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『天装戦隊ゴセイジャー』感想8

少しずついい単発エピソードが出始めたと思ったら、『ゴセイジャー』の抱える構造上の難点が浮き彫りになってしまった、そんな中盤戦クライマックス。
◆epic29「ゴセイジャーを封印せよ!」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:横手美智子
ブロブ達が閉じ込められていた箱は、太古の幽魔獣が作り出した強力な魔力を秘めたマジックアイテムであり、1万年前の戦いでは護星天使達がそれを逆に利用して、ブロブ達を封印していた事が判明。ブロブへの進言で箱の使用許可を得たブレドランは、それを用いてミラクルヘッダーを箱の中に封印してしまう。
「何を恐れる事がある。ミラクルゴセイヘッダーが戦っていたのではない。おまえ達が戦っていたのだ」
ラクル化の力を失い落ち込むゴセイジャーを叱咤するゴセイナイト、ひたすら格好いい。なおここで、初めて天知家へ乗り込み、マスターヘッドとご対面(ナイトのグラディオン時代には、マスターはまだ意識を持っていなかったと言及あり)。
ブレドランはブロブをそそのかしてゴセイジャーを箱に封印させようとし、新たなユニット、BBブロブレドランvsゴセイジャー&ゴセイナイトが大決戦。これまで杖を使っていたブロブですが、本格的な立ち回りでもう一工夫しようという事になったのか、メイス二刀流が格好いい(後の回で気付いたけど、杖を二分割していた)。そこへ脱退した筈の元ベース・ビッグフットが乱入し、混戦の中、箱を手にしたブレドランは本性を現し、ゴセイジャーブロブ、ビッグフットをまとめて箱に封印しようとする。
「これでこの世界は私のものだ! ふっはははははは」
……が、充電切れ(笑)
実は、音楽性の違いから解散したと思われた幽魔獣ビッグBは、ブレドランの陰謀を見破っており、わざと偽物の箱を落としてブレドランを罠に掛けたのであった。ところが調子にのって取り出した本物の箱をナイトが攻撃し、ミラクル解放。
「お前達の力を見せてやれ」
力を取り戻したゴセイジャーのミラクルダイナミックの盾にされ、ブレドランはパニッシュ。ビッグフットが確保したビービ虫の巣を使って巨大化されるという、策士策に溺れて哀れな事に。
「ふっ、遂にこの私を本気にさせてしまったな」
……何故そうなる(笑) 引っ張った末に随分な小物になってしまったブレドランは、グゴグの攻撃を受けて天罰断罪。とうとうお星様になってしまうのであった。
1話完結を守るあまり、決戦の段取りを時間を取って組めず、何故かいきなり荒野で決戦が始まってしまう為に盛り上がりに欠け、連鎖的にブレドランも随分情けなくなってしまい、それに対するゴセイジャーのヒーロー口上も空回り気味になってしまうという、『ゴセイジャー』の構造上の難が激しく出てしまったエピソード(^^; ここ2話が良かっただけに、勿体ない。
そして、ブレドランとは何だったのか……。
「お前達、油断するな。戦いはまだ終わってはいない。――だが今は、よく休むがいい」
良かったのは、ゴセイナイトがひたすらイケメンな事(笑)
登場時はただの“格好いい”だったけど、5人に気を遣うようになってから、物凄い勢いでナイトのイケメン度が上がっていく……!


◆epic30「ロマンティック・エリ」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:香村純子)
炎神戦隊ゴーオンジャー』で戦隊初参加し、後に『仮面ライダーウィザード』でメインライターを務める香村さんが参戦。
夢を願い、感謝を捧げる護星界の伝統行事、護星祭の日――人の夢を食う獏妖怪が、ビッグBが実験する箱の力で強化されて出現。元々は寝ている人間の夢を食べるだけだったが、強化された獏は人間の希望や目標を吸い取ってしまえるようになり、しかも獏に夢を奪われた人間は廃人となって絶望の根を生やし、それは大地に突き刺さって広がると地球を腐らせる毒になってしまうのだった!
と、まずは幽魔獣の作戦と「地球を腐らせる」という目的を劇中でしっかり繋げました。また。夢を奪われて廃人状態になった人間の体から根が生える、というビジュアルも秀逸。
戦闘中に思い切り油断して夢を食われてしまったエリが倒れ、同じく夢を食われた人々が無表情で座り込む廃人空間に。
(こんなの嫌。私、みんなに笑っててほしい)
廃人の仲間入りするかと思われたエリだが、持ち前の明るさと前向きさで立ち上がり、無反応に構わず、人々を笑顔で励まそうとする。現実空間では、一旦エリから伸びた絶望の根が消滅し、それを見たアラタ達は廃人空間をエリに任せて獏を探しに。地球が腐っていくのを見過ごせないナイトは倒れた人間から伸びた絶望の根を力ずくで切断しようとする、と両者の立ち位置の違いも上手く処理。
(このままでは地球が危ない。こうなったら人間ごと……)
地球を腐らせる人間どもをフォーアース! しかけてギリギリで思いとどまるナイト、いい(笑)
そして――
「私……ママのプリンが食べたい……」
廃人空間でひたすら、無邪気で無尽蔵の夢を語り続けるエリの言葉に、少しずつ目覚め、甦りだす人々の心。
「あたしも……」「僕も……」「私も……」
やがてそれは大きなうねりと叫びになり、甦った人々の夢は獏怪人の腹の中から解放される!
「夢は、自分で諦めない限り、何度だって甦る!」
夢が戻った事で人々は目を覚まし、ナイトの前に笑顔で立ち上がるエリ。
「ゴセイピンク。……おまえはまさか、夢の力で」
「そ! 夢っていうのは、人間の生きる力なんだから」
「生きる、力……」
底抜けに前向きで明るい自由人、というより、無責任で脳天気な割に計算が透けて見える、という嫌な感じになっていたエリが、ようやく挽回。エリの持っている精神的強さを、ゴセイジャー的「諦めずにやってみる」とは別の角度から描いた上で、人々の立ち直りと繋げたのは非常に素晴らしい。
ゴセイジャーって「人間」「人間」言う割には、これまでなんだかんだで、望以外の人間との精神的繋がりが薄かったのですが、ここで、天使のサポートで立ち直る人間、という構図を組み込めたのは良かった。
「ここからは、私達のターンよ……なーんてね」
獏怪人と戦う4人の元に、ライオンヘッドに乗ったピンクがかけつけ、ナイトとピンクの連携攻撃。吹っ飛んだピンクの足場になってのツープラトン攻撃など、ゴセイナイトは今回もひたすらイケメン。獏妖怪は天罰断罪されるが、箱の力の実験には成功したと、ビッグBは闇の中でほくそ笑むのであった……。
戦い終わり、夢を取り戻した人々の姿を描き、路上ギタリストの歌をBGM(これが割と良い演出)に向かい合うゴセイジャーとナイト。
「夢の力か……」
赤「ねえ、ゴセイナイトの夢は?」
「夢など私には必要無い。私の使命は、幽魔獣らこの星を汚す輩を、ただ排除する事。それだけだ」
ようやく気付いたけど、ゴセイナイトは毎回こうやって、ヒーロー去りするから、格好良さが増すのか(笑)
黄「それだけだ……て、なんかさみしいね」
5人はその後ろ姿を、今はまだ、黙って見送る事しか出来ないのだった。
その夜、5人は祈りの言葉と共に地上で5人だけの護星祭を行い、それぞれの夢を天装術に誓う。ここ数話の個人回で触れた事柄をそれぞれの夢に、というのも良かった。
特に、
「もっと仲間や自分を信じて、自分の強さに変える」
アグリの夢が、泣けます。
そして――
エリ「……ゴセイナイトにも、楽しい夢が見つかりますように」
と、アバンタイトルで振ったネタを劇中のギミック(エリが大量に書いた夢の天装術カードで獏を誘き寄せる)として用いた上で締めにも使うという、しっかりした三段活用。この話数での途中参加ながら、ゴセイナイトのキャラクターをしっかり掴んでゴセイジャーと色分けし、更に今後ナイトで描いてほしい部分も抑えた、見事な脚本でした。
大筋では悪の組織の完全入れ替えという目立つ仕掛けをやりつつ、17話での追加戦士登場、その後の追加戦士と既存メンバーの擦り合わせ、とセオリーを組んだ流れなのですが、結果としてナイトと絡める事でようやく、各キャラの良い所を良い形で見せられるようになってきました。自分の夢を散々語っていたエリが、肝心の一つでゴセイナイトの為に祈る、という最後も素晴らしい。…………モネとハイドの回は微妙だったけど(笑)
ゴセイジャーそれぞれの補強をしつつ、ナイトが少しずつ人間について知っていく……という構図になった事で、ナイトが凄く丁寧に描かれているのは、今作の構成の貴重な長所です(笑) 当然、望少年にほだされて思想改造されてあっさり終了、というのを危惧していたのですが、それを回避し、丁寧にやってくれているのは嬉しい。というかどうしてナイトだけここまで丁寧に描かれているのか、背後に何か陰謀を感じるレベル(笑)


◆epic31「ネバーギブアップ! ゴセイジャー」◆ (監督:加藤弘之 脚本:荒川稔久
ブロブが箱の力で自らの体に宿す粘菌を広範囲に拡散させ、毒の粘菌ネットワークにより地球を覆おうとする。幽魔獣ビッグBまさかの合体技、幽魔バスター・幽魔ダイナミックからゴセイジャーをかばったゴセイナイトが大ダメージを受け、ゴセイジャーは何とか幽魔獣の野望を食い止めようと、ビッグBに挑むのであった。
「吾輩は人を随分と研究したけどねぇ。地球に一番優しくない存在は、実は人なんじゃないかい?」
「なんだと……?」
「知らないのかい? 世界には地球を百回滅ぼせる量の、爆弾があるんだよ。それは人どもが作ってきたものだろう?」
と、面白い所に踏み込んできたのですが、データス越しに戦いをモニターしていた望が反論し、ブロブの「ただの綺麗事だよ」に対して「いや、俺たちは信じてる」で終わってしまう為、広がりきらず、どうも弱い。
ナイトと人間の関係など、色々と広げられると思うのですが、どうも脚本サイドでも、もっとやりたい事があるのに、1話に収めてゴセイジャーの勝利で何となく話をまとめないといけない為、すべからく省略気味にせざるを得ず、組み立てにくそう。
ナイトの助言もあり、巨大化したブロブ@打撃無効を打ち破るゴセイジャーだが、ビッグフットは何故か余裕の表情で引き下がると、密かに箱をビービ虫で巨大化するのであった……て、何でも巨大化できるなビービ虫!(笑)


◆epic32「究極の奇跡を起こせ!」◆ (監督:加藤弘之 脚本:荒川稔久
見所は、超ヒロイン化する望。
望の誕生日を祝おうとするゴセイジャーだが、巨大化したエルレイの箱が都庁と合体。ブロブの真の目的は、故意にグゴグの必殺技を受ける事でゴセイパワーをその細胞に染みこませ、箱の力と合わせて再生巨大化し、地球そのものと一体化する事であった!
ブロブを倒す為にゴセイジャーは都庁内部へと向かい、立ちはだかるビッグフットにはゴセイナイトが立ち向かう。
「彼等のターン、邪魔させはしない」
「馬鹿な護星天使どもは、膜インの中で終わりだ、終わりだ、終わりだ!」
「そんな事は、この星と私が許さない!」
都庁内部でのゴセイジャーvsビービ部隊の集団戦と、ゴセイナイトvsビッグフットの一騎打ちを並行して描く事で、ここの戦いは盛り上がりました。ただ、中枢に辿り着いたゴセイジャーが例の如く気合いと根性でブロブを撃破してしまう為、ウォースター壊滅時と同様に、幽魔獣との決戦も盛り上がりきらず(^^;
これはずっと今作の欠点なのですが、ゴセイジャーは事あるごとにヒーロー口上を乱発する上に、どんな戦いでも言っている事が基本的に変わらないので、“ここぞ”という時のパワーが致命的に不足しています。
気合いも根性も正統派も構わないのですが、「そこで出る言葉」と「そこに至る積み重ね」の繋がりが弱いので(これを繋げる為に、「物語」は存在する)、今ひとつ、上滑りして空回りしてしまう。
敵組織が入れ替わって定期的に大きな波が来る、という構成なればこそ、ゴセイジャーが何に気付き、どんな力を得ていくのか(ギミック的なものではなく)、の1年間トータルでのホップステップジャンプの大まかな設計図が必要な作品だったと思います。……まあそもそも、戦隊ものでそういった年間の絵図を描くのは難しいわけなので、恐らくそういう風には作ってないと思うのですが、とすると、コンセプトに問題があるよなぁと(^^;
テクニックがあるので何となくまとまったものは書いてしまうのですが、サブ参加の荒川さんがどうもノっておらず、可も無く不可も無く優等生的なエピソードが目立つのも苦しい(その分、これまでの枠を外しに行ったゴセイナイト登場編は良かったのですが)。今回も言ってしまえば子役ヒロイン化による一点突破ですし。
ブロブの仇を討つために、ビッグフットは自ら巨大化。一方、ブロブが消滅した事で、都庁内部に生じた幽魔ゾーンの崩壊に呑み込まれてしまうゴセイジャー。もう、ゴセイジャーは現実空間へ帰還する事は出来ないのか……? その時、マスターヘッドが究極の手段を宣言し、新しい天の塔の礎となる筈だったマスター山が次元の壁を突き破ってゴセイジャー達の元へ辿り着くと、ミラクルゴセイヘッダーと合体し、巨大な三角形のマシンが誕生する!
「未来ある護星天使達よ、おまえ達の力、これからも信じているぞ……」
ゴセイジャーを乗せて幽魔ゾーンからの脱出に成功したゴセイ三角は、ちょっと懐かしいノリの空中戦艦といった感じで、空中戦〜ロボットへの変形は、気合いの入った特撮でかなり格好いい。
そして今、奇跡の力とマスターの力、護星天使達の想いが結集した地球を護る究極の三角、ゴセイアルティメットが降臨する!
ゴセイアルティメットは悪くは無いのですが……胸の……顔が…………どうしても、つけずにはいられなかったのか……マスターの顔(^^; 二刀流を振るうアルティメットはビッグフットを圧倒し、必殺アルティメットストライクで天罰執行。……ロボットも技名も変わっていますが、結局、頭を飛ばします(笑) そしてアピールするマスター。
かくして幽魔獣は滅びたが、ゴセイジャーを助ける為に力を使い果たしたマスターの反応が消滅してしまう。護星界との連絡も絶望的となり、再び孤立無援となったゴセイジャーは、改めて、地球を護れるのは自分達とナイトしか居ないと、決意を固め直すのであった。
マスターが大きな力の代償として、(一時?)離脱したのは良かった所。合わせて、ナイトの着地点候補も見えてきましたが、さて。
ゴセイナイト登場で華々しく開幕し、途中からだいぶグダグダになった幽魔獣編でしたが、ブロブ茶風林さんの好演もあり、面白かったです。こういう、年間で考えると大ボスにはしにくいデザインやキャラクターを、中ボスに持ってきてそれなりに大物然として使う、というは今作のコンセプトを活かせて良かった所。その分、ビッグフットはただの筋力専門で、台詞で特徴づける以外に特に面白くなりませんでしたが(^^;
次回、新展開で海底人……?!


◆epic33「恐怖のマトリンティス帝国」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:八手三郎
八手三郎さん、今年2本目(笑) 本気で何が起こっているのか(^^;
(※ご存じの方も多いと思いますが、八手三郎著作権管理上の名義)
劇場版を終えて、渡辺監督が帰還。会話シーンでの画面手前の構造物の置き方とか、遠景にした時の風景の切り取り方とか、歩道橋の使い方とか、随所で師匠筋(長石多可男)オマージュぽい構図多し。
マスターヘッドが姿を消し、護星界への帰還は遠のき、皆が落ち込んでいるのではと心配した望は、5人の似顔絵を描きながらそれぞれの話を聞き、護星天使達の人間界への想いが改めて語られる所に新たな敵が出現する、という展開。
「でも、自分がまだまだ未熟だって事を知っただけで、あいつも少しは、大人になったのかもしれねぇな」
モネを上から目線で評価するアグリさんの姿に、涙が止まりません。お兄ちゃんは口ではそんな事を言いつつ、(やべぇ……うかうかしていると追い抜かれて置き去りにされるぜっ……でも望にはそんな事言えないぜっ)と冷や汗をかきながら、深夜にこっそり自分だけ別メニューで特訓を追加するのです。
新たな敵、それは復活した古代文明マトリンティス帝国と、その尖兵であるメカ怪人・マトロイド。今度の敵はメカメカしい路線で、秘書ロボット・メタルアリスの足が吹っ飛び、すぐに繋ぎ直す、という、最初にメカである事を強調した描写は面白かったです。
「なんだあいつは……? 地球汚染源反応が感知できない」
ゴセイジャーを助けに来るも、GKサーチで敵が強制浄化の対象外と知り、困惑するナイトは攻撃を受けて吹っ飛び、それに望が巻き込まれてしまう。望の無事を知ったゴセイジャーは、怒りのパワーでシールドメカに反撃し、素では苦戦したものの、結局ミラクルで楽にパニッシュ。マトリンティスの首領であるメカゴーグが拾ったビービ虫により、巨大化したシールドメカは、ゴセイアルティメットで天罰執行。
……巡り巡って、ブレドランよりビービ虫が大事になるという、驚愕の展開(笑)
「地球を育むもの……命」
珍しくいい所のなかったゴセイナイトは、ゴセイジャーが望に語った、地球を護るのが天使なら、地球の未来を築いていくのは人間なんだ、という言葉に、考え込むのであった。
と、断罪の根拠を失いゴセイナイトの立ち位置が揺らいだ所で……次回、サブタイトルがヤバい(笑)