗教団体。彼等が疑いの目を向ける群衆の前でやってみせた念動力を見て、「30世紀の宇宙人なら驚く事ではない……ロンダーズ?」と警戒する面々。そこへ、ビルの持ち主からの苦情を受けた、と彼等を散らしにやってくるシティ・ガーディアンズ
ロンダーズがらみでなくても、契約先から要請があれば、普通の警備会社的な事もやりにくるのか滝沢。
黒いバン2台でやってくるなど普通……というには、威圧的すぎますが(笑)
タックの調査で、「白王」と名乗る教祖に率いられ、2001年に世界が滅びる、と予言して信者を集めている新興宗教団体である事が判明。30世紀に似たような詐欺を行ったストラウスという囚人が検索には引っかかるが、いつの時代にもよくある話なので、現代人のトリックという事もありうる……と、「リーダー」(浅見父が4人をスカウトしに来た時のネタ)ドモンの命令で、タツヤとユウリが潜入捜査をする事になる。
相変わらず、情熱的に小ネタを拾いにくる脚本です。
小林靖子は、主要なエピソードは当然として、シリーズ構成作品において非常に多くの脚本を手がける脚本家なので、この辺りのフォローは実に細かい。やりすぎて、結果的に他の脚本家が書きにくくなったりする場合もあり、長所ばかりではないのですが。
先程のドモンの煽りもあり、妙にお互いを意識してぎこちなくなるタツヤとユウリ。
羞恥と困惑が一周した結果、とりあえずタツヤをなじる事にしたユウリ。
ユウリ「仕事を利用されたら迷惑だわ」
なにぶん恋愛スキル 小学生 中学生レベルなので、売り言葉に買い言葉で返すタツヤ。
タツヤ「自意識過剰。こっちこそ迷惑」
ドモンのお節介で、二人は典型的な妙なこじれ方に。
ちぐはぐなまま「白王の城」に潜入捜査した二人だが、女性信者にべたべたされているタツヤにカチンときたユウリは副教祖らしき男を追い、白王が実在しない張りぼてである事を知るも捕まってしまう。タツヤは謎の時限式罠を発動させるもギリギリで気付いてユウリを助け、逃げ出す二人。
「いいかげん一人で動こうとするのやめろよ」
「そんなつもりはなかったわ!」
逃げながら痴話喧嘩をする二人。
「そんなに俺が頼りないか? そんなに俺に頼りたくないわけ?」
「そんな事ないわ!」
――振り返るタツヤ。
「頼りに思ってるわよ。タツヤに助けてほしいって……いつも。さっきだって!」
「だったらもっとちゃんと言えよ……俺だって、助けたいと思ってるんだからさ」
タツヤはどうもやっぱり、ナチュラルに亭主関白希望な感じがしてならない。
逃亡中な事を忘れて、螺旋階段でいい雰囲気になる二人だが、頭上に迫る副教祖。
……を階下から射撃する滝沢。
白王の組織を「やばそうな集団だと思って」マークしていた滝沢は、タツヤ達の起こした騒ぎに乗じて中へ潜入していたのだった。
副教祖の変身を解き、正体を現す予言者ストラウス。
作劇上、地球人体の姿が長かったストラウスですが、割とデザイン格好良くて、ちょっと勿体なかった気が。
念動力と剣を駆使してなかなかの戦闘力を見せるストラウスだが、駆けつけた仲間の銃撃、タツヤとユウリの連携攻撃を受け、自ら巨大化。
ロボット戦、念動力でレックスを振り回してタイムロボに叩きつけるシーンは、パノラマで大迫力でした。
その後あっさりやられてしまいましたが(^^;

「だから、俺は本当にに気付かなかったんだって!」
「女性に手を握ってもらってね。まだまだ仕事への集中力が足りない証拠だわ」
「そうじゃないって」
「なによ、でれでれしちゃって!」
「でれでれなんかしてないよ」

教団のビルを、またも痴話喧嘩しながら後にする二人。
その姿を少し離れて見守る3人。

シオン「なんか、ドモンさんの作戦、裏目に出てませんか」
ドモン「こんな筈じゃなかったなんだけどなぁ」
アヤセ「ま、あんなもんだろ」

まあ、ユウリさんがナチュラルに痴話喧嘩する段階で、物凄く発展したと言っていいでしょう。その辺り、煽った筈のドモンが首をひねっていて、むしろアヤセがわかっている辺りでクスリとさせるのが、今作のキャラクターバランスの描き方の巧さ。
しかしユウリさんは、もうちょっと早くから可愛くしても良かったかなぁ……「過去の弱みをタツヤに見せる」と「ストーカー話」の間に、もう一本ぐらい、ユウリさん可愛い話をねじ込んでおいても良かったかも。まあ、変に途中から赤桃がいちゃいちゃし出すと鬱陶しいので、タイミング的には引っ張らないといけなかったのでしょうが。
全体の雰囲気こそ軽い感じで展開したものの、アヤセと仲間達、タツヤ×ユウリ、ドモン×ホナミ、ロンダーズの幹部達、それぞれの人間模様を随所に挟み込んで、要素たっぷりの回。
で、次回、なんか白い人が来る?!


◆CaseFile.42「破壊の堕天使」◆ (監督:諸田敏 脚本:小林靖子
ロンダーズのアジトに侵入した謎の男(シルエットで顔は見えない)がプラグを引き抜き、正気を取り戻したギエンは、アジトから姿を消す。その事を知ったドルネロは覚悟を決め、タイムレンジャーに時空通信を送ると、ギエンを制御するプラグのデータを送信する。
リラの抗議に、窓の外へ視線をやるドルネロ。
「奴はあんなじゃなかった……」
2990年――敵対ファミリーに追われ負傷したドルネロは、素朴で無垢な青年・ギエン(人間)と出会い、匿われる。教育を受けた事がないギエンは満足に数も数えられず周囲の人々に殴られるなどの日々を送っていたが、自分を殴りもせず馬鹿にもしないドルネロを慕うようになる。
「おお、学校なんか行かなくても充分頭いいじゃねえか。人間、金を数えられる知恵さえありゃあ充分だ」
「そうかなぁ。でも、3から上はちょっと苦手なんだ」
−−−
「1、2、3……7?」
「惜しいな……4だ」
前回冒頭、シャボン玉を数えて「1、2、3……7」というのは、伏線だったのか。
そんなある日、ドルネロの行方をさぐるマフィアにからまれたギエンは重傷を負い、その命を救う為、闇医者にギエンを生体改造(脳移植?)させるドルネロ。強力な電子頭脳と黄金に輝くマシンのボディを手に入れたギエン……
「ドルネロ、見てよ、凄いでしょ。嬉しいなぁ。頭の中もすっきりしてるよ」
「そうかい、良かったなぁ」
「ひゃはははは」
「ん?」
「全ては私の思うままになる。私より賢いものがいるか? そうだな、ドルネロ。ひゃははははは
この時から少しずつ、彼の中に狂気は芽生えつつあった。
「ありゃあ、俺の失敗だったかもしれねぇな」
「え? なんか言った?」
「いや。……リラ、おまえは昔とちっとも変わらねえなぁ」
「とーぜんじゃない。贅沢に昔も今もないわよぉ」
遂に明かされる、ドルネロとギエンの関係。
まさかの、ギエンは元人間(地球人)。
また、謎のプラグは、ギエンの電子頭脳を停止させるキーであった事が判明。
いやこんなに、渋いドラマが背景にあるとは思いませんでした。
基本の筋立て自体はベタなのですけど、悪の大ボスが気まぐれで見せた優しさなのではなくて、ドルネロのファミリー的な組織のボスという積み重ねがあった上で展開して、情とビジネスと後悔の間で揺れる部分を描いている所が渋い。
最終的にどう帰着するかはわかりませんが、ドルネロ様が格好いいのは、こういったエピソードが単純な友情話などに落とし込まれるのではなく、あくまで、義理人情と利害関係が、渾然一体となっている事。わかっていても簡単にどちらか片方にしがちなのですが、そこで安易にしなかった事で、“大人の”キャラとして仕上がっている。
また、欲望に純粋に忠実で全く変わらないキャラとしてリラを置く事で、ファミリー内でうまく対比されているのもお見事。
あくまでリラをちょっとお馬鹿より(知性レベル、という意味では、そうとう賢い筈ですが)のキャラクターとして貫いてきた事が、ここに来て効果的になってきました。
ヘルズゲート囚・ハーバルを解凍したギエンは浅見グループの第三総合研究所を襲撃し、クライマックス幕開けの合図であるかのように、殺戮の舞台となる第三総合研究所。
タックが傍受した通信によって出撃するタイムレンジャー。事務所で準備していたクリスマスツリーがひっっかって倒れるが、誰も振り返る者はない。
ギエンと相まみえたタイムレンジャーは、ドルネロからの情報を元にシオンが作成した、電子頭脳の解除キーを突きつける。それを見て、ドルネロが自分を切り捨てた事を理解するギエン。
「そうか……ついに私を見限ったかドルネロ。それも、仕方あるまい」
切り札持ってるの、わざわざ見せるな(笑)
ギエンの戦闘力に苦戦するタイムレンジャーだが、何とか取り押さえ、キーをはめようとする。だがその時、物陰から一閃した銃撃がキーを破壊。ギエンはタイムレンジャーをふりほどき、ゼニットが研究所から入手してきた大量のラムダ2000を手に、姿を消す。ハーバルはタイムファイヤーが撃破するが、襲撃の中で浅見父が重傷を負い、病院で緊急手術を受ける事に。
そして銃を構えたまま姿を現す一人の男。
その男は――タイムレンジャー隊長・リュウ
自分と瓜二つの男の登場にタツヤは衝撃を受ける。
果たしてリュウヤは何の為に現代へやってきたのか?
ギエンの確保を阻止した理由は?
ギエンの残した「どうやら本当らしいな。私は歴史に必要とされている。誰も手出しはできない」という言葉の意味は?
大量のラムダ2000は何に使われるのか?
浅見父の命は?
ドルネロはこの局面でどう動くのか?
様々な思いと謎が交錯する中、タックが再び、時空パルスの異常発生を確認していた……!
という所で、引きまくって続く。
まあ、どう見ても、ギエンを解放したのはリュウヤですが。
序盤から何かと思わせぶりに怪しげだったリュウヤが、更に怪しくなっていよいよ現代へ登場。まさかのラスボスの雰囲気さえ漂わせてきましたが、最初から全てシオンとグルで暗躍していたと言われても信じます(笑)
このあと多分、タイムロボターが壮絶な伏線として機能するに違いない!(適当)
次回予告の時点で、ギエンのどこが「堕天使」なのだろうと思ったのですが、人間の頃がああだっから、今は堕天使なのですね、納得。
難を言えば、『タイムレンジャー』は、宇宙人なのかマシンボディなのか一見してわからない(スタッフも特に区別をつけてない節)ので、「ああ、ギエンはロボットだったのか」と、なってしまう所ですが(最初の方に明言していたかもしれないけど、覚えていない)、それでも人間(地球人)の頃の姿が出てきたのは、インパクト大。
ここに来て、純然たる悪役であったギエンの背景にもドラマが浮かび上がってきたのは面白い。
あと病院のシーンで、手術室の前の滝沢が、浅見グループの偉そうな人に「邪魔だ」みたいな感じで突き飛ばされたシーンを入れたのは、細かく上手い。あれを入れる事で、現場では大活躍で浅見父の覚えもいいけど、巨大な浅見グループの中では十把一絡げの存在にすぎない滝沢、そしてあくまでも、そういう現実の社会機構の中での力を手に入れたい滝沢、というのがしっかりと表現されました。
次回、まさかの主役リストラ?!