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『超人バロム・1』感想5

◆第7話「変化魔人 アンゴルゲ」◆ (監督:折田至 脚本:伊上勝
悪のエージェント・アンゴルゲの素体を探すドルゲは、猛と健太郎の担任教師・佐野(演じるのは、特撮では『仮面ライダー』シリーズの怪人声優として著名な辻村真人)に目を付け、学校を狙うドルゲを校門の前に浮かぶシルエットで見せるのが格好いい。今回は他に、佐野の影が真っ赤なアンゴルゲの姿で浮かぶなど、シルエットを用いた演出が効果的。
アンゴルゲと化した佐野は、猛と健太郎のクラスメイトである後藤と山崎をアンコウフラッシュで洗脳すると、正義のエージェントの抹殺を狙う。
小学生にとって極めて身近な存在がいつの間にか怪人になっていたら……というシチュエーションは面白いのですが、とにかく怪人の狙いがバロムワン抹殺一直線な為、今回も話の広がりに欠けてしまいます(^^;
またここ数話、悪のエージェントがどれもこれも「俺の超能力を見せてやる!」で性格が偏っており、根本的にドルゲ細胞に問題があるのではないか。
アンコウフラッシュの催眠効果に惑わされそうになると、すかさず馬乗りからチョウチンアンコウのチョウチン部分(誘引突起、というとの事)をもぎ取ろうとするのは、凄くバロム1。
様子のおかしい級友2人を探る猛と健太郎は、ボップの警戒音で罠を回避し、それを苦々しげに見つめるミスター・ドルゲ。
「忌々しいボップめ……」
確かにボップが高性能すぎて一番厄介ですが、こればかりはコプーに感謝すべきなのか。
猛と健太郎は駐車場の車の中で気を失っていた後藤と山崎を発見し、「普段は虫の好かねぇヤツでも、ドルゲに利用されちゃうんだ。ほっとけねぇな」と、私情よりも正義を優先する姿がヒーローらしいのですが、この正義が「仕方ないだろ!」と表裏一体なのが、正義の闇をえぐり出します。
洗脳された後藤と山崎にバロムクロスを妨害されるも結局あっさり変身し、バロム1はアンコウと激突。突然のシャットゴーグルで催眠フラッシュを無効化すると、バロムブレイクから連続パンチ、そしてバロムフォールで投げ飛ばすが、バロム1は崖から転がり落ちるアンコウをキャッチ。
「どうして助けたんだ」
「見ろ、アンゴルゲの姿が」
幸いにも佐野は、ドルゲ細胞から解放されて人間の姿へと戻る。
「きっと今の行動が、心の中の憎しみを消したのだ」
バロムワン人格のこの言葉が具体的に何を指しているのか微妙にわかりづらいのですが、転落キャッチの事だとしたら――お姫様だっこは正義!
さすがに先生だとわかった上で爆殺しなくて良かったのですが、悪のエージェントに対してこれといった治療法を持たないバロムワンとしては、「先生だとわかった上でも爆殺しなくてはならない」というのが現実であり、序盤から極めて心理的に追い詰められているヒーローともいえます。
その葛藤が猛と健太郎の中で既に処理済みの為に全編に殺意が横溢する事になっているわけですが……コプーは正義!
やはり、感謝しなくて良い気がしてきました。
今作の根にある問題は結局この、猛と健太郎の掲げる“正義”が、「自分たちで辿り着いたもの」ではなく、「誰かから与えられたもの」な所にあるのですが(無論、前者が必ずしも善ではないのですが)、主人公たるヒーローの姿が、極めて普遍的な世界の闇を活写してしまっているのが、実に恐ろしい。
最後は関係者全員が浄化され、クラスでの諍いも過去の事、と爽やかに駈けだして大団円。