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『百獣戦隊ガオレンジャー』感想25

◆Quest33「少年が祈る。」◆ (監督:舞原賢三 脚本:武上純希
ラセツ一味を待ち受けたガオレンジャーは、それぞれ2対1の状況を作っての戦闘に持ち込むが、結局合流。「強い!」……て、わかってましたよね(^^; ところがその戦闘中、風太郎を餌付けしようとしていたテトムの弁当の匂いにつられてラセツが戦線を離れ、ガオレンジャーはその隙にプロペラとキュララを撃破。
巨大化した両デュークに対してパワーアニマルを召喚しようとするガオレンジャーだが何故か宝珠が反応せず、窮地に。その光景を目にした風太郎は、テトムとシルバーを“動物石”へと案内する……それはなんと、忘れられて土の下に埋もれていた、かつてのガオの戦士達の鎮魂の碑であった。
風太郎によると、人間達の身勝手な開発に怒れる魂の作用で、この土地ではパワーアニマルが召喚できなくなっているとかうんたらかんたらなのですが、正直、よくわかりません(^^;
いや、説明としてはわかるのですが、今作これまで割と無条件に人間の存在を認めていたので、突然入り込んできた要素が、ここまでの物語と全く噛み合っていません。
大体、先代ガオレンジャーの魂が人間に怒ってパワーアニマルの召喚を妨害しているってそれ、怨霊になっているのですが、それでいいのか。
テトムとシルバーが祈りを捧げると鎮魂の碑が元の姿を取り戻し、結界が解除。宝珠の使用が可能になり、ガオレンジャーはガオキングを召喚する……て、あれ、結局、パワーアニマルは全て復活したという事でいいのか。……もう、色々よくわかりません(^^;
だがガオキングはプロペラとキュララの攻撃でさくっと分解してしまい、改めて弓矢でファルコンを呼ぶレッド。
……ここまでの展開全てに意味が……。
いや、ファルコンサモナーも宝珠を穴に填めないと使用できないのかもしれませんが、パワーアニマルが召喚できない!→召喚できるようになった!→ガオキング召喚だ! という流れを作ったのに、それを粉微塵にしてしまったので、盛り上がりのポイントが全くズレてしまいました。
「こんな所に……おまえ達が眠っていたなんて」
「千年の間に、忘れ去られてしまったのね……」
↑他人事みたいに言ってますが、直系の子孫です。
「人は夢のような世界を作り上げた。……でもその代わりに、色々な大事なものを、壊してしまったのかもしれない」
テトム、シルバー、5人は、移設した鎮魂の碑に改めて祈りを捧げ、これまた急にシルバーが説教オチ。
何故か怨霊になっている先代ガオの戦士、特に盛り上がりのないまま祈ったら結界解除、ガオキング瞬殺、物語と繋がっていない説教で何か語ったつもりで落とす……と盛り込んだ要素が全く連動しておらず、本来繋げるべき流れがいちいちせき止められて小さな水たまりになって分断されているという、1から10まで酷い、今作ここまででワーストクラスのエピソード。
支流を整理して、うまく川の流れにするのが脚本と演出の仕事だと思うのですが、全く出来ていません。
とりあえずテトムの物忘れが激しいのは、記憶操作されている可能性が高い事が浮上しましたが、テトムの認識と現実のギャップに、実は千年前の戦いに関する大きな謎が隠れている……というような展開があったりするのか。その辺りの雰囲気を作っておいてくれれば、あれこれは、意外とミステリアスな急展開なのか……という期待感も湧くのですが、仕掛けが弱いので、単なる事故の気配の方が強いのが困った所。
風太郎は謎のまま引っ張りましたが、色々な事に誰も疑問を抱かない戦隊なので、実は……的な展開と凄まじく相性が悪く、あまり期待は抱かないでおこうと思います。
ガオズロックの中を舞台風に撮ったり、街の違和感を背景のビルをエフェクトで歪めて表現したり、これまでとちょっと違った演出ラインだなーと思ったら、舞原監督が参戦。渡辺監督がアナザアギト(『仮面ライダーアギト』)撮りに出張していたタイミングでしょうか。
全く余談ですが、アナザアギト超格好良くて大好きです。《平成ライダー》でデザイン的に好きなライダーは、アナザアギトとオルタナティブ・ゼロです、ハイ。


◆Quest34「鉄人鬼オルグ、泣く!?」◆ (監督:舞原賢三 脚本:武上純希
東映特撮ではお馴染みの名バイプレイヤー・諏訪太朗ゲスト回。
オルグに生まれながら人間の為に食べ物を焼く喜びに目覚めてしまい、人間に変身して屋台のオヤジとして生きてきた炭火焼オルグだったが、短気を起こすと本性が出てしまうのを治せず、ガオレンジャーに反応をキャッチされてしまう。更に、腹心2人を失って落ち込むラセツの命令で、腕利きシェフである炭火焼をスカウトしにツエツエとヤバイバが現れ、一騒動に。
絶品の串焼きを出す屋台のオヤジが炭火焼の正体だと気付いたブラックは、炭火焼が人間の心を持っている事を知ると情に厚い所を見せて見逃そうとするが、ツエツエに洗脳された炭火焼は街で暴れ出してしまう。
……そもそもマトリックスのシェフに迎えようとしていたのに、暴れさせてどうするのか。
今作、人間と自然(動物)は地球の仲間、オルグはそれらに対する純粋悪意、というのが基本構造なので、人間と自然の対立、善意を持ったオルグ、という要素を入れるとかなりややこしくなるのですが、ここに来てそういったエピソードが2話続いたのは、意図的に基本設定に手を入れようとしているのか、話のバリエーションの都合による勢いなのかは、少々気になる所です。
まあ、人の心に目覚めた怪人、というのはお約束のイレギュラーとして設定云々と別に年1の許容範囲で良いとは思いますが、元々、オルグにも心がある筈だ、と和平交渉を試みようとした経験を持つレッドが、「駄目だ! 殺るしかない!」と相変わらず一番割り切り早いのは、それで本当に良かったのか。
走先生、マジドライ。
……歴代シリーズを思い返すと、リーダー型レッドは決断力の高さから割り切りの早い部分は見受けられがちなので、リーダータイプの正統といえば正統とは言えますが(^^;
一方で、むしろガチガチのオルグ殲滅主義者である筈のイエローが、
「世の中に、いいオルグなんていねぇ。…………だけど、人間に害をなすわけじゃねぇらしい。俺はオルグなんて見なかったぜ。後の事はおまえに任せる」
と、自分に言い訳して炭火焼を見逃すのは、久々にイエローのキャラが活きて悪くなかったです。
黒と黄の決死の説得により正気を取り戻す炭火焼だが、直後、いつの間にかやってきていたラセツによって殺されてしまう。巨大化した炭火焼に対して、イカロスが初の地上戦を行い、ウイングがシールドになる事が判明。今回も呪いの目玉で動きを止めてから、オーバーヘッドシュートで、ジグザグサンバ。
強力ロボの必殺技を割と時事ネタにしてしまった為に、15年後に見るとサッカーへのこだわりが謎に見えるなぁ(笑) まあ割とこういう、「実は当時、流行っていた」ネタは、気付かずに通り過ぎていたりするのでしょうが。
ラストは、生まれ変わって屋台のオヤジになりたいなぁ……と散っていった炭火焼そっくりのおっちゃんが、屋台で風太郎に串焼きを食べさせていた……で、オチ。好みとしては、ガオレンジャーからカメラを動かした所で、消えた筈のおっちゃんの屋台だけが映る(中を見せない)方が好みですが、今作としてはこういう、わかりやすい路線か。
そういえば:シルバー休暇。