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『動物戦隊ジュウオウジャー』感想・第5話

◆第5話「ジャングルの王者」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:香村純子)
公式サイトにセラ役の女優さんが18歳と書いてあって、えええええ、と思っていたのですが、OPコーナー見て成る程納得。単純に本編撮影入る前だったのかもしれませんが、OPコーナーは随分と、演技つけない路線。
ジュウオウジャーは今日もせっせとチラシ配りに精を出し、1人さぼってジュースを飲んでいるアムはもや放置。タスクがうまくチラシを渡せない感じだったりする中、大和が地球に迫り来る大規模なデスガリアン戦闘機部隊を発見し、ジュウオウキング完成。
戦闘機部隊を率いる、巨大な顔に手足が生えているという動きにくそうな怪人がドタバタする中、戦闘機部隊はジュウオウキングらに撃墜されて全滅するという出オチ展開で、アバンタイトルにロボットの出番を確保。
脱出した怪人を探す5人は森で、メキシコノリのジューマン、ゴリラのラリーと遭遇。ラリーはジューマンのニンゲン学者で、フィールドワークとしてニンゲン世界にやってきた所、王者の資格の喪失によるリンクキューブの機能停止に巻き込まれて帰還手段を失い、長い間、1人ひっそりとニンゲン世界で暮らしていたのだった。
ジューマンとの出会いを喜ぶレオ達はラリーに王者の資格を渡してみるがニンゲンに変身する事は出来ず、第1話でかなり成り行きで使用していた王者の資格は、ジューマンなら誰でも使えるわけでないという事が判明。……まあ、単なる先着順ではないかという気もしないでもないですが(笑)
和気藹々と盛り上がるジューマン達だったが、大和がニンゲンだとわかった途端、パニックになって逃げ出すラリー。実はラリーはニンゲンと仲良くなろうとするも怯えて逃げられた挙げ句に、警官に銃弾を浴びたトラウマから、ニンゲンを恐怖の対象として見るようになっていたのだった。
ラリーの回想シーンにおける一般市民の反応から、ラリーはゴリラの被り物をした変態ではなく、人間の服を着たゴリラに見えるという事が改めてわかり、第1話の大和の「喋ってる……? サメが、ライオンが、ゾウが、トラが、立って、服着て、喋ってる?!」は大和固有の視点ではなく、この世界の標準的反応であるという事も裏打ちされました。
更に、大和がジューランドにやってきた時に自分たちが警戒した事を持ち出し、
「僕はニンゲンの気持ちもわかるけどね」
と、最もニンゲン世界に馴染んでいないように見えるタスクに言わせるという、バランス取りと世界観の一連の補強が実に手堅い。
アムの発案で、それとなくラリーのサバイバル生活を手伝い、距離を縮めようとするも逆に怒らせてしまった大和は、吹っ飛びからの水被りとバケツ直撃を披露。ここで大和が怪我しそうになった事を真っ直ぐに怒るレオが格好いい。
自分がニンゲンを傷つけかけた事に沈んだラリーは、同じく反省中で鹿とお話していた大和と向かい合い、ニンゲンを好きでニンゲンを学びに来たラリーがニンゲンに恐怖を感じている悲しみを何とかしたかったという大和の心を知るが、そこにデスガリアンの幹部・アザルドが姿を見せる。
大和が鹿とお話(自覚のある独り言)している際のラリーの鹿への反応を見るに、ジューマンの動物観は、すっぱり別物、例えるなら、人間が猿を見るような感じっぽい。
プレイヤー怪人を拾いに自ら地球へやってきたアザルドは、ジュウオウジャーと遭遇するも最初は思いっきり無視しようとしたり、銃も剣も全く通用しなかったり、と幹部初顔合わせとして良いインパクト……だと思ったんですが……(笑)
大和の変身を見て、王者の資格が人間にもジューマンパワーを与えられる事に気付いたラリーは、アザルドの攻撃を受けて重傷を負った大和の元へ駆け寄り、資格を手にする。
「頼む、王者の資格よ。力を貸してくれ」
ラリーがキューブを通して生命力とジューマンパワーを送り込むと傷が癒え、目を覚ます大和。そこへアザルドがトドメを刺しに現れるが、イーグルに変身した大和は、その攻撃を受け止めてみせる!
「本能・覚醒!!」
内側から沸き上がる力に突き動かされるようにマスクを跳ね上げると、別の顔が出てきた!!
仮面ライダーシリーズでは過去に、剥けたり割れたりありましたが、スピーディな演出でこのアクションとニューフェイスはビックリ。
決め台詞の際の髪をかきあげるようなポーズは、微妙にこの伏線だったのか(笑)
ライダーよりも記号化の傾向が強い戦隊ではかなり大胆な仕掛けと思えますが、スマートなイーグル顔から、鼻の穴を強調したゴリラ顔になるのも実に大胆不敵。最初にデザイン出た時、スーツの動物プリントが別の動物に変わるのでは? と予想していた方がどなたか居たけど、どんぴしゃりだったなぁ……。
「ジャングルの王者・ジュウオウゴリラ!!」
鼻息荒くパンプアップでアザルドを上回るパワーを見せたゴリラは、そのまま大胸筋の導きに従った圧倒的筋肉の力でアザルドをギャラクティカマグナム。
「下等生物のくせに……やるじゃねえか……」
「言ったろ。この星を、なめるなって」
「うははははは、はーっはははははははは!!」
……本当に爆死してしまいました、アザルド(笑)
「ナリア、コンティニューの必要は、無いよ」
ただジニス様がコインを投入せず、前半には「案外、面白い事になるかもしれないよ」という台詞があり、アザルドはこのまま単純に退場、というわけではなさそうです。アザルド撃破後、爆発とゴリラの雄叫びに、別の変な笑い声がかかっており、再生を繰り返して強化するみたいなタイプになるのか。
この辺り、巧くやらないとレッドと敵幹部のパワーインフレだけが進行して4人置き去りにされかねないので、ちょっと心配ですが(^^;
難敵アザルドを撃破した5人はラリーを探すが、何故かラリーの姿が見えない……既に予告でハッキリしていますが、大和に生命力を分け与えたラリーは急速に老化してしまったのだった、と怪我をしていた子供大和と鳥男の関係を当然思い起こさせ、伏線の張り方も巧い。
次回、マッスルロープアクションとかマッスル組み体操とか、予告の画がいちいち強烈。
「いいのか、この星をなめられたままで」
住む世界の違う2つの種族が、“星”をキーワードに心を1つにするという展開なら燃えますが、果たしてラリーの運命は、そして逆襲の大口怪人の真の実力は?!