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『仮面ライダー555』感想9

◆第16話「俺のこと好きになってくれるよね? 答は聞いてない」◆ (監督:田村直己 脚本:井上敏樹
バイクロボに突き飛ばされてファイズは迫り来るミサイルを回避し、バイクロボ、有能。
スケール(ファイズより頭1つ長身)やデザインを考えると、フルCGも考慮に入れていたのではと思えるバイクロボですが、基本的にはスーツアクター入って動かす形にした事で、たまに素早く動くと映像以上に俊敏に見えて、ロボ凄い、という気持ちが高まります(笑)
支援行動に入るか入らないかが話の都合によりけりなのが玉に瑕ですが、スマートブレイン謹製なので仕方が無い気もしてきた、今日この頃。
ミサイル直撃は避けるも、景気よく階段落ちを披露して派手に転がったファイズに、カイザウルスを降りて近づくカイザ。
「おい、もう一度殴ってみなよ。ほら、どうした!?」
カイザはファイズの胸ぐらを掴んで頭突き浴びせ、怒りのファイズが反撃をしてくると、故意にその攻撃を受けて、やってきた真理と啓太郎に、自分が一方的に殴られている姿を見せつける。
汚い、草加汚い(笑)
ここで非常に気持ち悪いのは、大学では多くの後輩から慕われる指導力のあるキャプテン、として描かれていた草加が、巧を引っかけるに際して非常に子供じみた手段を用いている事。幾ら悪意があっても真っ当な神経の大人なら選ばないやり方に、草加雅人という男の精神性の根っこは流星塾で虐められていた頃から変わっていないのではないか、という歪みが良く出ています。
……それはそれとして、勢い余ってファイズナックルで思い切り殴ろうとするのはどうかと思うぞ巧(笑)
どうして草加が相手だと、巧はブレーキに誤作動を起こすのか。
たっくん怒りの鉄拳は真理によって止められ、草加は一方的に巧に攻撃を受けた事をわざとらしくアピールすると、巧に対しては「すいませんすいません後輩の俺が先輩に生意気言ってすんませんした! パシリでもアイロンがけでも何でもするので、平成の世に溶岩に飛び込んだり高い崖からダイブを繰り返したり丸太の上で座禅は勘弁して下さい!!」と敬意を払っているポーズを取りつつ、オルフェノクを逃がした件をチクリ。
クレインオルフェノク=長田結花である事を口にできない巧は無言のままバイクで明日へ向かって走り去り、オルフェノクと人間の関係に苦悩する……。
(なんで……なんでだよ!)
その頃、何とかムカデから逃げ切っていた海堂は結花に向けて強がっており、ホントこの人、女の子の扱いが苦手すぎます(笑) そして、海堂から邪険な扱いを受けて取り残されていた結花を見つける巧。
「俺を助けたあんたが……なぜ人を襲ったりする?」
「…………あたし、多分、人間が怖いんだと思います。昔色々あって」
結花が人を殺せる理由を、憎悪でも、力に酔っているのでもなく、自分が害される事への恐怖、としてきたのは上手い。「人間」そのものを憎んでいるわけではないが、しかし人間に対する恐怖を上回るストッパーが結花には存在していない為に、勇治とスマートブレインの間で、オルフェノクとしての在り方に揺れている立場を、鮮やかに収めてきました。
「あたし、人間が怖い……。でも、生きていきたいんです。人間として。……人間として、ちっちゃな事に傷ついたり、人を愛したり愛されたり、そうやって、泣いたり笑ったりして生きていきたい。生きていきたい」
人間としても居場所の無かった結花にとって、人間として生きる事にこだわる理由は元々の性格もあるのでしょうが、最後のストッパーになっているのは恐らく、勇治でも海堂でもなくてメル友の啓太郎が語ってきた世界だと思われ、しかしそれ故に、結花は啓太郎と距離を置こうとしている、というのがひたすら結花は辛い。
合間に久々に刑事コンビが出てきて、若い刑事はいつ見ても破壊力抜群の演技で、心が無になっていきます。勇治のかつての恋人・千恵の死を追いかけ続ける、その兄・森下(凄く好青年な見た目)が登場し、まさか真犯人とは思わず、勇治へと連絡を取る……。
一方、巧が菊池家へ戻ると、居間では草加がくつろいでいた。
……前回もしれっと朝食に混ざっていましたが、草加、既に、住んでいるの?!
「なーんだ、帰ってきたのか。あのままどっかに姿を消してしまうのかと思ったが。……飲むか? ふーふーしてやってもいいけど」
「ふざけんなよ」
巧を挑発すると草加は、鶴オルフェノクをかばった事を指摘しつつ、お陰で自分に都合のいい展開になったとほくそ笑む。
「おまえ、何考えてんだ」
「はっ。ずっとここに居たいんだよ。君の代わりにね」
ええーーーーーっ?!
今回一番の衝撃発言だったのですが、草加、啓太郎の下働きが望みなの?!
……いや、巧を追っ払ったら時機を見て啓太郎を毒殺して、うまい事クリーニング店の権利だけ手に入れるつもりなのかもしれませんが!
それはそれとして、居場所を失った主要人物が多い今作において、草加もどうやら、自らの居場所を求めているという事が明らかに。
「君は邪魔なんだ。わかるか? 俺の事を好きにならない人間は邪魔なんだよ」
広瀬匠さんとか小川敦史さんとか、見た目から押しの強かった過去の強烈な井上ライバルキャラと比べると、正直、登場当初はもう1つパッとしない印象だった草加ですが、歪みが前面に出てきてからどんどん良い表情を見せるようになり、成る程こういうキャスティングだったのか、と納得。
草加はまたも巧を煽り、帰宅した真理と啓太郎に対しては巧からいきなりシメられたと一方的に被害者を装う事で好感度をじわじわと落としていき、たっくん、今回も「最っ低」をいただきました。後のクイーンです。
飛び出していった巧をなんだかんだと探しに行く真理に付き合う草加だが、ボウガン使いの魚オルフェノクが人間を襲う現場に居合わせ、カイザ変身。魚は川に飛び込んで逃亡する。
啓太郎によって発見された巧は、長田結花の事は忘れろと重ねて忠告。
「……もしかして、好きなの?!」
「馬鹿言え。なんとなくわかるんだよ。あの女はおまえには荷が重すぎる。絶対やめとけよ。いいな!」
巧が男の友情を見せるのですが、どうにも不器用で、ますますこじれてしまう二人。
翌日、真理に変態的アプローチを仕掛け続ける海堂だが、草加が「彼氏だ」宣言で、これを迎撃。そして森下の訪問を受けた勇治は、自らの罪と向き合わざるを得なくなり、動揺しながらも表面上は事件の真相を探る事に協力を約束してしまう。遺品から見つかったというYKイニシャルのストラップを渡されて、森下が帰った後に凄く困った表情で
「無理だよ……俺が持ってるなんて……」
と、安定して凄く最低です。
そんな勇治は何故か路上で啓太郎の車を止め、何故かそれに乗り込み、この辺り、シーン切り替わりが激しい上に全く説明されず意味不明なのですが、森下の車を追いかけていたのか……?
ところがその森下が魚オルフェノクに襲われ、勇治は森下を介抱、逃げた魚を車で追って、巧はファイズへと変身する。第12話以来久しぶりに戦闘を有利に進めるファイズだったが、オルフェノクに結花の姿が重なり、攻撃を躊躇ってしまう。その隙を突かれたファイズはボウガンによる反撃を受け、慌てて草加へと連絡を取る啓太郎。
支援に飛んできたバイクロボも撃ち落とされてしまい、半ば戦意喪失するファイズだったが、そこへサイドカーで走ってきた草加が、力強くオルフェノクを轢いてイニシエーションを完了。
座り込むファイズを鼻で笑ってカイザへと変身し、巧が煩悶中にカイザが怪人を撃破する役回りになる事で、カイザの格と物語のカタルシスを保つ、というのは2番手ライダーの使い方として、巧い構造。
ただカイザ、格好付けているけどオルフェノクは海に蹴り落としただけだぞ(笑)
カイザは啓太郎が気絶しているのをいい事に、ファイズを思いきり殴り飛ばしてトンファーを起動。そして草加相手には全く遠慮の無いファイズも、ブレードを装備する(おぃ)
対峙する両者――で続く。
これまでも非常に詰め込んできていた今作ですが、草加の登場と合わせて結花の掘り下げが進み、オルフェノクと人間の問題など、物凄い勢いで目まぐるしく突っ込んできます。もう2クールで終わりそうなぐらいの勢いなのですが、まだ全体の3分の1なのが恐ろしい。勇治の前にも過去の亡霊が姿を見せ、次回、巧は立ち上がる事が出来るのか?!