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『仮面ライダー555』感想12

(※サブタイトルは存在しない為、筆者が勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆第21話「友情の石窯ピザ」◆ (監督:石田秀範 脚本:井上敏樹
琢磨ファイズの銃撃でドラム缶が大爆発して巧と勇治は川へ吹き飛ばされ、爆発から落下まで、結構な迫力。
追い打ちで川面に向かって銃を連射して凡百の怪人とは出来が違う所を見せる琢磨ファイズだが、結局はトドメを刺す事ができず、見苦しい乱射を冴子に止められる事に。
「次はカイザのベルトを手に入れてみせます。必ずね」
巧と勇治は何とか地面に上がる事に成功するが、お互いの事情を口には出来ず、もどかしい想いと想いが急接近。……いや、3段ロケット式片思い地獄の一方で、巧と勇治が急速に距離を縮めていくの、わざとやっていますよね?!
状況は深刻だが風邪カルテットは引き続きダウン中で、巧は音信不通の草加の留守電にベルトが奪われた事を伝えるメッセージを残す。一方、ふーふー社長は強引な買収工作を進めていた。
「結構。これでみんなが幸せになれる」
ここで、社長が啓太郎と同じ言葉を口にする、というのは様々な含みが感じられて面白かったです。
そして社長は、前社長の花形を、「裏切り者」と呼称する。
「あの男が、日の光を見る事は、二度とない」
……その頃、落盤事故により、今や流星塾であろうと判明した謎の建物に入り込んでしまった作業員2名は、まだ生きていた……! どうやら流星塾に食料品や燃料の備蓄があったらしく、それを用いて凌いでいたらしい2人は、息も絶え絶えの状態で物音を聞きつけて体を起こすが、そこで二本角のオルフェノクを目撃するのだった!
シーンの流れとしては、花形社長=二本角のオルフェノク、という示唆のようで、都合によりミスディレクションにも出来る、という感じですが、いったいぜんたい、どこにあるのか流星塾。可能性が高そうなのはスマートブレイン本社地下ですが、露骨すぎるか。
状況は深刻だが、巧はピザ屋で働いていた……態度は超悪かったが、今回に関しては巧は悪くない気がします!
同じく勇治も、ピザ屋で働いていた(シフトが午前と午後ですれ違い中)。
なんだか充実していた。
この、「人間としての日常生活」と「ヒーローとしての戦い」が地続きで混在しているというのは凄く井上敏樹なのですが、一方でヒーロー物としては、直面している状況に真摯に向かい合わずに明後日の方向へ投げ出しているようにも見える、というのが良し悪し。思えばこの井上脚本の特性が悪い方向に出すぎて、「主人公が前回発生した問題を完全に忘れさっているように見える」所まで行ってしまったのが後の『仮面ライダーキバ』だったのだなぁ、と改めて。
ところが、今日も繁盛するピザ屋に届く、差出人不明の高級シャンパン。
「裏切り者が2人。同じ店で働いてるとは。どっちから始末しますか」
勇治がデリバリー中、家に居ても手持ちぶさたな上に陰々滅々としてしまうので動いていた方がいいと、午前中の謝罪も兼ねて店を訪れる巧(ここで上手く、行動理由と巧自身と、二点をフォロー)。巧に店を任せて配達に出る店長だが、そこを冴子と、ラッキークローバー入りを目指す若いツバメの2人に絡まれる。
後頭部が映ってやっとわかりましたが、冴子は、エビか。女性怪人のモチーフとしてはかなり珍しい気がしますが、エビの甲羅をグローブ(手甲)に見立ててレイピア使いだったのか、となるほど納得。
配達帰りの勇治は襲撃を受ける店長を目撃して助けに入り、更にこれを目撃した巧が乱入。……店番を任された筈の巧が配達に出ているのはおかしい気がしますが、デリバリー忘れでも発見したのか。
「出来の悪いバイトって君の事だったのか! お陰でこっちは、君の分までこき使われたよ!」
「悪かったな!」
ひとまず店長を物陰に隠した2人はツバメオルフェノクの注意を引きつけて逃げ、幾つかの吊り橋効果を経て、言葉の殴り合いに発展していく掛け合いのテンポが実に巧み。
その頃、友情と余り縁の無い草加雅人は、何故か倉庫に寝転んでホースから出した水で雑に洗髪していたが……気がつくと菊池家に住み込んでいる雰囲気だったけど、もともと、家が無かったのか?! 真理や巧からの連絡にも敢えて無視をしていたとおぼしき草加だが、その前にファイズギアを手にした琢磨が姿を現す。
「カイザのベルトをいただきたいのですが」
「変身!」
「――変身」
一方、ツバメオルフェノクのフレイル攻撃で危機一髪の勇治だったが、巧の振るった角材(攻撃力+20)がオルフェノクの後頭部にクリティカルヒット
「これでバイトの借りは返したぜ」
「どうかな。まだちょっと足りないかな」
戦場の絆効果で急速にゲージが朋友に近づいていく2人は店長とも合流するが、店長はその前でピザオルフェノクへと変身してしまう。
「許してくれ……俺はまだ、死にたくないんだ」
冴子からラストチャンスを与えられた店長が、自分の死を避ける為に、人間に牙を剥く事を選ぶ、という実に酷い展開。これまでなんだかんだ、ファイズは焼却するオルフェノクの“人間”としての面は知らない、という一線は保持されて来ましたが、人間として交流のあったゲストキャラと対峙する事で、その可能性と向き合う事に。
ピザオルフェノクは変身した途端に俊敏に立ち回るのではなく、如何にも喧嘩慣れしていないへっぴり腰なのが良かったです。……巧は、どれだけ喧嘩慣れしているのか、というのはますます気になってきますが(笑)
怪物になりきれない店長は、巧と勇治の説得を受けて思いとどまりかけるが、そこにエビが現れ、吹っ飛ばされた巧をスライディングで受け止める勇治。
「また貸しが増えたね」
「おまえ、結構やなヤツだな」
これまで色々と駄目人間な描写が多かった勇治ですが、積極的に主人公を助ける姿でポイントを稼ぎ、物語も3分の1を迎える所で、生身の2人の絆ゲージが戦場でガンガン上昇していく、という熱い展開。
「おまえ……確か、名前は……」
「木場、勇治」
「俺は乾巧だ」
囮役を買って出る勇治に対して一足先に巧は飛び出し、二手に分かれる事に。エビとツバメを引きつけた勇治はホースへと変身するが、エビの一突きを受けて敗北。巧もピザ、そして追いついてきたエビとツバメによって追い込まれてしまうが、突然の銃撃がその身を救う。
「格好悪いねぇ。ま、そんなもんか」
厭味たっぷりに姿を見せたカイザは、巧に向けてファイズギアを放り投げる。
……たくまーーーーーーーーーーーーーーーーー?!
「別に君を助けるわけじゃない。そのベルトは、今は君が持っていた方が都合がいいんだ」
「なんでもいい。礼を言うぜ」
巧はファイズに変身し、新挿入歌まで流れるも3オルフェノクに囲まれて大苦戦するが、カイザは今度は、そんなファイズに新アイテムを投げつける。
「それを使え」
ファイズが苦戦している所で、横から顔にぺち、と当たるのが絶妙です(笑)
新アイテムを起動すると、胸アーマーが開いて肩へと移動し、体のラインが銀色、ゴーグルが赤色という新たな姿にファイズは変貌、超加速パンチでツバメオルフェノクを文字通りに瞬殺し、なんとかガードしたエビは逃走。
いわゆる一つの加速装置が発動し、石ノ森ヒーロー的には007(『サイボーグ009』)が著名ですが、仮面ライダー+加速装置は、この時点では初でしょうか? メタルヒーローだとファイヤー(『特警ウインスペクター』)の例がありますが。
映像的には、後の『仮面ライダーカブト』の、アーマーパージ→クロックアップがかなり洗練されていたので、今見るともう一つパッとしませんが、これは時代の進歩があるので仕方ない所(^^;
胸部装甲が開いて肩に移動する、というフォームチェンジギミックはファイズのメカニカル感も増して、私の中の男の子心がときめきます(笑) ジェネレーター的なものが露出しているのも、強大な力を得る代償に弱点が剥き出しみたいな感じで格好いい。……目の赤以外がモノトーンになってしまった配色は地味すぎる気はしますが、これは基本フォームの完成度優先で仕方が無いか。
「あんたは人間だ。これからも人間として生きてくれ」
「あんた……わざと俺に手加減して」
「さあな」
ファイズは逃げていく店長に声をかけ、人間の姿で立ち去っていく店長。今後もスマートブレインに追われる生活になりそうですし、とりあえず店を閉めて引っ越しは余儀なくされそうですが、ひとまずあまり後味の悪くない着地に。
巧サイドと勇治サイドの関わり合いや草加の存在を考えると、今後は更なる悲劇も想像されますが、まずはジャブを一発、といった感じ。
その頃、地面に転がっていた勇治は、不穏なSEで仰向けにひっくり返り……第二の復活?
「助けなきゃ……乾くんを……助けなきゃ」
虚ろな瞳で呟いた勇治は立ち上がり、ピザ屋を見送って満足して帰ろうとするファイズにホースオルフェノクとして襲いかかる! で、つづく。
クレジットによるとクライマックスバトルのロケ地は自衛隊朝霞駐屯地のようですが、かなり背景を広く見せられるのと、オリーブドラブのジープが並ぶ中での戦闘、というのはあまり記憶にない映像で割と面白かったです。


◆第22話「GOD SPEED LOVE」◆ (監督:田村直己 脚本:井上敏樹
雷雨の中、ホースの奇襲攻撃を受けたファイズは今日も強いぞバイクメカに助けられ、お互い痛み分け。バイクで走り去るファイズの背を見ながら、変身した勇治は憎しみに吠える。
ファイズぅ……!」
真理と啓太郎がようやく快復し、負傷を隠してベッドに転がる巧は、ホント段々、我慢するのが男の美学みたいになってきましたが、心配されるのが不得意で憎まれ口を叩く、というのは何やら過去を思わせる所でもあり。
店を訪れた勇治と互いに事情を聞こうとするも説明できずに「偶然」で誤魔化し、もどかしい関係が続く2人だが、前回アイテムの宅配に現れた草加が改めてクリーニング店へと帰還する。
「今は……言えない、何も。……君たちに迷惑をかけたくないんだ」
草加は不在の間に何をしていたかについては口をつぐみつつ、俺はみんなの事を考えているアピールでポイントを稼ぎ、流星塾に関しては「戦ってる。人間を守る為に」と言及。
存在の匂わされた3本目のベルト含め、一連の草加の不可解な活動については謎を持ち越す事になりましたが、そんな草加は、巧と二人きりになるや否や、超悪い顔。
「やぁ。君が今生きていられるのは、誰のお陰かなぁ」
なんだか段々、巧相手だとペルソナから解放されて活き活きとしているようにさえ見えてきて、帰ってくるなり面白いなぁ草加(笑)
「改めて礼を言ってほしいな。きちんと。心を込めてね。どうした? 早くしろよ」
「おまえに頭を下げんのは死んでも御免だ。でも借りは返す、いつか必ずな。それでいいだろうが」
その頃、冴子と琢磨は、なんか現実逃避していた。
一条さんの熱い説得シーンばりに無情にシーンスキップされた琢磨vsカイザの壮絶な死闘(皆様、脳内で独自にお楽しみ下さい)ですが、誰もその件に一切触れないのが、凄く切ないな琢磨……。井上敏樹たってのキャスティングの時点で、大概ろくな事にならないだろうとは思っていましたが、順調に直滑降気味で、歪んだ愛を感じます。
ふーふー社長は、そんな2人にラッキークローバーのメンバー補充を提案し、久々登場のスマートレディと共に、それぞれ候補者のスカウトへ。
一方、こちらも風邪から快復した結花は、本心とは裏腹に、海堂と真理の仲を応援する、と宣言。
「お願いです。海堂さんと付き合ってあげて下さい」
結花も結花で、ホント駄目だな……!
なおここで結花は、オルフェノクの男とニンゲンの女の間を取り持とうとしているのですが、努めてその差異を考えないようにしようという逃避と、人間でありたいオルフェノクとしての希望に、どうせオルフェノクとニンゲンの恋愛は壊れるので、その時選べるオルフェノクの女は自分、という数%の悪意が混ざっているようで、なかなかに混沌(同席した勇治はきっと、何も考えていない)。
海堂を「ただの馬鹿」だと思っている真理は「美容師の夢の為に手一杯で恋愛どころではない」と理由をつけて断るも、勇治が海堂をお薦めしてくる事に冬眠気味だった乙女心がちょっぴり複雑。そしてそんな真理に、草加も積極的なアプローチを仕掛けてくる。
「俺が何も言わないのは、君を護る為だ。……前にも言ったろ。流星塾に居た頃、君はずっと俺を護ってくれた。今度は、俺が護る番だ。……目をそらさないでくれ。俺を見ろ」
草加くん……」
「俺はずっと君を見てきた。君にも、俺を見てほしい」
啓太郎に声をかけるとややこしくなるので、真理はざっくりした恋愛部外者であるところの巧に相談を持ちかけ、勇治に対する憧れが恋愛感情なのかもしれない、と自覚。巧は、すっかり戦友となった勇治なら悪くないかもしれない、と請け合い……どうして誰も彼も、オルフェノクに命を狙われている物件を気楽に薦めるのか!
ところがこのやり取りを草加が耳にしてしまい、ノイズエフェクトで凄い顔に。
「脈は無い」と海堂に処刑宣告を下していた勇治は、壁に頭を打ち付け、興奮しながら走り去った海堂(何度目だ、海堂)を追って外に出たところ、その草加に絡まれてしまう。
「話ってなんですか? 確か……どこかでお会いしたような気がするんですけど」
以前に受けた嫌がらせは、朦朧としていた為かあまりよく覚えてない模様。
「……覚えてないのか、俺の事。ま、それならそれでいい。問題は、これからの事だからな」
「わからないな。……何が、言いたいんです?」
「木場勇治、俺は君に興味がある。だが、俺も自分で何がしたいのかはよくわからない。君をよく知りたいのか……それとも……殴り飛ばしたいのか」
マンションに大量の出前を頼むとか、預かったクリーニング品の見えない位置にバカと書いておくとか、あの手この手で陰湿な嫌がらせを敢行するのかと思いきや、正面切って討ち入りに出向いた草加ですが、衝動的に恋敵に因縁つけにきたのはいいけど、適切な行動に困っている、って、草加も! 恋愛ビギナーなのか!! この作品には、涼村暁が足りない!!(待て)
相対的に、れっきとした彼女持ちであった勇治の劇中ヒエラルキーがぐんぐん上昇していくのですが、草加はもう、ししょーーーーーー、愛しの真理に好かれる方法を教えてください!と頭を下げるのがベストではないか。
最近よく変なヤツに絡まれるなぁ……と勇治が困っていると、突然の大爆発が発生し、前回今回と妙に派手。
そこに現れたのは冴子と、ラッキークローバー候補生の、スケボーオルフェノク
一方真理は、草加からも迫られている事を巧に自慢。
「どう思う、巧? 草加くんと木場さん、巧だったらどっちがいい?」
どちらもお薦めしにくいな……!
「おい、気色悪い質問すんなよ。俺は男だぞ」
その2人の前には、琢磨ともう1人の候補生からなる眼鏡コンビが登場。
「あなたとの勝負は既についている。無駄な戦いはやめて、ベルトを私に渡してください」
琢磨脳内ではそういう形でプライドが守られていたのか(笑)
「どうかな? ――リベンジって事もあるぜ」
すかさず、マイバッグの中から、ベルトが!
……なんだか、スマートブレインが一生懸命ベルトを取り戻したくなる気持ちはわかる気はします。
てっきり、候補生だけを戦わせて、これ以上ラッキークローバーの格が落ちないようにするのかと思ったですが、琢磨はムカデに、候補生はドリアンオルフェノクへと変身。溶解液を放つドリアンは、新フォームの踏み台となってアクセル円錐キックの直撃を受け、何が候補生だったのか疑問なレベルで焼却(^^; ムカデは何とかキックをガードして引き下がり、すっかり「上の上のオルフェノク」=「ガードが上手」という事になりつつありますが、根本的に人材不足すぎるのではありませんか社長!!
ベルトにこだわる理由など、オルフェノク側として人類との戦いにおいて何か穴を埋める手段を考えているのだとは思いたい。
廃倉庫では、草加がカイザへ、勇治がホースへと変身し、お互いを認識。
「話は後だ。戦うぞ、今は」
とカイザがすんなり共闘するのですが、優先順位の問題なのか、旅行中にオルフェノクへの認識が変わる出来事があったのか。挟み込まれた2人が武器を構えて反撃なるか、という所でつづく。
巧と勇治が互いの正体を知らないまま距離を縮める一方で、草加と勇治がいきなり変身した姿を見てそのまま共闘に雪崩れ込む、というのがひねくれた展開ですが、帰ってきた草加がさっそくキーパーソンとして躍動。流星塾について沈黙する草加が旅先で何を見たのかも気になる所ですが、次回、物語は流星塾の秘密に迫っていく……?