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さあ鋼鉄のスクラムだ

『バトルフィーバーJ』を視聴。
この時期の戦隊は、演出・脚本ともに『キイハンター』からの流れの影響がまだ色濃いので、ハードボイルドなタッチが面白い。
防衛庁の要人を次々と暗殺していく赤いこうもり傘の女……密かに集められたバトルフィーバーの面々は、事件の謎を追うのであった……。
事件の説明の合間に、
「将軍、暗殺犯人は何者ですか」
さらっと凄い肩書き。
鉄山将軍を演じるは、1950〜60年代の東映時代劇黄金期の大スターの一人、東千代之介
部下に抜き身の日本刀を飛び越えさせたり、良識の塊みたいな見た目なのに、ばっちり狂っています。
「君たちはそれぞれ、踊りの名手だ」
て、バトルフィーバーの選抜理由、それなのか(笑)
まあ、肩書きと選抜とミスアメリカのスーツは鉄山将軍の責任ではないかもしれませんが。
なお戦闘シーンでは、スーツ姿のバトルに合わせて、各自がダンス衣装で踊っているカットが挿入されるのですが、バトルジャパンのそれは、どう見ても空手の演武なのですが、踊りという事でいいのか。どうなんだ。
初名乗りの時に、エゴス怪人達は傘をくるくる回すのに忙しかったり(演出そのものは印象的で格好いい)、怪人がいつの間にか正体を見せて雑魚戦に紛れ込んでいたり、戦闘シーンはいかにもな演出からちょっとズラしているのですが、面白いというよりは、今見るとなんかもどかしい(^^;
その辺り含めて、ハードボイルドとコミカルのバランスなど、方向性の試行錯誤が全体から窺えます。
必殺技・ペンタフォースは、ビッグボンバーの流れを汲んだ有無を言わさぬ系(笑)
2話は、憎しみにとらわれた女子中学生のエゴスへの祈りにより同級生が死亡するという、なかなかハードな展開。
連続する謎の怪死事件を調査するよう命じられたバトルフィーバーだったが……
「他の連中はどうした?」
「フランスとダイアンはおそらく……」
「おそらくなんだ?!」
「はぁ……。おそらく……」
ディスコで踊り狂っていた(笑)
ケニアは?!」
公園に飼育小屋を作って捨て犬猫を世話していた。
「コサックは?!」
パチンコでフィーバーしていた。
「ジャパン。儂は一連の事件を捜査しろと命じたんだ」
予想外に、カリスマ性低いぞ、将軍。
そこへ景品かかえたコサックが帰って来て、
「馬鹿者! 勝手にしろ! どいつもこいつも!」
将軍、遂に仕事を放棄(笑)
ちょっとしたお笑いシーンなのですが、一番破壊力が高いのは、それぞれが「ジャパン」とか「フランス」とか呼び合っている、という事実。
むしろ「将軍」がまともに思えてきた!
ナレーション「エゴスとは、現在の文明が発達する以前に、地球で栄えた、原始科学の一団である。現代なお、謎とされている、巨石文化の数々も、エゴスの原始科学を用いて築かれたものだと、彼等は主張する」
主張しているだけなのかっ!
エゴスは、「念じれば夢がかなう」と言葉巧みに会員を増やしているという、宗教的結社。そして連続怪死事件の裏には、欲望に取り憑かれた会員達の邪悪な祈りがあった。会員の祈りに応えて怪人が暗殺→会員の望みがかなう→噂が口コミで広がる→会員が増えてうっはうっは、と、エゴスは地味かつ確実にその脅威を社会に浸蝕させていたのである!
バトルフィーバーは怪死事件の背後にある、エゴスの出先機関・未来道場の存在に気付き、フランスがなぜかフランス人のふりをして潜入。あっさり捕まるなどあったものの、見事に未来道場を壊滅させ、人々を洗脳から解放するのであった。
途中で未来道場の会員になっている母が息子に向けて、
「洗脳してもらえば、勉強好きの子になるわ」
とか言い出すのが、凄く上原正三(笑)
敵組織が超常的な怪人を用いつつも、誰もが胸に秘めた一般人のちょっとした悪意をそそのかす事で勢力を拡大している、というのは、なかなか刺激的。最後の放り投げっぷりも含めて、上原大先生の持ち味が炸裂しております。
1話から少しずつ巨大ロボット作成中を見せているのは面白く、とりあえず、バトルフィーバーロボが出てくるまでは見たい。
あと、エゴスの怪人は、エゴスの子供=神の御子で、ヘッダー指揮官より格上、というのも面白い所。まあ、偉いけど前線に出て、フィーバー!されてしまうのですが。