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<英国パラソル奇譚>シリーズ(ゲイル・キャリガー)、読了

アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う (英国パラソル奇譚)

アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う (英国パラソル奇譚)

父親譲りのイタリア的風貌と、英国淑女としては科学的で好奇心旺盛すぎる性格の持ち主であるオールドミスのアレクシア・タラボッティ――彼女は、触れるだけで異界族の力を無効にしてしまう、反異界族という特殊な性質の持ち主であった。ある夜、彼女を反異界族と知らないはぐれ吸血鬼に襲われ、偶然にも刺殺してしまった事を発端に、アレクシアは思わぬ事件に巻き込まれる……。
吸血鬼や人狼が人類と共存するヴィクトリア朝ロンドンを舞台に、勝ち気で活発なヒロインが大暴れするスチームパンク風ファンタジー、全5巻。
アレクシアと顔を合わせれば角突き合わせる仲の人狼捜査官マコン卿、その冷静沈着な副官ライオール教授、ファッションリーダーであり情報通の底知れぬはぐれ吸血鬼アケルダマ卿……などなど、多彩な登場人物達と共に、とにかく行動的なヒロインが暴れ回る、軽妙な冒険活劇。
1巻は単独で収まりが付いていますが、2巻以降は、完全に続き物。登場人物達の過去の因縁に触れ、幾つかの関係の変化を経て、やがてアレクシアは亡き父の秘密に近づいていく事に……最終的には人間関係のモザイク模様がぴたぴたっと収まる所に収まるのですが、このキャラは人気出そうだなぁ……人気あるのだろうなぁ……というキャラクターほど、重要な扱いになるのが、面白い所(笑)
作者が初期の時点でどこまで考えていたのかはわかりませんが、需要と供給に応えたっぽい落着には、旺盛なサービス精神を感じます。一方で、ほどほど重要そうだった割にはさっぱりスポットライトの当たらない人物や、途中でほぼ投げっぱなしにしたような人物も、何人か居たりはしますが(^^;
基本はロマンス&活劇で、テンポの良い展開を楽しむ作品。
4巻は、史上最も、○○が暴れ回った小説ではなかろうか。
読んでいる方が心配になってくるレベル。
最終的に、某人物がさすがに便利すぎ、とか、ある意味で肝心要の謎が明かされていない、などありましたが、楽しく読めました。あくまでロマンス&冒険活劇なので、色々と謎を散りばめた割には、概ね最終的にどたばたで解決してしまうなど構成には若干の不満もあり、凄く面白かった、というほどではないですが、雰囲気が気に入れば楽しめるかとは思います。
お気に入りのキャラはライオール教授ですが、まさかあんな事になるとは夢にも思いませんでしたよ……!
現時点で日本では2巻まで刊行されている、同じ世界観の25年前を描いたシリーズに続いて、20年後を描いた新シリーズも展開予定との事なので、肝心要の謎はどちらかで明かされるのかもしれません。
20年後の方は、ちょっと気になるので、日本での刊行を待ちたい所です。