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駆け足『仮面ライダーフォーゼ』感想13

〔GYAO!〕で1週間12話ずつ配信されている、『仮面ライダーフォーゼ』感想。タイトル通り駆け足気味で、ボリュームは、その週の視聴ペースと、心身の余裕により増減予定。
◆第43話「双・子・明・暗」◆ (監督:石田秀範 脚本:三条陸
「弦太朗さんは友情の鬼の癖に、妙な所で鈍いから」 (野座間友子)
ユウキが突然、子供の頃に宇宙からの声を聞いたと、電波発言。それに興味を持った理事長が校長にラプラスの瞳を発動させると、ユウキに重なる双子座の輝き……。校内各所でユウキとしか思えない生徒による悪戯事件が相次ぎ、それを追っていた弦太朗達の前に現れるピエロじみた双子座のゾディアーツ――果たしてその正体は、ユウキなのか?!
見所は、火星ナックルの一発ぐらいぶちこみそうな勢いでユウキを疑っていた姿を本人から直接指摘され、「え? 俺、そこまで残虐非道なイメージだったの……?」と落ち込み、背景で友子に慰められる流星。
最初にユウキを疑った事をなじられる弦太朗は髪の毛ゾディアーツ回に続いてのやらかしですが、弦太朗の友情の形は「俺は最後までダチを疑わねぇ!」ではなく「どんなにやらかしても俺はおまえのダチだ!」なので、一貫しているものの一方通行の厚意を責められるのは、今作の陥った迷い道を図らずも炙り出されているように見えなくもありません。
奇矯な両親(父親役は『オーズ』のラスボスだったドクターですが、化粧と扮装の関係で全く同一人物には見えず……見えても困りますが)の歌い狂う家に戻ったユウキは、そこで白い仮面を被った自分自身と遭遇。双子座のゾディアーツの正体は、強制的にスイッチを押させられたユウキから、双子座の特性によって誕生した闇のユウキだった!
「偽物じゃないよ〜、私も城島ユウキ。私は影、あなたは光。でも、元は同じ」
白い仮面を被った闇のユウキは、欲望の赴くままに行動する事で徐々に存在を濃くし、ユウキの顔を手に入れていく。闇と光、二つに分かれたユウキは、いずれ存在のより薄い方が消え去り、片方だけが残るのであった。
「もうすぐあなたのもの、ぜーんぶ貰うよ! 宇宙への夢も、友達も、癖も、思い出も、未来も」
ラバーマスク的な白い仮面を被り、高い声ではしゃぐ闇ユウキの気持ち悪さはなかなか秀逸で、後半〜次回の立場逆転の悲惨さでも効いてきます。
校内の監視カメラで仮面ユウキの存在を知った弦太朗達は、城島家に乗り込んで闇ユウキがジェミニゾディアーツに変身する姿を目撃。トランプ爆弾に苦戦するも、ミサイルネットで捕獲に成功するが、そこにサジタリウスゾディアーツが姿を見せる!
ジェミニは私のものだ。私は彼女と共に、宇宙へ旅立つ」
「宇宙へ?」
「そう、ジェミニはやっと見つけた私の宝だ。同じ星からの声を聞いた者同士だ」
理事長、声は田中理恵だけど中身はおっさんを捨て、女子高生と宇宙蜜月旅行に行く事を宣言。
ジェミニ超新星を発動すると分身し、片方がど派手に自爆するという荒技からコズミックをかばったメテオ、とうとう大爆死。
狼狽するユウキの顔は仮面へと変わり、どちらのユウキが残るのか、タイムリミットは残り12時間……果たして弦太朗はユウキを取り戻せるのか?! 忘れてしまったチケットの事を思い出せるのか?! 今、友情の真価が問われる――! ……メテオは、まあいいや(おぃ)


◆第44話「星・運・儀・式」◆ (監督:石田秀範 脚本:三条陸
「俺はいつだってユウキの事を信じてる。友達だもん」 (如月弦太朗)
「あと12時間。止められるものなら、止めてみたまえ。私とジェミニが、プレゼンターに会いに行く事を」
プレゼンター……それは、江本教授が命名した、宇宙に存在する何らかの意思。
「星からの声に魅入られた人間……それがゾディアーツ」
容貌を失ったユウキは街を彷徨い、存在を濃くしていく闇ユウキはその間に城島家へと上がり込む。中華フェアの城島家で闇ユウキが身につけているチャイナ服は、去年、比奈ちゃんが着ていたものでは(笑)
仲間達の記憶さえ奪われて追い詰められたユウキは、闇ユウキの誘導でジェミニゾディアーツに変身してしまい、一方的にフォーゼの攻撃を受ける事に。だがその最中、賢吾が違和感に気付き……なんだかとても久々に、賢吾が存在意義を発揮したような。
代わりに流星の存在感が成層圏に到達する勢いで軽くなっているので、この両者の間で激しい相棒エネルギーの争奪戦が行われている模様です。
正体を見せた闇ユウキは12使徒スイッチを手に姿を消し、本物のユウキは生け贄としてレオ達の手で拉致。弦太朗は子供の頃にユウキとした約束を思い出すと、転校する時に貰った小箱を見つけだし、タイムリミット寸前、ユウキの元へと駆けつける。
「弦太朗……弦ちゃん、弦ちゃんって、誰?!」
「おまえのダチだ!」
幼い頃、ユウキが聞いた宇宙からの声について、ただ一人信じてくれた友達……それが、如月弦太朗。二人は「近くに行けば声はよく聞こえる」という子供らしい純粋で単純な発想から、いつか一緒に宇宙の声を聞く為に、ユウキが弦太朗を宇宙へ連れて行く、と約束したのだった。
「最初に私を信じてくれた仲間……それは……弦ちゃん!」
弦太朗は小箱から子供ユウキお手製の宇宙行きチケットを取り出し、記憶と顔を完全に取り戻すユウキ。
水瓶座回で単なるハイテンションな宇宙マニアに格下げされ、更に前回、宇宙に行きたい理由は子供の頃に電波を浴びて何となく、とされる酷い扱いを受けていたユウキですが、ここで、本当に宇宙に行きたかった理由――夢の原点が掘り起こされ、印象的にはほどほど修正。
「そんな、馬鹿なぁっ!!」
「誰の心にだって、そりゃ黒い部分はある。でもな、それをお互い乗り越え合う為にダチはいるんだ。ぶち砕いてやるぜジェミニ、ダチの力で!」
今作、作品を貫く筈だった弦太朗的倫理観がどうも各脚本・演出間で統一しきれず、それが「友情」にまつわるブレにも繋がっていたのですが、極端な話「ダチだったら黒い部分も受け入れる!」という面を持っていた弦太朗的倫理観を、三条さんが出来る限り中島脚本に寄せた上でより馴染みやすく噛み砕いた着地点が、この台詞に集約されているように感じます。
たぶん中島さんはもっとそこを突き抜けて、弦太朗に触れた黒が、あまりに弦太朗が馬鹿すぎて白になってしまう、みたいな物語をやりたかったのかな、とは思うのですが。
力を失った闇ユウキはジェミニゾディアーツに変身し、戦いに巻き込まれたユウキ達がピンチになった時、賢吾が謎のバリアーを発動。それを目にした射手座達は引き下がり、フォーゼは病院から駆けつけた流星より受け取ったメテオストームスイッチの力で双子座の分身爆弾エネルギーを吸収すると、ざっくり宇宙斬りで撃破。
かくして存在の保たれたユウキは夢へ向かう気持ちを新たにすると、宇宙行きチケットを部員達にも配り、友子は流星とのペアチケットを貰うのだった……と公式から更なる燃料が投下されつつ、朗らかに和を取り戻す仮面ライダー部。
一方、女子高生とのウハウハ宇宙旅行がキャンセルの憂き目にあった理事長は、レオが回収した双子座のスイッチを手にしていた。
「結局私一人か。先駆者は孤独だ。人類代表たりえるのは私のみという事なんだろうね。ははははは」
江本を失った影響が多少はあるのか、傲岸な態度を隠さなくなってきた理事長の言葉を聞きながら、本当にこのまま魚座を見つけていいのか? と悩み始める校長。
次回――「私は我が身を守る為なら何だってする!」
……なんだかこの予告だけで、何かの元が取れた気分(笑)


◆第45話「天・秤・離・反」◆ (監督:諸田敏 脚本:中島かずき
「私は我が身を守る為なら何だってする」 (速水公平)
20年前、月面――

「これが、プレゼンターからの……」
「そうだ。人類を外宇宙に導くコアスイッチだ」

歌星緑郎と我望光昭は、そこで鈍く輝く外宇宙からの贈り物を発見する。それこそが、いずれ多くの若者を戦いの渦に巻き込む、運命のスイッチであった……。
現在、天ノ川学園、季節は夏――なのですが、シャツ姿だと映像的に面白くないという判断だったのか、セミまで映しておいて学生組が揃って長袖完全装備の為、季節感は皆無、というか亜空間(そろそろ撮影時期的に割と暑かったのでは……)。……そういえば期末試験が第41話でしたが、今、劇中では夏休み……?
学園の食堂で賢吾18歳の誕生パーティを開いていた仮面ライダー部は、厨房で自らスープを仕込んでいた理事長から、新作スープをご馳走に。
「この学園は私の宇宙だ。それを構成する君達の可能性を限界まで伸ばす。その為には、どんな苦労もいとわないよ」
……別作品の話になりますが、改めて、某ウェルズ博士の気持ち悪さって凄いなぁ、と思ってしまったシーン(笑)
「何でも一人でやらないと気が済まないんだ。どうしても人に任せられなくてね」
「寂しい! 一人でやるより、みんなでやろうよ。今日から俺がダチだ。これからは何でも手伝う」
「君が友達? 私の?」
「ああ、俺は如月弦太朗! 天ノ川学園の全員と友達になる男だ!」
弦太朗は毎度のポーズで理事長に向かって指を突きつけ、個人的には最後の最後までこの、弦太朗の不作法さを破天荒なキャラクターの面白さとして受け止める、という事が出来ませんでした(^^;
これは個々人の感覚でだいぶ変わる所かとは思いますが、それがそのまま、作品としての“癖の強さ”に直結してしまっているのが、今作の難しい所。
今作の基本的な作劇パターン、劇場版『MEGAMAX』のなでしこ、前回今回で大体想定の付いててきた賢吾の正体、などを考えると作品全体として「大切なのは形(見た目)ではない」というテーマ性も窺えてはくるのですが、その「大切なのは形(見た目)ではない」象徴の筈の弦太朗が、実は「型どおりの不良」に引きずられた描写になってしまっているのは、少々皮肉。
「若いという事は素晴らしい。自分の価値観だけが絶対だと思い込める。人間には、友達を必要としない人種もいる」
理事長は怒るでも笑うでもなく、ただ淡々と弦太朗の肩を叩いていさめ、その感触に奇妙な表情になる弦太朗……。
一方、校長は遂に最後の12使徒を発見していた。その候補者は、かつてハエ座のゾディアーツになったもじゃもじゃ頭の友人、黒木蘭。校長はどう聞いても出鱈目な理由で蘭を車に乗せて走り去るが、その前に立ちふさがるレオゾディアーツ。
「仕方がない……如月弦太朗! その子を守りたかったら、私と共に戦え!」
最終回目前にしてフォーゼとリブラがまさかの共闘で、レオをなんとか引き下がらせる事に成功。
「私はなんとしても、君を守る。12個のスイッチが揃うと、私の命も危ないのだから」
「自分の命を守る為に、仲間を裏切ったって事か」
「その通りだ。私は我が身を守る為なら何だってする」
潔さが一周回って格好良いです、校長。
校長は土下座する勢いで仮面ライダー部(私服はさすがに夏仕様)に自分の知る全てを語り、理事長=サジタリウスゾディアーツが皆の知る所に。我望光昭は10年前、12使徒を生み出す為にコズミックエナジー特異点である<ザ・ホール>の直下に天ノ川学園を創設。生徒達をゾディアーツとして進化させる為に闇で蠢き続けていた。そしてその最終目的は、12使徒スイッチによりコズミックエナジーを制御し、ダークネビュラ経由でプレゼンターの元へとワープする事。
だがそれが実行されれば、ワープ実行時に生じたエネルギーの反動は、軽く日本を壊滅させてしまう……!
しおらしい態度で反省している校長ですが、急に「これまでは我望に心酔していたが目が覚めた」と言い出した事で、結局これまで校長個人としては何を望んでいたのかわからなかったのは、残念だった部分。単純に盲目的に従っていたという事かもしれませんが、そうすると時折見せていた悪い表情の意味が全て吹き飛んでしまいました(^^; ……やはり、崇敬する上司のパートナーが声が田中理恵なのに中身は中年のおっさんだった事や、おっさんがリタイアしたと思ったら即座に女子高生に走った姿を見て、何か心の大事な部分に亀裂が走ってしまったのか。
ホロスコープスを裏切っていた筈の江本が何故12使徒スイッチを集めようとしていたのか……そこに射手座攻略の鍵があるのではないかと考えた賢吾達は江本の部屋を探り、隠されたUSBメモリを発見。蘭は風城家に匿われる事になるが既にそこにもレオの手が伸びており、フォーゼとメテオは強力なレオ忍者に足止めを受けてしまう。蘭が強制的にスイッチを押しつけられたその時――
「へやっ!!」
校長まさかのダイビングアタック。
「速水……! 貴様」
「立神……私の生徒に手は出させない」
どうした校長、格好いいぞ校長。
つい先刻、「私は我が身を守る為なら何だってする」と述べていた校長ですが、「何だってするから12使徒を揃えさせない為には命がけで生徒を守る」辺り、「一度殺されたけど本気で心が通じ合えたからいい奴だ」という弦太朗に近い物があり、案外、この二人は良いダチになれてしまいそうな気がしてしきました。
命欲しさに鞍替えしたと思ったら、今度は急に教師魂と生徒愛に目覚めたり、校長の天秤のブレ具合はかなり強引なのですが、もう、校長が格好いいと許せるので困ります(笑)
生身で懸命に戦う校長だが当然レオに砂にされ、その姿に校長の本気を見た蘭は、戦う力を得ようと自らスイッチをONし、いきなり魚座ゾディアーツへと進化する。
使徒じゃない! 姿が変わっても、私は仮面ライダー部だ!」
最終回直前、ここでヒーローと怪人が同根であるという改造人間テーゼが織り込まれ、ゾディアーツに変貌した蘭が仮面ライダー部を名乗る事で仮面ライダーとは力を振るう器ではなくそこに宿る「守る魂」なんだと叫ぶというのは今作らしい形。また、劇中最後?の仮面ライダーが、見習い部員の1年生、というのも今作の位置づけが「未来」である事と巧く繋がりました。
ピスケス蘭は、修練を重ねた合気道と、地面の中も自由に動く魚座の能力でレオを相手に大健闘し、ようやくレオ忍者を倒したへっぽこライダーズも駆けつけるが、そこに、理事長が自ら姿を現す。
「人類の進化は常に犠牲を強いてきた。今回も同様だ。残された者達に災厄が訪れようと、必ず再び立ち上がり、私の後を追ってきてくれる事を信じているよ」
「なんて自分勝手な」
「自分勝手? 君の貧しい価値観では、そういう言葉になるのかな。だが違う。君の価値観だけが絶対ではないのだよ」
圧倒的余裕を見せる、宇宙の深淵に向けられた一本の矢――我望光昭。果たして仮面ライダー部の若き絆は、この巨人を食い止める事が出来るのか?!