第12話、地獄の黒部キャンプ編。
……ここまでで一番面白かったかも(笑)
サブタイトルで「地獄」を煽っておいて、地獄ってそれか! という所に始まって、成る程ここで赤城を絡めてくるのか、と納得していたら……一瞬で脱落したぁぁぁぁぁ?!
基本、バンダナに冷たい私ですが、スタッフの方がもっと酷いと思います(笑)
と思っていたら、自発的に筋トレ続行で、ちょっと男を見せましたが。
という感じで、研究所サイドと学園サイドのキャラクターを掘り下げながらテンポ良く進行。……クロムクロは今回も微動だにしなかったけど気にするな!(何話から動いていないんだろう……)
こういったエピソードをもう少し早めに持ってくれば良かったのではないかとは思うのですが、今時の2クール作品なのである程度以上に決め打ちのストーリー進行と思われ、遂に首輪を外す事になったり、剣之介と由希奈(及び研究所関係)の距離感が縮まってから前提と考えると、この位置になるのはやむを得なかったのか。
で、続く第13話、文化祭編でハッキリするのですが、ここまで掘り下げが少なかった周辺キャラクターの姿が見えてくるというのが、“剣之介が現代で生きる事を受け入れていく”のと同期している。
過去からの亡霊ともいえる剣之介が、生きる事を選ぶ事で、今居る世界が徐々にくっきりし、由希奈と近い周辺(具体的には寺)以外の人物もその姿が明確になっていく。
という構造なのかな、と(剣之介がクラスメイトを意識しているかどうかは、まあ別にして……コスプレには興味が生まれていましたが(笑))。
そう考えると、作れる面白さを敢えて後回しにする、というけっこう挑戦的な構造ですが、ある程度の積み重ねはあったとはいえ、この12−13話で一気にサブキャラ各員を掘り下げてみせた技量を見れば、ある程度、狙ったものと考えていいのかなぁと。
で、そんな中、文化祭のオブジェ作りで活躍し、剣之介と由希奈のお邪魔をしようとして阻まれ諦めるバンダナは、背伸びを止めて自分にあった道を見つける、という方向に進みそう。まあフィクションとしては、「背伸びを諦めるのが正しい」といったような理屈が強く振りかざされるとちょっと嫌ですが、無理筋でパイロットとして活躍されたりするよりは、物語的な収まりは良さそうです。
思えば第1話冒頭がヒロインの進路の話で始まっていますし、作品全体として、若者が道を選んでいく物語、という指向性はあるのかなー。
そんなこんなで、これからどう生きていくのか、という未来と向き合い始めた剣之介の前に、過去から来た最大級の爆弾が炸裂する第14話。
変更されたOP絵は1クール目を踏襲していますが、ヒロイン友達の父(研究所コック)という存在だけ匂わされていた人とおぼしきキャラが、急に目立つ所に立っているのですが、2クール目に大活躍するの?!
そんな太めに優しい今作ですが、セバスチャン格好いいぃぃぃ!!
まんまと乗せられていてなんか悔しいのですが、しれっと客席に居て、すちゃっとナイフ取り出して、宇宙サムライと近接格闘するセバスチャン格好良すぎて困ります。
そしてやたらメンタルの固いメガネ担任の過去の一端が匂わされ、12−13話と続く構造。
刺されたクラスメイトが血まみれで倒れていてもカメラ回し続けられるマッシュルームに関しても、ちょっと現実感が薄いというより、もっと明確な歪みとして描きそうな気配。カルロスPはまだちょっとわかりませんが、3バカトリオにもそれぞれ、転機のきっかけ、を描いてくれそうで、きちっとキャラクターへの目配りを示してくれた演出は今後に向けての好材料。
生煮えの素材に足りなかったスパイスが浸透してきて、ぐっと全体の味が良くなって参りました。
そういった細かい仕事を重ねつつ、久々の本格ロボットアクションではガウスとクロムクロのコンビネーションプレイを展開し、黒部ブートキャンプを越えた次のステップに進行、とここもしっかり流れを見せてきます。
折りたたみフレームにこだわる今作の敵メカですが、姫様ロボはさすがに凝った動きで格好良く、多脚ロボの回転移動のアイデアも面白かったです。
後、周辺キャラ同様、宇宙人サイドも前半に比べると格段にキャラクターとしての描写が増えましたが、ユキ姫様(仮)は正統派美少女剣士スタイルが格好良くて良い感じ。……ちょっと、知力が低めな雰囲気なのが気になりますが!
場合によってはボーナスポイントの振り直しを要求したい。
お父さんと鬼の謎、宇宙人の求めるもの、個々のキャラクター達、とここからどこまで詰め切れるのかに若干の不安もありますが、不満に感じていた部分がこの3話でだいぶ改善され、後半戦も楽しみ。