◆epic42「情熱的ハイド」◆ (監督:鈴村展弘 脚本:香村純子)
「データス、余計な事はしなくていい! おまえは機械なんだから!」
ハイド、言ってはいけない一言を言ってしまい、怒るモネ。
「データスはデータスでしょ! データスもここ、怒っていいとこだよ!」
……なお、お兄ちゃんは似たカテゴリでナイトに酷い事を言った事がある模様。
マトリンティスは国際平和会議を人質にデータスの身柄を要求し、自ら名乗り出るデータス。
……待て馬鹿、時間稼ぎぐらいさせろ!
誤情報を仕込むとか致命的なウィルスを仕込むとか色々出来るのに……!
多くの人々を犠牲には出来ない、とゴセイジャーはやむなくデータスを差し出し、囚われのデータスは見知らぬ場所で目を覚ます。
「もしやここは、マトリンティスの基地……」
今だ、自爆だ!! (※最低限の基本的なセキュリティです)
だが残念ながらデータスは自爆装置を内蔵していなかったらしく、メカゴーグはデータスから護星界の科学や護星天使と天装術に関するデータを吸い出すと、それを元にしたマトロイド、イミテーションのデスデータスを誕生させる。ゴセイジャーの動きを完全に先読みするデスデータスに苦戦するゴセイジャーだが、ハイドが廃棄処分寸前のデータスを救い出して復帰し、データス込みでのゴセイジャー名乗り。
……ゴセイナイトはイケメンなので、何も言わずに遠慮しました(笑)
データス発案の、変装呪文による入れ替えでデスデータスを混乱させたゴセイジャーは、ダブルゴセイブルーアタックからのデータスギャラクティカマグナム、そしてミラクルゴセイナイトダイナミックで滅殺。
ゴセイイエローだと思ってミサイル撃ったら本当はナイトで全弾軽く回避、って色々な意味で酷い。
80年代ノリの挿入歌で、もう二度と見ないかと思ったデータスハイパーが登場し、ロボットも揃い踏み。
「俺たち護星天使と」 「そのサポーターが」 「「「「「「悪しき魂に、天罰を下す!」」」」」」
「あれが仲間の……数値を超える力……」
職場でストレスの多いアリス女史は、変なオカルトに触れてしまうのであった……。
口では厳しい事を言いながらも、ハイドが誰よりも早くデータスの水濡れを心配して拭き取っていた事に思い至り、ハイドの本心を知ったモネは謝罪。ゴセイジャーとデータスは改めて、仲間としての絆を深めるのであった。と、サポートロボ話をやってくれたのは嬉しい。
まあデータス、扱い軽いけど、情報処理能力は極めて高いし、一応戦闘能力もあるし、性格は善良(重要なポイント)だし、サポートメカとしては歴史的にもかなり優秀な部類なので、邪険にするなど、本来ならとんでもありません。
ED、5人が歌うバージョンに。多分モネが一番上手くて、ハイドがゴセイナイトが思わず撃ちそうなレベルでヤバい。
◆epic43「帝国総攻撃」◆ (監督:加藤弘之 脚本:下山健人)
独裁ハリケーンのセンスは好き(笑)
ゴセイジャーに関する全ての情報を集め終えた海老閣下は、今こそ決戦の時、と地上に総攻撃宣言。
閣下は「10サイ」らしいけど、「天才」って取られていると思うので、「10サイのロボゴーグ」名義での全世界への宣戦布告に対する地上人の主な感想は、
「痛い……」「痛い……」「痛い……」
だと思われます。
決戦を控え、気合いを入れるゴセイジャーのシーンで、ヒトデロボの事を拾ってくれたのは良かった。
マトリンティスの先鋒を務める量産型シールドロボを撃破するゴセイジャーだが、ブレドランの放った光線を受け、装備が使用不能になってしまう。
「恐怖こそが、全てを統率できる、唯一のものなのだ」
研究の結果、ゴセイジャーの能力を封じる事に成功した海老閣下が満を持して登場し、一発限りの最終兵器・厄災ディストラクションを起動。
「私は護ってみせる! この星と、この星を愛する人間と、使命を持った、五人のゴセイジャーを!」
地殻変動すら引き起こすその一撃を、全身のゴセイパワーを振り絞った3属性バリアで防いだゴセイナイトは、最後に残った力で5人のテンソウダーを復活させると、レッドに銃を託して機能停止。
…………まあその人、しばらく放っておくと予備電源が機能して第二段階で再起動しそうですが。
ナイトの志を胸に5人は再び天装し、いよいよ、メカゴーグとの最後の戦いが始まるのだった。
◆epic44「究極の最終決戦」◆ (監督:加藤弘之 脚本:下山健人)
天知家のソファに転がるゴセイナイトという、割とショッキングシーンから(笑) 何とか生命力を残していたナイトだが……えー……ここまでは、データスが運んだのでしょうか?(^^;
ゴセイジャーの怒濤の連続攻撃に苦戦する海老閣下はブレドランを自爆特攻させようとするが、そこへ割り込んだメタルアリスが自爆を買って出て……大失敗。映像的にはなんだか、びみょーな感じに。「仲間にも冷たい奴!」と今更みんなで海老に怒るのもなんだか、びみょーーーな感じに。
「おまえは人間の事を、何もわかっていない!」
「わかっているさ。お前達よりも、よぉくな」
そして海老は、太古のマトリンティスに生きたある天才科学者の事を語る。あまりにも先進的すぎて誰にも認められずに不遇をかこっていたマッドサイエンティストだが、地殻変動により大陸が沈もうとしたその時になって、人々は手の平を返して科学者に助力を求めた。その時、科学者は人間の愚かさに絶望すると同時に、人間は恐怖によってたやすく支配できる存在だと確信したのだ。
おお、そこへ踏み込んできたのか……と思ったら、それ以上は特に突っ込まず流したので、あくまで仄めかすだけ、というのも作風を考えたらありかな……と思ったら巨大化後にアラタが「さっきの科学者って、おまえの事だろ? 今からでもやりなおそう?」と《説得》開始。……えーといいのか、そこ、護星天使が海老閣下を元人間と認めてしまって大丈夫なのか……? 気付いても、知らないフリをした方が良かったのではないか……?
激しい不安がわき起こる中、ダイス目が悪かったのか、「何それムカつく」と説得を拒絶した海老閣下は、心中兵器・玉砕クラッシャーを起動。大ピンチとなるゴセイジャーだが、謎の光を浴びて復活したゴセイナイトが参戦し、アルティメット、グレート、グランド、データス、の全必殺技発射で天罰覿面。遂にマトリンティスの支配者、海老閣下を撃破するのであった。
…………元人間に天罰執行して大団円モードなのですが、本当にそれでいいのか。
人間さいこーをモットーとする護星天使の前に立ちはだかっていた冷酷非情な侵略者は実は元人間だった! という、護星天使の根幹を揺るがしかねない要素を入れてきたのに、完全スルー。いいのか? あくまで「元人間」だからいいのか? 百歩譲って、もう後戻り出来ないメカ野郎だから仕方ない、としても、その部分の葛藤が一切描かれないのは大問題。これなら、アラタの説得フェーズが全く無意味で、むしろ海老閣下の過去語りで仄めかすだけにしておいた方が、遙かに渋くて良かった。
首だけになっても活動し、ブレドランに再生スイッチを押すように命じる海老閣下だが……
「この時を待っていた……待っていたのだぁ!」
なんかまた、始まりました(笑)
ブレドランは再生スイッチを破壊。実は、ブレドランにまんまと転がされたアリスは海老が保管していたブレドランの記憶メモリを回収。戦闘前にかつての記憶を取り戻していたブレドランは、故意にゴセイナイトの能力を封じないなどの策を弄し、ゴセイジャーと海老閣下が力を使い果たすように仕向け、謀反のタイミングを狙い澄ましていたのだった。
「ブレドラン、謀ったな!」
「恐怖を司っていたつもりのあなたが、実は最も恐怖に怯え、感情的になっていたのですよ。その姿は、あなたが最も蔑んでいた、人間の醜い本質そのものでしたね。ふふふふふ、なんという痛快な皮肉だ」
「おのれぇーーーっ」
「我が閣下よ!マトリンティス帝国など、所詮あなたという愚かしい元人間の、幻想でしかなかったのですよ!」
「ブレドラン、やはりおまえの正体は!」
「おまえとは、器が違うのだ!」
抜き取ったブレドランの記憶で何かを知った為に、敢えてそれを保存していたらしい海老、ブレドランの攻撃で完全に爆死。
「ブレドラン……私達は、恐怖の支配から、逃れられたのね」
「そうだ。これからは――私の時代だ」
自爆装置の使用により、倒れていたメタルアリスをわざわざ抱き起こした上でトドメを刺す、ブレドランの素晴らしいダメ男ぶり。
「ゴセイジャー、次に会う時を、楽しみにしているがいい」
こうしてマトリンティスは完全に崩壊し、衝撃の復活を遂げたブレドランは自由の身となって姿を消す。果たして、護星天使の戦いの行く末や如何に――?!
海老閣下の最期は、ブレドランのハイテンション含め、悪くなかったです。惜しむらくは、マトリンティスの出オチ感が最初から強すぎた事(^^; 33話での登場という事を考えれば、残り話数から「これが最後の敵組織か?」と思わせても良かったと思うのですが、出てきた瞬間から「これがラスボスは、無いな」という雰囲気全開だったのは、構成として勿体なかったです。もう少しラスボス感があれば、物語全体に緊張感が出せたと思うのですが。
◆epic45「救星主、誕生」◆ (監督:加藤弘之 脚本:横手美智子)
使いそうで一切触れなかったクリスマスツリー、冒頭10秒で処理され、お正月に向けて盛り上がる護星天使達。そこに急にマジトーンのアラタがホワイトボードを持ち込み、そもそもブレドランとは何者なのか……をテーマに振り返る軽く総集編風味。最初から振り返るのではなく、最近の出来事から巻き戻っていく、というのが新しい(笑)
ところで結局、最終盤までアラタのこの、ゆるゆるモードとマジモードが突然切り替わるのに馴染めなかったなぁ(^^; そういう性格、という事なのでしょうが、どうも物語都合が目について、すんなり受け入れられませんでした。
テンソウダーを封じた力、タイムリバースの際の謎ビーム、一時的とはいえアバレヘッダーを制御した事、エルレイの箱の封印を解いた可能性、護星天使や天装術への知識……ブレドランは所属していた組織それぞれとは異なる、何やら謎の力を持っている……とかつてなく適当な敵を振り返って辻褄合わせしていくという、斬新な総集編(笑)
「もしかしたら……幽魔獣ですら無いのかもしれないよ」
ブレドランが1万年前、幽魔獣が箱に封印された後でウォースターに参加したとするならば、その頃に何があったのか……だが、当時の事を知る者は誰も居ない……て、いや、律儀に本を返しに来たゴセイナイトがそこに立っているのですが、何故かみんな、無視。そこへ天知博士が入ってきて慌てる皆だが、何とそれは、博士の体を借りたマスターヘッドであった! ゴセイジャーを助ける為に莫大な力を消費したマスターだが、完全消滅を何とか免れ、人間界で依り代を見つけて安定。そこから一時的に、博士の体を借りているのだった。
マスターは、「今後もたまに博士の体を借りていいか?」と適当なノリで望に許可を求め、ここで望少年がすんなり頷かないで、これは悪魔との契約ではないのか――と躊躇ってから承諾したのは、お父さん好きが出ていて良かった(笑)
前回、バッテリー切れのナイトに力を与えたのは復活したマスターという説明がされ、マスターは1万年前に幽魔獣を封じ、姿を消した最強の護星天使について語るが、そこでマトリンティス反応で皆が出撃。ここでマスターとナイトの間に思わせぶりな会話が入り、ナイトの適当復活にはさすがに何らかのリスクがある様子。
「望……さらばだ」
ナイトの言葉の意味を問う望だが、そこで天知博士の意識が戻るという、マスター見事な逃亡。
ゴセイジャーと対峙したサイボーグブレドランは、天装術を天装術で弾き返すと、その真の姿を明らかにする。
「私は元・護星天使。救星主の――ブラジラ。愚かで弱い人間どもは根絶やしにし、汚れきった地球は、粉々に打ち砕く。そして私は、新たな星を創り直し、救星主となるのだ」
なんと、ブレドランの真の姿は、護星の使命を捨てた、堕天使だった!!
ゴセイジャーに根付いた「護星の使命」の適当さ加減に対する不安感が主に視聴者的に増す中で、これはなかなか、面白い展開。サイボーグ時代の決め台詞だった「護星天使は俺が落とす」というのも、「星」に掛けて洒落ていたばかりではなかった、となかなか小粋。
………………まあ、チュパカブラ時代に大爆死していたのは芸には見えませんでしたし、制裁ボムも自力では外せなかったので、態度ほど凄まじい力を持っているとも思えず、これまでの行動も綱渡りの連続としか思えないのですが、
「ウォースターからは武力」(…………え?)
「幽魔獣からは幻術の力」(…………要るの?)
「マトリンティスからは技術力」(…………完全な偶然)
とこれまでの立ち回りで得たものを力強く断言する、自己肯定力は物凄い。
この人あれだ、頭脳派の策士とかではなく、ハイレベルなスリルジャンキーだ!!
……あとこの流れだと、マスターが意味ありげに言及した「最強の護星天使」よりも、死にものぐるいで様々な力をかき集めて自分を強化した「貧弱な護星天使」の方が正体としてはしっくり来るのですが、さて、マスターの言動はミスディレクションなのかどうなのか。
というわけでいよいよ次回から、最終章。
エピソードとしては、総集編風味を逆手に取った構成の工夫はとても面白かったです。だけに、途中で適当なジョーカーであるマスターヘッドで処理してしまったのは勿体なかった。まあ上述のように、真相を匂わせているようで実は……という仕込みの為にどうしても必要だった、という可能性はありますが。
面白い素材を終わってみれば無味無臭に調理してしまう事には定評のある今作ですが、ここまで見てきたので、最後に一化け、一応期待したいなぁ。