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『天装戦隊ゴセイジャー』感想10

◆epic37「エキサイト・モネ」◆ (監督:加藤弘之 脚本:横手美智子
そういえば無かったコスプレ回。
見所は、怪人ヘッドにウサギの着ぐるみで放たれるドロップキック。
街で怪しげなダイエットメーターとやらが配られるが、それは人間の怒りの感情が一定値を超えると石灰化ガスを噴き出すという、マトリンティスの人間奴隷化実験のためのものだった。知らずに身につけてしまったモネは興奮しないようにと、天知家に閉じこもっているように指示される事に。ところが退屈が嫌いで子供っぽいモネにとっては、家の中でじっとしている方がストレス。事あるごとにゲージがレッドゾーンに行きそうになる中、博士のつまらない洒落を聞いたモネは、悟りの境地への到達法を見いだす――。
「怒ってるけど、怒ってませんわ……お兄様」
それは、キャラ作り。クラシックをBGMに華麗に舞うゴセイイエローはデンタル珊瑚怪人を圧倒。最後は強行突破になったものの、見事に撃破に成功するのであった。
結局、博士のつまらない洒落から「ですわ」に至る流れは全く解説されないのですが、私の中のプリキュアのイメージが今回のイエローみたいな感じなのですが、何か、そういうお遊びだったのかしら。
今回のゴセイナイト:
戦闘中に皆がダイエットメーターを付けられて戦いにくくなる中、
「これで私達の動きを封じたと思ったら、大間違いだ」
案の定、一人だけ、全く影響なし。「達」と付けているのは、優しさです。
次回、「アリスvsゴセイナイト」! サブタイトルからは凄く期待なのですが……パターン的にはあまり期待しすぎない方がいいか?(笑)


◆epic38「アリスvsゴセイナイト」◆ (監督:加藤弘之 脚本:横手美智子
今まででワーストレベルの回でした(笑)
単身赴任中で滅多に帰ってこれない天知博士の妻・裕子さんが帰ってくる事になり、天知親子は大はしゃぎ。ところがタイミング悪くメタルアリスが地上のインフラ破壊活動を開始し、各地で交通網が大混乱。裕子さんが乗った特急が通過寸前の鉄橋も破壊されてしまうが、最後まで諦めないゴセイジャーの意志に応え、新たな奇跡、ゴセイワンダーカードがDLされ、巨大な頭が橋の代わりになって無事に列車は通過。ゴセイジャーは巨大化したアリスを、ワンダーゴセイグレートで打ち破るのであった。
ピンチを切り抜けたと思ったら結局大ピンチになったけど全く伏線の無い唐突な奇跡で解決しました! という単純に酷いエピソードなのですが、唐突に登場したワンダーゴセイグレート(ゴセイグレートのコンパチ)がまた酷く、微妙なデザインの上に必殺技がマサカリ飛ばしとか意味不明の領域なのですが、映画合わせにしては早すぎるし、何か、企画ネタなのでしょうか? そう思ってもなお酷いけど、そうでも思わないとさすがに理解不能なエピソード。
期待していたナイトとアリスの絡みも全く面白くなく、ハイドから本を借りて人間について勉強中のナイトは、
「確かに不合理かもしれない。だが……! ――教えてやる。人が人を想う気持ち。それを愛というのだ!」
とかいきなり言い出してしまう始末(^^; それは、マジック&デンジャーワードなので、安易に言わせないでほしいのですが。
また、演出、脚本、双方の問題だと思いますが、ゴセイジャーがてんやわんやしている間のゴセイナイトの棒立ちタイムがいつも以上に長く、色々と酷い。
ゴセイナイトは、戦闘での強さを落とさない為に(これは本当に徹底している)怪人活躍タイムにはちょっと距離を置いていたり、ゴセイジャーの見せ場を奪わないように少し待機していたり、というのはしばしばあるのですが、それにしても今回はやり過ぎでした。
クライマックスで「諦めるな!」と言いつつ何もしないでゴセイジャーが立ち上がるのを待っていたり、大団円シーンで天知親子とゴセイジャーの様子を覗き見していたりは、ジャンパーソンぽいといえば凄くジャンパーソンぽかったけど!(笑)
なお、裕子さんはお土産を見ている内に電車に乗り遅れ、そもそも乗っていず、帰ってもこない、というオチ。
さすがにアリス女史は完全リタイアではなく、戦闘データの回収の為に海老閣下の手で再生。それを特別扱いかと喜ぶアリスだが、「ただのロースペックロボット」としてお仕置きを受け、海老閣下の冷酷さの補強に。合わせて、個人の尊厳を認めず人類を「ただの人間」呼ばわりするアリスが、自分も「ただの有象無象」の一体に過ぎない事を突き付けられる、という仕込みが入りましたが、それにしても、酷かった……。


◆epic39「エピック・ゼロ」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:横手美智子
39話にして、護星天使が「職業」であったと判明。
言われてみればその方が自然といえば自然なのですが、これまでずっと、護星界に生まれる=護星天使(ファンタジー存在)のような描写だったので、ちょっとビックリ。
ゴセイジャーについてはこれまで、“護星天使として生まれたから仕方ない”(そういうファンタジーな生き物である)という視点である程度見ていたのですが、「護星天使の使命」が誕生時からの刷り込みではなく、職業訓練による後天的なものだとしたら、100%洗脳という事に。
以前に幼いエリとアラタが天装術の修行をしているシーンがあり、今回、護星天使はマスターが素質とか考えて〜みたいな事を言っていましたが、つまり護星天使は幼少時から訓練施設に集められて、血の滲むような思想教育を重ねて育成されるのか。……それは、ロボットみたいな反応で仕方がない。
「この課題を合格したら母親に会わせてやる」とか幼い頃から繰り返されたら、モネもああなるわけだし、種族同士の連帯感がやけに強くて非常にベタベタしているのも納得です。
となると、そこまでして護星界が人間を護る、真の目的がある筈ですが、他の生命体よりも人間を優先する理由として考えられるのは、人間の感情が、何らかの形で護星界にとって有用である、という事。
例えば、
「本日のメインディッシュは、人間達がテストに合格した際の喜びを煮詰めたビーフシチューでございます」
「3年間の片思いの末に失恋した冴えない男の悲しみのスパイスは舌の奥にぴりっと来て最高だね!」
「ビジネスでの大成功から、一夜にして破滅した男の絶望で作った、ヴィンテージワインが入荷しましたぜ、へっへっへ」
みたいな。
つまり、人間界は護星界のプラントだったんだよ!!
(前線の護星天使達は、勿論その真実を知らない)
と考えると、「星を護るは天使の使命!」を謳うゴセイジャーがその中でも人間の命を不自然に特別視する事、その理由を問われて答えになっていない答を返す事(思想教育による受け売りである)、などにも概ね納得がいきます。
……ゴセイナイトの真の敵は、護星界ではないのか。
えー、脱線で筆がノってしまいましたが、本編では、あいつが! サイボーグになって! 帰って来た!(笑)
アリス女史に拾われていたブレドランが、メカゴーグ閣下の魔改造を受けて、まさかの復活! まあ、長々と出ていた割には特にライバルという感じがしないので、帰還のニュアンスは「(笑)」なのですが。デザイン的にも、格好良くしようという意識が全く感じられません(笑)
過去の記憶を抹消され、護星天使に対する復讐心だけを残されたサイボーグブレドランは、せせこましい暗躍大好き男から一転、メタルアリスの命令に従う忠実なロボット兵士と化すが、その放つブレドランチャーはゴセイナイトにすら膝をつかせる威力を持つ。
ここで何故か、ブレドランの記憶が無い事をやけに残念がるゴセイジャー(笑) いや、別に、無くてもいいじゃない……。
限定的な空間で10秒時間を巻き戻すタイムリバース能力を持つタイマー亀が巨大化し、タイムリバースとブレドランビームが謎の反応を起こし、弾け飛ぶアルティメット。そしてアラタは一人、望がアラタと出会う前の過去に飛ばされ、これ以上なく見事な声かけ案件を達成してしまう。
成る程それで、このサブタイトル(「エピック・ゼロ」)か。これはなかなか、面白い展開。
今なら皆で集まって、ウォースターによる天の塔奇襲作戦を阻止できるかもしれない、と考えたアラタは他の見習い天使達に招集をかける……とここで初めての、明確な「つづく」。ここまで来たら1話完結縛りにこだわるのかと思いましたが、遂に引いてきたので、そろそろマトリンティスとはお別れでしょうか。
なお、ゴセイミドリことマジスは既に死んでいました(^^;


◆epic40「ストロング・アラタ」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:横手美智子
ブレドラン、サイボーグだけどやたら格好良くOPに参加。わざわざ追加する辺りに、スタッフのこだわりを感じます。
アラタを失いショックを受けるゴセイジャーだが、どこかでアラタが生きていると信じ、今の自分達で出来る限りの事をしていこうと決意。まずはエネルギー補給、でエリが思わず作りすぎてしまったアラタの分の丼を、無言で手に取るゴセイナイトが超絶イケメン。
割とすぐ、説教モードや叱咤激励モードが発動するのに、こういう時は無言のまま行動だけで示すのが超イケメン。
過去のアラタは集めた仲間達を説得しようとするが、上手くいかず、結局一人で天の塔に向かう事になる。その後、声かけ案件から落ち着いた望少年がやってきて、車に轢かれそうになったお礼をした事で4人がアラタの心を知って駆けつける……という流れは、正直、かなり強引。望少年を話に絡めようとしすぎて、無理が出てしまいました。そもそもハイド、この時点で謎の敵の襲撃を受けている筈ですし。
天の塔へ向かうアラタの前に同じ時間に飛ばされていたタイマー亀が出現。駆けつけた4人とゴセイジャーになったアラタは亀を撃破し、その結果として現在へ戻り、「アラタが過去に戻ったという歴史」はリセットされる(本人談)。
過去編で同種族以外の各人が初対面だったり、印象づけるように「はじめてのゴセイジャー」を描いていたので、ここで実は出会っていたので1話では最初から交友があって戦闘もできた……と持ってくるのかと思ったら、そういう事ではない模様(^^; まあ、1話本編自体が、天の塔襲撃から数日経っている筈なので、塔の崩壊後に仲良くなっていてもおかしくはないのですが。
ゴセイジャーの力を直接調べようと地上へ現れたメカゴーグとレッドが剣を交え、
「人間は、自らの知恵や力で、あらゆる災厄を乗り越えて生き抜いてきた! それがどれだけ凄い事か!」
と、護星天使が人間を信じているのは、過去の歴史を見てきたからだ、と一応少し34話のフォロー。
海老閣下は、自らをメカ化した古代人の生き残りっぽい雰囲気が結構あるけど、そういう展開は『ゴセイジャー』的には重いかなぁ。
一方、前世の癖でアリスをかばい、なんかフラグを立てるブレドラン。
え?? そっちなの?!
当方、アリス×ナイト派なんですけど!!(聞いてない)
にしても、愛する上司に邪険にされ続けた末、新入社員にちょっと優しくされてよろめいてしまうとか、アリス女史、思ったより装甲薄い。しかもそれ絶対、駄目男!
上層部は撤退し、巨大化した亀には早送りでグゴグが降臨し、夕日の決戦で天罰断罪。
博士は部屋を貸しているだけならまだしも、食事の世話までしていると、5人の無職を住まわせる、昔の金持ちみたいだなぁ(笑)
次回……あれ? 封じていた前後編まで使ったのに、まだ、マトリンティス引っ張るの??


◆epic41「爆発! 仲間の絆」◆ (監督:鈴村展弘 脚本:下山健人)
エリ、鼻歌がズレ気味。
こんなにズレた鼻歌は初めて耳にしました(笑) さすがに本人ではなく、音響関係の問題な気がする(^^;
今日も懲りずに地上に現れるメタルアリス。「またおまえか!」「またおまえか!」と、最近のナイトとアリスの会話は、度々婚活パーティで再会してしまう、別れた夫婦のようです。
アリスが繰り出したヒトデロボは棒立ちで役に立たず、アリスはロボを捨てて撤退。その存在に敵意を感じないエリは意思疎通をはかり、ゴセイジャーは少しずつヒトデロボと仲良くなっていく。だがその体内には、周囲300kmを吹き飛ばす強力なリモート爆弾が内臓されていた。天装術により爆弾を除去しようとするゴセイジャーだが、そこにメタルアリスが現れると、ヒトデロボのバトルモードを起動する。全ては最初から、人間の仲間意識や感情について研究しようという、メタルアリスの実験だったのだ!
ヒトデロボと戦う事ができないゴセイジャーが、人工知能をショートさせる事で動きを止めようとするのですが……それ、殺すのとあまり変わらないのでは(笑)
エリ渾身のサンダーによりロボの動きを止める事には成功するが、アリスはロボを巨大化して爆弾を起動。エリは責任を取ってロボを乗せたアルティメットで急上昇するが、これまで培ってきた絆の奇跡か、エリ達との交流の記憶を取り戻したロボは自らアルティメットを離れると天高く飛翔し、エリを護って砕け散るのであった……。
勝手な実験を海老閣下に怒られてお仕置きを受けるアリスは、自分の制御を外れて自爆したヒトデロボの姿に、仲間意識や絆は海老閣下の支配や制御を上回るのではないかと考え、オーソドックスな交流話にマトリンティス側の揺らぎを絡め、悪くない出来。また久々に、エリがヒロイン度を稼ぎました。……まあ、遙か30馬身先を、望少年がぶっちぎっているのですが。
次回、扱いの雑さに耐えかねて、ダークデータス降臨?!