〔GYAO!〕で1週間12話ずつ配信と思われる、『仮面ライダーフォーゼ』感想。
結局、見ると何か書きたくなる(病気)のでタイトル通り駆け足気味に、ちょこちょこ触れていこうと思います。ボリュームは、その週の視聴ペースと、心身の余裕により増減予定。
「宇宙……無限のコズミックエナジーを秘めた、神秘の世界。若者達は、アストロスイッチでその扉を開き、未来を作る。スペース・オンユア・ハンド。その手で、宇宙を掴め!」
◆第1話「青・春・変・身」◆ (監督:坂本浩一 脚本:中島かずき)
「タイマン張らしてもらうぜ!」 (如月弦太朗)
天ノ川学園にやってきた短ラン&リーゼントの転校生・如月弦太朗は、学園の全員と友達になる宣言。後輩から貰ったラブレターを川に投げ捨てるといういけすかない姿を目撃した歌星賢吾に絡んだ弦太朗は、友達ストーキングを開始する。ところが学園に謎の怪物が出現し、賢吾から奪い取ったベルトを身につけた弦太朗は、再会した幼なじみ・城島ユウキの指示(満面笑顔)で、宇宙のエネルギーをその身に宿す!
見所は、初回で足からミサイル撃つ仮面ライダー。
前作『オーズ』のバースと同タイプといえる、アタッチメント装備型ライダーのフォーゼですが、ロケットで殴ったり、チェーンソーで襲いかかったり、装備の変態ぶりと、とりあえず火力で敵を圧倒しようという設計思想に、開発者の性格に問題を感じずにはいられません。
アクションシーンは勢いあって面白いのですが、モブのキャラ分けが極端すぎて、学園が凄く面倒くさい……(^^;
スクールカーストなど過剰にコミック的な描き方をしているのですが、食堂での乱闘シーンに、人質とっての主人公暴行などは、正直かなり引きました(^^; 第1話でノれるかどうかがかなり極端な作りの上で、そのノれるかどうかが、ライダー云々とあまり関係ない部分というのもなかなか辛く、これは当時序盤で脱落したのもむべなるかな。
OPで既に弦太朗に取り込まれており、ネタキャラの香りが強く漂うアメフトマッスルですが、長身の弦太朗を片手で軽々と放り投げたり、タックルで数メートル吹き飛ばしたり、割と戦闘力高い。
◆第2話「宇・宙・上・等」◆ (監督:坂本浩一 脚本:中島かずき)
「俺は何も見なかった。後はお前達に任せる」 (大文字隼)
その身に星座の意匠を持つ謎の怪人ゾディアーツ。それは、コズミックエナジーを用いたアストロスイッチにより、人間が変身した存在であった。17年前、月面基地でアストロスイッチを研究開発していた賢吾の父親は、それを悪用しようとしていた者達によって殺されてしまう。賢吾は偶然、アストロスイッチの力により地球と繋がっていた月面のラビットハッチに辿り着き、そこで父の遺産であるフォーゼドライバーとアストロスイッチを入手。それを悪用しようとするゾディアーツを倒す事に強い使命感を持っているのだった……。
と、頑な賢吾の背景や各種設定を、どどっと一気に説明。
とりあえず今の所、コズミックエナジー凄い、という事で納得しておけばいいのか。
「おまえの代わりは務まらねえが……お前を助ける事は出来る!」
「今のままで……おまえのやりたい事が出来るのか! ……頼む! 俺に出来る事をやらせてくれ!」
賢吾の事情を知った、というかユウキに一方的に聞かされた弦太朗は、賢吾と張り合うのではなく、友人として賢吾の為に戦いたいと申し出、紆余曲折の末、それを受け入れる賢吾。かくして「友達じゃないし名前で呼ぶな」という関係ながら、作戦指示を出す賢吾と前線で戦う弦太朗、というコンビが成立。
前回はまず基本のツール見せでしたが、今回はバイク中心のアクション。スペースシャトル意匠のバイクはなかなか格好良く、更にそれを、黄色ロボットが変形した台座で、宇宙へ打ち上げ(笑) この辺りのギミックの勢いは、坂本監督のスピード感溢れる演出も効果的で、ぐいぐい物凄い。
フォーゼは宇宙でロケットドリルキックを決め、地球をバックにしてのキックは印象的なカット。そして単独で大気圏突入が可能な事も判明し、凄いぞ宇宙パワー。
「おまえとは、ダチになるからな」
アストロスイッチを用いて学校を騒がせていた犯人も無事に確保され、どんな相手でも問答無用にオチをつけられそうな友達ストーカーシステムが発動。
「か、仮面ライダー……」
「「え?」」
「そういう、都市伝説……ネットで見た」
ネット上に流れている動画という形で旧作の映像を見せ、物語のオリジナルではなく、過去の<仮面ライダー>シリーズと世界が繋がっているという飛び道具で、“都市伝説に語られる、街の危機を人知れず救う、仮面のヒーロー”として、「仮面ライダー」という言葉を劇中定義付け。
『W』は意欲的かつ巧くやり、『オーズ』はその辺りは吹っ飛ばしましたが、現代に「仮面ライダー」という言葉を持ち込む手法としては、開き直りつつも本気でやるならそれなりの意味を持つ、というなかなか興味深いバランスの手段。
かくして弦太朗は学校を怪物から守る為の部活、仮面ライダー部の立ち上げを宣言し、ここに宇宙パワーとアストロスイッチを巡る戦いが幕を開けるのであった。にしても、ハンバーガーメカは、いったいなんの偽装になっているのか。
学園の過剰演出シーンが少なめだった事もあり、第1話よりはだいぶ見やすかったです。
ところで今更の気付きなのですが、
「宇宙キターーーーー!」
って、
「宇宙(に)キターーーーー!」
ではなくて、
「宇宙(エネルギーが)キターーーー!」
だったのか。……なんか、アブない。
◆第3話「女・王・選・挙」◆ (監督:坂本浩一 脚本:中島かずき)
「まさかフォーゼの副作用?」 (城島ユウキ)
割と洒落にならないので、発言には気をつけて下さい!
学園のクイーンを決めるクイーンフェスが近づく中、クイーン候補が次々と透明な怪物に襲われる。圧倒的な人気を誇る現クイーン・風城美羽と、「美羽がフェスに負けたら友達、美羽がフェスに勝ったら転校」という勝負を約束してしまった弦太朗は、切羽詰まってユウキをフェスに出場させるが、勝算や如何に……!?
自宅プールシーンとかクイーン達のパフォーマンスとか、坂本監督の煩悩が8割を占めるエピソード。(なお翌年、坂本監督は職権でアイドル声優の太股を撮りまくり、正直、若干引き気味になった事をここに告白します)
まあその一方で、はやぶさくんをやり切ったのは、凄いと思います(笑)
大きな難点は、小学校の体育館にしか見えないフェスのステージはもう少し何とかならなかったのいう所ですが、制服と生徒だけで予算を食いまくる学園物の難しさを感じます。
引き続き、学園パートの過剰表現がどうも肌に合わないのですが、慣れるのが先か、落ち着くのが先か(^^; 正直、2話連続で不良との乱闘シーンは必要だったのか。
第1話から顔を出しているチャラ男キャラのJK(ジェイク)が名乗り、学園の情報屋と判明。2016年現在、JKという表記は少々使いづらいものがあるので、以後当面、ジェイク表記にしようと思います。
そういえば当時どこかで、うたぼしけんご/ほんごうたけし、じょうじまゆうき/ゆうきじょうじ、かざしろみう/かざみしろう、大文字隼/一文字隼人……とアナグラムを分析していたのを思い出したのですが、とするとJK……は、神敬介に相当するのか。野座間友子は…………「アマゾン・トモダチ」?
賢吾は格好良くない(失礼)が、賢吾のテーマのイントロは格好いい。
現在、フォーゼサイドにある40個のアストロスイッチは順番に調整中で、今回は弦太朗がホッピングスイッチをこだわって使用。
思わせぶりにチラチラ登場していたサソリマントがフォーゼと本格交戦し、スピーディな動きで足技を披露。
カメレオン怪人の乱入騒ぎの後、気丈にパフォーマンスを続けようとするクイーンだが、会場には自宅プールでの盗撮シーンが流れ出し、DVDを事も無げに素手で割るクイーンの腕力に大ブーイング……で続く。
ところで、クイーンもマッスルもOPで既に弦太朗にフレンド登録されてしまっているわけですが、放映期間の必然性上、普通に季節を合わせていくと3年生の2人は留年?! 留年するの?!
◆第4話「変・幻・暗・躍」◆ (監督:坂本浩一 脚本:中島かずき)
「そう簡単に諦めちゃ、笑われたくない男に笑われるの」 (風城美羽)
盗撮ビデオによりイメージがた落ちとなったクイーン。すっきりしないものを抱える弦太朗は、クイーンがクイーンである為に誰よりも努力を重ねていた事に気付くと、勝負の約束があるにも関わらず、クイーンを激励。だがその前に現れたカメレオンゾディアーツが、クイーンを襲う!
サソリマント、あの格好で、スイッチを渡して回ってるのか……。
「仮面ライダーフォーゼ、タイマン張らしてもらうぜ!」と、「仮面ライダー」の呼称をしっかり自ら使用。
負傷を押して松葉杖を突きながら会場に現れたクイーンは、相手の気持ちを考えない身勝手なプレゼントや汚い文字の手紙などゴミ箱に放り捨てられて当然だ! お前達は腐ったウジ虫だ! 地球上で最低の生き物だ! ×××の××××ぐらい根性見せろ! と強烈な自己正当化で迫力勝ちし、会場を一気に味方に。
なりふり構わずラストワンで変貌したカメレオンにさらわれたクイーンは、故意に相手を挑発して突き落とされた所を、フォーゼがマジックハンドでキャッチ。
「自分のサイドキックの性格ぐらいわからないと、クイーン失格なの」
「でも、無茶するぜ」
「クイーンを助けられなきゃ、ナイト失格よ」
「ナイトじぇねえし。……よーし、タイマン張らせてもらうぜ!」
自信家の女王様が影で努力家というのは定番のキャラ付けですが、クイーンは今回でだいぶ格好良くなりました。しかし天ノ川学園の生徒達は、クイーンに調教されすぎだと思います。
「おまえともダチになるからな」
怖いよ、友達ストーカーシステム。
「カメレオンなんてみっともない。私に勝とうと思ったら、本気で努力しなさい」
怖いよ、クイーンの調教技術。
かくしてクイーンフェスは風城美羽の3連覇に終わり、賭けに負けた弦太朗は、転校を許される代わりにクイーンを月面基地に招き、仮面ライダー部に入れる事に。
「部員?! 失礼ね。私が部長でしょ」
睨み合う女2人。
「――如月。この責任は取れよ」
胃痛に倒れる弦太朗……そして、クイーンが落ちぶれた途端に別の女に速攻で粉かけたキング(絶対バレてる)の明日はどっちだ?!
◆第5話「友・情・表・裏」◆ (監督:石田秀範 脚本:中島かずき)
「リーダーは作業するんじゃないの。みんなの心の支えになるのが仕事」 (風城美羽)
何かと弦太朗にまとわりついてくるジェイク(1年生と判明)に、友達ストーカーの直感で胡散臭いものを感じた弦太朗は、「おまえと友達になるのは一番最後でいいや」宣言。だがそのジェイクが馬ゾディアーツに襲われ、新たにエレキスイッチを発動するフォーゼ。しかしそれは、弦太朗に恐れを抱かせる程の、凄まじい宇宙パワーを秘めていた……。
見所は、冒頭からクイーンに邪険にされるキング(笑)
……なんだろう、《平成ライダー》的には、「キング」という通称が良くないのではないでしょうか。
「その剣を持っていれば、おまえを殺す事になる。おまえを殺せば、おまえを愛している事になる。俺に愛などあってはならぬ」的な。
そんなクイーンは割と宇宙がお気に入りな事が判明。部室で賢吾とユウキの関係をつつきに行ったり、上から引っかき回しに行く役割としては、かなり面白い。月面基地で2人きりが良かった……! とか、ユウキには「賢吾くん」と呼ばせているとか、弱点攻撃をされた賢吾が早くも露骨に狼狽しているのですが、学園ものですし、賢吾のキャラもほどよく崩れ、相棒ポジションがヒロイン?ポジションにそれとなく気がある、というのは良い関係配置だと思います。弦太朗だけだと98%いつまでもツッコまないので、クイーン参加によるわかりやすい変化としても良かった。
だが多分全て、正ヒロインの座を狙うクイーンの罠だ!
弦太朗が招かれたJKパーティは、むしろこれ、怒られないつもりだったのだろうか、と正直(^^; シーンとしての面白さの為にリスクを抱えるのはわかるのですが、特に面白くないシーンでリスクを稼いでる無駄なチキンレース感。
「スイッチの力を悪用はさせねぇ。大事なダチとの約束なんだ!」
パーティに乱入してきた馬に立ち向かうフォーゼは、新たにスピーカー重低音攻撃と、ライダーハンマーを発動。だが馬……ではなく一角獣ゾディアーツの角が伸びると剣になり、馬面を外して武器として装備すると下から騎士の顔が出てくる、というのは正体がフェンシング部員と絡めて格好いい強化。
再びエレキスイッチを使おうとするフォーゼだが、実はパーティの最中にジェイクの差し金で盗まれていた……で、つづく。
「憎い相手がいるんだろ? だったら、力をあげよう。さあ……星に、願いを」
今回、黒いアストロスイッチを生徒に渡すシーンがハッキリ描かれ、どうも影の薄いサソリマントさんを徐々に印象づけ。合わせて、先生2人のどちらかが正体? と匂わせる演出が入りましたが、正直どちらも微妙なキャストなので、どちらがリタイアしてくれても構わないなぁ(笑) まあ、匂わせて全く別の人、という可能性もまだまだ十分ありますが。
ところで、仮面ライダー部の面々は、部室とロッカーの鍵はもっとちゃんと閉めた方がいいのでは。クイーンとか全解放でしたが、小舅の歌星さんが、自動で閉まる設置とか配備してあるのか。
◆第6話「電・撃・一・途」◆ (監督:石田秀範 脚本:中島かずき)
「私の学園こそ、新たなる銀河だ。――宇宙は、私の手の中にある」 (赤い目の男)
なくしたと思い込んだエレキスイッチを探す弦太朗は、馬の襲撃を受けた際にジェイクが隠し持っていた事を知り、開き直るジェイク。
「人間は打算でしか動かねぇの。役に立つかどうかなの。友情なんて信じてる奴は、大馬鹿野郎だ」
「だから言ってるでしょ。そういう奴なんですよあいつは」
横に並ぶお馬さん(笑) 色彩がフォーゼと被り気味(白黒)なのは、わざとなのか。
「そしてあんたは……」
こうして2人の間に友情が……
「あの男に、騙されて、俺に叩きのめされる、愚か者だ!」
芽生えなかったーーー。
ジェイクは馬に拉致され、仲間に連絡をして誰か1人でも助けに来れば許してやる、と賭を持ちかけられるが、ジェイクの呼びかけに応える者はなく、自らの言行の因果にさらされる事に。
「でも俺は行く。あんな奴だからこそ、助けにいかなきゃならねぇ」
「助けても変わらないぞ。ああいう男は、なんにも変わらない!」
「それならそれでも構わねぇ!」
だがそこへ、駆けつける弦太朗。
「俺もそいつは許せない。だからダチになる。そのねじくれて、ひん曲がった部分も含めて、受け入れる。それがダチってもんだ」
……いや、受け入れちゃ駄目じゃないかな……。
気に入らない奴でも友達になる、というスタンスは賢吾との出会いから一貫しているのですが、気に入らない奴の性根を塗り替えようとしすぎると押しつけがましいし、かといって腐った根性でも友達だ! とやりすぎると良識の問題が出ますし、ここはバランスが難しい感じ。まあ基本的に、「友達になる」という事自体に、「良い方向へ進む」という意味を持たせる構造なので、そこはそういうものとして受け止めておく部分なのでしょうが。
……が、ジェイクが回収していたエレキスイッチを渡した途端に友情タッチを始めるので、弦太朗が物欲に負けたみたいに(^^;
今度こそエレキスイッチを使いこなしたフォーゼは金色の姿に(賢吾曰く「ステイツチェンジ」)変わると、ライダー100億ボルトスラッシュで馬を成敗。
……変な名前をつける隙がない(おぃ)
そしてその姿を、赤い目の男とサソリマントが見ていた。
「電気か……それもまた宇宙を構成する重要な力だ」
核に電気に重力磁力?
「少し、動いてもよろしいでしょうか」
「いいだろう。フォーゼの力が我々にとって引力か斥力か、試してみるのも面白い」
ようやくゾディアーツサイドに若干のスポットが当たりましたが、黒いアストロスイッチを配り歩いている理由などはまだまだ不明。少々小出しにしすぎている感じはありますが、話が動き出すのは部員が揃ってからになるのか。
ジェイクは丁稚として強制入部する事になり、次回、キングが大ピンチ?!
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というわけで、駆け足『フォーゼ』8分の1でした。出だしなので設定関係はある程度拾うようにしましたが、何となくこのぐらいの調子で進めていく感じになるかと思います。
ところで何度見ても、OPの映像が、学校を放逐された7人組が居場所を探して放浪中にしか見えないのですが、仮面ライダー部の明日はどっちだ?!