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『ブルースワット』感想34

◆Volume46「GP(ゴールドプラチナム戦闘不能!」◆ (監督:石田秀範 脚本:浅香晶)
前回ラストを受けてシグの体を検査するも、「専門の設備がないとわからない」とこぼすセイジを、「何とかしろ」とショウが怒鳴りつけ、いや梨奈さんの研究所で調べてもらえば良いのではないですかねぇ……とさっそく全力で地雷を踏みに行く姿は、もはや名人芸。
調査研究班に所属するエイリアン・マニーがブルースワットに挑戦状を送りつけ、ブルースワットのデータを元にした《挑発》の抵抗判定に失敗したショウの怒りの電波に応え、開始5分で駆けつけるお父さん。
「うわ……プラチナム呼んじゃった」
「早く来い!」
コミカルな展開から、ショウが自覚的にお助けメカとして命令形でプラチナムを召喚するという、絆も心の繋がりも完全粉砕する最悪の自虐ギャグこれまでのプラチナム召喚は何かも話の都合における茶番に過ぎなかったと露悪的に見せつけ、最後の一線を軽々と踏み越えてしまいました。
Aパートがギャグ多めなのに対してBパートはシリアスに進むので、これが脚本ベースなのか、石田監督の仕業なのかわかりませんが、今作中盤以降の最大の問題点を自分たちで嘲笑ってしまったのは、非常によろしくなかったと思います。
誰が見ても茶番でも、この物語の中では茶番ではない、という一線は守り通して欲しかったです。
ところがマニーの取り出したスペース掃除機はドラムガンファイヤーのエネルギーを吸収。実体弾さえ無効化し、金色宇宙船ビームまで吸い込んでしまう。挙げ句にシルバニアまでエネルギーに還元し、トドメに全エネルギーを奪われてしまうプラチナム
「今のプラチナムはタダの金色の木偶人形さ!」
お父さん、無職に。
盛り上がったジスプが戦闘に乱入し、プラチナムを連れて逃走するブルースワット
「私がここで盾になる。君達だけで、逃げろ!」「犠牲は、最小限にとどめなければ。戦う力が残ってない今の私は、戦士としての存在価値は、ゼロだからな」
一応、第24話の、マフィアの計画を阻止する為なら現地人の1人ぐらい射殺しても構わない、というプラチナムのシビアさを踏まえた台詞になっているのですが、その後20話以上、タダの凶悪な木偶人形だったので、第46話にして実質的にほぼ初めて、プラチナムに宿る人格。
「プラチナムは私たちの大切な仲間じゃないの」
「仲間……」
ブルースワットは一斉にプラチナム 持ち上げ 励まし、プラチナムはこれまでの無法をセルフ回想。
「仲間……君達の仲間!」
例えば、これまでショウ含めてブルースワットをマフィア殲滅の為の道具としか扱っていなかったプラチナムが5人の心に感銘を受けて意識を変える、或いは、これまでプラチナムを超越者としてしか見ていなかったブルースワットがそこにある人格と戦士の覚悟を見て意識を変える、とか劇的な変化が起きればそこに物語のダイナミズムが生じるのですが、お互い一方的に根拠の描かれない親近感を抱いていた為、それが一方通行じゃなかったんだ! とか第46話で言い出されても心の温度は一向に氷点下から上昇しません。
この後、ジスプに雑に扱われたマニーが自棄になって全てを吹っ飛ばそうとするも、ショウが《挑発》をお返しし、スペース掃除機を奪ってエネルギー逆流。プラチナムが復活してエイリアン軍団に処刑執行し、妙にコミカルに描いたマニーはどうするのかと思ったら、ジスプの攻撃でざっくり死亡という、これといって面白くも何ともない展開。
「これからも頼むぜ、プラチナム
「共に戦っていこう――信頼する仲間として」
「プラチナム、なんかとっても嬉しそうだったわね」
「我々との絆が、また一つ強くなったんですからね」
0から1にね……!
前回に続き、クライマックスを目前に控えて巨大な地雷の処理に当たった浅香さんは、まあ出来る範囲で頑張ったとは思うのですが、根本的に1クール前でやっておいて欲しい内容の為、どうにもなりませんでした。
次回は、扇澤さんぽい予告ですが、さて。