◆第15話「銭湯(バス)ジャック・パニック」◆ (監督:石田秀範 脚本:米村正二 ダイアログ監修:小林靖子)
自転車泥棒を追いかけた良太郎、銭湯立てこもり犯に人質にされる。
コミカルさを強調する為の早回しなどを多用しているのですが、石田監督のこの手の演出は、どうも合わない。
良太郎から立てこもりを犯を通して人質になっている事を聞いた愛理は、「差し入れ作らなきゃ」と、木星辺りまで吹っ飛んだ反応を見せるが、天然とか泰然自若とか悠長とか通り越して、若干キ○ガイに振れてしまっているのは、前回の反動か。
良太郎に取り憑いて立てこもり犯を叩きのめそうとしたモモタロスは「イマジンと戦う時以外は取り憑くの禁止」令によりチャンプと取っ組みあいになるが、ホエールイマジンの気配を感じて、俺、参上。しかし犯人をしばこうとした所でデンライナーが銭湯に到着し、ハナ、参上。
ハナがM良太郎と入れ替わり、M良太郎はイマジン退治にデンライナーで外へと向かう。
どうやらデンライナーが到着して乗り込む為に“扉”を開いている間、一般人の体感時間は一時停止する模様で、立てこもり犯ともう一人の人質の男には、瞬間的に良太郎が消えてハナに変わったように見えている様子。
「余計な事は気にしないの。人質なら私がなってあげるから」
満面の笑みで立てこもり犯に迫るハナ。
人質! それはヒロイン力を爆発的にあげるという伝説のイベント! この千載一遇のチャンスを逃すわけにはいかない!
「なんだおまえ、どっからきた?」
「私じゃ不足だとでもいうの?」
チャンプ、犯人を怯えさせて、人質の座に居座る。
一方、釣り人を襲っていたホエールイマジンの元へ向かったM良太郎であったが、
「おーまえ……電王に……電王に……ばーけるー?」
「ばけるぅ? ばける……なける!」
無残にキンタロスに吹っ飛ばされ、Mさん(バブル崩壊)に、今日もまた見せ場は来ないのであった。
変なテーマ曲で土俵入りするK良太郎/アックス電王。
……これは、Kバージョンの「double action」?
真っ正面から受け止めて進もうとする為に、ホエールの潮吹き攻撃に思わぬ苦戦をするアックス電王だったが、なんとか攻撃を決め、ホエールは逃走。良太郎はデンライナー経由で銭湯へ戻り、どこからともなく現れた良太郎に、銭湯内部は大混乱。
面倒くさくなったチャンプ、椅子に縛られたままの状態から、黄金の右!
YOU WIN! K.O.!
立てこもり犯ノックダウンで一件落着かと思いきや、もう一人の人質の男が立てこもり犯のピストルを奪い、良太郎とハナにそれを向ける。なんと、男・袴田もまた、警察に追われる身であったのだ。二転三転する銭湯内部だったが、そこへ周辺を取り囲む警官隊を魔愛理ステルスでかいくぐり、差し入れ持った愛理さんが登場。警官隊の強行突入は、U良太郎が刑事部長を強請る事で中止され、事態はまたも膠着状態へ。
……うーん、ドタバタコメディを意識しているのはわかるのですが、これならいっそ、井上敏樹か浦沢義雄レベルで吹き飛ばしてもらえば良かったのでは、みたいな。
二重三重に難しい事をやりすぎというか。
ただでさえ構成的に他の脚本家が入りにくい小林ワールドなところへ来て、“ギャグのリアリティライン”(どこまでがその世界観では“ギャグ”として許されるのか)というのは、作家性と非常に強く結びつく為に、メインでないライターがギャグ回をやるというのは、非常にその案配が難しくなります。
どうしてわざわざこんなにハードル上げたのか(^^;
いっそ、どシリアスにでもすれば良かったのに。
その後、立てこもり犯が別に凶悪犯でも何でもなかった事、拳銃も玩具だった事が判明し、愛理さんの差し入れでお食事タイムに。横領疑惑をかけられて逃亡中の袴田は自首しようとするが、魔愛理空間が発動し、どうやって冤罪を晴らすかみんなで考えようモードに。
ところがそこで、ホエールイマジンが再び釣り人を襲撃。U良太郎がそちらへ向かい久々登場ロッド電王で戦うが、ホエールにはまたも逃げられてしまう。報道から、被害者の二人が袴田の元同僚であった事が判明し、そのまま袴田のかつての勤め先、火口鉄工所を訪れる良太郎。イマジンの契約者が社長であった事がわかるが、それを知ったリュウタロスが、いきなりガンフォームで社長を銃撃。
社長を守りに出てきたホエールイマジンをフルチャージで撃破するのだが……。
◆第16話「幸福の星、降伏の犯人(ホシ)」◆ (監督:石田秀範 脚本:米村正二 ダイアログ監修:小林靖子)
逃げ惑う社長を追撃するガン電王。
危ない、危なすぎる。
一般人を問答無用で攻撃する仮面ライダーとか、さすがにシリーズ初か?
社長はなんとか逃げ延び、デンライナーへ戻ってくる良太郎だが、良太郎ですら止められないリュウタロスの暴走に、危機感は募る。実体化したリュウタロスをシメようとするが、むしろコケにされるモモタロス。
「バカにしやがって……」
Mさん! Mさん! 株価が下がりすぎてどん底も突き抜けて、数字が見えないよ!!
なお、銭湯に愛理さん登場でヒロイン力を上げる戦場がここには無いと感じたのか、チャンプはちゃっかりデンライナーに戻っていた。
良太郎が戻った銭湯では、袴田と立てこもり犯の二人がすっかり愛理のフェロモンにやられていた。愛理さん、服着替えてるし、普通に家に戻って、朝食を用意して戻ってきたっぽい。なお謎の緑色のおにぎりは、にんにくわさびおにぎりであった事が後で判明。
その時、再び警察が突入準備。「お姉ちゃんが、困ってる」と強制憑依したR良太郎は外へ出て、突入する機動隊の前で指を鳴らし、ダンサーズ登場。超集団洗脳で警官達を追い散らす事に成功する。
この行動に、「リュウタロス、もしかして、姉さんの事」と気付く良太郎。再び火口社長の元へ話を聞きに向かうが、工場の前でMさん(リーマンショック)にお願い。
「俺に? なんだ、言ってみろ! 言ってみろ!」
超・嬉しそう(笑)
再び、強制憑依で社長を襲おうとするリュウタロス、をデンライナーからの突撃で体の支配権を奪って止めようとするモモタロスであったが…………無理でした。
すみません、調子に乗っていました。
期待したのが間違いでした。
だが……
「せめて……右手だけでもぉ!」
気合いと根性を見せたモモタロス、強引に右手の支配権だけを手に入れると、それで良太郎のポケットの携帯電話を操作。それは、良太郎が準備していた愛理へのメール送信であった。
「僕に電話して「やめて」と言って」
というメールに応え、その通りにする愛理。愛理が冤罪を晴らしてあげたいと考える袴田の為に、邪魔な火口社長を始末すればいいと考えていたリュウタロスは、それで攻撃を中止。
と、なんとか合わせ技でリュウタロスの暴走を止める事に成功。一応、良太郎がここぞという所でモモを信じる、という状況も描けました。
社長がイマジンに望んだのは、「俺の酒癖の悪さを治してくれ」というもの。イマジンが社員を襲ったのは、「酒癖を知っている人を消す」事で契約を完遂しようとしたからに違いない……と一瞬でイマジン理論を解釈してしまう良太郎は、少々イマジンに毒されすぎではないか(笑)
急いで社長行きつけの屋台に向かう二人だったが、屋台のおじさんが目の前で襲われ、契約完了。イマジンは2004.3.31、社長が袴田に金を盗まれた(と思っている)日に跳んでしまう。その日も泥酔していたという社長……果たしてあの日、本当は何があったのか?
泥酔した社長が、金の入った鞄を通りすがりのトラックの荷台に放り投げていました。
社長を介抱しようとして、いわれのない誤解を受ける袴田、そして現れるホエールイマジン。先に跳んだイマジンより早く良太郎が過去に辿り着いているのは、ホエールイマジンが喋り方だけではなく、時間移動も遅い、という強引な解釈でいいのかどうなのか。
良太郎はソード電王に変身し、花見客を襲うホエールイマジンと激突。ここでの夜桜バトルは、かなり格好良かったです。最後は、「俺の必殺技パート3」による水中攻撃から、空中に打ち上げた所を
「と見せかけてストレートど真ん中ぁ!」
で撃破。よくはわかりませんが、クライマックスが来る日を夢見て日々イメトレしながら技のバリエーションを増やしているのかと思うと、枕を濡らさずにはいられません。
良太郎が、社長が金を放り投げたトラックの運送会社に電話した事で会社の資金は社長の手に戻り、社長と袴田は和解。しかし立てこもりの責任は取らねば……と意を決して外へ出ていく袴田と立てこもり犯だったが、実は警察が取り囲んでいた籠城事件は、銭湯ではなく隣の質屋であった、でオチ。
これまで、タロス増員→役割が落ち着く話、というパターンでしたが、そもそも変則的なリュウタロスという事でか、パーティメンバーとして収まるというよりも、良太郎がリュウタロスへの対抗手段を発見する話、となりました。同時に、コキュートス辺りまで落ちていたMさんを、少しフォロー。
しかし次回、チャンプ、リストラ宣言。
もももももももももう駄目だ、真っ先にクビにされるの、一人しか思いつかないよ!(涙)
あと一応、リュウタロスに手綱をつける必然性上、愛理さん話でもあったようですが、口癖とかけたサブタイトルにまでした割には、袴田の冤罪を信じる愛理さんの態度が単なる「同情」とか「優しさ」でしかなく、全くその背景と繋がらなかったのは、非常に残念。愛理さんは無敵キャラすぎる上で使いにくいので、無理にサブライターは触れない方が良かったなぁ、と。エピソード的にはタイミング悪かったし、前回ローテと合わせて見ると、石田監督と愛理さんの相性も今のところ微妙か。