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『仮面ライダー555』感想26

(※サブタイトルは存在しない為、筆者が勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆第37話「裁きの十字」◆ (監督:鈴村展弘 脚本:井上敏樹
真理と啓太郎の制止の叫びも届かず、猛然とファイズに襲いかかるウルフオルフェノク
「戦え木場ぁ! 忘れたのか! 俺との約束!」
「無理だよ俺には……君は人間だから……無理だよ」
巧が殺されるつもりだと理解するも木場ファイズは反撃できず、ウルフオルフェノクは逃走。草加はその戦いをじっと見つめ、琢磨と冴子はニヤニヤ笑いながら去っていく。
「姿を消した? 乾巧が?」
ふーふー改め節穴社長は、今日も絶好調だった。
「ええ。とても悩んでるみたいね」
かさにかかって巧の排除を訴える琢磨だが、一方の冴子は好感度ゲージが急上昇。
「私……弱いのよね、悩んでいる年下の男の子に。可愛いじゃない?」
「可愛い? 僕と、どっちが可愛いです? 冴子さん」
琢磨のゲージは急降下。
上の上のオルフェノクは完全に人間の心を捨て去らねばならず、澤田にはそれが出来なかったが、乾巧は今そうせざるを得ない状況に追い込まれているから必ず転ぶ、と社長はうそぶき、その言葉通りに巧は自らの人間の世界から切り離そうとしていた。
「……真理、もう電話するな。俺はもう、俺じゃない」
一方、長らく出てこないのでもうこのままフェードアウトするかと思われていた警察に久々にカメラが入り、若手刑事の演技が相変わらずマグニチュード7クラス。
海堂が助けた鈴木少年のビル火災は意図的な連続放火ではないかという疑いが浮上し、怪しげな男の姿が浮かび上がる……。
その鈴木少年は調布の養護施設に移されるもそこでイジメを受けており、格好つけて助けに入った海堂は泥団子を投げつけられて逃げ出し、いったい何処へ行くのか海堂誠。
「真理……なぜ乾巧を信じようとするんだ。なぜ……俺だけを見ないんだ」
一心不乱にウェットティッシュで自分の手を拭く草加は、その左手が真っ赤な血に染まっている幻覚を見る。登場当初のキャラ付け後、中盤以降はあまり見せていなかった神経質な仕草が、思わぬ形で再浮上。
血が、血が取れないんじゃ〜、と半ば錯乱した草加は室内で暴れた際に寄せ書きを発見すると、色紙にカッターナイフを突き立てて自分の名前を削り取ろうとするが、それを真理に見られてしまう。
「ちょっと何やってんのよ草加くん?!」
「……別に」
息を荒げながらも顔を上げ、作り笑いを浮かべてみせる草加だが、そのただならない様子に真理は再び草加を追求。
「違ぁう! 俺は何も知らない! 俺は……!」
同窓会について口を閉ざし続けるも平静を失った草加は顔を覆って絶叫し、真理の記憶もまたフラッシュバックを繰り返す。
「巧が……私たちを襲ったなんて……嘘だよね?」
「…………乾が、襲った?」
思わずこぼした真理の一言に、その記憶を聞き出した草加は表面上は否定するが、真理が去った後にその表情は憤激に彩られていく……。
「乾巧……おまえだったのか。あの日、俺たちから全てを奪ったのは!」
流星塾虐殺に関しては、さすがにそれは無いだろう、と思わせつつ、草加の爆発、真理の苦悩、それぞれの熱演と合わせて緊張感の途切れない、頭蓋をキリキリと締め付けるような展開が続きます。ベルトの物語、というある意味では開き直りに近い軸の置き方ゆえに出来る部分があるのでしょうが、主人公/ヒーローの姿、を分断する事によって、主人公から完全にヒーロー性の剥奪さえしてみせる、というのは凄まじい徹底。
「木場……俺は……俺はどうすればいいんだろう、俺はこれから」
巧、草加、真理が過去の記憶に追い詰められていく姿が重なり、という事はそろそろ、ファイズの仮面を被る勇治にも、背後に口を開けた闇を見つめる時が来るのか。
巧を探そうとマンションを飛び出す勇治だが、それより一足早く、道しるべを見失い荒野を彷徨う巧の元に現れたのは――影山冴子。
「わかってるわよ。悩んでるんでしょ? 今のあなたは人間でもなければオルフェノクでもない。中途半端な存在だから。私にもあなたと同じような時期があったわ。あなたと同じように悩み、苦しみ……でも、すぐに楽になれるわ。人間の心を捨て、オルフェノクの力を愉しめばそれでね」
魔性の誘惑を振り払うかのように首を左右に振る巧を、手を伸ばして冴子は絡め取る。
「強情な子ね。いいわ……泣きなさい、今は。私があなたの哀しみを、受け止めてあげるから」
しかしたっくんは、抱き止められるよりも、振り回される方が好きだった!
抵抗判定に成功し、冴子の抱擁をもぎ離す巧だったが、両者の間で突然の爆発! 巧を処刑すると独自に動く琢磨がフクロウオルフェノクと共に襲いかかってきて、巧はウルフへと変身。
この横槍にカチンと来ているのかと思ったら、迷える男の子達の戦いを楽しそうに見つめる冴子さんは、ここまで化けるとはなぁ。
「おまえらにやられるのはまっぴらだぜ!」
巧はバイクで逃走し、闇雲に巧を探して走り回っていた勇治はそれとすれ違うが、後を追うフクロウの姿を見てファイズに変身、とファイズの出番の作り方もスムーズに決まりました。
左手で握った携帯を口元まで持ち上げて「変身!」と言う勇治の変身ポーズは、逆巧であると同時に、逆北崎ともいえるのか。
夜が訪れ、夜戦仕様で赤いラインを走らせる勇治ファイズは、フクロウを円錐キックで焼却。
一方、バイクで疾走する巧は、草加と出会っていた。
「おまえだったのか……流星塾の同窓会の日、俺たちを襲ったのは」
同窓会の夜――ハッキリと姿を確認できないまま何者かに殴られて気絶した草加が目を覚ますと、周囲には死屍累々と塾生達が倒れており、その中には真理の姿もあった。真理を抱き起こそうとした草加は、流れ出る大量の鮮血で左手を染め、そのショックで気絶。そしてそれからずっと、その夜の事に口をつぐんでいたのである……。
草加の記憶通りだとすると、塾生達は“一度死んで甦ったのに(澤田を除いて)オルフェノクではない(?)”という事になりますが、鍵は「かつて九死に一生を得た」になるのか「花形前社長」になるのか。
「おまえ……死にたいんだってな。俺は木場とは違う。望み通りにしてやる!!」
盛り上がるBGMが流れ、
「変身!!」
激情の赴くまま草加はカイザへ。
「この――化け物がっ!!」
巧は反射的にオルフェノクへと変身するが夜間仕様でオレンジに輝くカイザにほぼ一方的に痛めつけられ、そしてカイザは断罪の十字架を構えて突き立てんとする。
「俺を……! 真理を……! みんなの命を! おまえがぁ!!」
そこに駆けつけた勇治ファイズがカイザに組み付き、必殺攻撃を阻止したところで、つづく。