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『未来戦隊タイムレンジャー』感想28

◆CaseFile.49「千年を超えて」◆ (監督:坂本太郎 脚本:小林靖子
未来で眼を覚ました4人の前に姿を見せるリュウヤ。
「ようこそ。と言うべきだろうな。今は西暦3001年……おまえたちにとって新しい世紀だ」
4人がリラと共に過去へ出発してからちょうど1年……そしてこの3001年はGゾード破壊による歴史修正の影響により、細かい歴史が変化していた。
ユウリの家族暗殺は未遂に終わり、オシリス症候群は治療法が発見され、ドモンはグラップを永久追放ではなく1年間の出場停止処分……と、随分都合良く変わっている未来
ただしシオン、テメーは駄目だ
リュウヤいわく、「異星人なので、地球の歴史に影響されない」そうですが、歴史って惑星単位なの?! まあその辺りの時空に関するSF要素は作品固有の設定に基づいて何でも有りといえば有りなのですが、あまりに都合のいい変化・軟禁状態で確認できない、事を考えると、4人を大人しくさせる為にリュウヤがブラフかけたと考える方が妥当か。
どうせ確認できないのならシオンにも嘘ついていいのでは説もありますが、さすがに、ハバード星がまんま健在、というのは隊長も突っ込まれると思って年長者3人だけ丸め込めればいいと思ったとかかしら。
それにしても、ユウリの家族の命アヤセ本人の寿命と同列に扱われる、ドモンのグラップ
重い、重いなぁ……ドモンにとってのグラップ重いなぁ(笑)
その頃、タックさんはゴミ捨て場に
リュウヤの指示でサポートロボを処分した隊員達は「実は、歴史が変わっちまった、て噂もある」と談笑。
そしてリュウヤは、繋がりのない3000年の記憶を持つ4人への処置として「おまえたちの記憶を書き換える」事にするとし、「安心しろ。これまでよりもずっといい人生を送れる」とにこやか。
タツヤや滝沢がどうなったかについて食い下がるシオンだが、細かい事は気にするな、とあしらわれる。
「確かなのは大消滅が起きた事だけだ。ちょうど1000年前の明日……2月4日にな」
一方――2001年2月3日
ギエンは機器の不調から一時撤退し、タツヤは緊急避難所へ直人を運び込む。
避難所のベッドでタツヤから、かつてユウリが「力を追っているだけでその先が見えない」と評していた事を聞き、「力だけでは生きてはいけない」とアヤセに言われたと述懐する滝沢。
「おまえには見えているのか?」
「え?」
「俺が力を追っているなら、おまえは浅見という力から逃げているだけだ。逃げて、逃げてその先に何がある?」
滝沢の言葉に、我が身を振り返るタツヤ。
とここでついに、それぞれに自分の姿を映す、合わせ鏡の二人。
そこへ付近にゼニットが出現したと聞き、迎撃へ向かうタツヤ。
「生き方は変えられる筈だ。決めるのは自分自身なんだから。俺、変えるよ。生き残ったらね」
走り去るタツヤを見送りながら、吐血する滝沢。
(ああ、おまえは生き残って、きっとそうするんだろう。
その根拠がないくせに、確かな自信。
相変わらすおめでたくて馬鹿馬鹿しくて、
俺は昔からずっと……
力を追い続けた先か、もし生き残れるなら……)
そのまま気を失った滝沢が目を醒ますと、ベッド横に死を呼ぶ文鳥少女
カゴから逃げて戻ってこない文鳥を、窓の外に見つけた滝沢は、少女に代わり、文鳥を捕まえる為に負傷した体を引きずり外へ……文鳥をカゴに入れたその時、通りすがりのゼニットの射撃が一閃――血を吐きながら落下する。
戦いを終えたタツヤは避難所のベッドに直人が居ない事に気付き、外を探して倒れ伏す彼を発見する。
「浅見……おまえは変えてみせろ」
タツヤにVコマンダーを託し、滝沢は息絶える。
2001年2月3日、滝沢直人、死亡。
うーんまあ、あの状態で滝沢が外に出たのは、内蔵やられて長くねーなー的な自己診断があったのかとは思いますが、最初から最後まで、文鳥の使い方はあまり好みではない。
なんかもう一歩、滝沢にとっての文鳥に意味を持たせて欲しかったなぁ。
最初の時に、意味も前振りもなく、少女にあっさりとあげすぎなんですよね、文鳥
滝沢のキャラ付けとしての文鳥飼っている、は有りかとは思うのですが、だったらその回の内に子供にあげてしまうのはどうなのか、と。滝沢がシティ・ガーディアンズの中枢に食い込んでいこうとする転機の回で、文鳥を置いていく、という意味も多分込められているのですが、それだったら逆に、もう少し前から文鳥を出さないといけないし、その後の滝沢をもっと苛烈に描かなければいけないと思うのですが、滝沢自身にはそこまでの劇的な変化は無い。
終盤の滝沢周りがちょっと微妙な感じになったのは、おそらく物語上で意識した“権力の階段を昇る為に脇目も振らない滝沢像”よりも、演出上から窺える“なんだかんだでいい人な滝沢像”の方が強く出過ぎてしまった為かと思います。
人間的な(タイムレンジャーに対する)軟化と、社会生活における苛烈化、というのが巧く擦り合わなかった。
結果的に滝沢は、“悪人”ではない、しかし“愚か”であった、という所に、劇作上の因果応報としては落ち着きましたが、その辺りの補強としても、もう2シーンぐらい、シティ・ガーディアンズで嫌な感じな滝沢、を入れておいても良かったかとは思います。あとタツヤが浅見コンプレックスを抱えるに至った流れに対して、滝沢が今の生き方(強烈な上昇志向)にこだわるようになった背景、はありそうで結局描かれず、そこは性格とか性質ばかりでなく、何か背景(家庭環境など)がある形で描かれても良かったかな、とは。
滝沢本部長に、合掌。
明けて運命の2月4日。
右手にクロノチェンジャー、左手にVコマンダーを装着したタツヤは、ギエン麾下のゼニットの大軍団に立ち向かう。
「俺は最後まで戦う。来い、Vレックス!」
一方、3001年――
記憶処理の為にまずがシオンが連れ出されそうになるが……そのロボットをアヤセが打ち倒す。
「俺は、どんなにいい時代だろうと、このまま受け入れられない」
命のかかるアヤセを気にするドモンだが、
「俺の事は気にするな。おまえも、選びたい道を選べばいい」
と言われ、再起動したロボットにひと蹴り。
そしてユウリも、ロボットを打ち倒す。
タツヤや、タツヤ達の時代を犠牲になんて……違う、本当は理由なんてない。ただ、行かなきゃいられないの!」
珍しいノリの挿入歌(一瞬、YouTubeが狂ったのかと思った(笑))と共に駆け出す4人。
2001年で戦うタツヤ。
果たして5人の未来の、行く末や如何に――?!


◆CaseFile.50「無限の明日へ」◆ (監督:坂本太郎 脚本:小林靖子
「歴史に定められた破壊だ。今日、私は、神になる」
ネオクライシスで破壊の限りを尽くすギエン、それに立ち向かうブイレックス。
滝沢の殉職と、Vコマンダーを入手したタツヤが一人で戦っているという連絡を受ける浅見父。
「いや、止まるようなやつじゃない……あいつは……私の息子だからな」
3001年では、脱出をはかる4人が警備員に追われていた。タックと合流した4人は、タイムジェットとクロノチェンジャーを奪い、2001年に向かおうとする。タイムジェットの時間移動機能は限定的な為、ちょうど1000年前までにしか戻れない。また、4人の脳に擦り込まれた20世紀のデータもそろそろ消えてしまう為、2001年に居られる時間はごくわずかだ。だが4人は行く。自分たちが確かに生きた、20世紀という過去を救う為に!
タックと共に時間移動装置のコンソールを操作していたアヤセは、リュウヤと接触。「この時代に居れば、おまえは生き延びられるんだぞ?」と囁かれるが、それを拒否。
「おまえは生きていたいんじゃないのか!」
「ああ。ただし、自分が選んだ道でな」
「馬鹿な!」
もみ合いの末、鳴り響く銃声。
3人が駆けつけた時、血を吐いて倒れていたのは、リュウヤ隊長であった。そして大消滅に関わるデータをメインコンピュータから直接入手したタックは、真のブイレックスのパイロット=タイムファイヤーが、リュウヤであった事を知る!
死すべき運命だったのは、直人ではなくリュウヤだったのだ。
「6年前……Gゾードの時間移動実験失敗で、私は時空に呑み込まれ、二つの歴史を見てしまった」
一つは、ブイレックスとギエンによって大消滅が発生し、20世紀が消滅する“正しい歴史”。
もう一つは、Gゾードによってギエンが破壊され、結果として30世紀が消滅する“間違った歴史”。
「だが……そのどちらの歴史においても変わらない事があった。私がブイレックスのパイロットとして派遣され……死ぬ事だ。歴史を正しく修正して、30世紀を守る。だが、私の運命だけは変えなければならない」
そう、全ては、歴史を修正しつつ、自らの死を回避しようとするリュウヤの策謀だったのだ!!
リュウヤ「自分の死を知ったら……それを変えられる手段があったら、誰だってそうする。そうだろう?」
アヤセ「あんたも……明日を変えたくて」
リュウヤ「6年かかった……だが、結局は……同じ結末だった」
犯人はアヤセ
はまあさておき、ここで遂に、延々と怪しげ街道一直線だったリュウヤの真意が判明。
主人公と(結果的な)黒幕が、“同じ言葉を行動原理としていた”という、強烈に刺激的な展開
避けられない自分の死を知ってしまった男が、“明日を変えるため”に、他者の人生を踏みにじる事は許されるのか?
歴史はそれを“NO”と言った。
だが人は……人の身でそれを断罪できるのだろうか。
ここで、本質的に作劇における狡いネタである“不治の病”という、アヤセの病気の話が、作品全体を通す背骨の一つを成していた事が浮き上がるのは、お見事。
主人公サイドにアヤセのような境遇のキャラを置いて、繰り返しその話を持ち出す事で、最終盤のリュウヤの問いと行動、存在が重くなる。
キャラ付けと伏線とテーマが密接に組み合わさった、素晴らしい使い方でした。
そして、アヤセ、ヒロインレースで怒濤の差しきり
滝沢本部長の猛追を振り切った!
本当にどうしてアヤセはこんなにヒロイン度が高いのかといえば、メインテーマと最も関わっていた事が発覚したわけですが。
ところで前回を見た限りでは、リュウヤ隊長の語るやたらに都合のいい改変未来はふかし?と思っていたのですが、今回の隊長の様子を見る限り、本当だったのかもしれない。
「みんな……行くんだ。僕が手動で発射ボタンを押す」
リュウヤの死に様に、やるせない思いを抱える4人を促すタック。
「君たちの選択は間違っているかもしれない。でも僕は信じる。君たちが自分で選んだ明日を。そこでまた会おう」
タックは本当に格好良くなったなぁ。
サポートロボが終盤にこんなに格好良くなるとは。
台詞の“そこ”というのが実にいい。
一方、タイムロボターが結局あまり意味を持てなかったのは残念。玩具とか出ていたのかしら。
2001年、ゼニットの大軍団に囲まれて危機に陥るタツヤ。
その時――時空の裂け目から、現れるタイムジェット!
まさかのタイムジェット・ガンマ大活躍。
ネオクライシスを吹き飛ばしてしましました。
合流した5人は、大消滅の回避の為に、Vレックスに搭載されたラムダ2000をZ−3へと変換しようとする。DVディフェンダーによりラムダ2000を高温状態とし、Z−3へと変換。その力を用いたマックスバーニングで、ギエンとネオクライシスのラムダ2000を粒子レベルに分解するのだ!
避難中のホナミと出会い、抱きしめるドモン。
ホナミさんも、お騒がせキャラ→妄想キャラと来て、終盤しっかりヒロインしました。
「なんなんだ?! おまえたち誰だ?! 僕の邪魔をするなぁ!」
狂気の果てか? ネオクライシスとの接続による人工知能の限界か? 半ば記憶も知識も失いながら、立ち直ったネオクライシスと共に暴れ回るギエン。4人がタイムロボでネオクライシスを抑え込み、その間にタツヤがVレックスのラムダ2000をZ−3に変換。最後は分離・再合体キックからの合わせ技で、マックスバーニングが炸裂。
ネオクライシスは木っ端微塵となり、半壊状態のギエンは瓦礫の間で倒れながら譫言のように呟く。
「ドルネロ……どこ行っちゃったのぉ。ぼく、お金数えられるようになったよ…………1,2,かっ」
ギエンのボディは崩れ去り、消滅。
ギエンの最期はいいなぁ。
ドルネロ様の最期と合わせ技になって、ロンダーズ・ファミリーのファンとしては大満足。
悪役陣も最後まで、スタッフがちゃんと愛してくれました。
ラストバトルでは、まさかのガンマ大活躍に続き、最後の一蹴りをベータ、と非常に予想外な事になりました(笑) とどめを、滝沢の遺志を継ぐ形でタツヤ&Vレックスが付ける、というのもいい。
こうして21世紀は救われた……そしてそれは仲間達の帰還を意味していた。
時空の流れの中で、未来へ強制送還?されていく4人と最後の言葉をかわすタツヤ。
にこっと笑うだけとか、アヤセさんのヒロイン度はどこまでも高い
そして最後の最後で、タツヤ、ユウリに告白。
抱擁する二人。
「私たち、バラバラになるんじゃないわ。繋がった時間を生きている。タツヤが創る、明日の中に生きてるの。だから……」
時空の渦の中へ消えていくユウリ。
澄み渡る青空をタツヤは見上げる。
「ああ、わかってる。これは別れなんかじゃない」
ここは、いくらでもご都合に出来たと思いますが、ちゃんと別離させた、というのは素晴らしい所。
“生と死”、そしてその繋がりとしての“喪失と創造”という形で、物語が綺麗にまとまりました。今作は、色々な都合でつい適当になってしまう事がある“生と死”という部分を真っ正面からテーマとしたのは非常に面白かったと思います。
――そして1年後。
ドモン、子供しこんでたぁぁぁぁぁ


……や、これはまあ、“海賊版”で知ってはいましたが。
改めて見ると凄いなぁ。
この点に関しては、タツヤの中にドモンに対する根深い殺意が宿るような気がしてならない詳しくは聞かないで。
「オヤジ……いつか真っ正面から浅見を受け止められるようになるよ。オヤジとやり方は違うかもしれないけど、今は自分の力で直人の分まで生きる」
エンディングは、ランニングするタツヤが次々とユウリ達のそっくりさんと出会うシーンにモノローグ&スタッフロール。
ユウリ(OL風)、アヤセ(引っ越し屋)、ドモン(保父)、シオン(学生)、何故か滝沢(ペットショップ店員)。どうせなら、通りすがりのリラさん(釣師)とか居たらより嬉しかったのですが。そして最後までおいしい本部長。
父は、ランニング中のタツヤを車で追い抜くシーンで車中で登場。結局、個人的に期待していた浅見父子の直接対話は無かったですが、主にタツヤが直人に言われて自分を見つめ直し、父も息子の生き様をある程度認め、なんとなくお互いに歩み寄った模様。今のところの距離感がしっかりと演出されていて、素晴らしい。
「ユウリ、アヤセ、ドモン、シオン、おまえたちは千年先に居る。俺はそこへ向かっているんだ。辿り着くわけないけど、でも……! おまえたちと確実に繋がっている。俺がこれから創る、明日っていう時間の中で」
人の動きから見るに時間帯は午後っぽいのですが、午後〜夕方より前の時間に街中をジャージで走りながら飛び回し蹴りとかする男は、警察に通報されて未来が繋がらなくなるかもしれないから、気を付けろ、タツヤ。
そして明日は、無限の未来へと繋がっていく……
for the unlimited future...


よく出来たシリーズでした。
面白かった。
特に敵も味方もキャラクターの立て方が秀逸で、かなり早い段階で一定のキャラクター性を成立させ、現代人−未来人の関係を軸に、終始タツヤ中心に物語を進めていった手法はお見事。
また、敵サイドの目的を“金儲け”とする事で、終盤まで敵味方のパワーバランスを取り、そこで敵サイドの内紛以上に、リュウヤの暗躍が物語を動かす、という構成もお見事。
意欲的に取り込んだ様々な要素が巧く噛み合って、見応えのある作品でした。
不満としては、Gゾードにしろネオクライシスにしろ、終盤のラスボス的な敵キャラが、ちっとも格好良くなかった事。最終盤に至っても、バトルよりもドラマのウェイトが重い作品ではありましたが、やはりクライマックスの敵キャラにはそれにふさわしいインパクトが欲しかった所で、その点、双方ともに格好いいともインパクトがあるとも言い難かったのは、残念でした。
好きなキャラは、ドルネロ様にギエンに、アヤセさんに滝沢本部長。他の面々も嫌いではないというか、思い入れは強くなくても語る所があるのが、今作の良い所であります。敢えて一番苦手なキャラを挙げるとすれば、主役、という気はしますが(笑)
最終的なまとめは、また後日予定。