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『ジャッカー電撃隊』感想29

◆第35話「大勝利! さらばジャッカー」◆ (監督:山田稔 脚本:上原正三
桜井とカレンが追い詰められたその時、突然現れたシャインが「怪我人2人は無視して本部を防衛しろ」と告げるが、それは番場の物真似だった。ビッグワンがイカルス大王を引きつけている間に、キング、ジャック、女性隊員がやってきて桜井とカレンは脱出に成功。
前回あれこれ困っていましたが、結局、凄く普通にボートで乗り込んできました!
ビッグワン、ジャック、キングの攻撃を受けたイカルス大王は基地に逃げ込むが、そこで仲の悪かったアイアンクローにあっさり「死刑!」にされ、あえなくリタイア。鉄の爪は、シャインから太陽系のエンペラーに任命される。
「ジャッカー! 目に物見せてやるぞ。この、太陽系のエンペラーがなぁ」
なんとなくラスボスっぽい雰囲気を与えられるアイアンクローですが、道着風衣装に灰色に塗りたくった顔、というデザインはもう少しどうにかならなかったのか(^^; そもそもアイアンクローの言動が不安定な事もあって、どう頑張っても中ボスぐらいにしか見えません。……同時期に放映して同じく打ち切りの憂き目にあった某作品も、ラスボスが全員金色で奇声をあげる謎の男でしたが、予算か、予算がなかったのか。
ジャッカーは要塞島から一時退却し、一刻も早く手術が必要なカレンの為にジョーカーが緊急帰国するが、その妻子がアイアンエンペラーにさらわれてしまう。
「そんな脅迫には乗らんぞ。直行しろ」
「しかし!」
「カレンの手術が先だ! 急げ」
「鉄の爪は冷血な男です。虫けらのように人間を殺す男です。第三埠頭へ向かいます」
職務の為に妻子の命を後回しにしようとするジョーカーと、敢えてその命令を無視する東、とここはこの2人の渋い男同士の関係が出て良かったです。
言われた通りに埠頭に向かった東とジョーカーは、鉄の爪によってトラックの荷台に詰め込まれてしまい、ジャッカー本部に自分たちが捕まった事を連絡する羽目に。ジョーカーが居なくてはカレンの命を助ける事が出来ないと苦悶する桜井達……ここに至って、実に地味な作戦で、最終回らしいハッタリの一つもありません(^^;
瀕死のカレンを前にして、
「早く手術をしないと、回路自体が爆発してしまいますよ!」
は、とても『ジャッカー』で良かったですが(笑)
「キング……君は科学者の卵だった……手術をしてくれ」
「カレンの手術を。僕が!?」
「そうだ」
「……冗談じゃない」
「俺は本気だ。――頼む」
また無茶ぶり来たーーー。
おまえ、手先が器用だから人形ぐらい直せるだろう、と同じレベルでサイボーグの修理なんて出来ないんですよ桜井さーーーん。
番場と桜井にすごまれ、覚悟を決めてメスを握る大地だが、結局施術に踏み切る事が出来ない。
「失敗したら、カレンは死ぬ。……死なせたくないんだ。死なせたくないんだ!」
そこへ玉三郎がやってきてカレンの為のスープを置いていく、というのはいいシーンにしようとしたのでしょうが、玉三郎の存在自体がノイズのようなもので、どうにもいいシーンになりません(^^;
このままではアイアンクローの思惑通り、カレンが爆発するのをただ見ているしか出来ない、というかその場合、この基地は大丈夫なのか、爆発する前に地下に隔離するなり海に沈めるなりしなくてはいけないのではないか、とタイムリミットが刻一刻と迫っていくその時、番場がジョーカー救出の方法を閃く。
所変わって第三埠頭、アイアンクローは何故か人質達と一緒にトラックの荷台に座り込み、カレン爆発の時を今か今かと待ち構えていた。だがそこへジャックタンクでやってきた番場達は、タンクをトラックの荷台に横付けすると、中に冷凍ガスを吹き込む事で、人質ごと爆弾を凍らせる! …………「爆弾」?
恐らく尺の都合なり何なりで台詞がカットされたのかと思うのですが、Aパートで全く言及のない爆弾が突然ここで存在している事になり、非常に困惑する展開。成り行きから察するに、「人質を閉じ込めたトラックに爆弾が仕掛けてあり救出しようと扉を開けただけで大爆発してしまうのだふはははは」という事なのでしょうが、一緒に乗り込んでいるアイアンクロー含め、最終回クライム最後の作戦が、物凄く意味不明な事になりました。
氷漬けの状態で救出された人質達はさっそく基地で解凍され、アイアンクローはそのまま鉛の箱に閉じ込められると、番場の指示で地下深くに埋められる事に。回復したジョーカーがカレンを手術し、結局、大地も大地の葛藤もまったく意味が無かったという事に(^^;
こうして前回のメロドラマなど忘れる勢いで再起動したカレンが復帰したジャッカーは、最後の戦いとばかり、スカイエースで要塞島へと突撃。だが同じ頃、棺の中のアイアンクローが自力で蘇生すると逆にジャッカー本部を強襲する!
要塞島へと突撃したジャッカーの前にはシャインが姿を見せ、ジャッカー本部では番場とアイアンクローが最後の対決を迎える、と今作の抱える格差を上手く利用した分割展開そのものは良いアイデアなのですが、最後だからと強化カプセルでの変身シーンを入れるわけでもなく、至極あっさり要塞島へ突入してしまうなど話の緩急が弱く、今ひとつ盛り上がりません(^^;
シャインの正体を突き止めたジャッカーは要塞島を壊滅させると本部へ舞い戻り、ビッグワンとアイアンクローの最終決戦に参加。
「「「「「我ら、ジャッカー電撃隊!」」」」」
ここで、初めてのビッグワンを加えた5人での名乗り。
「シャインの正体はこれだ! よく見ろアイアンクロー」
エースは要塞島で手にした、機械部品の固まったボールのような物体をアイアンクローに投げつけ、それはアイアンクローに向けて「おまえは太陽系のエンペラーだ……」発言を繰り返す。
「貴様は操り人形だったのさ」
「……そうだったのか、くそぉ!」
と言われても、アイアンクローは元々現地の小間使いであり、シャインの操り人形だったのは既にわかっている事で、ここを強調したのと、シャインの正体が“壊れた機械”として描かれているのは、シャイン−クライムという構図を隠れ蓑にし、宇宙生命体シャインという仮の姿をメッセンジャー代わりに使っていた真の黒幕が存在しているという解釈で良いのでしょうか。
つまり、宇宙人なんて本当は居なかったんだ! 的な。
……まあそう考えると、スターダスト計画が凄く謎なのですが、これ、実は「スターダスト計画、実行!(ぽちっ)」とやるとロケットエンジンが火を噴いてクライムの基地が消し飛ぶというトカゲの尻尾切りで、ジャッカーとビッグワンが手を下すまでもなく、役立たずで用済みの組織として破滅していたのでは、クライム。
「正義の怒りを、受けてみろ!」
「儂の怒りも受けてみよ!」
いよいよ最後の戦い、ジャッカーは戦闘員を蹴散らしてアイアンクローを取り囲むも特殊攻撃を次々と弾かれるが、アトム撃ちを皮切りに少しずつ装甲を削り、連続攻撃ジャッカークロスを炸裂させる。
更に追い打ちのジャッカーアタック時間差攻撃を放つが、かわされる。
電光キックも、跳ね返される。
嫌な予感がしてきたその時、
「ビィッッグ・ワァン!」
勝手に飛び出た白い鳥人が戦いの主導権を奪うも、そのビッグワンとも互角以上の戦いを見せる鉄の爪だが、遂に情け容赦なく例のヤツが発動。
「ジャッカー必殺武器――ドブネズミ! ビッッグ・ボンバー!」でネズミの作り物に噛まれたアイアンクローは、太陽系のエンペラーになるという野望を果たす事なく、大爆死するのであった。
……ラスボスの散り様としては、史上に残るがっくり具合ではないでしょうか。
最後はなんとなく、みんなで夕陽の中を歩いてエンド。なお特にジョーカーは出てこず、手術だけして後は家で妻子と団欒しているのか、ジョーカー。
うーん……テコ入れ虚しく打ち切りだったと思われるにしても、泥船が泥の海に沈んでいったような、冴えない最終回でした。前回あおった「スターダスト計画」もどこかに消えてしまいましたし、最終回らしいハッタリが全くないまま、惰性で終了を迎えた感じ。カレンが死にかけたり、大地の迫真の葛藤などあるのですが、結局番場の見せ場にすり替えられ、大地はへたれのまま終わってしまいますし(^^;
道中ところどころ面白かった作品ではあるので最後の意地を見たかったのですが、むしろ眠るように終わりを迎えてしまい、残念。前半の地味すぎる造りから、路線変更やむなしだったとは思うのですが、あまりにも世界の壁を突き抜けすぎてしまいました。ただし、「サイボーグにならんか?」は本当に名台詞。
以上、『ジャッカー電撃隊』感想でした。詳しい反省会は、総括に回したいと思います。