危ない危ない、鉄山将軍活躍回を見逃す所だった!
というわけで先週配信の『バトルフィーバーJ』第37話「電光剣対風車剣」を駆け込み視聴。
とある漁師町に祀られる四面龍神像を入手しようとするエゴス。100%怪しいレオタードと覆面姿の人達に平気で話しかける地元一般市民の母子、そんな地元住民を無視してとりあえず目的の像の爆破をはかるサロメさん、導火線に飛びつき、像と一緒に海へ吹っ飛ぶ少年(笑)
冒頭から破壊力抜群。
少年が海に落ちて行方不明の報に、「そんなの消防の仕事だろ?」と、カードゲームに夢中で、相変わらず最低なバトルフィーバー隊。
BF隊の職業戦隊とは思えないやる気の無さは、「最低」通り越して「異常」レベル。あれか、前作が、サイボーグに改造されちゃう上に主役強奪されるアレだったから、真面目に働くのが馬鹿らしいのか。
……わからないでもない。
背後にはエゴスの暗躍があると上司にせっつかれたBF隊が重い腰を上げて漁師町へ向かうと、龍神像の加護か、少年が奇跡の生還を遂げていた。だが、一緒に浜辺に流れ着いた龍神像は、エゴスによって回収されてしまう。龍神像の中に収められていた宇宙エネルギーの蓄積された水晶玉から、新たなエゴスの御子、四面怪人が誕生。ケニアと少年は龍神像を追ってエゴスに囚われてしまうが、四面怪人を見た少年は、それが目覚めた龍神様だと勘違い、と軽いひねり。
四面怪人は原子力研究所を襲撃し、6本の腕で振るう武器と、必殺の風車剣でバトルフィーバーを圧倒。ケニア不在でペンタフォース使えねーし、と泣きの入るBF隊に「わかった。儂がいこう」と、鉄山将軍は出撃を決断する。
「風車剣を儂の電光剣が斬る!」
ここも、
「風車剣が強いんすよ!」
「いや、おまえら頑張れよ」
「ペンタフォースが使えねーんすよ!」
「ケニア待ってられないから、頑張れって」
「無理っすよ!!」
「……おまえら役に立たねーから儂が出るよ」
と、BF隊には、知恵とか勇気とか色々と足りていない気がします。
超破壊兵器作成の為に、濃縮ウランに続いてダイヤモンドを強奪しようと宝石店を襲撃する四面怪人。一応、給料分は働かないとなるまいと、鉄山将軍が来るまでの足止めを図るBF隊に、少年を連れて脱出に成功したケニアが合流。
よーしじゃあペンタフォースやっちゃうぞーと構えるBF隊だが、四面怪人を龍神様だと思いこんでいる少年に止められ、泣き落としを受けたケニアがペンタフォースの使用を拒否。結局それぞれ戦う事になるが、強敵・四面怪人に手も足もでない。
……というか、少年的に、ペンタフォースは駄目でも、殴り合いはOKなのか。あと、君が龍神様だと信じているものに、割とシリアスにコサック辺りが殺されそうになっているが、それもOKなのか。……まあ、顔も知らない仮面のおっさんの命とか、どうでもいいといえばいいのかもしれませんが。
ここで戦いの合間には、袴姿の鉄山将軍が走ってくるカットが挿入され、クライマックスに向かって変な盛り上がりを見せます。弟ロボも出現して破壊活動を始め、いよいよバトルフィーバー大ピンチの所に、宇宙水晶手に入れたしもういらねーや、とエゴスがポイ捨てした龍神像を回収した事務員コンビが駆けつけ、怪人が龍神様ではない事に納得する少年。
よーし、今度こそ必殺技で格好良く決めちゃうぞーと満を持してペンタフォースを放つバトルフィーバー。
弾かれる。
……あ、あれ?
だがその時、戦場にあの人がやってくる。
「儂が戦おう」
駆けつけた鉄山将軍が腰の日本刀を抜き放ち、戦いは四面怪人の呼び出した闇の中へ。雷鳴轟く漆黒の世界で、長唄をBGMに切り結ぶ鉄山と四面怪人。四面怪人の連続攻撃を鮮やかに切り払い、鉄山の必殺剣が一閃。
「鉄山流・電光剣!」
闇が晴れ、四面怪人、大爆死。
そこは生身だから、という事か、爆発を回避する為に即座に走り去る鉄山将軍が楽しい。
というわけで、
ペンタフォース <<< 真の達人の必殺剣
というヒエラルキーが明示されてしまった『バトルフィーバーJ』。往年の時代劇スターの立ち回り、眼福でした。
……まあよくよく考えると、鉄山将軍を演じる東千代之介は日本舞踊の家元なので、何故か柔道の構えを取る伝正夫よりも、むしろ真のバトルジャパンなのかもしれない。
エピソードとしては、少年が怪人を龍神様だと思いこむ、というひねりが心理的葛藤で劇を盛り上げる……というよりは、純粋な尺稼ぎの為、というのが物凄い。挙げ句に、ようやく放ったペンタフォース、まさかの無効。で、次回別に、新必殺技開発回とかでは無さそう、という(笑)
あ、弟ロボは、BF隊がバトルフィーバーロボで倒しました。
給料分は戦う、それが俺達のジャスティス。