はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2019〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『仮面ライダーオーズ』感想26

◆第41話「兄妹と救出と映司去る」◆ (監督:舞原賢三 脚本:小林靖子
Count the Medal’s! 現在、オーズの使えるのメダルは……ほぼ0!
「これで僕は、僕になる!」
遂にアンクを取り込み、大空に2枚の翼を広げる真アンクだが、右手に違和感を覚えてコアメダルが1枚足りていない事に気付く。吸収される寸前、アンク姫はコアメダルを一枚、比奈へと託していたのだ。
前回ラストの手を伸ばす・繋ぐ、というのが、今作のテーマに合わせた意味だけではなく、アンク姫のトリックにも繋がっていたという、巧い展開。またそのメダルを受け取っているのが比奈、というのも、比奈の存在感が出て良かったです。
……あ、長らく困っていた2体のアンクの呼び分け問題にようやく天啓がもたらされたのですが、以後、餡子の事をと呼称したいと思います。これは姫だ。
コアメダルを手に逃げる映司と比奈を追う、悪(い王子)アンク。映司は覚悟を決めてプトティラに変身し、悪アンクの中にわずかに残るアンク姫の気配に気付く。
(まだ消えてない……少しだけど、アンクの気配はある)
その頃、クスクシエでは泉刑事が目覚めていた。
「初めまして、比奈の兄の、泉信吾です」
……なんか、泉刑事が名前を名乗るのって、劇中初めてのような。いやあまあそもそも、物語の中でフルネームを名乗る機会って、意図的に用意しないと存在しないわけではありますが、そういう意味では、ここでとうとう「泉信吾」が『オーズ』という物語の舞台に上がってきたというニュアンスは感じます(これまでは、あくまで主に比奈ちゃんの背景だった)。
ところでやはり、泉刑事の名前は葛山「信吾」から来ているのでしょうか。
なおこのシーンで、知世子さんの顔にパンチマークみたいなのがついていて首をひねったのですが……前回の警察軍団との乱闘騒ぎで負傷したけど、その後の登場シーンが夕暮れから夜(しかも野外)でハッキリ見えなくて翌朝の登場では後頭部しか映らなかったので、今回ここに至るまでメイクが活かされる機会が無かったのか(^^;
困惑して思わず前回どうだったか確認してしまったのですが、もう、無かった事にして良かったような気も。
プトティラと悪アンクは激突し、水道施設みたいなトンネルの中で、派手に炸裂する火薬が格好いい。これまで数多のグリードを圧倒してきたプトティラと互角の戦いを繰り広げる悪アンクだが、右腕に異変を感じて撤退。
「早く全部手放せばいいのに……意識も、何もかも。悪あがきはやめなって言ってるんだよ!」
思春期の右腕が疼きまくって、押さえ込むのが大変です。
ここで自ら右腕を岩に叩きつけてセルメダルを飛び散らせる悪アンク、というのはグリードならではで面白かった描写。
一方、ひとまずクスクシエに戻った映司と比奈は、復活したお兄ちゃんと再会。
「相変わらず、驚くと、子供の頃とおんなじ顔になるな。……やっと戻った。心配かけたな……ごめん」
……これ、なんだかんだ、色々食わせていたので、本体の体力が回復したという事なのか(笑)
「お兄ちゃん……お兄ちゃん、お兄ちゃん!」
感極まった比奈ちゃんが飛びついた所で、お兄ちゃん吹っ飛ぶ、というギャグはさすがにやらなくてホッとしました(笑)
「戻ったんだ、刑事さん。……良かった……」
そして泉刑事により、アンク姫は、メダルホルダーも咄嗟にベッドの下に隠していた事が判明。
「土壇場で、出来る限りの可能性を残したんだよ。自分が消えない為の」
「……あいつらしいですね」
「映司くん、これからは、俺も戦いに協力させてくれないか」
姫が憑依していた間の事はだいたい把握しているという泉刑事は映司に協力を申し入れ、正義感に溢れ公権力に所属する妹想いの好青年との新コンビがここに誕生する……のだが、お兄ちゃんは……
メダル投げがド下手だったのです。
実戦では、志より実力でしょ?! と、アンク姫と泉刑事を物凄い形で区別(笑)
姫のメダルトスは、ファンタジー表現ではなく、長年鍛え上げた技術の賜物であるという事も判明し、居なくなって初めてわかる大切さ状態。
この映司と泉刑事の訓練シーンでは、色々試してみようという流れでお遊び気味に、ラウバ、サゴリーター、タカウゾ、ラゴリタ、が1カットずつ登場。ここまでも結構、取っ替え引っ替え3色フォームを見せてきた今作ですが、これが出番の無かった形態という事でしょうか。一発ネタなので立ち姿に困ったのか、ウナギになると、手をくねくねする映司(笑)
鴻上達はこの光景をバッタ缶で盗撮し、アンクの消滅と泉刑事の復活を確認すると共に、プトティラに頼らざるを得なくなるだろう映司の状況に不安を募らせる……。
泉家では帰ってきたお兄ちゃんを前に比奈ちゃんが女子力をアピールし、和やかな家族の食卓のご相伴にあずかる映司。
(戻ってきてるんだよな、比奈ちゃんの日常。本当だったら、今までだって続いてた筈の、お兄さんと一緒の生活)
苦節3クール、一つの約束を果たした映司は、比奈と信吾の笑顔に覚悟を決める。
(もう、この二人がメダルに関わる必要なんかない。俺や、アンクにも)
アンクの事がわかったら教えてほしい、と比奈に告げられる映司だが……。
(アンク……比奈ちゃんは、おまえを助けようとしてくれてるよ)
心の中で姫に語りかけながら、映司はマンションを振り返ると、泉兄妹に別れを告げる。
「……じゃあね」
(戻ったら、おまえはまた、信吾さんの体使うかもしれないのに。……だから、あの二人にはもう近づかない)
映司はクスクシエにも置き手紙を残し、アイス代を踏み倒して、夜逃げ。
(ただ……)
「――おまえは助けなきゃな」
手を伸ばしたあの時の、姫の表情を映司は思い出す。
「あの時おまえは助けを求めてた。そんなの初めてだよ。……はぁ、パンツの雨でも、降るかもね。――居た」
ここで、“お互いを利用し合う共闘関係”であった映司とアンクの間に、「助け」という映司を構成するキーワードが入り込む、というのはお見事。同時に、色々な理由はあるのですが、比奈がアンクの存在を認めるに至った「積み重なった時間」を共有しつつも、自ら泉家やクスクシエから離れていける、映司の強さと怖さ、そして改めての「手を伸ばす事」への執着が綺麗に組み込まれています。
アンクの気配を捉えた映司は、比奈や泉刑事には何も告げず一人で姫の救出へ向かうが、そこへもう一人の王子様志望――後藤が姿を見せる。
「でも俺、アンクを助けに行くんです。グリードの。後藤さんにそれは……」
「俺はおまえを助ける」
そう、伊達さんが去った今、映司(ヒロイン候補)を助けるヒーロー役を担うのは、ごバースしか居ない!
ここで後藤さんが、名実ともにヒーローになる格好良さを見せてくれたのですが、正直、初めて、後藤さんを格好良く感じたかもしれません(笑)
またこの、「誰かの為に手を伸ばす映司に別の誰かが手を伸ばす」というのは、第32話でプトティラの暴走を止める際に比奈ちゃんが持ち込んだ重要なテーゼであり、そしてそれは映司の周囲に「積み重なった時間」の証左といえます。
一つの関係に背中を向けつつも、映司を独りにさせない関係がまたそこにある。アンクばかりでなく、実は映司も、命の重さを見失ってしまった自分から変わっていく事と向き合う局面に立たされている、というのは今作の面白い構造。
……にしてもどうして比奈ちゃんは、ヒロイン的活動をすると、周囲の野郎どもに後から上書きされるのか。
朝焼けの光をバックに出陣した二人は行く手に立ちふさがるアンキロヤミーと激突し、前回に続いて銃と剣で連係攻撃を仕掛け、とにかく自ら突っ込んでいくスタイルだった、だバースと巧く差別化。しかしアンキロの装甲はライダーの攻撃をものともせず、アンキロミサイルに追い詰められていく2人。メダル交換に手間取っている内にオーズは変身解除級のダメージを受けてしまい、それを見たごバースは、ドリルで突撃。なんとか映司をアンク姫の元へと向かわせる。
囚われの姫の気配を追い、山奥へ踏み入る映司だが、そこに待ち受けてたのは――悪い魔法使いドクター真木。
「火野くん、アンクくんに会うのは諦めて下さい。完全に吸収されるのも時間の問題です。それよりも、君の中のメダルの話をしましょう」
紫と紫のメダルが正対する時、果たして何が起きるのか?!