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『魔法戦隊マジレンジャー』感想1

◆Stage.1「旅立ちの朝〜マージ・マジ・マジーロ〜」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:前川淳
長いよサブタイトル!(不条理な文句)
さて、恒例行事みたいなものではありますが……演技きっついなぁ(^^; 全体的に兄妹が棒気味なのですが、特に黄色い戦士がキャラの台詞回しの都合もあって強烈なので、みんな頑張れ。現在もオールアフレコなのかわかりませんが(『シンケンジャー』の時にシンクロ録音に変わったと聞いたけど、今どうなのかは知らない)、翻って『トッキュウ』はやはり、レベル高いよなと。
日曜朝、家族団らんの食卓を囲んでいた小津家がTVをつけると、末の弟がニュースになっていた。
高い所に引っかかった風船を取ろうとしてポールに登る……と、赤い戦士の無鉄砲な熱さ見せなのですが、もともと、街中でサッカーボールをドリブルしながら歩いていて、風船持っていた少女にぶつかる、という120%赤い戦士に責任のある前方不注意なので、どんな顔で見るべきか悩みます。
これ、普通に通りすがりで良かったと思うのですけど、どうして、主人公に体当たりさせたのか(^^; ここまで顔を隠している演出も、特に効果的ではないし。
末弟は風船を手にして女の子に無事に渡し、調子に乗ってTVのインタビューに答えたりしないようにと、慌ててやってきた兄達に回収される。その帰路、突如、一家の足下に魔法陣が浮かび上がり、そこから巨大な怪物が出現する。
冥獣トロルは、人間よりは大きく、さりとて巨大ロボサイズではなく、二階建ての家ぐらい、というのは面白い。
子供達を逃がした母は、いきなり変身。「チェックメイト!」と割とノリノリで怪物を撃破する。
これまで秘密にしてきたが、実は母は、天空聖界マジトピアから魔力を授かった魔法戦士だったのだ。今また、地底冥府インフェルシアの住人達が地上に侵攻してようとしている……と、母の正体に驚く間もなく、強制的に魔法戦士にされる兄妹達。
「母さんはより強敵と戦う為にMP溜めないといけないから、おまえら、ちょっと矢面に立ってこいや」(意訳)
と戦場へ送り出される兄妹達は、さすがに嫌がるが、主に長男と次女が先導して出撃。ただ1人、魔力を与えられなかった末弟だけが残される。
「魁は高校生でしょ。戦士として戦うにはまだ早いわ」
「なんだよそれ?!」
うむ、なんだそれ。
なんの説明もなく子供達をいきなり死地へ放り込んだ人と同一人物の台詞とは思えませんが、どうしてもう少し、心の準備をさせておかないのか、母。まあ多分、インフェルシアの侵攻があるとは限らないから、知らないままで済めばいっそ……的なものだとは思われますが、それにしても切り替えが早すぎて、色々と困った人です、母。
というか、末弟以外は全て、こういう時の為に準備しておいた捨て駒の養子なのではないだろうか。
さすがにあんまりだと思ったのか、一応、風船事件の無謀さを理由に。
「俺は、勇気なら誰にも負けないんだ!」
「魁、勇気と無茶とは違うの。恐れを知らない者に、本当の勇気はわからない。そして、本当の勇気が無ければ、魔法は使えない」
魁が家を飛び出す一方、兄妹は森でインフェルシア戦闘員と遭遇し、魔法変身。

「唸る大地のエレメント、緑の魔法使い、マジグリーン!」
「吹きゆく風のエレメント、桃色の魔法使い、マジピンク!」
「たゆたう水のエレメント、青の魔法使い、マジブルー!」
「奔る雷のエレメント、黄色の魔法使い、マジイエロー!」

各人それぞれの属性攻撃と、それにともなう個人武器を使用してのアクションで、これは、わかりやすい。
「力がみなぎるー。魔法のパワーだ! チェックメイト!」
って、母がノリノリだったわけでなく、天空ルールだったのか。
雑魚を蹴散らす4人だったが、ここでインフェルシアの魔法使い、魔導騎士ウルザードが登場。あっという間に4人は追い詰められ、物陰でそれを見ていた末弟は、助けたいと思いながらも恐怖に足がすくんで動けない。
「魔法使いは俺一人でいい。まずはおまえから、血祭りだ。くたばれ」
だが、緑が剣のサビになろうとした時、空き缶をぶつけてウルザードの動きを狂わせ、その前に飛び出す末弟。その様子を何故かMP溜めながらモニターしていた母は、満足げに微笑む。
「大事な人を守りたい。一途な気持ちで恐れを超える。――それが勇気」
えぇーーーーーー?!
いや、定番の台詞と展開なのですが、定番なのでもう少し巧くやってほしいというか、結局飛び出しただけで、勇気と無謀は違うのだわさ、という点においては1ミリも進化していない気がするんですが。
「俺はマジだぜぇーーー!!」
ウルザードの剣を白刃取りしたら、何故か魔法のパワーが発動し、皆とお揃いの衣装に着替える末弟。
天空聖者よ、我に魔法の力を! 魔法変身、マージ・マジ・マジーロ! 燃える炎のエレメント、赤の魔法使い、マジレッド!」
マジレッドは、新たに出現した戦闘員をサッカーボールに変え、それを蹴り飛ばして攻撃するという、残虐ファイトを披露。5人揃ったマジレンジャーに対し、ウルザードさんは、馬召喚→自身巨大化→合体、といういきなりの満漢全席。
とここで1話終了し、次回、巨大母。
前作『特捜戦隊デカレンジャー』がやや小難しめ路線(なので、ロボ戦などで目をひく造りにしていた)だった反動からか、かなり明確に低年齢層を意識したと思われる構成。少し意識しすぎな感じもありますが、わかりやすくはあるのか。特にどこかが間延びしていたというわけではないのですが、ラストに凄くブツ切れ感があって、話の流れとしてはいまひとつ。
今のところ敵の侵攻理由が「寝起きで機嫌が悪かったから」に見える、ウルザードさんが何をしに来たのかがわからない、ウルザードさんが大馬神モードを発動した意味がもっとわからない、というのが話にメリハリを感じない特に問題な部分。すべからく展開の為の展開になってしまっていたので、もう少しそれぞれ、理由を付けていって欲しかった所です。別に事細かに語る必要はなくて、ウルザードさんに「んじゃあちょっと、地上の連中しめに言ってきますわ」とワンシーン入れるだけでだいぶ違うのですが、そういったシーンが軒並みなくて、脚本・演出ともに、良くない仕事。


◆Stage.2「勇気を出して〜マージ・マジ・マジカ〜」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:前川淳
一番やばい赤と黄が怒鳴り合っていると、とてもやばい。マジやばい。
ところで、各人のマスクのモチーフを見るに
赤:火の鳥
黄色:鳥っぽいし能力的にサンダーバード
青:よくわからないけど気持ち翼っぽい
桃:蝶?
緑:
……何だろうこの、兄者の差別っぷり。
どうして、どうして兄者だけ飛べないの?!
むさいから?! 暑苦しいから?! 老けているから?!
兄者だってまだきっと、翼の欲しいお年頃ですよ?!
喧嘩している間に馬に踏みつぶされそうになる赤と黄だったが、そこへ母が助けにやってきて、おもむろに巨大化。2話冒頭から、ケンタウロス紫vs巨大母、という壮絶なバトル。が、いったい何の為にMPを溜めていたのか、あっさりとぶった切られて消滅する母。一応、脇腹にダメージを受けてウルザードは一時撤退するが、この人も何をしに来たのか。
続けてのインフェルシア反応に、母の仇討ちだ、と悲しみを振り払って立ち上がる赤・緑・青だったが、黄と桃は戦いを拒否。母の形見となった魔法のステッキを持って家に戻った二人は、そこでステッキの光に導かれて、魔法の隠し部屋へ足を踏み入れる。
「あなた達がこれを見ているという事は、インフェルシアが復活したという事ね」
そこには、母からの魔法メッセージが残されていた………………て、あーこの人、一番迷惑なタイプだ(笑)
例えるなら、何の説明もなくスーパーロボット造るだけ造って失踪した天才科学者のお父さん、とか、そういう系統。
かつてこの世界では人知れず、マジトピアとインフェルシアの戦いがあった。その時、地上侵攻を目論むインフェルシアを、自らの命と引き替えに封印した一人の天空聖者が居た。その天空聖者こそ、「冒険家として南極で死んだ」と聞かされていた、兄妹の亡き父だったのだ!
ちょっと待て。父は、インフェルシアと戦いながら、地上人との間に5人も子供作っていたのか。
……いや、5人作った後に戦いになったのかもしれませんが、そうすると、戦いがあったのは15年ぐらい前になるので……早かったな、復活。
まあ別に、戦いながら子供作ってもいいのですが、いいのですが、ただでさえ締まらない展開が、よりいっそう締まらない感じに(^^;
その頃、長兄と次女と末弟は、インフェルシアの斥候、ナイとメアと戦っていた。ナイとメアは、小悪魔系顔出しキャストが、合体して着ぐるみ女怪人・バンキュリア(年増風味)になるという、なかなか面白い変化球。3人はバンキュリアによって、巨大な冥獣ブロブの口の中に放り込まれてしまう。
母のメッセージに戦う気力を取り戻した黄と桃が箒で駆けつけ、3人を救出。桃は属性の風に加えて、変身魔法の使い手の模様。そして母に、「貴方達の武器は勇気だ」とそそのかされた黄色は、箒で巨大怪獣に突撃。
……色々駄目だ、この一家。
「溢れる勇気を魔法に変える、魔法戦隊マジレンジャー!」
新たな魔法がインストールされたマジレンジャーは、魔法大変身で、ロボットに巨大化。
ここでそれぞれのモチーフが、
タウロス(緑)・フェアリー(桃)・マーメイド(青)・ガルーダ(黄)・フェニックス(赤)
と判明しました。
飛べないのは、兄者だけじゃなかった! 兄者一人だけ、ファンタジー感は凄い薄いけど!!
フェアリー長女が自らボールに変身すると、これを4人が次々とはたき蹴り飛ばし、ゴレンジャーハリケーン的(デザイン上のマント繋がりから意識的なオマージュでしょうか)に姉ボールが巨大冥獣に炸裂して、大爆発。
……マジやばいよ、この一家。
インフェルシアでは、本拠地の床にある覗き窓から、大ボスらしき冥獣帝ン・マ様が巨大な瞳だけ、ちらっと見せてお怒りをアピール。はたして、地底冥府インフェルシアの地上お引っ越し大作戦は、どうなるのか!
そして、桃と黄から母のメッセージを伝え聞いた3人は自分達の出自を知り、小津家の5人兄妹は、改めてインフェルシアとの戦いを自分達の運命だと認め、覚悟を決めるのであった。
……えーとこれはあれか、特に事情は説明していなかったけど、例の睡眠学習装置で、密かに戦い方を教えたり、不要な恐怖心は取り除いたりしてあるのか。
半端に桃と黄が悩む姿を描いた為、振り切れ方がむしろ怖いんですが(笑)
最後は「おまえは学生なんだから勉強頑張れ」と赤が言われてオチなのですが……えーと皆さん、お仕事は? まさかの、全員ニートだったらどうしよう。
立ち上げの1・2話としては、「勇気」というのは、しっかり積み上げないと、凄く雑になるよなー……という、悪い見本市。
“勇気の見せ方”という肝心の部分がなにか、いちいち間違っている気がします(^^;
知恵と勇気で戦うしかない所まで追い詰められている状況なら知恵と勇気で良いと思うのですが、どう考えても、備えを怠ってのんびりのほほんしていた挙げ句に、ろくな準備もせずに子供達を決死の最前線に送り込んでいる母が超駄目人間。
その為、物語全体が、“突然の侵攻に対して勇気で逆転”というよりも、“わかっていたのに事前に備えておかなかったから大変な事に”となってしまっており、本来盛り上がる部分として意図されたであろう所に、素直にノれません。
インフェルシアの復活が完全に予想外だったらまだしも、1話の台詞や今回の諸々を見るに、母の中でかなりの確度で復活前提だった割には、あまりにものんびりとしすぎです。
結果、導入で物語として、物凄くボタンの掛け違いが発生している。
今作、“インフェルシア復活は母も全く予想外で、最後の手段としてやむなく子供達を魔法戦士にする”か、“予想されたインフェルシア復活に対して、一家揃って覚悟完了済みで魔法戦士として戦う”(※この場合、末弟だけ若いから教えてなかったと省いておけば、充分にドラマは成立した)かのどちらかならまだしっくりしたと思うのですが、
“母、なんとなくインフェルシア復活するかもしれないとは思っていたけど、子供達には全く事情は教えず、のんびりしていたら本当に復活してしまったので、あっさり子供達を最前線へ送り出す”
と、物凄く意味不明な事に。
事情を教えていなかった事は感情的に納得できても、その後一切の躊躇なく最前線へ送り出すのはさっぱり理解できません。母の行動/言動の前と後ろがさっぱり繋がっておらず、全編通して支離滅裂。幸いというか、早々に母はリタイアしたので、今後落ち着いていってくれる事に期待。