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『動物戦隊ジュウオウジャー』感想・第43話

◆第43話「クリスマスの目撃者」◆ (監督:加藤弘之 脚本:香村純子)
年末に炸裂する、脈絡無く鎧武者とピエロと虚無僧が襲いかかってくる東映イズム。
クバルが自爆炎上したのでブラッドゲームの勝者は自分だとふんぞり返っていたアザルドだが、オーナより、チームリーダーの反逆から2分30秒で悲鳴をあげて逃げ出して翌日には全力で高速土下座より面白いものを見せないと駄目だ、とハードルを凄まじく上げられ、ゲームを続行する事に。
森家では、退院したさわおがマリオへのクリスマスプレゼントを届けに現れ、クリスマスに興味を持ったジューマンズは、マリオにクリスマスプレゼントを贈ろうと考える。
「みんな、お小遣い幾ら持ってる?」
4人が自由になる現地通貨を持っている事が判明しましたが、言い回し(「お小遣い」)からすると、これ、大和くんがポケットマネーを配っているのでは(笑) 洗濯したら100円、とか。
「え? ちょっと?! 全然足りないじゃん……」
そういうセラも1000円札1枚なのですが、他のメンバーは、力強く、小銭。タスクは「バイト代は欲しかった本に使ってしまった」との事ですが、例の古本屋でアルバイトを続行しているのか……? そしてそのお金は、古本屋に吸収されているのか(やりがい搾取)。
「セラちゃん達は……家帰んなくていいの?」
「……色々あって」
「まあなんかわけありだろうとは思ってたけどよ。あ、もしかして、みんな、おまえと似たもの同士か? だからうちに?」
「違うよ。俺は、帰りたくないだけ。でも、セラ達は帰れないんだ」
即座に返す所には大和くんのこだわりと引っかかりを見る所ですが、大和自身も本来ならば、人には帰るべき家がある、と思っているのかも。第11話で印象的だった「家に帰る時間が来たんだ」という言葉には、大和自身の強い想いも篭もっていたのかもしれません。
街ではチームアザルドの落書き怪人が暴れて色々なものを好き勝手に上書きしてしまい、それを迎撃したジューマンズは、店内にケーキを並べている文房具屋、という不思議な店を発見。それは、落書き怪人によって店構えを上書きされてしまって困っているケーキ屋だった……というのは、怪人の能力とエピソードの内容を巧く繋げてきました。
4人はアムの発案で、ケーキの街頭販売を請け負う代わりにバイト代をいただく事に。人目を惹くためのジューマンヘッドが客寄せ大成功し、ニュースでそれを知って駆けつける大和とさわお
「本当は……ああいうのが理想だよなって。ジューマンと人間の」
人々と素顔で楽しそうに触れ合う4人を見た大和は、ニンゲン界とジューランド、二つの世界の在り方について考える……。
最終的に、大和のフレンド攻撃で消費税という名のレイドボスを撃破したジューマンズだが、マリオはアーティスト仲間からの誘いで、急遽カナダへ木材の買い付けに向かおうとしていた。今日中にプレゼントを渡したいと急ぐ面々だが、タイミング悪くその前に落書き怪人が現れ、4人をマリオの元へ向かわせる為に、イーグルとサワオが怪人を食い止める。
前半のシーンで、基本ギャグ調の怪人ながら、道の真ん中に出現した大仏に2台の車がぶつかって大爆発、どう見ても死傷者が出ている……というのがむしろ今作の積み重ねてきたリアリティラインなので、ここで怪人よりもプレゼントを優先してしまったのは、少々疑問を感じた所。
イーグルとサワオが受け持っているので、戦力比を考えると致命的ではありませんし、それだけ4人の中でマリオの存在が大きいという意図ではあるのでしょうが、ブラッドゲームの被害描写とはやや噛み合わなくなってしまった気がします。
ところが4人は、ゲームを盛り上げようと乱入してきたアザルドと遭遇してしまい、結局まとめて戦う事に。そして、カナダへ向かう途中だったマリオが、この戦いに気付いて物陰から様子を窺う。
「なにがスーパーアートよ!」
「町中、嘘の絵で塗り固めやがって!」
「嘘?!」
「へっ、よく言うぜ。おまえらだって、嘘の姿で暮らしてるんだろ? なんだっけ……へへへ、ホントはジューマンだっけ」
ショックを受けた怪人を即座にフォローするアザルド、相変わらずいい上司(笑)
しかしこの売り言葉に買い言葉により、マリオがジューマンズ4人の素顔、そして6人がジュウオウジャーである事を目撃してしまう。
ジューマンズは野生解放コンボで怪人を撃破し、サワオを加えてトウサイジュウオーでロボ戦に。だが怪人が次々と描き出すメーバ軍団に苦戦、それを助けようとキューブホエールを召喚する番長だが、ホエールは突然、アザルドに激しい敵意を向ける!
至近距離からミサイルの雨を喰らったアザルドは退却。改めてホエール参戦で作った隙にオクトパスが落書きを無効化し、番長合流から全合体で怪人を撃破。もう捨て置かれるものかと思ったタコに、納得できる出番があったのは良かったです。
「なんなんだいったい……? どうなってんだ大和は……?」
混乱しながらもマリオはそのままカナダへ向かい、プレゼントを渡しそびれたジューマンズに、帰ってきたら渡せばいい、と前向きに励ますさわおは、前回を受けての変化が見える部分。
どうやら原初の戦いに関わりがあるらしいとアザルドとホエールの因縁が急浮上、そしてジューマンとニンゲンの関係は、どうなっていくのか……次回、ジュウオウヒューマン誕生?!
大きな山場で盛り上げまくった次の回というのは難しいものですが、残り話数の都合かクリスマスお祭り回というわけでなく、年明けクライマックスに向けて入れておかないといけない要素を詰め込む事を優先した結果、今作のアベレージからすると雑な造りになった印象(^^;
二つの世界の関係を考えた時、マリオおじさんはかなり例外の部類に入りそうですが、そこから如何にしてマクロな関係性へと転がしてくるのか、楽しみに待ちたいと思います。