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『五星戦隊ダイレンジャー』感想14

◆第27話「最終拳だだだッ」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:井上敏樹
壺道人に完膚なきまでに敗れ、リンを囚われてしまったダイレンジャー。道人を倒すために必要なのは、「ヤツには見えない拳」……すなわち、超スピードの拳。
「そのために亮、おまえの体に試練を与える」
道士カクは壺道人を破る拳法を伝授すべく、亮を使命する。
一方、殺人拳を極めんとする的場陣は、大林寺拳法最後の牙城、陳老師を襲撃、抹殺。
車椅子から飛び上がり、きりもみ回転する老人の図は非常に面白かったのですが、病み上がりの老人に奇襲を仕掛けて「敗れたり」とか言われても、それはどうなのか、的場陣(笑) まあ前回から一貫してターゲットには奇襲を仕掛けているので、「勝てば手段は問わない」主義のようですが、陣。
その光景を目撃した亜紀は陣に、これ以上罪を重ねずに昔のあなたに戻ってほしい、と懇願する。
“昔のあなた”は…………彼女の名前を叫びながら海岸を走ってしまうような人でした。
というか陣、師匠に殺されそうになったの、
お父さんの前で娘とイチャイチャしていたからじゃ……。
超スピードの拳を得るために修行する亮達だったが、再び壺道人の襲撃を受け、今度はテンマレンジャーが吸い込まれてしまう。からくも逃げ出す3人だが、それを楽しそうに見ているシャダムとガラ。
反抗的な態度を見せたザイドスは……ひとり一生懸命、森でお祈りをしていた。
「どこかに居る筈だ、妖魔のエネルギーに耐えられる男が。魔拳士になるにふさわしい男がぁ!」
失った左腕、鋼鉄の義手を目にしながら物思いにふける陣……拳法家養成ギブスを装着しながら修行に励む亮。くじけかける亮だったが、仲間の為に必死に耐える。
「耐えるのだ亮……その苦しみに耐え抜いた時、おまえは新しく生まれ変わる」
物陰から見守る道士は、星明子ポジション。
ギブスは道士カク(タチ悪い)が作ったのか、老道士グホン(タチ悪い)が作ったのか、少々気になります。
そして――みたび、陣と対峙する亮。
陣を破らずして超スピードの拳の完成はない……陣もまた、しつこく食い下がる亮を始末するべく、その拳に殺気を篭める。
「ヒョウガ流奥義・ジャシン疾風拳!」
再び迫る必殺の拳。だが、亮はそれを受け止めてみせる。弾ける筋肉、吹き飛ぶギブス、解放されるビューティマッスル。
上腕二頭筋に、ストレッチパワーが、溜まってきただろう!
「俺のスピードについてくるとは」
「ふんっ、見切ったぞ、貴様の拳法」
互角の戦いを見せる亮と陣。その時、陣を追っていた亜紀の声が二人の間に飛び込んでくる。
「やめて! 陣! お願いやめて!」
「亜紀……っ」
「隙あり!」
亮は陣が亜紀に気を取られた一瞬の隙を見逃さずに容赦なく飛び蹴りを仕掛け、体制を崩した所に渾身の正拳を炸裂させる。盛大に血を吹きながら海へと落ちる陣。
勝負としては間違っていない……気はするのですが、人間としてはどうなのだろう(笑)
凄い勢いで修行が端折られてしまいましたが、尺を考えるとここは仕方ないところか。せめて、修行の仕上げに陣を超えようと呼び出す、みたいな所は欲しかったところです。それがあれば流れも自然になったのですが、Bパート入ったら突然、海岸で待ち受けて決闘開始、になってしまったのは残念。
陣を撃破した亮は、壺道人の襲撃を受ける大五と知の元に駆けつけるが、その目の前で二人は壺の中に吸い込まれてしまう。
「許せん…俺の拳、受けてみろぉッッッ!」
「おまえのへなちょこ拳法など、儂には通じん!」
亮に炸裂する壺ビーム。
その爆炎が晴れた時、そこに立つのはリュウレンジャー!
ここで入る主題歌(歌詞入り)。
亮、かつてない格好良さ。
そしていきなり目潰しなのか、俺の拳。
修行と陣との対決を経た結果、殺人拳に寄ってませんか、亮?!
間髪入れず、目を潰されて苦しむ壺道人に叩き込まれる、天火星秘技・流星閃光!!
一呼吸の間に数百発の突きをただ一点に打ち込む必殺技の衝撃を吸収しきれず、遂に倒れる壺道人。仲間達は解放され、壺道人は巨大化。
その頃……なんとか砂浜に泳ぎ着いた陣は、そこでザイドスと出会っていた。
「馬鹿な……この俺が、この俺が負けるなんて」
「おまえの拳が敗れたのではない。おまえの心の甘さが一瞬の隙を生んだのだ。おまえは非情になりきれてない! 心を捨てろ! そして魔拳士となるのだ」
そこへ、陣を探してやってくる亜紀。ザイドスはにやりと笑って姿を隠し、亜紀は陣へと駆け寄り抱きしめる。
「もう戦わないで陣……お願い……帰ってきて……私の所に」
亜紀を抱きしめ返す陣……だが。
抱擁は一瞬。
陣の拳が、亜紀の腹に突き刺さる。
この間、駆け寄ってくる所からずっと、陣が亜紀を見ていない、というのは良い演出(演技)。
「それでいい……その非情さが、魔拳士の資格。受け取れいぃ、妖魔のエネルギーを! 今こそ最強の魔拳士の誕生だぁッ!」
テンション高いザイドスさんに対して、無表情な陣。その陣に、ザイドスの持つ黒水晶から放出された怨念のエネルギーが注ぎ込まれ、咆吼する陣の服装が変貌していく!
「立ち上がれ、最強の魔拳士よぉ!」
陣、世紀末救世主伝説な感じに、魔界転生
魔拳士モードは全身着ぐるみではなく、義手の凶悪化を中心に、奇抜な上着、の範疇。顔も特に派手なメイク無し。
「さあ来い! 俺とともに! 俺の手足となって戦うのだ!」
都合のよい戦力を手に入れたと大喜びするザイドスだが、蹴り飛ばされる(笑)
「失せろ! 何者も俺に命令することはできん」
陣の迫力にザイドスはすごすごと引き下がっていき、陣もまた、その場から姿を消す。
果たして魔界転生したその力は、一体いかなるものなのか……ッ?!
……えーなお、巨大壺道人は、陣の魔界転生の合間にあっさり斬殺されました。
大連王だから仕方が無い。
壺道人を撃破後、「そういえば思いっきり血を吹きながら海に落っことしちゃったけど、もしかしたらぷかぷか浮いてねぇかな、やべぇ」とでも思ったのか、仲間とともに海岸に戻ってきた亮は、そこで陣の手にしていたメダルを拾う。
ラストは、夕陽をバックに高笑いする陣のイメージ映像で幕。
亜紀の死体?を抱えて去って行くシーンでも入れるかと思いましたが、そこまではやりませんでした。故に、亜紀をどう処理したかは謎。描写としては流血表現を避けたので、殺したとも殺してないとも、という形で誤魔化し、仮死状態パターンとかの可能性も残した感じに。
亜紀に関しては、前回の振りと井上脚本という事で、どういう流れでどこまでやるか、という感じでしたが、亮に直接の原因は無いけれど全く関係が無いというわけでもない、という絶妙に嫌な所に落としてきました。この辺りは、さすが。
ところで穿ちすぎかもしれませんが、回想シーンや最後の台詞を見るに、亜紀は、“男を駄目にする女”っぽい(^^;
前回からちょっと気になっていたのですが、陣に対して「罪を償って」ではなく「罪を重ねないで」と言う所とか、恐らく意図的。
惚れた男が犯罪者でも匿っちゃて、自分が居れば立ち直れると思い込んでいるタイプ。
……まあ実際、自首を勧めるわけでも警察に通報するわけでもなく。
自分が「帰ってくる所」認定だし。
だから何かと言うと、脚本家は性格悪いよなぁ、という話なんですが(笑)
ようやく亮が一本立ちし、ライバルも登場したので、広瀬さん好きというのも含め、今後が楽しみです。全くゴーマの戦力強化に繋がっていないのが恐ろしいですが!


◆第28話「総登場だぎゃ!!」◆ (監督:小笠原猛 脚本:杉村升
ゴーマ15世、久々に出てきたと思ったら、ちんちろりん。
遅々として進まない日本侵略の援軍として、3事務員の下に、ゴーマ四天王を派遣する。
なお、ちんちろりんの出目は3・3・6で、親の総取り。
てっきり、ヒフミとか出すと思ったのですけど(笑)
まあ、演出なのか、完全にたまたまなのかは、ちょっとわからないですが。
その頃、和は5年前に家出同然に田舎から出てきた時、右も左もわからない東京で親身になってくれたおばあちゃんのラーメン屋台を手伝っていた。手伝う……というか完全に一人で屋台を引いてラーメン作っているのですが、マダムキラーの美容師であり、金を取れるラーメンを作れ、豆腐愛好家にして、素で麒麟拳を使い、興奮すると一人称が「ミー」になるとか、設定が増えれば増えるほど謎の人に。
そこに現れたのは、おばあちゃんのラーメンを愛好している亀夫。
「あんた知さんだがね」
「ち、違います! 他人のそら似です」
イメージを守りたいので、知人(特に4人の仲間)にはラーメン戦士である事を知られたくないらしい知、黙っているように亀夫を脅迫。
……はいいとして、そもそも、亀夫は生身知、見た事ありましたっけ? 生身を見た上で名前を聞いている可能性は限りなく低い気がするのですが(^^; この後のシーンで、知が亀夫に名前を聞くレベルですし。
知の過去を聞いた亀夫はすっかり盛り上がり、一緒に屋台を手伝うと言い出す。公園の噴水で丼を洗っている時に奇妙な石を拾う亀夫だが、突如、3事務員の襲撃を受ける。
「今日こそおまえの命はもらった!」
何故か突然、ダイレクトアタックを仕掛けてくる3事務員。前回、魔拳士を部下にし損ねたザイドスさんが加わっているのがどうにも、もの悲しい。
「こら、一人で逃げるつもりですか」
と亀夫を止める知。おばあちゃんの大事な屋台を守るように指示し、亀夫は拾った石を咄嗟に屋台に隠すと、屋台を引っ張って逃げる事に。
一般人だし逃がした方がいいのでは……と思ったのですが、知さんの優先順位が、
おばあちゃんの屋台 > 亀夫の命
なのは、とても納得です。
3事務員達を引き受け、仲間を呼ぼうとする知だったが、通信機が通じない。同じ頃、4人+コウもまた、托鉢僧姿のゴーマ四天王の攻撃を受けていた。
阿古丸の姿を目にし、走り出すコウと、追いかけるリン。
ナレーションで入るコウと阿古丸の因縁の説明。
「既に阿古丸は死に、母は行方不明のままであった」
阿古丸、ナレーションで死亡確定を宣告される(笑)
予告から予想されましたが、ここでひとまず、キャラクター総ざらえの模様。
二人を追った残りの面々も、次々に因縁のある人物達の幻影と遭遇し、それぞれナレーションで解説。
大五はクジャク、将児は3バカと出会い、亮は陣に襲われる。
「俺の新しい力を見せてやるぜ」
陣の魔拳士モードは初めて見る筈なのに、割と普通に受け入れる亮。
まあ、顔は変わってないですし、服装が少々はっちゃけたなぁ、ぐらいに捉えたのかもしれませんが。
それにしても各人、こう並べると改めて扱いの落差が激しい(^^;
やがて奇妙な空間に迷い込んだ4人&コウの前に姿を見せる、ゴーマ四天王。転身する4人と、物陰に隠れるだけで非常にお荷物感の強いコウ。これが“面白くなっていれば”いいのですが、ちっとも“面白くない”のが、コウの実に困ったところ。強敵ゴーマ四天王に苦戦する4人だったが、変な石を破壊して、ゴーマ異界を脱出する。
一方、亀夫を捕まえようとしたザイドスは、亀夫が拾った石から突然放たれた光によって吹き飛ばされる。その間に亀夫と合流した知だが、亀夫が常に連れている亀が逃亡中に行方不明になってしまい、慌てた亀夫が亀を探しに戻った所で、再び、3事務員の攻撃を受ける。
そこへ飛び出してくる4人+コウと、ゴーマ四天王。
ゴーマ四天王は円陣を組んで手を重ねると、「四天合体!」でやおら奇っ怪な怪人に合体変身、いきなり巨大化。
……どう考えても、自ら負けに行ったとしか思えません(笑)
ところで、四天王が円陣組んで合体、というと劇場版『ジャッカー電撃隊vsゴレンジャー』の四天王ロボ(参考:〔『秘密戦隊ゴレンジャー』感想:番外〕)を思い出すのですが、こっそりオマージュだったりしたのかなぁ。少し、古いですが。
コウも隠れて転身し、ウォンタイガー登場で、巨大四天王は瞬殺。
人間大時は互角だったのに、本当にどうして、巨大化してしまったのか……。
そしてイメージを守りたい和は、屋台を引いて慌てて逃げ出すのであった。
ナレーション「だが、これで事件が終わったわけではない」
倒れたと思われた四天王、再生。どうやら巨大化は、ダイレンジャーの戦力確認の為だった模様。
「そして亀夫にも、異変が起きようとしていた」
部屋に持ち帰った石が突然光りだし、消滅する亀夫。
「果たして亀夫に何が起きたのか。ダイレンジャーに、新たなる事態が起きようとしていた」
……うんまあ、亀夫、凄く、どうでもいいけど…………(おぃ)
コウにしろ亀夫にしろ、杉村さんは、短期間で感情移入できるようにキャラクターを描くのが苦手なのでしょうか(^^; じっくり描けるメイン5人ならともかく、サブキャラはある程度テンプレに乗せてでも、まず視聴者に感情移入する土台を作らないと、劇中で何が起きてもそもそも気にならない、という事になってしまいます。
極端な話、亀夫よりも、いっそ神風大将とかの方が気になるよなぁ、というレベル。
お祭り回という点も含めて、面白くなかったわけではないのですが、井上×渡辺の後に、杉村×小笠原は、密度が違いすぎて厳しい。まあこの辺り、テンポと情報量に関しては好みも出る所ではありますが。
あと、お馬鹿キャラというのは紙一重な所があって、一歩間違えるとギャグの範疇に収まらなくなってしまうわけですが、亀夫はちょっと境界線を越えてしまっていると思います。亀夫の職業を絵描き(の卵)にしている所で、言外に匂わせている感もあるのですが、加えて亀をポケットに入れて持ち歩いているというのは、生き物だけに、どうかと思うところ。
ここまで来ると脚本家だけの責任ではないとも思われますが、コウの時も“小学生だから”で済まされる一線を越えている感がありましたし、その辺りのバランスに関しては、引き続き心配になる所です。
で次回、ようやく、コウの正体ばれ?
とりあえずお母さん周りがスッキリしそうなので、何とかさっさとスッキリしてほしい。