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『超人バロム・1』感想6

◆第8話「毒液魔人 ナマコルゲ」◆ (監督:田口勝彦 脚本:山崎久)
ドルゲは地下基地建設の為に、表の顔で札束の山を積んで次々と土地を買収。反対する住民はナマコルゲにさらわせると、地下の労働力として使役する……という、高度成長期の世相も窺わせる清く正しい地上げ展開。
一般人と対比に置くと、恰幅のいい謎めいた紳士ミスター・ドルゲと、痩身短躯の召使いという組み合わせの怪しさも増し、海外ミステリやサスペンスじみた雰囲気も出て秀逸。
「これでまた2人……ドルゲ様に反対する奴は、地下基地建設の為にこき使ってやる」
多用される「こき使う」という言葉に含まれる意趣返しのニュアンスが、なんともいえず、首領自らこつこつ働くドルゲ組織らしい(笑)
ところで前回から、ドルゲ本拠に名称がつくようになったのですが、「ドルゲ洞」「ドルゲ島」? イメージとしては前者なのですが、どちらとも聞き取れず(どちらでもないかも)。
健太郎と猛は級友2人(須崎くん、三郎)と休日に水族館へと遊びに行くが、くしくもその地こそ、ドルゲが地下基地建設の為に土地買収を進める村であった。前夜ナマコに成り代わられた館長は水族館を突然閉めてしまい、猛や健太郎にも黙って、裏口から侵入する須崎くんと三郎……って、須崎くーーーん!!
第1話で、「学校のマドンナ」云々というくだりがありましたが、須崎くん、いざとなったら自分の可愛さで大抵のトラブルは誤魔化せると思っている、割と太い女なのでは。ドルゲは、こちらを悪のエージェントとして選抜するべきだったのではないか。
須崎の悲鳴を聞きつけた猛と健太郎は水族館の中へと入り込み、灯りの消えた水族館、というのはなかなかホラー。配信の画質だと何やっているのかよくわからないのが玉に瑕ですが、児童層に対して、おっかなびっくり怖い物見たさ、を狙う正調スリラー演出が続きます。
迫り来るナマコに対してバロムクロスしようとする二人だが、その瞬間、猛が落とし穴に! という意表を突く展開。まんまと分断した二人を抹殺しようとするナマコだが、何者かの手によって再び落とし穴が開いて健太郎も落下し、水中バロムクロス。
だいたい露骨な合成か、敵味方のアップ映像をカット割りで戦っているように見せるとなりがちな水中戦ですが、OPクレジットに水中バレエ団の水中演技指導という表記があり、水中でしっかりと格闘戦を見せた上で、一回転から、バローーーーームまで決めるという、なかなか面白い映像。
館内に復帰するバロムワンだが、ナマコは須崎と三郎を人質に取る。
「この2人を水槽の中に叩き込むぞ? どーだ、手が出せまい!」
「くそ〜、ナマコルゲ。――行くぞ!」
知っているか?! バロム・1に人質は通用しない!!
一応、抵抗する三郎がアントマンに蹴りを入れた隙を突いて、という流れにはなっているのですが、結局二人ともそのままさらわれてしまうので、人質への配慮はわら半紙より薄い。
外へと逃げるナマコを追うバロムワンだが、須崎と三郎を連れたまま地下へ逃げられてしまい、ドルゲの奴隷狩りにより無人となった漁村を探し回る。途中、歩き疲れた健太郎がへばるなどあったものの、同じく村を探り回る謎の青年を発見する。その男は、九州から本社に転任となり、白鳥家へ下宿する事になっていた新聞記者・海野(演:水木一郎)であった。
海野はまるっきり、今回1秒も登場しなかった松五郎の代替えなのですが、白鳥家に下宿するという設定なので、これからレギュラー化していくのか。松五郎と二人並べても困る気がするのですが、松五郎役の役者さんに、急なスケジュールなどの問題でも発生したのでしょうか。ドルゲ怪人と普通に対応している、物陰から明らかにバロムクロスを助けている、など諸事情に通じているようにも見えるのですが、今回の限りでは全くその辺りに触れられないままオチではゲスト脇役と十把一絡げの扱いを受けてしまう為、凄くもやっとします(^^;
まあ落とし穴のスイッチを押すシーンは手しか映っていないので、海野だと思わせて、実は全く別の助力者が居た、というミスディレクションの可能性もありますが。
水族館の館長を見かけて後を追う3人だが、海野はアントマンに背後から殴られてあっさり気絶。洞穴の奥へ入った猛と健太郎も、バロムクロス封じの別々の牢屋に閉じ込められてしまう。両手を拘束されて絶体絶命のその時、健太郎が回避したナマコ毒液が鎖を溶かし、右手の自由を取り戻した健太郎はバロムクロス。
須崎くんと三郎に思い切り変身を見られている気がしますが、喋らなければ見られてもいいのだ!
……この勢いだと最終回、
「「俺たちはバロム・1なんだ!!」」
「知ってた」「変身を見た」「わかってた」「うんうん」「気付いて黙ってた」
みたいに全方位から生暖かい視線を受ける事になるのでは。
バロムワンは、通路に転がっていた海野に須崎と三郎を頼むと、自らの体をドリルのように回転させ、洞窟の壁を突き破る荒技・バロムドリラーでナマコを追撃。
「この毒を喰らえ!」
と岩陰から不意打ちで毒を浴びるが、
ナレーション「バロム・1の体は、あらゆる劇薬にも耐えるのだ」
またもぞんざいに無効化(笑)
頼みの超能力を防がれて狼狽しつつも体当たりを敢行するナマコだったが、斜面を転がり落ちている内に水分切れを起こし、ふらふらと水たまりへ向かうその背後から、容赦なく殴る蹴るの暴行を加えるバロムワン。
「おまえの弱点は水か!」
「水ぅ……俺の体は、水が無いと駄目なんだぁぁ!」
「ナマコルゲ、勝負は決まったな!」
もはや弱点を突かなくても圧勝の状況なのに、心理的に追い打ちをかけて悪のエージェントの精神をズタズタに破滅させようとするバロムワン、鬼畜。
「最後の手段だ! この球を食らえ! この毒を吸えばおまえの体は爆発するんだ!」
だが窮鼠猫を噛む、追い詰められたナマコは切り札の毒ガス弾を投げつける、が、しかし――
「へ?」
「バロムワンはなにものにも負けん!」
両手を広げて平然と爆弾を受け止めたバロムワンは、ナマコを抱えてフライングバロムフォールを放ち、いまだかつてないど派手な角度からの落下で、ナマコは大爆発。……おまえの運、良くなかったな!
そしてその爆発により洞穴の壁が崩れ、囚われていた村人達が脱出に成功。
一歩間違えると、落盤で全滅していましたが……よっしゃラッキー!
大宇宙の正義、それすなわち、適者生存。
伊上さん以外の脚本家が入り、話のパターンを変えてきてくれたのは良かったです。今回が特別面白かったというわけではないですが、少年冒険活劇ものの体裁を取ってくれれば話のバリエーションが広がりますし、今作として最低限の面白さはキープできると思うので、この路線を続けて期待したい。