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『仮面ライダー555』感想17

(※サブタイトルは存在しない為、筆者が勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆第28話「灰色の世界」◆ (監督:石田秀範 脚本:井上敏樹
木村沙耶は18歳。
真理の二つ上?!
巧と同い年?!
という衝撃の事実が啓太郎の口から次々と発覚。流星塾は見た目小学校ですが実質孤児院のようなものでしょうから塾生の年齢にばらつきがあるのはおかしくないとしても、一応コネクションが皆無では無いといえ、16歳にしてバイト先だけ決めて単身上京って、真理はどれだけ勢いで行動しているんだ(笑)
聞き間違いでなければ、九州では真理は「就職」と言っていた記憶なのですが、物語上、真理が美容院で働いていてクリーニング店を離れてしまうと困るので、色々変更に合わせて年齢も引き下げられたのでしょうか(^^;
ファイズとカイザを一方的に追い詰める河童だったが、真理の叫びに足が止まった所を不意打ち気味にカイザ円錐キックを食らい、逃走。そしてその戦いを、デルタが物陰からじっと見ていた。
基本モチーフが単純な記号という事もあって、ファイズ・カイザ・デルタは、3人比べるそれぞれの意匠の用い方とデザインの差別化がより明確になって面白いのですが、白黒配色のデルタは、肩アーマー部分の模様が天使の羽を思わせる一方で、三角吊り目に見えるボディが悪人顔、というのが秀逸。
ライダーアンテナを表現する為に頭部はΔの意匠をひっくり返して二辺を頭上に伸ばした結果、どこからどう見ても

になってますが。
今回の勝手にサブタイトルは、後一歩で「おヒゲの仮面ライダーなりそうだった事を、ここに報告しておきます。
「デルタギアは、たぶん沙耶が……」
里奈も交えて情報を整理し、改めて名前の浮上する、花形から最初にデルタギアを送られた塾生・木村沙耶。里奈も真理も、沙耶ならデルタの魔力に取り込まれる事はないと請け負うが、そのデルタの恐怖を魂に刻み込まれた琢磨は、今日もカウンターでプルプルしていた。
その内、「ぼく、わるいおるふぇのくじゃないよ!」とか言い出しそうな勢いですが、もしかして、手帳に書き溜めていた秘密のポエムを新宿駅前で朗読させられるとか、半裸で泣きながら青山通りを疾走する姿をYoutubeにアップされるとか、丸太の上で座禅を強要されるとか、すんなり焼却されるよりよほど酷い目に遭わされたのか。
欠けた4枚目の葉を探している内に変色してきた3枚目の葉が枯れ落ちそうになっている頃、ラッキークローバー最後の一人・北崎は――チンピラにからまれていた。
一見ひょろりとして頼りなさそうなパーマの青年・北崎だが、その体に触れた途端に、チンピラの一人が灰になってしまう。
「やめたほうがいいよ。僕に触るとみんな灰になるんだ」
遂に登場した北崎は、デキるサラリーマン風か強面の男前かと思っていたら、訥々と不気味なテンポで喋る細面の青年で、例えるならダグバ風。
「出てきて……教えてよ。何がそんなに面白いの? 僕には……面白い事が何一つないんだぁ」
危うい狂気を瞳に湛える北崎は、逃げたチンピラを見つける為に公園を丸ごと一つ灰に変え、琢磨の頬を拳骨でグリグリし、たまたま出会った河童を人間の姿のまま一蹴する恐るべき強さを見せ、ふーふー社長にも顔面アップで迫るという、好き放題。
長らく引っ張ってきた強キャラが、サイコ系の青年だった、というのはちょっと安直になった気はしますが、手法としては前々作『アギト』の木野さんに近いので、違う路線にしよう、という意識はあったか。
「どう? 最近なんか面白い事あった?」
何もかも灰同然の世界に面白い事を求める北崎はベルト争奪戦に興味を示し、それを聞いて妖艶に微笑む冴子。
「何か楽しくなりそうね。久しぶりに」
冴子さんの、いくら喧嘩に負けても心の余裕を失わない限り私の魂は敗北しないのよというスタイルは、段々面白くなってきました。
澤田がオルフェノクという事実に衝撃を受けながらも、かつて見せたその優しさを信じる真理は草加と共に澤田を説得しようとするが、北崎に叩きのめされた直後に待ち合わせ場所に姿を見せた澤田は、泣き笑いの表情で一方的にその思いの丈を叫ぶ。
「真理……俺は君の事がずっと好きだった。そんな君の命を奪えば、俺は人間を捨てる事ができる。オルフェノクとして、もっと強くなれる」
「なに言ってるの澤田くん?! なんで人間を捨てなきゃならないの?!」
オルフェノクの力が、俺にそう命じるんだ!」
「澤田くん!!」
「よせ! 奴はもう、俺たちの仲間じゃない!」
真理に力強く告白したという事は、全力で殴ってもいいという事だ!! 一方的な愛のエナジーをフルチャージする草カイザだが、車輪の円周に槍の穂先が突き出したような武器を振り回す河童に大苦戦(河童河童言っている内にすっかり自分でそのつもりになっていましたが、確か正しくはスパイダーなので、蜘蛛の巣のモチーフか)。
その頃、真理&草加とすれ違いで出社した沙耶が体調不良で急に倒れ、最低男ダービーで海堂に負ける事だけは断固として許されない! と、巧がお姫様だっこを発動。
「良かった……やっぱり優しい人なんですね……乾さん」
「…………黙って寝ろ」
沙耶を部屋に運び込んで看病する巧は、お粥ぐらいは作ってみせる、男の優しさを限界突破のフルバースト。
「一つ聞いていいですか?」
そんな巧に、苦しい息の下から問いかける沙耶。
「乾さんは、何の為に戦っているんですか? 戦う事で、誰かを救う事が出来ると思いますか?」
「真面目に答えなくちゃいけないのか?」
「…………」
「……10年後答えてやるよ。……俺がもし生きてたらな」
窓に顔を向けた巧の表情は外からの光でハッキリと見えないのですが、誰かを見捨てられない、という心に従って戦う巧が、その意味をいつか自分の言葉にすると約束する、じんわりと良い台詞。
ここで終わっていれば格好良かったのですが……
「おまえ……猫舌だよな?」
おもむろに、粥をふーふーし始めるたっくん。
それは変態だよたっくん!
いいシーンが台無しだよたっくん!
むしろわざと自分から台無しにしたのたっくん?!
「10年後も生きていて下さいね、乾さん。……乾さんならきっと、多くの人を救えると思うから。……私のスープを冷ましてくれているみたいに」
「そんな大げさな事じゃねぇだろう」
にこやかに返す巧ですが、それ多分、厭味だから!
「実は、乾さんに渡したいものがあるんです」
思い返してみれば常に抱えていたバッグからベルトを取り出しかける沙耶だが、助けを求める真理からの連絡に、巧は慌てて飛び出してしまう。カイザを救援するファイズだが、現状の格付け通りに河童に苦戦し、その光景に無反応を貫くバイク。
バイクは時々父さんの悪意を感じる仕様にしても、アクセルフォームも忘れ去られているのですが、さすがにこれは何か、使えなくなっている理由が欲しかった所。
なんとか真理を逃がすファイズとカイザだが、ベルトを手にやってきた沙耶が、逃げる真理と追う河童の間に入る形になってしまい、体調不良の沙耶は変身する間もなく河童の車輪に腹部を貫かれてしまう!
車を降りた所で河童の攻撃を受けた沙耶は、串刺しにされて車にピン留めされたような姿となり、かなり直截的に残酷な映像。
「ベルトを頂戴。今からそれは僕の玩具だ」
そしてその手からこぼれ落ちたデルタギアは、北崎の手に渡ってしまう。
「ご苦労様。これであなたも、ラッキークローバーの一員ね」
ふらつきながらも後を追ってきたファイズとカイザの前で、崩れ落ちた沙耶は蒼い炎に包まれて消滅。
「全員集合という事か……一気にけりをつけてやる」
エビとムカデが変身して新生ラッキークローバーが揃い踏み、北崎はデルタギアを装着。
「――変身」
ファイズとカイザが二人ががかりで手も足も出ない河童を人間の姿のまま子供扱いする北崎が、ムカデに再起不能寸前のトラウマを与えたデルタへと変身してしまい、もう完全に詰みでは……という所で、つづく、
沙耶はどうやら、狂気と不和を呼ぶデルタギアをしかるべき人物に預ける為に巧の人となりを見定めようとしていたようですが、色々と思わせぶりな発言をするだけして、放り投げるようにリタイアしてしまったのは残念。澤田とデルタに沙耶、更に北崎初登場まで1エピソードに突っ込んできたのは、さすがに要素が多すぎた気がします(^^;
澤田が真っ当な人間の感情を多く残している(のをわかっているからこそ必死に捨てたい)のに対して、北崎は完全に精神の平衡を欠いて見えるのですが、狂気の青年、というビジュアルを含む表面的なキャラクターが似ている為、互いに食い合ってしまいましたし。
そんな北崎の描写にかなりの尺を割いた事もあってバッサリ出番無しだった勇治サイドですが、次回、更なる修羅場へ向けて思わぬ波乱を巻き起こす?! そして琢磨は、トラウマを乗り越えてラッキークローバーの椅子を死守する事は出来るのか?!
地味に気になるのは、ある意味でレギュラーキャラに近い菊池クリーニングの配送車が事件現場になってしまった事ですが、今後、この車が出てくる度に視聴者は沙耶の死に様を思い出すという、酷いトラウマ案件。なんて事するんだ。