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『動物戦隊ジュウオウジャー』感想・第10話

◆第10話「最も危険なゲーム」◆ (監督:柴崎貴行 脚本:香村純子)
「探したい人は探す。諦めた人はお疲れ様」
アムさん格好いいぃぃぃぃぃぃぃ!!
それによって善悪の判定をするのではなく、あくまで個々の選択としてばっさり処理する辺りが、凄く実務的。
また、「お疲れ様」という、これまでの作業は作業で認めた上で突き放す、という言葉の選択が絶妙です。
ホームシック気味のジューマン達を気にして海へ行こうと持ちかける大和だが、一番肝心のセラに拒否され、かえってぎくしゃくしてしまう。更にレオとマリオ叔父さんだけがはしゃいで雰囲気最悪になるが、大量のメーバが街で大暴れし、出撃。メーバ軍団を軽く蹴散らすジュウオウジャーだっが、そこにホログラフでジニスが現れると、ナリアを進行役に自らゲームをスタートする……!
「そのドームに触れた生物は、消えて無くなります」
触れた生物を消滅させながら徐々に縮んでいく光のドーム内に隠された解除スイッチを探せ、というゲームの内容は凶悪なのですが、ドームが設置・縮小を始めた途端に人々が我先にと逃げ始めてしまい、生物消滅のリアリティと恐怖感が足りなかったのは、残念。出来れば、「なんだこれ?」と軽い感じで触れた人間が消滅してしまい、それを見た人々がパニック状態で逃げ出す……みたいな流れにしてほしかったですが、人体消滅描写とかは、近年は出来ないようで。
精一杯の努力として代わりにネコが消されましたが、ネコ好きの人は、ネコーーーーーー! となった所か(^^; どうせ消すなら、ネコが消えてから人が逃げ出す、という形にしてほしかったですが、ちょっとこの辺り、折角の仕掛けの描写が全体的に溜め不足。あくまで「生物を消す」ので、建造物などの破壊をともなわない、というのは良いアイデアだったのですが。
手分けしてスイッチを探すジュウオウジャーだが、小さなスイッチをなかなか見つける事が出来ない。
「見つけなきゃ帰れないのに、ちっとも見つからない……。まるで、王者の資格探しだ……」
ここで今回のキーであるスイッチ探しと、全体のキーである資格探しを絡めたのは巧かった。
一度合流する5人だが、スイッチと資格探しを重ねて暗澹とするタスク、セラ、レオは弱気な言葉を漏らし、大和と険悪な雰囲気になってしまう。
「どうしたんだよ?! みんなの命がかかってるんだぞ。弱気になってる場合じゃないだろ!」
「わかってるよごちゃごちゃうるせえな! 強気で探して見つかるならとっくに王者の資格見つけてジューランド帰ってんだよ!」
レオが苛立ちと不安を爆発させ、間に入ったアムは冒頭の台詞でその場をばっさり収めると、大和を連れて探索を続行。
「みんなじわじわ溜まってたんだよね〜」
ジューマン達がどうしても、スイッチ探しと資格探しを重ねてしまう事を大和に説明するアム。
「俺……全然わかってなかった……」
「しょうがないよ。大和くんと私たちじゃ、立場違うもん」
「……見つけるしかないよな」
「え?」
「スイッチ見つけられたら、王者の資格も見つかる。ジューランドに帰れるって、信じられるかもしれない」
エピソードの問題と物語全体の問題を重ねてキャラクターの心を揺らすだけでは満足せず、そこからもう一繋ぎして逆の“希望”を見出させる事で、大和のヒーロー性を見せる、というのは実にお見事。
物語として、どうして風切大和はヒーローなのか? というのがしっかり描かれており、こういった、説得力を持った背景の構築が出来るか出来ないかというのが、一つ、良い作品の悪い作品の分かれ目といえると思います。
一方、残り3人はドームの内外で離ればなれになった親子を発見し、逃げ遅れた子供を助けると、囚われた人々の恐怖を知る。
「みんな、不安なんだ……」
「人間も……ジューマンもない」
「こっから無事に帰りてぇのは、俺等も……大和も一緒なんだ」
「後で謝んなきゃ」
「その前に探そう。――最後の最後まで」
主に私怨と義理人情で戦ってきたジューマン3人が、種族を越えた誰かの為の一歩を踏み出し、ヒーローとしてステップアップ。大和のステップアップはゴリラ回で描かれており、混成チームであるジュウオウジャーが順調にヒーローとしての階段を上っております。
……この構成だと、アムだけステップアップ展開が無いのですが、アムだけは先に踊り場で待っていたという事なのか、この後、アムがステップアップするエピソードも描かれるのか。
どちらにせよ、物語として“ヒーローはどうしてヒーローなのか”を手抜きせず丹念に描いていこうという意識が見えるのは、非常に好み。
望遠視力でスイッチを発見した大和は大声でセラに場所を伝え、セラの指示でレオが壁を駆け上り、弾き落としたスイッチをタスクが鼻でキャッチ。チームプレイでドームは消滅するが、その解除スイッチは、ジニスが開発した殺戮マシン・ギフトの起動スイッチでもあった。かつて、ロールアウト直後に瞬く間に10の星を壊滅させてしまい、ゲームにならないと封印されていたギフトは、高精度の分析力と見た目を裏切るスピードでジュウオウジャーを圧倒し、ジニス様、大喜び。
「ふふふははははは、さあ! もっと悲鳴を響かせたまえ!」
野生解放も通用せず、ゴリラパワーで圧倒しようとする赤は、掟破りのいきなり巨大化で跳ね返されてしまう。この、躊躇無く最適解を実行する姿は、凄く殺戮マシンで良かったです(笑)
惑星を消し飛ばすギフトンソードの発動を何とか食い止めるジュウオウキングとワイルドだが、そのダメージで合体&変身解除。倒れた大和は崩れたビルの破片に押しつぶされそうになるが、飛来した何者かが、それを救う。大和を助け、振り返ったのは、険しい顔つきの白髪の男――で、続く。
ジニス出馬・強敵登場で初めてのジュウオウジャー完敗となりましたが、吹き飛ぶ二大ロボの姿に、ジニス様が机叩いて高笑いしており、急に小物っぽくなってしまったのは気になる所。個人的にはジニス様にはもっと、余裕シャクシャクで退廃ロマンに耽溺して、無駄に面白いだけの作戦とかを愉しんでいて欲しかったのですが。
今回、ジニスが「オーナー」である事がアザルドの台詞で判明しましたが、こうなると、デスガリアンは組織全体ではなく、オーナーだけすげ替えられる、という可能性もありそうかなー。アザルド(不死身?)、クバル(超優秀)と見せてきて、今回の描写でジニス様がデスガリアンで一番面白くなくなってしまったのは、引っ張るつもりなら少し不安な所です(^^;
そしてとうとう人間の姿で登場した鳥男。この先どうなるかは全くわかりませんが(すんなり6人目になるには一人だけ老けキャラすぎるのが気になります……前例はあるといはいえ)、もし今後このままレギュラーになった場合、村上幸平への愛で井上敏樹参戦はあるのか。