有名な表題作だけ読んで、置きっ放しにしていた短編集を読了。
そこそこ面白かったのは、「ゲイルズバーグの春を愛す」、「おい、こっちをむけ!」「コイン・コレクション」。
全体的には今ひとつ。
SFとかミステリとか、ある程度、ジャンルが明確に決まっていると時間が流れてもジャンルで読めるのですが、大雑把に分類すればファンタジーだけどジャンル作家という感じでもないので、作風はあるけれども、当時の掲載誌の読者のニーズに合わせている部分も強く、その辺りが噛み合わなかったという印象。
1980〜90年代のアメリカ――グッド・オールド・デイズへのノスタルジーの強さが特徴なのですが、そうなると当然、その延長戦上には中年男のドリーム分が色濃く出た作品もあるわけで、どうもそういった系統は苦手なのでした。
で、実は上に挙げた「コイン・コレクション」もその系統なのですけど、パラレルワールドを行き来するSF的アイデアが面白かったので良し。
「おい、こっちをむけ!」はオチがいい。