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『仮面ライダーブレイド』感想27

先週分。
(※サブタイトルは存在しない為、筆者が勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆第43話「パーティバランスに関する研究と考察」◆ (監督:長石多可男 脚本:井上敏樹
睦月の改めてぽんこつ軍団加入祝いで、河川敷でバーベキューを楽しむ剣崎達。
まさかの始さん参加!(天音ちゃんと)
なのに何故か、望美ちゃん不在。
どうして。
「頼むぞ、睦月。真の仮面ライダーとなった今、おまえの力が大きな戦力となる。…………どうした?」
「いえ、俺、本当に仮面ライダーになれたのかな、って……」
駄目師匠に保証されても信用できないし。
これまでの紆余曲折から弱気を見せる睦月だが、残すアンデッドはあと3体、と何となく盛り上がる面々。だが問題は……と、ジョーカー/始を気にする橘さん。少し離れた場所で天音ちゃんとデート状態の始さんは、集まる視線を華麗にスルーしつつ、森の中の不思議な気配を感じていた。
「もうすぐだ。全てのライダーが倒れ、アンデッドが滅んだ時、神の声が私に届く」
封印の石を背に、ひそやかに嗤う天王路博史。
ボードのデータベースにもその名前を見つける事は出来ず、その存在に関する謎は深まるばかりであった。何度かボード時代に会った事のある橘も、「凄い金持ちらしい」というぐらいしか知らず、当然、役に立たない。
というか、今頃になってやっと橘さんに聞くとか、遂に虎太郎まで「どーせ橘さんじゃ何も知らないんだろうな」という態度なんですが。
そんな微妙な空気の中、アンデッドサーチャーが戦闘を感知し、飛び出していくぼんくらコンビ。そこで戦っていたのは、キリンさんこと役立つクワガタアンデッドとティターンであった。
「アンデッドの心を奪われ、天王路のために働いているとは、哀れだ。そんなおまえに生きている資格などはない!」
ティターンを叩きのめす役立つクワガタだったが、そこへやってくるぼんくらコンビ。
仮面ライダーか。今はおまえらと戦う時ではない。だがせいぜい、そいつには気をつけろよ」
キリンさんは退散し、変身するぼんくライダーズ。
「気を付けて下さい、奴の鞭には毒が!」
遅れて睦月がやってくるが、2人はしばかれて変身解除。ティターンは透明化して退散し、剣崎はバイクでその後を追う……。
ここで睦月が変身をためらう、というのはこれまでの流れから納得できるところ。
「こんな茶番をいつまで続ける、天王路」
戦いを観察していたイケメン眼鏡は、そう呟いて姿を消す、とやる気が有るのか無いのか、未だその考えは読めず。
その頃、喫茶店ですっかり家族の一員状態の始さんは、天音ちゃんが描いた家族の絵を見せられていた。それは、真ん中に大きく始が描かれているというものだったが、そこへ、そこはかとなく目つきの悪い剣崎が来店する。
「おい、手伝え」
なんで(笑)
何故か剣崎に接客を要求する始さんだったが、剣崎は渡されたグラスを床にぶちまけると、お盆を貫くパンチを始に放って逃走。そして机の上には、天音の描いた絵が始の顔の部分にフォークが突き立てられた状態で残されていた……。
役立たず化した睦月は、彼女とデート中。
「私、決めたんだ。睦月の、応援団長になっちゃうからさ。……どうしたの、元気ないじゃん?」
「俺、自信ないんだ。今までの俺は、強さに憧れてた。でも、強さに憧れる弱さに、気付いたっていうか」
そこにも迫る、剣崎の影。
背後の変なオブジェの間から顔出していて、怖いよ。
剣崎は指先一つでいちゃつく2人の方にオブジェを倒すと、姿を消す。
こういう演出は真骨頂で、監督が楽しそう。無言で目つきの悪い剣崎、というのも、初期の喧嘩上等バージョンとはまた違って、面白い。
「剣崎さん……まさか……」
剣崎も自分と同じようにアンデッドポイズンに冒されたのかもしれない……睦月が農場へ向かうと、そこではにこやかな剣崎がカレーを食べていた。ちょうど出会った橘に睦月は事情を相談し、頼られて張り切る駄目師匠。
「俺に任せてくれ。奴の事は俺が一番知ってるつもりだ」
えーーーーーーーーーー。
それ多分、剣崎的にもダウトですよ橘さん(笑)
中へ入ってカレーを頬張る剣崎をじっと見つめる橘は、なんか、いつもと同じ気がした。
「本当ですか?!」
「ああ、普段通りの剣崎のままだ」
ところがそこへ、始さん登場。
「俺も見たんだ。奴は明らかに普通じゃなかった」
「だが今の奴は全く普段通りだ」
「どうかな。さっきの剣崎からは、アンデッドの気配が感じられた。俺の目で確かめてみる」
中へ入ろうとする始を、やたら力一杯制止する橘さん。
「おい! 俺を信じないのか?!」
……やっぱり、仲悪い(笑)
あと、全く信用できません。
揉めた勢いで誰が一番最初に確認するかレースみたいな調子で農場に飛び込む3人だったが、いつの間にやら剣崎は腹ごしらえを終えてティターン捜索に再出発してしまっていた。それをバイクで追った3人は、道中でひっくり返された車を目撃。運転手によると、仮面ライダーにいきなり襲われたのだという。
「なに?!」
「やはり……剣崎の奴は」
「馬鹿な!」
本日も絶好調の裏目ぶり。
3人は人々を襲うブレイドを目撃し、橘さん、ブレイドをバイクで轢こうとして……かわされる(笑)
果たしてブレイドは、ポイズンの効果によりアンデッドに心を支配されてしまったのか?!
(信じられない……剣崎が一番強い心を持った仮面ライダーだ。そんなあいつが)
三方に別れてブレイドを探す中、橘はトンネルで剣崎と遭遇。(あれ? いつもと同じじゃん)と笑顔を交わし合った直後、轢かれそうになる(笑)
剣崎だ、かなりの確率で本物だ(笑)
「剣崎おまえ、まさか本当に……」
前回、予告を見てちょっと触れましたが、今更、ライダー同士がただ殴り合っても面白くない所で、本当にポイズンの影響を受けたのか? 或いはそもそも本物なのか? というサスペンス要素を持ち込み、状況を錯綜させながら、それぞれの心理に焦点をあてる、というのは、井上敏樹の持ち味が発揮され、実に面白い展開。ここに来ての参加で39−40話の宮下さんの時のように、展開がスムーズに繋がるか不安がありましたが、こういうシナリオ書かせると、本当に巧い。
場面変わって、剣崎を追っていた睦月は、橘と遭遇。ところがその橘の目つきも、ちょっとおかしい。
「でも信じられませんよ。剣崎さんみたいな人が、アンデッドの心に負けるなんて。俺みたいな弱い心の人間なら、ともかく」
2人並んで給油しながら、愚痴りだす睦月。復帰後の睦月を、力について悩めるポジションに持っていったのも良かったと思います。これで割り切っていたら、ただでさえマイナスな好感度が、ますます下がるし(笑)
しかし青少年の愚痴がなんかイラッと来たのか、給油ポンプで睦月の首を絞め、走り去る橘。
「まさか……そんな、橘さんまで」
まあ、心、超弱いしな!
そして橘と遭遇した始さんは、いきなり変身したギャレンに撃たれる。
殺意3倍(当社比)
適当に撃ちまくってギャレンは姿を消し、そこに睦月がやってきて、役立たずの様子までおかしいという情報を共有する2人。しかし役立たずがおかしいのはもはや体質みたいなものであり、何ともいえない空気も漂う。
ここで、倒れた自転車と傷つく人々、そこを歩むギャレン、の映像が挿入され、本物感を色濃くします。
いよいよアンデッドポイズンの影響に違いない……と確信を強くした始と睦月は、まともそうな剣崎と遭遇。
始さん、とりあえず殴ってみる。
ほら、叩くと直るかもしれないし。
「剣崎、俺がジョーカーになった時、おまえは俺を助ける為に戦った。今度は俺の番だ」
「なに言ってんだおまえ」
そこへやってくる橘、の前に、立ちはだかる睦月。
「橘さん、あなたは何度も俺を助けてくれました」
え?
「だから……だから今度は俺の番です!」
「なにを言ってるんだ、どけ!」
「駄目です橘さん! 貴方はアンデッドに支配されている。剣崎さんと同じように」
「俺がアンデッドに?」
「とぼけるな!」
始さん、もう一度殴ってみる。
「待て始、よせ!」
「おまえを今のままにしておくわけにはいかない。――変身」
始はカリスに変身して剣崎に掴みかかり、睦月も駄目師匠を殴ってみる。
「睦月!」
「許して下さい……橘さん。変身!」
ここでレンゲルが変身の後、ちょっと拳を見るのがいい。
しかし2人とも、変身したけど、どうやって治すつもりなのでしょうか。やはり、古いTVみたいに叩けば直ると思っているのか。とりあえず、気絶させて対処法は後で考えようぐらいのつもりなのか。よくよく考えると(考えなくても)、『ブレイド』って、頭脳労働担当が居ないまま最終章まで来てしまったという、恐ろしい作品だ。
或いは、頭脳労働担当が役に立たないという、斬新な作品だ。
「どういうつもりだ始?!」
「馬鹿な、よせ睦月!」
やむなく、ぼんくライダーズも変身し、殴り合うライダー達。
「なぜだ、なぜ俺たちが戦わなくちゃならないんだ!」
それを物陰から見つめるティターン――そして理事長。
仮面ライダーの最期だ。ははははははは」
あー、これは巧い。
若干の事実の捏造もありますが、剣崎を助けたい始、と、橘さんを助けたい睦月、という感情の背景を重ね合わせる事で、それぞれの意志を補強。状況の錯綜の中、前回の今回で、睦月の居る意味を与えている、というのは非常に素晴らしい。睦月に特急で必要なのは、視聴者が感情移入する余地なのですが、強引ではあるものの、改めて橘さんとの繋がりを強調する事で、その余地を作成。天王路の暗躍とティターンとの戦いを軸に、アンデッドポイズンに関わるサスペンス要素で転がしながら睦月を補強する、と多重の要素の詰め方が、実にテクニカル。
その結果、解決方法も特にないまま殴り合いに突入してしまいましたが、剣崎も始さんもエキサイト体質だからシカタナイ。睦月は未熟者というポジションに落ち着き、そして、本来ストッパー担当の筈の人には、信頼感とカリスマ性が無い(笑)
誰だこの、ナイト−バーサーカー赤魔道士−ものまね士、みたいなパーティ組んだの。
「いい加減にしろ、始!」
殴りかかられている内に火がついてきた剣崎さん、思いっきり上段蹴り。
むっとした始さん、エボリューション。
駄目だこの2人。
ワイルドカリスに斬り飛ばされたブレイドも対抗するべくエボリューションし、今遂に、キングとワイルドが互いの武器を向けて対峙する。
「やめろ……なんでだ。何の為の戦いなんだ!」
アローを受けて吹っ飛ぶブレイド、果たして、剣崎と橘は本当にアンデッドポイズンに毒されているのか。それとも――?!


◆第44話「殴り合い浸り隊」◆ (監督:長石多可男 脚本:井上敏樹
少し前から気になっているのですが、ここ数回、アバンタイトルにおける前回のおさらいが長い(2分近い)のは、撮影スケジュールが厳しいとかあったのでしょうか(^^;
4人のライダーによる殴り合いを見つめるティターン……を更に背後から見るイケメン。
「読めたぞ。おまえの狙いが。――いや、天王路の狙いがな。だが……果たして」
そのままタマの取り合いに発展するかと思われた殴り合いだが、カリスに剣を突き付けたブレイドは、自ら変身を解く。
「もうよそう。俺には今、おまえを傷つける理由はない」
その言葉を受けてカリスも変身を解き、ギャレンの銃撃ダメージで変身が解けた睦月の前で、橘も変身解除。
「よせ睦月。これは何かの誤解だ」
「誤解……じゃあ貴方達は、なぜ俺を襲ったりしたんですか?」
たぶん……彼女持ちだから。
睦月と始の言い分にさっぱり覚えのない剣崎と橘。
「俺は俺だ。橘朔也のままだ」
えー……それが一番、信用できません(笑)
「俺だって」
確かに今の2人からはおかしな様子はない。だが、打ち込まれたアンデッドポイズンが少量であった為に一時的に回復しているだけかもしれない。そしてもし剣崎も橘もまともなのだとしたら、始と睦月を襲ったのは何者なのか? 始はしばらく、剣崎を見張る事にする。
実のところ前回、橘さんも剣崎に轢かれそうになっている筈なのですが、もう忘れているのか。まあ、俺はそれでも剣崎を信じている的アピールをしても、単なる騙されやすい人にしか見えないわけですが。
橘さんはもはや、橘視点そのものが全く信用できないという、存在が叙述トリックの領域に達していて凄い(笑)
「だいたいおまえ、どこに目をつけてんだ。俺たちけっこう濃い付き合いしてきたのに、寂しいじゃないか」
「気色悪い事言うな」
農場に居座り、買い出しをストーキングする始だったが、さすがに居心地が悪くなった剣崎、始の目にレモン果汁を浴びせ、逃走。追いかけた始は公園で剣崎を発見するが、買い物袋から取り出した雪平鍋で自分の頭を叩き始めた剣崎が、突如豹変。
ここの意味不明アクションと、剣崎の表情の変え方は良かった。中盤に始さんの一人二役がありましたが、こういうギャップ芝居は役者さんがついてきてくれると実に面白くなり、1年物の楽しさであります。
やはり剣崎はアンデッドポイズンの影響を受けているのか?! だがその時、組み付いてきた剣崎の腕に、傷を手当てした包帯が巻かれていない事に気付く始。
「おまえは剣崎じゃない。何者だ貴様?!」
投げ飛ばされた剣崎は、アンデッドの姿に変貌。始や睦月を襲い、戦いをあおっていた剣崎は、ティターンの変身した姿だったのである。
日本語こそ喋らないものの、割と知性が高いのか、周到な上にお茶目だティターン(笑)
始の前から逃げ出したティターンはその始の姿に変身すると、ちゃっかり再合流していた剣崎と虎太郎の前に現れ、メリケンサックで剣崎にパンチ。
ティターン始が姿を消した後に本物始が追いついてきて喧嘩になりそうになるが、今度は始が喧嘩を止めて事情を説明し、ここで前回からの陰謀劇の真相が明らかに。
真実がわかってみると、実はカレー剣崎を本物だとした橘さんの判断は正しかったという事になるのですが、その後トンネルで遭遇した偽物も本物だと思っていたので、結局、橘視点は何も信用できない。
逃げたティターンは睦月の姿になると、レンゲルに変身した上で橘を殴って逃走。しつこく状況の混乱を招こうとするが、そこで橘と睦月の元に携帯メールが届き、4人は農場へ集合する。
「毒の力と、自在に姿を変える力。恐らく、二体のアンデッドが、人工的に合成されている」
以前に天王路が「神にも造れぬものを、我らが誕生させる」と言いながら二枚のカードを見ていたのは、この前振りだった模様。
透明化は変化能力の1パターンという事で、一種の擬態のイメージ、カメレオンアンデッドとかでしょうか。で、毒はスコーピオンとか? 毒がメインを強調しておいて、実はそれだけではなかった、とうまく繋げてきました。
全員揃って情報は共有したものの、もしかしたら既にこの中にティターンが混ざっているかもしれない……始は「気配を感じない」と請け合うが、剣崎の音頭で本物証明アピールタイムがスタート。
「どうせ俺は彼女いるけどみんなに迷惑ばかりかけて彼女いるけど役に立たない駄目野郎だ……彼女いるけど」と落ち込む睦月の発言に、「うん、本物の睦月だ」といい笑顔を浮かべる剣崎(おぃ)
それを受けて、浸り出す役立たず。
「睦月、おまえだけじゃない。俺だって同じだ。伊坂に騙され、トライアルBに騙され、こんな情けない俺のせいで、大切な人を失った事もある」
「橘さんも本物だ」
「間違いないわね」
ひ・ど・い
「後は、広瀬さんと虎太郎」
疑われて怒りの広瀬は椅子を持ち上げてアピールし、後からやってきた虎太郎は牛乳で無実を証明。
「うん、本物だ、おまえも。残るは……」
「俺を疑うのか?」
「何言ってんだ。おまえだって思いっきり、俺の事を疑ってたじゃないか」
ところがその時、いきなり苦しみだした始は飛び出していく。もしや、この局面でジョーカーが暴走したのか? 慌てて追いかける3人。始は途中で喫茶店に立ち寄って水をがぶ飲みし、天音ちゃんに目撃されつつ再び外へ。始に重なるジョーカーの姿、それを見つめるティターン、更にその後ろでストーカー状態のイケメン眼鏡。
「これは……予想外の展開だな」
この人も、思わせぶりな事を言うだけの係と化していてちょっと困りますが、格好いいので許す(おぃ)
演じている方は、前年に同じ東映の実写版『美少女戦士セーラームーン』でレギュラー出演していたそうですが、正直ゲスト上級アンデッドのキャスティングの微妙さが目立った今作において、最終盤にふさわしい、落ち着いた存在感を出してくれている有り難い存在。
「おまえどうしたんだよ。ジョーカーの力は、完全に封印したんじゃなかったのかよ?!」
「うぁぁぁぉぉぁぁぉぉぉぉうぇぇぉぉぉ!!!」
咆吼する始はジョーカーの姿と化し、3人に襲いかかる。
「始! 頼む、やめてくれ!」
「無駄だ! ヤツはもはや人間じゃない!」
やっぱり橘さんが真っ先に変身し、睦月も変身。
「やるしか……やるしかないのか」
悩む剣崎も覚悟を決めてブレイドとなり、ギャレンレンゲルが暴れ回るジョーカーに組み付いて動きを封じた所へ剣を振り下ろす……が、その一撃はジョーカーの脳天直前で止まる。
「駄目だ……俺には出来ない……」
そこへ、業を煮やして飛び込んでくるティターン
「引っかかったな」
いきなりジョーカーを解放、ティターンを捕まえるギャレンレンゲル。そしてジョーカーの姿からあっさり人間に戻る始。
「芝居だったんだよ、おまえを誘き出す為のな」
「ジョーカーが生き残れば、世界は滅びる。ならばおまえもジョーカーを倒したい筈だからな」
何らかの力で4人の動きを把握しているティターンを罠にはめる為、4人は携帯メールで芝居を打ち合わせし、ジョーカーの暴走を餌にしたのであった。
「俺たちの芝居も、おまえの芝居もここまでだ。――変身」
カリスの攻撃が炸裂し、吹っ飛んで逃げるティターン、一致団結して追う4人のライダー。
「嫌がっていた筈のジョーカーの姿を囮に使うとは。だが、ヤツの持つ力は、死んだわけではなかった」
始の中にまだジョーカーの力がある事を知り、姿を消す金居。
ティターンを追う4人は、泣きじゃくる天音ちゃんと遭遇。
「始さん、また出て行っちゃって。追いかけてきたら、また化け物が出てきて」
天音の指さした方向へ向かう4人だが、不意に足を止めたカリスが、天音ちゃんに攻撃。
「無駄だ。天音ちゃんの姿を借りても、おまえの気配を消す事はできない!」
それは本物の天音ちゃんではなく、ティターンの変装であった。正体を見せたティターンに次々と攻撃をしかけ、皆それぞれの武器を使う中、何故か素手で殴るギャレン(笑)
そしてエボリューションしたブレイドに、3人がそれぞれのカードをレンタルする。
各スートから4枚の「6」と、スペードの「K」によって放たれるのは、四属性攻撃・フォーカード!
核に電気に重力磁力……じゃなかった、風と炎と電気と冷気の力をまとったブレイドの突撃斬りにより、ティターン、一刀両断。ベルトの二つのバックルが開き、ギャレンレンゲルがそれぞれ封印を果たす。
「2体封印。これで、残るアンデッドは、あと1体。……いや」
勝利のポーズもなく、いちはやく剣崎と並んで帰って行く始の背に、橘は厳しいまなざしを向けるのだった――。
これは全員共通ではあるのですが、橘さんが「偽りのバトルファイトである事を知らない」というのは、実に橘さんにふさわしい、酷い仕込みだなー(笑) まあこの辺りの核心部分は未だにハッキリしていない点が多いので、本当に偽りなのか、という所からして色々とひっくり返せてしまう部分ではありますが。
前回、剣崎/橘と、始/睦月、という組み合わせで展開していましたが、このラストシーンが、去って行く剣崎/始、それを見つめる橘/睦月、という構図になっているのは、クライマックスへ向けた意識的なものかと思われます。
睦月は今回の展開で一気に、「仮面ライダーとしての自信と自覚」を持たせる所まで描くのかと思っていたのですが、そこまでは至らず。残り話数からすると時間なさそうだし、駄目師匠についていく形になるのか。男の絆は多分、Mの絆。
ティターン戦のクライマックスは、それぞれのカードを使っての必殺攻撃フォーカードで、4人の共闘が格好良く描かれました。今更ながら、基準の各属性カードだったら「7」でいいようなとも思ったのですが、「7」は「7」でまた何かあるのかしら。今回は綺麗に決めてきましたが、やはりもう少し、カードの要素は物語に取り込みたかった所であります(^^;
始さん大暴れはあまりに突然だったのでブラフなのは見え見えでしたが、全て芝居だったという前提で、本物証明アピールタイムを振り返ると、色々と趣深い。たぶん、広瀬さんは素だし。
で、ブラフ見え見えでも敢えてジョーカーという札を使ったのは、「嫌がっていた筈のジョーカーの姿を囮に使うとは」という金居の台詞で、始さんの「変化」を明快にするという意図なのでありましょう。
一つ残念だったのは、一連の芝居を、ティターンに見られている可能性がある、という意識のもと行っていたとすると、芝居中の行動には全て意味がある筈であり、喫茶店に寄った意図がある筈なのですが、そこが描かれなかった事。これだけ練った構成の脚本でそこだけ抜け落ちているとは考えにくいので、あえて喫茶店に寄った(ティターンに天音ちゃんの姿を見せた、のかと思われる)のはティターンに関する何らかのトラップ要素だったと思うのですが、尺の都合なりで視聴者へのミスディレクション部分だけ残されたのか? 前回今回と面白かっただけに、そこがミスディレクションの為のミスディレクションになってしまったのは勿体なかった部分。
闇の底――研究員から報告を受ける天王路(研究員の出てき方が思わせぶりだったので、一瞬、ここで烏丸所長か?! と期待したけど、違った)。
ティターンが倒されました」
「かまわんさ別に。いずれにせよ、アンデッドは全て、滅びなければならない。生き残るのは、究極のアンデッドただ一人。そして私は、神の声を聞くのだ」
悠然と構える天王路は、懐から一枚のカードを取り出す。そこに描かれていたのは、三頭の犬……ケルベロス
茶店では、やってきた剣崎にレモン果汁をかけてお返しする始さん、と始さんに愛嬌と遊び心が出てきた描写。果たして、始はジョーカーなのか、ヒューマンなのか。無駄に責任感に燃える橘さん、着々と真の目的に向けて進んでいく天王路……偽りのバトルファイトの、行き着く先はどこなのか。
次回、遂に、物語は全ての謎の核心――「給料」に触れる!!!