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『仮面ライダーブレイド』感想25

先週分。
(※サブタイトルは存在しない為、筆者が勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆第39話「ニンジャ・ストライカー」◆ (監督:石田秀範 脚本:宮下隼一)
ここに来て、12話以来となる、お久しぶりの宮下さん。そして19話以来の石田監督(劇場版を担当して離れていた模様)。
前回、広瀬父が逃げ込んだ謎施設は、水族館?でした。奥で魚が泳いでいるけど、ロケハンにこだわりのある長石監督の見つけてきた謎施設かしら。
「私がトライアルB……バカな……そんな筈が……」
「では、その体を、どう説明する?」
「という事はやはりあの時……私は死んだ?」
広瀬父の記憶と意志を受け継ぎ、永遠の生命の秘密を解き明かすべく、ブレイドをジョーカーにしようとした、広瀬父/トライアルB。その業績は神の御許に届いた、と天王路理事長は告げる。
「トライアルであろうと、君は広瀬義人その人だ。広瀬義人のすべき事を、続けるのだ」
「私は……広瀬……広瀬義人のすべき事を続ける……」
一方、剣崎と橘は広瀬父を探し出し、なんとか広瀬の元へ連れ帰ろうと考えていた。
にこやかに現れた虎太郎、橘さんに超感じ悪く存在をスルーされる。
始さんは、目の完治した天音ちゃんとデート中。ヒューマン状態の安定した始さん、すっかりノリノリで遊園地に。その途中、通りすがりの変態紳士と遭遇し、狼狽した後で睨んでくる睦月だったが、天音ちゃん、「さいってぇ」の台詞からあっかんべえして横をスルー、という会心の一撃で、始さんからも路傍の石扱い。
「あははははは、さっいこう」
背後に現れた女王様、更に追い打ちを入れる(笑)
「相変わらずねぇ坊や。少しはこの戦いを、面白くしてくれるといいけど」
引き続きよくわからない虎の女王様ですが、レンゲル開封能力を持っているという事を含めて、泳がせている、という補強なのか。積極的に戦うわけでもなければ状況をかき回すわけでもなく、敢えて言えば、女王様ライフを満喫されています。
分担して忍者を探している途中、トライアルBの襲撃を受ける剣崎。橘さんに電話してみるが、
「ただいま、電波の届かない所に……」
トンネルの中を走っていた。
役立たずめっっっ!!
トライアルBに追われる剣崎は、折角だからやってみる? みたいな感じで、39話にして、生身で火薬の間を激走。「変身!」に合わせて大爆発させたり、今作としては珍しい火薬祭り。
トライアルBは白黒の配色に、一つ目+クラッシャーというデザインが格好良く、アクションも見栄えして良い感じ。
広瀬経由で連絡を受けたギャレンが駆けつけ、トライアルBは逃走。そして広瀬の元には睦月が現れ、“自分を強くしてくれる存在”として、広瀬父の居場所を聞き出そうとしていた。
「頼むよ……どこにいるんだよ、教えてくれよ」
父が死亡したと思っている広瀬は睦月の案内で前回の戦いの現場となった研究所へ向かい、それを背後から見つめる女王様。擦れ違いで農場に帰ってきた剣崎と橘は、虎太郎から広瀬が睦月に連れ出された事を聞き、慌てて研究所へと向かう。
「睦月のやつ……喋ったんだ!」って、睦月がそういう奴だってのはもうわかっているのに、放置した上で広瀬さんに事情を隠したまま、うまく事態を処理できると思っていたのだとしたら、ぼんくらコンビが、自分達の能力を高く見積もりすぎです。
特に橘さんはいい加減、気を遣うと裏目に出る人生を認めるべき。
「もーーー、どいつもこいつも! どうなってんだよいったい?!」
放置プレイを受ける虎太郎、久々に超ぞんざいな扱い。
研究所では、睦月と広瀬の前に、忍者が登場。突っかかってきた睦月を投げ飛ばすと、レンゲルに対し、トライアルBに変身。ニンジャパワーでレンゲルを叩きのめすと気絶した睦月を連れ去っていく。後を追った女王様は、謎の研究所に連れ込まれた睦月が、二つ並んだベッドの上で何らかの処置を受けている光景を目撃。
天王路「ようこそ、レンゲル
トライアルBに、睦月を拉致させた理事長の目的は果たして何なのか……?
「すいません、お父さんの事、内緒にしてて……悪かったです」
「いや! 元はといえば俺が……」
農場では、駄目男二人が、遠巻きに広瀬さんへ謝っていた。
背中向けっぱなしの広瀬さんは「買い物に行く」と言って出て行き、
「やっぱり、内緒にしてたのが……」
遠回しにへたれに抗議する剣崎。
そこへ、農場居間のパソコンへ直接、画像が送りつけられてくる。それはどこかの倉庫に縛って吊された睦月。そしてその下に立つトライアルBの姿だった。橘は飛び出していき、剣崎は始に連絡を入れるが、電話の向こうから聞こえてきたのは、天音ちゃんの快気祝いに華やぐ、栗原家の声。
勿論、叔父さんは呼ばれてません、呼ばれてませんよ、ええ(泣)
この前のシーンで農場に乗り込んできた睦月に対して、天音ちゃんの為に怒りをぶつけるも軽くスルーされていたりするだけに、ますます切ない。
「剣崎、俺は今……」
というか睦月とか、どうでもいいんだが。
さすがの剣崎も状況を理解し、橘と二人で工場へ向かう事に。一方、買い物へ行くと言って農場を出た広瀬は、どこかでパソコンをいじっていた。
…………どこ?
多分、睦月に案内された研究所の、広瀬父の部屋なのですが、意図的な可能性も含め、どこなのか凄くわかりにくい見せ方。そして父の部屋だったとしても、そもそもそこにどうやって入ったのか、忍者が這々の体で逃げ出したにしてもボードは全部放置しっぱなしなのか、色々データの入っていそうなパソコンも放置なのか、と色々と謎は尽きません(^^;
そして広瀬はPCの中に、両親と自分の思い出の記録映像を発見する……。
ギャレンブレイドは倉庫でトライアルBと激突。その戦闘をモニターする天王路。
「橘くん、それが私に対する態度かね。君には 金を貸して 色々教えてあげたじゃないか」
トライアルBは広瀬義人の姿へと変わり、剣崎と橘も変身解除。話術で翻弄しつつ不意を打とうとする忍者だったが、そこへ広瀬が駆け込んでくる。
「騙されないで! そいつは父じゃない。父の記憶を盗んで、父になりすました偽物よ。倒して!」
「困った娘だ……」
それぞれ変身した三者は、再び激突する――!
えー……後半戦に入ってから會川昇に任せきりで、サブライター準備するの忘れていたのではないかというぐらい、宮下脚本が後半戦の流れを、いまいち汲めてません(^^; またそこに、劇場版でTVシリーズから離れていた石田監督が演出という事で、輪を掛けてしまった感じに。虎太郎の扱いのぞんざいさとか1クール目の頃を思い出させるのですが、宮下さんにしても凄い急なヘルプ要請で、ここ最近の展開を追っていなかったのでは疑惑。
そしてここしばらく、広瀬さんにも可愛げをキャンペーンが展開されていましたが、いざ真っ当にヒロイン展開されると、
え?
となるなぁやっぱり(笑)
石田監督がまた、嫌がらせのように野暮ったい衣装を着せるし(いや、監督の責任ではないかもですが)。
まあ、広瀬さんどうも、割と出っ張りのある体型のようなので、あまり体のラインが出る衣装もなぁ、という配慮もあるのかと思われますが、その結果どうして、もっさりトレーナーになるのか。もう少し衣装は色々と工夫できたのではなかろうか。例えば『電王』はその辺り、結構頑張っていたと思うのですが。
これは『ブレイド』前半戦からの問題点の一つなのですが、広瀬栞が飾り気のないキャラクターである、というよりも、広瀬さんを可愛く描写するのが面倒くさいから飾り気のない女という事にしているというのがどうも強い。
それで広瀬さんが“飾り気の無い女”(から広げた人格のキャラクター)として描かれているのなら構わないのですが、特にそういうわけではないので、話の中心に持ってくるにはあまりにも、その場その場の都合が良いだけのピースにしかすぎません。
お洒落させれば、とかそういう事ではなく、ちょっとした台詞回しや描写、演技のさせ方で幾らでも女性らしさや可愛げを付加できるわけですし、逆に“可愛げを出さない”事でキャラクターを立てる方向性もあるわけです。問題の本質は衣装ではなく(この場合、衣装というのは、即効的な手段の一つ)、見せ方とその蓄積になるわけですが、しかしそういった事をしてきたとは言い難い。
ここ最近の広瀬さんは、剣崎のヒーロー性を担保するキャラとして機能させていましたが、「広瀬栞」という個人を物語の本筋と絡めるだけの仕込みと流れの構築が足りていたとはとても言えず、前半戦からのツケが、改めて浮き上がってしまいました。
橘さんと剣崎が、やたら広瀬さんの為に盛り上がっているけど、正直ついていけませんし(笑) え、二人とも、そんなに広瀬さんの事気にしてたの? レベル。
橘さんなんかはここ数回、その見ていて共感しにくいズレを背負ったまま転げ回っていたわけですが、そういう諸々のズレが、脚本×演出の責任ばかりでなく、色々なタイミングの重なりで、凄く大きく出てしまった回となりました。


◆第40話「Gは穀潰しのG」◆ (監督:石田秀範 脚本:宮下隼一)
再び変身したトライアルBと激突する、ブレイドギャレンブレイドが広瀬の方にトライアルBを蹴り飛ばしたせいで、人質にされる広瀬さん。
もう少し、考えて戦え(笑)
それともこれは、増大していくヒロイン力が呼び込んだ奇跡の業なのかッ?!
人質になったという事は!
私がヒロインという事だ!!
広瀬を盾にされて手を出せなくなるぼんくらコンビだが、縛られていた睦月が、頑張って変身。鎖をほどいて落ちてくる。
「睦月」「睦月」
なんだ、ぼんくらコンビのその、「あ、10円落ちてきた」みたいな反応。
「よくも、よくも俺を……」
レンゲルは問答無用でトライアルBに殴りかかり、B撤退。更に興奮状態でそのままブレイドギャレンに襲いかかるが、そろそろ本格的に面倒くさくなってきた駄目師匠、撃つ。
「いい加減にしろ!」
ブレイドも本気パンチを放ち、吹っ飛んだレンゲルは変身解除。
「俺だって人質にされたら悔しい! 気持ちはわかる。けど……」
…………そういう話なのですか、これ。
「うるさい! 助けられたなんて、絶対思わないからな」
事態を役立たず視点で語られてしまい、結局また、とぼとぼ去って行く睦月。
駆けつけた広瀬がどこかのパソコンで確認していたのは、広瀬父の記憶データであった。ノイズ混じりのそれからわかったのは、広瀬父の記憶データが盗まれ、トライアルBに移植された事で、偽の広瀬義人を生み出した事。
えー…………すみません本気で意味がわかりません。
何がわからないって、広瀬さんがノイズ混じりの映像データ見て何がわかったのか、さっぱり意味不明。
前回広瀬さんが正確にはどこへ忍び込んで、どういう思いつきでパソコンを調べて、そこにあった映像データを見てどうして記憶が盗まれているのがわかったのか、の全てに理由の説明が無い為、広瀬さんが何を根拠に何をおっしゃっているのかさっぱり。
これはかなり演出が悪いのですが、演出が悪くてわからないというよりは、どうあがいても意味不明な為、演出が故意に曖昧にして誤魔化した感じさえあります。
例の第2話における、「脳波にコンタクト」とか「バーチャルがー」という台詞と合わせて考えるに、『ブレイド』世界の基本設定として、脳の研究や記憶のデータ化技術が進んでいるとかそういったものがあって、宮下さんは初期に聞いていた世界設定に合わせてそのまま書いた、という可能性がありそうですが、そういう説明や描写はこれまで一切無かった為、謎の地平線に突入。
世界設定としてのファンタジーや超テクノロジーがあるのは別に構わないわけですが(そもそもライダーシステムがそうですし)、物語内部で二重に意味がわからない、という凄く困った事態になってしまいました。
レンゲルに殴られて撤退したトライアルBは、研究所へ。そこでは、拉致した睦月の遺伝子データから造り出された新たな改造実験体・トライアルGが完成していた。スパイ中の女王様はGの攻撃を受けて傷を負い、紳士屋敷に帰ってやけ酒。
「どんな戦いにも、ルールがあるわ。このバトルロワイヤルに、人間も、あんなヤツも要らない。これは、私達の、戦いなんだから……」
くだまいた末に、傷が元で倒れる女王様。
重傷を負ってもなお、M月の調教具合を確かめるという、凄いプレイだ!(待て)
で、アンデッド大戦の事をさらっと「バトルロワイヤル」と言っているのですが、劇場版が「バトルロワイヤル」だったそうなので、監督が劇場版準拠に変えたのか。
ここまで「バトルファイト」連呼された後だと、もう、どっちでもいいけど(笑)
一方、沈み込む広瀬の携帯電話に、忍者からメールが入る。

[栞 会いたい   父]

敢えてこの誘いに乗って囮となる事を決意した広瀬は、忍者を思い出の場所へと呼び出す。
この花畑は、(花とかさっぱりわからない為、何の花かわかりませんが)一面の花の中を土の道が通っていて、そこにぽつんと椅子が置いてある、という映像が印象的で、非常にいいロケーション。
思い出の場所で、向き合う父娘。剣崎と橘を花畑に潜ませた広瀬は、忍者に近づかないように告げるが、忍者はそれを無視して強硬に迫り、逃げ出す広瀬さん。
落とし穴が仕掛けてあったらどうしようとドキドキしましたが、そんな事はありませんでした。
遂に広瀬に掴みかかる忍者は、パンチで反撃を受け、泣き叫ぶような声とともにトライアルBに変身。そこでようやく追いついたぼんくらコンビ、ダブル無職キックを炸裂させる。
わざわざ近くに隠れていたのに、役に立たないぃぃぃ(仕様です)。
その頃、“見よう見まね”で天音ちゃんに披露したギターに触れていた始は、その戦いの気配に気付く。
以前に、多分ヒューマンアンデッドの体に染みついていた記憶でタコ焼きを作っていた始さんですが、ここでのギター演奏は、ギター抱えた変態眼鏡の登場した11・12話を拾った形か(同じ宮下脚本)。
ケーキ食べすぎたし、カロリー消費してくるか、と立ち上がった始は、ちょうど飲み物を運んできた天音と遭遇。
「天音ちゃん。……行かなくちゃ」
「あたし、我慢するのやめたんだからね! 始さん、帰ってこなかったら、あたし待ってなんかいないんだからね!」
「――絶対帰ってくる、約束するよ」
当座のヒロインには負けまいと、女力に覚醒する天音ちゃん。
ブレイドギャレンとトライアル忍者の戦いには、トライアルGが参戦し、それをモニターする理事長。そしてM月から傷の手当てを受けた女王様は、M月をその戦いへと案内し、トライアルGの姿を見せる。
「どう、自分をコピーされた気分は?」
B&Gに苦戦するブレイドギャレンですが、ブレイドがキングフォームになるのを躊躇うのはまだわかるとして、ギャレンは早く、ジャックフォームぐらい使ってみせてもいいんですよ? どうせ役に立たないかもだけど、チャレンジ精神を失ったら、そこで試合終了ですよ?
戦いは広瀬も巻き込み、Gの攻撃から広瀬をかばって倒れる、ブレイドギャレン。その姿を目にしたBの脳裏に、一つの記憶が甦る――。
「栞を頼む……」
それは、ベッドに横たわる広瀬義人。
「栞ぃ!」
Gのマジカルステッキが広瀬に向けて振り下ろされた時、その身を挺してかばったのは、トライアルB!
ここは、戦場を移したにも関わらず無意味についてきた広瀬さんが、全く無駄にしゃしゃり出てきて余計なピンチになる、という駄目NPCアクションをパーフェクトに行ってしまい、成り行きは非常に残念。今エピソードの転機となるシーンだっただけに、もう少し工夫して欲しかった所です。
プライドを傷つけられた怒りのレンゲルが乱入してGへ突撃し、倒れたBは、広瀬義人の姿へと戻る。
「思い出した。……私は、あの人に造られた……」
トライアルBを造りだしたのは、広瀬義人その人であった。3年前の事件後もアンデッドの研究を続けていた広瀬父だったが、自分の余命が幾ばくもない事を悟ると、自らの意志で、その記憶をトライアルBへと移植。トライアルBは、義人が娘を守る為に誕生させた、自らのコピーだったのだ。だが、誕生したトライアルBは理事長によって記憶の一部を改変され、広瀬義人の「アンデッドの不死の秘密を解明する」という目的だけを遂行する為に活動。その託された最も大切な想いを、忘れ去っていたのである。
しかしそれは、ギリギリ間に合った――。
「貴様よくも!」「許さん!」
前回今回は、よく二人で一緒に突撃する、ぼんくらコンビ(笑) そして走り込んできた始さんが、カリスへ変身。40話にして、4人のライダーが共通の敵に対して揃い踏みするのは初でしょうか。約1名は腹立たしいから暴れているだけだし、約1名は役立たずですが。
ブレイドとカリスはそれぞれエボリューションし、W必殺技でトライアルGを滅殺。その光景を見届け、去って行く女王様。
なるほど、最初何と言っているかわからなかったのですが、カリスの必殺カードは「WILD」と言っているのか。
「栞……無事で良かった。これで、お母さんの側にいける」
最後の最後で広瀬義人となった、トライアルBは、消滅。涙する広瀬の手には、父の結婚指輪だけが残される……。
「終わったのではない。始まったのだ。本当の戦いが……ふっ、ふふふふふふははははは、ハハハハハハハハ!!」
そして深い深い闇の底、高笑いする理事長は、懐から一枚のアンデッドカードを取り出すのだった――。
最後は、広瀬さんがよそのパソコンから盗んできたらしい父の記憶データを削除、本当の記憶はいつものこの胸の中にある……みたいなオチなのですが、だからそのデータは何なのか、という肝心な所が意味不明だった為、何とも締まりきらない感じになってしまいました。
解釈はできるけど、納得はしがたい。
後半戦に入って存在感ある暗躍ぶりを見せてくれた広瀬義人(春田純一)、リタイア。
東映で春田純一さんというと、どうしてもアクションする役を振りがちになりますが、演出側もそれを封印し、不気味で淡々とした役柄を抑えた演技で好演。トライアルBだと自覚してからの、視線に強い力を込めた表情の見せ方も良く、今作に不足していた中年男性分の補充という点も含め、非常に良い配役となりました。
もともと山路さん(烏丸所長)にどれぐらい出て貰える予定で配役していたのかはわかりませんが、今作のメインメンバーにはやっぱり最初の方から、キャリアのある役者さんを絡めてあげたかったなぁ、と。栗原母は基本、喫茶店から動きませんし。前半に意識的に、若手とベテランを絡めて芝居を作る要素を入れられなかったのは、色々と勿体なかったと思います。今井脚本でそれが成立したかはまたともかく。
次回、女王様、理事長と逢い引き。