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大大大大大サーカス

◆『劇場版 動物戦隊ジュウオウジャー ドキドキサーカスパニック!』◆ (監督:柴崎貴行 脚本:香村純子)
 サーカスがやってきた! マリオおじさんが街で貰ったサーカス団のチラシを飾るのは、どう見てもジューマン?! 勇んでサーカスへ向かった大和とジューマン4人は、思わぬ形でのジューランドの仲間達との再会に胸躍らせ、幻想的な演技の数々に喝采を送るが、突如現れた宇宙大大大大大サーカスの団長ドミドルが、ジューマンと子供達をさらってしまう!
 子供達の悲鳴を破壊エネルギーに変換し、宇宙大空中ブランコの邪魔になる地球を破壊する、という某暴走皇帝を思い出す『銀河ヒッチハイクガイド』案件再び、を阻止しようとするジュウオウジャーだが、洗脳したキューブコンドルを操るドミドルに完敗。セラ、レオ、タスク、アム、が捕まってしまい、壮絶な海中ダイブを体験した大和は、サバイバル生活中のさわおに釣り上げられる事に……。
 「ふふふ、メーバメダルが盗まれたとは聞いていたが、成る程、その男の仕業か」
 「始末しますか?」
 「いいや。折角のサーカスだ。楽しませてもらうよ。ふふふふふ……」
 宇宙の惑星を使って自分好みのサーカスを行う敵のスケール感と、それを余裕を持って見物するジニス様、というのは良かったですが、ジニス様、メダルの管理まで適当なんですかジニス様!
 恐らく公募エキストラの大量動員が企画の目玉だったのかと思われ、サーカスの観客〜EDダンスまで、さらわれる子供達とその親の姿が繰り返し強調され、ジュウオウジャーに声援を送る子供達と声を合わせての「この星を舐めるなよ!」はそれなりに熱かったのですが、その逆転に至るとわかっていても、大量の子供達の泣きのシーンは、少し長すぎた印象。
 再会する親子のシーンにもたっぷりの尺が採られて主要な観客とのシンクロを狙った構成となっており、いってみればステージショーの要素を逆輸入したといえるのですが、そこに同調する要素の薄い身としては、メタ要素を省いた時の物語的積み上げの不足は感じました。これは、映画としての狙いがハッキリしていて、その狙いの層ではなかった、という事ではあるのですが。
 映画として、という点では、映画館にいざ劇場版だ、と見に行くとまた心構えの時点で変わるのかとは思いますが、劇場版的いきなりスペクタクルな展開と、キャラクターの個性を尊重しながら丁寧に段取りを積み上げていく『ジュウオウジャー』の作風は、どうも相性が悪かったのかな、と。この辺り、香村さんの経験値の問題もあるかもしれませんが、TV本編ではあれだけ手堅く鮮やかだったキャラ描写も、これといって光る所がなくのっぺりとしてしまい、この点は正直、物足りない出来。
 またタイミング的にサワオのキャラクターがまだ出来上がっていなかったのか、とにかく不自然なほどサワオが出てこないのですが、冒頭の巨大戦は釣りをしていて気付かなかったはまだともかく、役割分担とはいえ、単騎特攻した大和くんが中で血まみれになっている間、外で待機は、さすがに酷すぎます。
 その癖、最終決戦ではしれっとワイルドトウサイキングが出てくる為、色々ちぐはぐ。
 総じて、“戦隊夏映画の都合”がまとめて悪い方向に転がってしまった感。
 一番面白かったのは、EDの劇場版ジュウオウダンスで、せっかく新撮なのだから少し本気出す、みたいな感じでキレを見せるセラの横で、相変わらず振り付け通りに動くだけでいっぱいいっぱい感が迸るタスク。とにかく、笑顔だけ頑張りました!!