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『世界忍者戦ジライヤ』感想8

◆第11話「怒りの闘破・真っ向両断!!」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:高久進
緑龍とチャン・カンフーの息子(以下:「の息子」)の攻撃を受け、大ピンチに陥るジライヤ、何故か流れ出したEDテーマをバックに袋叩きに。
まさに、番組完結の危機?!
その時、麗破と突破が救援に現れるが、3対2でも実力差は歴然で、役に立たない二人。
「無明の闇の世界へおくってやる」
とか、台詞の格好いい、「の息子」。
いよいよ追い詰められたその時、麗破がバイザーを持ち上げると、目からビーム。磁光真空剣に反射したビームが大爆発を引き起こして緑龍と「の息子」は退却するが、麗破が意識を失って倒れてしまう。
切り裂かれたスーツを手に道場へ戻ってきた闘破に、慢心を問う哲山。
「武芸に秀でたものは、素手でも相手を倒せる。武器はあくまでも手段であって、武芸の究極の道ではない。如何に名刀があろうとも、使い手の心に隙間風が吹いていれば、その刀は、単なる棒きれにすぎんのだ」
闘破の傷の具合を見た哲山は、道場をケイと学に任せると、二人で麗破のもとへと向かう。どうやら哲山、医術の心得もある模様。
その頃、緑龍・「の息子」・毒斎様の3人は、東京タワーを観光していた。麗破の、目からビーム、を「俺達の知らない忍法だ」と語り合う3人。
どうやら宇宙忍法のようですが。
緑龍と「の息子」がジライヤ達を追い詰めにかかる一方、ボードを手に入れるべく、妖魔一族は手薄な道場を狙う。が、クロ(犬)とシロ(鳩)に勘付かれて既に待ち伏せ状態(^^; 次々と襲いかかる罠に、紅牙、烈牙、カラス天狗、撤退(笑)
というかカラス天狗1匹、落とし穴で死んだ。
妖魔一族の株価はともかく、ここは年少組が悪党を撃退&忍者道場は仕掛けが一杯、となかなかワクワクするシーン。
紅牙と烈牙は、救済の余地が無くなりつつありますが(笑)
一方、麗破を見舞った哲山は、スーツを手に、いずこかへと向かう。
タクシー乗ったりバスに乗ったりタクシー乗ったり……は、尾行を警戒している演出?
訪れたのは、一軒の隠れ家。そして天井から現れる一人の男。
天井から、しゅたっ、という感じで白衣姿の白人が現れる、という映像は面白すぎました。
彼の名は、スミス(どうやら、哲山の弟子筋らしい)。
自分の研究を軍事利用されたくないと、スター・ウォーズ計画(SDI)」に反対して亡命中の科学者であり、山地哲山が「日本に亡命するお手伝い」をしていたのであった。
………………アメリカ人の科学者を、日本に亡命させたのですか父さん……。
事実なら国際問題まっしぐらすぎるので、公式な「政治的亡命」ではなく、「身を隠して逃亡」レベルかとは思いますが。
やけに警戒していると思ったら、相手は妖魔一族ではなくてCIAとか海外の諜報機関でしたか。
そんなスミス博士が研究しているのは、北極の氷河から発見された隕石であり、なんとジライヤスーツと磁光真空剣はその隕石に似た物質で出来ていた。博士は依頼を受けて作成していた、隕石から取りだした物質で作り出したジライヤスーツのプロテクターを哲山に託す。
母国に居られなくなった博士を亡命という名目で 閉じこめて 匿って、戦力強化の実験をさせているとか、
山地哲山、えげつない。
どこまでも、えげつない。
父がスミスと接触している頃、「宇宙……宇宙って……広い、宇宙……」と麗破の謎の譫言を聞いていた闘破は、不思議と懐かしい想いにとらわれていた。そんな中、麗破の隠れ家へ迫る妖魔一族。自分を救う為に全てのエネルギーを放出した麗破を守るべく、彼女を突破に任せ、闘破は命がけの囮を買って出る。
ジライヤスーツ抜きで、生身で緑龍、「の息子」と戦う闘破。刀を振り回す相手を竹藪に誘い込んだり、不意を付いて膝の裏を潰しにいったり、ラーメン忍術とか変わり身の術などの奇想天外な忍術アクションの合間に、リアル指向の戦術が適度に混ざっているという殺陣は実に面白い。
そして哲山が現れ、修理されたジライヤスーツと強化プロテクターを装着する闘破。肩アーマーと喉輪、アイガードが追加され、ぐっとヒーローらしいデザインになりました。
パワーアップしたジライヤは、緑龍と「の息子」を二人まとめて、ずんばらりん。
前回から散々苦労した二人を、圧倒的に蹴散らす事で、パワーアップを象徴的に見せました。
基本、装甲値が上がったのと、突撃精神が身に付いただけですが。
防御力、大事。
「の息子」はこう、憎しみの連鎖をどうするのか、とか多少はあるのかと思ったのですが、パワーアップ展開でそれどころでなかった事もあり、ざっくり殺してしまいました。
まあ、一族郎党皆殺しにすれば、復讐される心配もないですしね!
そして緑龍は、変な幻術に頼らず、酔拳で戦った方が強かった(^^;


◆第12話「折鶴のペンダントは愛の誓い」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:藤井邦夫)
前回に引き続き、男所帯で看病されて寝たきりの麗破さんが可哀想すぎるので、早くケイちゃんを派遣してあげて下さい。
変に悲壮感漂う男二人は、パジャマに着替えさせたのがどちらか告白して土下座するように。
そんな麗破を見舞った帰り道、道へ飛び出してきた少女を轢きかけた闘破は、襲撃してきた忍者を撃退したその父親と出会う。彼の名は、三村啓介。10年前、戸隠流に他流試合を挑むも、哲山に滅多打ちにされた紙忍一族の忍者であった。彼は近年、金を目当てに暗殺や犯罪に手を染め始めた紙忍一族を抜け、その為に抜け忍として一族から追われる身となっていた。三村の境遇に同情した山地一家は、彼と娘のカスミをかくまう事とする。
「海岸で自爆した下忍が……」とか
「娘のためにも、いつかは普通の暮らしを……」とか
忍者同士の会話が、ナチュラルに凄くシビア(笑)
その頃、札束を机の上に並べて楽しそうな毒斎様達のもとに、紙忍一族の抜け忍ハンター・折破(おるは)が姿を見せる。
ここは劇中屈指の忍術使い(である筈)の毒斎様と絡ませたり、折り紙を操りなかなかの凄腕を見せる折破の忍術披露シーン。
しかしこの人達、金次第で幾らでも情報を売る連中と思われているのだろうなぁ……(笑)
零細企業の上に戦闘力の微妙な妖魔一族が割と大きな顔をしているのは、都心部及び国際的な情報力の高さが理由ではないかと思われます。あと多分、本気を出したら毒斎様が凄く強い。多分強いと思う。強いんじゃないかな。まちょっと覚悟はしておけ。
建設現場で働きだした三村、闘破と一緒にお弁当を届ける娘カスミ、周辺を警戒する学、折破の話で興味を持ったのか、その様子を見張る烈牙(この情報収集能力!)。
烈牙は三村の所在情報を折破に100万で売りつけるが、幻術による紙のお札で騙される(笑)
単独行動っぽいので、会社に入れるというよりは小遣い稼ぎのようですが、烈牙さんは2クール保つかどうか不安になってくるレベルのチンピラっぷり。かつて、たった10話でここまで墜ちた敵幹部が居たでしょうか。……探すと居たかもしれないのが、怖い所ですが。あと根本的に、烈牙さんを「幹部」クラスで考えていいのかについては、物凄く悩みます。
折破vs三村&学。追い詰められる三村だが、そこへジライヤが駆け付ける。前回装着のプロテクターは無しで、どうやら、戦闘の本気度で使い分ける模様。戦闘のさなか、ジライヤは折破の刀の柄に、カスミの持っていたペンダントと同じ折り鶴の模様が刻まれている事に気付く。カスミの名前に動揺した折破に反撃を決めるが、そこへ現れたカスミが折破をかばい、折破は一時撤退。カスミのペンダントは折破からプレゼントされたものであり、二人は幼い頃から想いを通わせる仲だったのだ……。
切り紙で戦闘員を作り出すなど、折破は実力派の忍術使いである事が繰り返し描写されてアクションも格好いい、格好いいのですが、どうして、青いタイツオムツっぽい白い短パンですか。

「カスミ……こうなるのは紙忍一族として産まれ、掟に生きる俺とおまえの運命。俺は抜け忍を斬る!」

折破からの挑戦状を受けた三村は、娘と折破の関係に複雑な想いを抱きながらも、山地一家に娘の幸せを祈る置き手紙を残し、一人、決闘の場へと赴く。だがそこへ烈牙とカラス天狗が乱入し、大爆発で吹き飛ぶ折破。
「おのれ、烈牙……」
まあ、ああいう、ひたすら根深く根に持ちそうな人の恨みを買ってはいけない、という好例です。
闘破、ケイ、カスミが駆け付けるが時既に遅く、折破を逃がそうとして烈牙に斬られる三村。
怒りのジライヤの攻撃を受け、烈牙、海に蹴り落とされる(笑)
烈牙相手では、本気出す(プロテクター装着する)必要もありません。
そして恵美破が凄く自然にカラス天狗を斬った(笑)
娘達に見守られ、最期の言葉を残して息絶える三村。そこへ姿を見せる負傷した折破。

「これで貴様達の下さらない掟は守られたのか!」
「ジライヤ……」
「許さん、俺は許さん! 正統派忍者の名にかけて、悪の忍びの掟など叩きつぶす!」

ジライヤの名乗りの「正統」って、そういう事だったの……?(笑)
ちゃんちゃんばらばらの末、負傷の影響もあってかジライヤに破れる折破。
「負けた……斬れ」
「よし、斬ってやる!」
わざわざ、本気出して(プロテクター装着して)から斬る!
「磁光真空剣、斜め両断!」
ジライヤの必殺剣によって切り裂かれる折破の仮面。素顔をさらして呆然とする折破に、ジライヤは告げる。
「おまえの心は既に迷っていた。俺は、その迷う心を斬った」
ジライヤ、見事な大岡裁き
「抜け忍・三村啓介の最後の言葉を伝えよう」
あー、この前のシーンで、瀕死の三村さんがジライヤに何か言って、周囲がうんうん頷いているけど音声無し、というのは最後に持ってくるための演出だったのか。そのものがちょっとわかりくかったし、ジライヤが伝える、肝心の締めの台詞が長すぎて演出としてはうまくいかず。
一族の掟に縛られず、紙忍一族の幸せを祈りながら、幸せになってくれ、という三村の言葉に、折破は一族の掟よりも自分の心に忠実になる事を決意。三村の墓に折り鶴のペンダントを供えると、カスミと二人、いずこともなく去っていくのであった……。
忍者もののお約束ともいえる「抜け忍」を軸に、“忍者の人生”に焦点をあてたエピソード。そこに若い二人の恋愛を絡めるあたりが、サブタイトル(はプロデューサーなどが付ける場合もありますが)からはじまって、いかにも藤井邦夫脚本。
藤井さんはホント、こういう話好きだなぁ。
それにしても、現代社会に順応しつつも、やはりナチュラルにシビアです、忍者。
下忍の「自爆」など、忍者の縦社会ではよくある出来事なので、小学生同席の場で使っても全く構いません。
普通の暮らしなど、夢のまた夢なのです、NINJA!
ところで、闘破の車、前からフロントに変な紋様入ってましたっけ?
パワーアップ合わせ?
若干、暴走族っぽくなっているのですが(^^;
次回、なんだか色々と凄い事に。