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『ブルースワット』感想17

◆Volume23「超時空の新戦士」◆ (監督:蓑輪雅夫 脚本:宮下隼一)
エイリアンとの戦いの悪夢にうなされるショウに、呼びかける謎の声(CV:てらそままさき)。
「私は見ている。いつもおまえを。おまえの戦いを。ショウ」
ショウによるとこれで4度目という謎の声…………あー、2年前にも、似たような目にあった主人公が居たような(^^; もしかして、始まってしまうのか、炎の以下略。
そんな中、ザジが日本有数の企業グループ鬼塚コンツェルン会長・鬼塚剛三の養子になるというニュースが飛び込んでくる。ザジが鬼塚の財力や組織力を利用して何かを企んでいるに違いない、と考えたブルースワットは鬼塚を誘拐し、忍び寄るスペースマフィアの脅威を伝えようとする。
鬼塚役は、なんとくしくも荒木しげるさすがに20年経過しているので立派な中年になっておりますが、視線の動きなど端々に漂う雰囲気は、そう思って見るとかつてのヒーローの面影を偲ばせ、急に笑いながら無茶な理屈で状況を逆転しそうで困ります(笑)
シグは超能力で鬼塚の脳に無理矢理スペース知識を流し込み、ブルースワット設立時における国連関係者の洗脳もとい特殊な交渉術の秘密が明かされましたが、シグ、やっぱり、説明とか出来ない人。
これにより鬼塚の理解と賛同を得たブルースワットは連絡先として事務所の名刺を渡すが、ここで鬼塚の態度が豹変。なんと鬼塚は、地球人でありながら全て理解した上でスペースマフィアとムッシュ・ザジに協力していたのだ!
「ま言ってみれば、私こそ悪魔、いや、エイリアンに最初に魂を売り渡した人間と、いうわけだ」
衝撃の展開めいた流れなのですが、ブルースワットが一方的に鬼塚を被害者と断定して行動しているのがあまりに安易すぎて、深読み抜きでガックリとしかしません。
誰がエイリアンに憑依されているからわからないからこそ、細心の注意を払って世界の裏側で戦うのがブルースワットだった筈なのですが、いかに最近は油断と隙だらけで、実質3割程度しか注意を払われていない設定とはいえ、さすがに杜撰に投げ飛ばしすぎました。
そこにムッシュ達が現れ、エイリアン軍団に囲まれるショウ達。「早く!」と言って車の蔭に入るとスワットスーツを着て出てきてしまうのも、基本設定とそれを話に組み込む積み上げの失敗が露骨に象徴されてしまい、盛り上がりようがありません。
同行していたセイジが囚われ、エイリアン軍団の猛攻に追い詰められたブルースワットに向け、今作は今後こういう基本設定で物語を進めていきます、という内容を長々と語るジスプ。
「遙かな昔――様々な銀河系から、犯罪者の烙印を押されて、追放された者達が、種族の違いを超えて集い、我がスペースマフィアは結成された。星から星へと、欲望の赴くまま、我々は生き、進み、貪った。だがそんな我々を侵略者、悪と呼び、自らの欲望に目を塞ぎ、下らぬ正義とやらの名のもとに、我々を殲滅しようとする、偽善者どもが現れた。それが貴様の居た、スペーススワットだ。貴様等によって、我が本拠地は失われた。だがしかし、そのスペーススワット、貴様一人を除いて壊滅させた! そして我々は、新たな本拠地としてこの地球を選び、侵攻を開始したのだ。今こそそれが実る。今こそ我々が、覇者となるのだ。全宇宙、全存在の上に君臨する為の、第一歩を記す事になるのだ」
全宇宙・全存在の上に君臨する為の第一歩が、新たな本拠地の建造って、正しい! 正しいけど、何か間違えすぎていて、どこからツッコんでいいかわからないよ!!
…………この人たちあれだ、たぶん地球征服の後、全宇宙に君臨するまで、数百年どころか数千年単位で考えているから、根本的に、地球人と話が合わない。
「俺は貴様等を倒す! 命に替えて、倒してやる! 倒してやるぅぅぅ!!」
エイリアンに追い詰められながらも、全身全霊で吼えるショウ――そのショウの魂の叫びに応えて宇宙のどこかで次元がひび割れると金色の輝きが地球に突き刺さり、謎の黄金戦士が光臨する!!
「我が名はゴールドプラチナム。時間を、空間を、全てを超えしもの」
「ゴールドプラチナム?! その声は」
「ショウ、ナルミ・ショウ。おまえの怒りが、私をこの地へと呼び寄せたのだ」
黄金超人はすごいじゅうをふりかざした! きんいろのせんこうがすぺーすまふぃあをおそう!
エイリアンAはしょうめつした!
エイリアンBはしょうめつした!
エイリアンCはしょうめつした!
ジスプたちはにげだした!
……ううむ、第23話まで来て、完全に話から振り落とされてしまいました(^^;
私の中の、ネタとして受け止められる心の棚が全部踏み砕かれてしまったのですが。
テコ入れ新戦士?にしても、色とか名前とか立ち位置とか、もっと色々あったと思うのですが……どうして全身金色の時空を超えるストーカーという事になったのか。
黄金超人は姿を消し、妙に軽い調子で(どうしてそんな演出にしたのか理解不能なノリで酷い)、事務所がバレたのでスミレが危ない事を思い出したブルースワットは、火炎瓶を投げ込まれて炎上する事務所からスミレを救出。再び身元不明で新聞種になるも、かろうじて身を隠すのであった。
「ロンリーバトルが続くってわけか、これからも」
そんな設定忘れているのかと思ったら、何故かここで拾い直すのですが(エイリアンに関する情報をパソコンから国連などに送っているが、無視されるか握り潰すかされている事への言及など)、だとしたら鬼塚への対応がますますおかしすぎて、拾い直さない方がまだ幾分マシだったと思います。
「いや。俺たちは孤独じゃない」
「プラチナム、ですね……」
ショウに、あの金色について知っているのだろうと問われるも、いつもの調子で、いやちょっと噂に聞きかじったぐらいですよははははは、と誤魔化すシグは、人間の信頼関係というものについて一度見つめ直した方がいいと思います。一方、鬼塚の協力を得て何やら企むムッシュは、プラチナムの登場に盛り上がるのであった……。
予告からそれなりに心の準備はしていたのですが、覚悟を遙かに上回るものが飛び出してきて、そろそろ私の中の『ブルースワット』が最終回を向かえそうな勢いです……。


◆Volume24「地球征服0秒前」◆ (監督:蓑輪雅夫 脚本:宮下隼一)
一週間の間にさすがに少し反省したのか、シグ、ゴールドプラチナムについて、様々な宇宙と時空を行き来して侵略者と戦っている存在である、と説明。これまで地球に出現しなかったのは時空の壁を越えられなかったからで、ショウの怒りと同調する事で、時空の壁を越えるエネルギーを得たのではないか、と辻褄を合わせるのですが、現地の人が追い詰められないと登場しないヒーローという、とても困った存在に。
ザジと鬼塚を探すブルースワットは鬼塚所有のビルへ突入し、鬼塚暗殺軍団と激突。JAC顔出し生アクション祭なのですが、正直、前回の今回でどうしてこれなのか。物凄く、手当たり次第感が漂います(^^;
戦闘中、ショウが六角とデコ男にさらわれ、ビルが大爆発。マフィアに切り捨てられた鬼塚からシグがスペース読心術でアジトの情報を得る、とスペース超能力もどんどん好き放題に。
ザジの目的、それは捕らえたショウを痛めつける事でプラチナムを召喚し、その際に生じる次元を割るエネルギーを吸収する事で、マフィアの大船団を呼び寄せる為のスペースワープ装置を発動する事にあった。
スーパーヒーロー出現時に発生するエネルギーを悪用する、というアイデア自体は面白いのですが、これ、黄金超人が定番になってからこそ、それを逆手に取って活きる作戦であり、現状非常にあやふやな存在である黄金超人を、ムッシュだけが凄く確定した存在として扱ってしまうので、取り残され感が加速します(^^;
ショウを助けにやってきたサラとシグがピンチになり、その映像を見たショウの怒りが黄金超人を呼び寄せるが、スペースマフィアはそのエネルギーを吸収してワープ装置を発動。そこへサラとシグが飛び込んでくるが、しぶとい鬼塚まで乱入し、幹部達は正体を現すも膠着状態に。
話が雑でも映像的に面白ければまだ見られるのですが、機械いじりの似合わない六角とでこ男、自分のエネルギーが悪用されているのに虚空で棒立ちのプラチナム武装が無いので手持ちぶさたに立ち尽くすショウ、と、非常に冴えない画。
ワープ装置の発動が迫り、面倒くさくなった金色が鬼塚ごとエイリアンを消し飛ばそうとするが、それを止めるショウ。
「プラチナム! 甘かろうが辛かろうが、俺たちには俺たちの、ブルースワットの戦い方がある。そいつを忘れたら、敵と一緒だぁ!」
台詞そのものはヒーローの信念を示して格好いいのですが、プラチナム銃口の前に立つショウの背中を、至近距離でムッシュ他2名が見つめているという、映像がとにかく間抜けすぎます。
そこからショウがオーバーヘッドでヘルメットを蹴り飛ばして不意を突き、サラとシグがコンピューターを破壊してワープ装置を停止に追い込むのですが、一方的に助けられている相手に「ブルースワットの戦い方」と大見得を切った割には、黄金超人は大雑把にオーバーキルだけどブルースワットはもう少し射撃が巧い程度の差でしかないですし、雑にコンピューターを破壊したら雑に大規模作戦の装置が停止しまうという雑の替え玉無料みたいな展開。
ムッシュ達は撤退し、鬼塚は業務上横領の疑いで逮捕され、ブルースワット5人は海を見つめる。
「もう俺たちは孤独じゃない。なんたってこいつは、地球だけじゃなく、宇宙全体の戦いなんだからな。だろ?」
今、全てを超えし黄金超人と共に、ブルースワットの戦いは新たな局面を迎える。
ブルースワットの戦いはこれからだ!
−完−
東映先生の次回作にご期待下さい!
…………えー、ショウの台詞で強引に、プラチナムを“志を同じくする宇宙の戦士”扱いしようとしているのですが、見ている側からすると、『機動戦士ガンダム』を見ていたらアムロのピンチに黄金バットが現れて、嗤いながら3機のドムを5秒で消滅させていった感じなので、「俺たちは孤独じゃない」と言われても、反応に困ります。
シンクロしているショウには何か通じるものがあるようですが、思想的にはいきなり対立していますし(^^;
肝心のプラチナム自身も、宇宙の悪と戦っているらしいという噂で、ショウの怒りに反応して地球にやってきた召喚ウルトラマンでしかないので、登場編にも関わらず、本人のヒーロー性がさっぱり見えません。まずプラチナムとは如何なるヒーローか、を中心に描いてくれないと、思い入れの持ちようが無いし、思想の衝突にも意味が生まれてこないのですが、本当にただ、型どおりの「がんがんいこうぜ」と「いのちをだいじに」をぶつけただけで、無駄に安っぽくなってしまいました。
ラチナムのキャラクターを強く押し出して力技で物語世界の枠を広げるのではなく、主人公(ショウ)が共感する事でプラチナムがこの物語世界の住人である事を納得してもらう、という受けの手法なのですが、ショウの同調とシグの噂話だけではあまりに根拠が弱く、むしろ一方的な共感を寄せるショウが一人で時空の壁を越えてしまった感じに(^^;
1000歩譲ってプラチナムの扱いは置いておく(今後に期待する)にしても、エピソードとして単純に面白くなかったのは、かなり致命的。アジトでのやり取りは映像含めて間抜けすぎましたし、敵の大規模作戦とその打破もさっぱり盛り上がらず。以前から問題ではありましたが、ムッシュ達がよくわからないタイミングで正体出現と憑依を繰り返すのも、話のテンポの悪さに拍車を掛けています。
また、ゲストの鬼塚もこれといった悪の信念がなく、欲望に率直なだけの小悪党に転落。挙げ句、ショウ達がシリアスだった分のコミカルパートを振り分けられてしまい、まったく面白くない事に。
立て直しにテコ入れしようとした筈が、力を入れた瞬間にテコを置いた土台ごと踏み抜いてもう建物が残っていない感じで、地に足のついた作劇を目指していた筈なのに、幾つかの路線修正を経た末、宇宙の彼方から飛来した金色の超人が虚空に浮かんでいるという絵には、皮肉を通り越して自虐の趣すら漂い、“そこまで言うなら戦艦に車輪をつけるけどそれでもいいのか”という故事を思い出します(『Vガンダム』は1993年か……93年はホント、悪魔の年だなぁ……)。
さて、このままだと、ショウが「怒る!」と黄金バットもといビッグワンもといゴールドプラチナムが飛んできて事態を収拾して帰っていくという、悪夢のような構造一直線ですが、果たしてをそれをどう回避してくるのか回避できるのか。3クール目の終わりぐらいならともかく、まだ半分以上あるという現実が重い……!