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『動物戦隊ジュウオウジャー』感想・第17話

◆第17話「エクストラプレイヤー、乱入」◆ (監督:竹本昇 脚本:香村純子)
戦闘機軍団と共に地表に現れ、4つのスートが描かれたカードをばらまくトランプ怪人が出現。最近、クマ専用機だったワイルドキングが久々の動物大集合光線で戦闘機部隊を瞬滅するが、ジュウオウジャーも額にカードを貼り付けられ、更にその力でバラバラに吹き飛ばされてしまう。そしてそのカードには、同じスートの者同士が近づくと、激しい電撃を放射するという仕掛けがあった!
これにより同じマークだったタスクとレオが真っ先にリタイアし、アムも通りすがりの人との接触で倒れてしまい、残るはセラと大和のみ……と、綺麗に先日のスナイパー回と逆ですが、これは話し合って狙った構造なのか。
こんな所まで抜かりありません。
セラはカードの効果で父親とはぐれた少年を発見するが、少年と父親のスートが同じ事を知り、大和がカードをはがす手段を探している間に時間稼ぎで少年と話す内、ジューランドに居る弟を重ねていく……。
カット変わったら大和くんが洗面器に顔をつけて何事かと思ったのですが、水に濡らしてカードを剥がそうとしていた事に気付くのにしばらくかかりました(笑)
「あのさ〜、つまり、同じマークじゃなきゃいいんだろ」
シンナー類を並べて苦闘する大和におもむろに近づいたマリオおじさん、カードに上から別の線を書き足してみる。この裏技が効果を発揮し、セラと大和は合流に成功すると、人々のカードに別の線を書き加え、父子も再会。前回目立ったから今回は空気、になるのではなく、マリオおじさんがマリオおじさんらしく、解決に一役買う、というのは良かったです。
ゲームの状況がおかしい、と地上の様子を見に来たトランプ怪人はカードケースを破壊され、カードの効果が消滅。よく気にする状態異常の回復問題ですが、今回は「余のカードケースを壊さぬ限りはな」と事前に治療方法を怪人に自己申告させる形で解決。これはこれで、毎度やると敵が間抜けになってしまうのが、この問題の難しい所です(^^;
「あんたみたいに、人の気持ち踏みにじる奴、あたし、大っ嫌い!」
集合したジュウオウジャーは新挿入歌をバックにトランプ怪人を追い詰めるが、その時、突然戦場に飛び込んできた釣り糸が、ジュウオウジャーの武器を絡め取ってしまう!
「はぁ……つまんねぇ獲物だな」
そこに立っていたのは、金・銀・黒、の3色で塗り分けられた、ジュウオウジャーに似た姿を持つ仮面の戦士。
「これはジニス様がお造りになった、ブラッドゲームのエクストラプレイヤー。名付けて、ザワールド」
予告時点では、つりざお? と思っていた釣り竿ですが、イーグルの鞭剣とのバトルが非常に格好良く、まさか釣り竿がこんなに格好良くなるとは驚きました(笑)
ザワールドのモードに合わせて、釣り竿・銃・棒、と3形態に変化する武装のギミックもかなり格好良く、新キャラとしてのインパクト十分。
「あいつ、大和と同じ事が出来るの?!」
ザワールドは複数の動物パワーを操り、次々とジュウオウジャーを一蹴。無条件かはわかりませんが、どうやら“ニンゲンはジューマンパワーの器になれる”というのは、今作の大きな物語とも関わってきそう。
「俺とやるなら、これぐらいはやってみな! 野生・大解放!」


サイ! ワニ! オオカミ!
サ・ワ・オ・サワオ・サ・ワ・オ!!

サワオは三つのジューマンパワーを同時解放し、エクストリームサワオに。
「レベルが違うんだよぉ!」
その怒濤の攻撃に、ジュウオウジャー完敗、でつづく。
後半3分の1、縦三分割のデザイン・金銀黒をまとめて使う贅沢な配色・メインウェポンが釣り竿という衝撃のサワオ登場編でしたが、後回しになっていたセラメイン回としても良い出来でした。
モグラ回の家族ネタを引っ張って家族思いな所を押し出しつつ、カードに線を書き足す所で顎の辺りまでぐいっと引っ張ってしまう思い切りの良さも描く事で、優しさだけではないセラの持つ格好良さを合わせて見せたのがとても良かったです。女優さんの顔だしクライマックスまで引っ張る事を考えると多少悩む所ではあったと思うのですが、思い切った事でセラのキャラクターが非常に引き立ちました。セラの力強さを描くばかりなでく、一度警戒した少年の心を和ませるクッション作用になっている辺りも巧く、この内容を前半3分の2に押し込んだのはお見事。
あと、セラと大和が叔父さんのアイデアが有効か試す場面で、“やたら近い”というサービスショット(笑)も良かったです。
その上で、前回の振りに加え、ここ3話ほどデスガリアンサイドの描写をやや増やした事で、ジニス様がブラッドゲームに新たな趣向を取り込むという新キャラ登場の流れも、違和感なく収まりました。
この先デスガリアンにとってどう転がるにせよ、“ジニス様の遊びが原因”というのは今作として一番損をしない理由付けですし、デスガリアンのテクノロジー的な優位も強調でき、追加戦士(候補)の組み込み方としても秀逸。
ジニス様に精神改造でもされているのか、今のところ乱暴な口調で暴れているだけで、サワオ個人の人格というのは見えていませんが、どういう形で個性が発揮されてくるのか、楽しみです。
この流れだと、大和くん、3つめのジューマンパワー入手の可能性もあるのかなぁ。
次回――サワオロボ登場。
ところで、何故、タスクとセラは、まだ冬服。