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『超人バロム・1』感想9

◆第11話「毒ガス魔人 ゲジゲルゲ」◆ (監督:折田至 脚本:滝沢真理)
見所は、神経ガスを吸って頭をやられるゲストヒロイン。
「あー、赤いちょうちょが……」
ゲジゲルゲの神経ガスによって精神に異常を来した人々を、ドルゲージ心理学研究所の患者として診察し、「入院」と称して拉致。労働力として扱い、地下空洞に蓄積されていた毒ガスを地上に噴射する事で地球を我が物にせんとする、用意周到と言えばいいのか迂遠と言えばいいのか悩ましい作戦を展開するドルゲ。
ゲジゲルゲの人間体が下地(げじ)博士だったり、ゴミ焼却場の煙突から出た赤いスモッグを浴びた人々が次々と狂気の笑みを浮かべたり、なんだか『コンドールマン』を思い起こす描写です(笑)
「大金は出しても口は出さぬという、まことにご立派な方で」
と、研究所開設の共同会見で博士がミスター・ドルゲを褒めそやす世知辛い描写は、凄く『バロム・1』ですが(笑)
……どうして今作は、大人社会の濁った灰色を定期的に視聴者に突きつけてくるのか。
いよいよ面倒くさくなってきたのか松五郎がすっかりドルゲの悪事を認識しているのですが、コプーの呪いの為に、松五郎は猛&健太郎の変身を明確に見てはいけない、という縛りがまさしく作劇を呪縛しており、余計なテンポの悪さといらぬ手間を生む事に。さすがにどう見ても松五郎は知っていて黙っている(これで気付いていなかったらドルゲージ心理学研究所に入院した方がいい……)のですが、設定上の縛りが完全に作品の足を引っ張ってしまっています(^^;
毒ガスを一気に地上に噴出させようと目論むドルゲだったが、間一髪、煙突から地下施設へと飛び込んだバロムワンがそれを阻止。バロム真空投げでゲジゲルゲを爆殺し、ドルゲ毒ガス作戦は失敗に終わるのであった。
次回――出た、行川アイランド


◆第12話「魔人キノコルゲはうしろからくる!」◆ (監督:田口勝彦 脚本:滝沢真理)
サブタイトルのパターンが変更になると同時に、OPのクレジット表記が縦書きになり歌詞も入るようになったのですが、全ての文字が凄く画面の中央に寄っていて、見づらい(^^;
また、台詞が増えてきたと思ったらバロム・1の声が上田耕一から村越伊知郎に変更され、以前より声が太めでいかめしいのですが、やはり、統合人格の融合が進んでいるのか。
「地底に生えた醜き毒キノコよ、おまえは悪のエージェント・キノコルゲとなり、人間どもをドルゲキノコにするのだ。そして地球を悪の支配下に置くのだ」
一方、電話帳をめくるのが面倒になったドルゲは、1クール目のコンセプトをあっさりと破壊(笑)
そもそも問題の多いコンセプトではあったのですが、全体的な路線修正なのか、今回限りの事なのか。
ドルゲ細胞を注入され悪のエージェントとなった巨大キノコは、ぎょろっとした巨大な目玉の焦点が絶妙に合っていないのが効いて、目玉が入ってからの怪人ではここまで一番の怖さ。キノコの傘を渡世人の三度笠に見立てて仕草や口調がそれらしいなど、これまでにない遊び心も個性的(なお今作放映の1972年は、1月より主演:中村敦夫によるTVドラマ『木枯らし紋次郎』が放映、6月には主演:菅原文太東映製作による映画が公開)。
近海にウラン鉱脈があったりキャプテン・クックの財宝が沈んでいたりする房総・行川アイランドに現れたキノコルゲは、漁民やアイランド従業員を次々と巨大なキノコに変えていく。キノコガスによりキノコ人間とされた者達は、昼間は巨大キノコの姿でじっと時を待ち、夜な夜な人間の姿を取り戻すと仲間を増やす為に活動を開始するのだ!
太陽光線に弱いキノコ人間にとって、昼間の巨大キノコ姿は正体を隠す為の偽装と説明されるのですが、松五郎でも不審を抱くレベルの怪しさです。
「待てよ。これが、ドルゲの仕業だとしたら、もしかすると……」
その松五郎の大学時代の恩師がキノコ研究の権威という事で、巨大キノコの正体を調べてもらおうと考える松五郎の知力が悪魔に家族の分まで魂を売り渡したレベルで急上昇していくのですが、もしやこれは、全く出てこない海野とバロムクロスしたのでは。
そもそも松五郎と位置づけが被って使いにくそうな海野は3話連続で1秒も出てこないのですが、そういえば第10話では、松五郎が正拳突きでコンクリートの壁を破壊する、という不自然な行動があり、バロムとは友情のエネルギーを示し、コプーは正義でドルゲは悪なので、バロムクロスで変身するのだ!
ゆくぜウミー! よし来い、マツ!
巨大キノコを調べるキノコ教授だが、正体を現したキノコ人間に襲われ、光に弱い事に気付いて窓から太陽の光を浴びせると溶けるように消滅。それを見たショックでふらふらと外に出た博士もまた、キノコルゲに襲われてキノコ人間にされてしまう。キノコ教授の後を追ったバロムワンは待ち受けていたキノコルゲ軍団と戦闘になり、本日のアントマンは、キノコ型のメイス装備でお洒落。また、海面に日光の照り返す砂浜での戦いは、水中への大胆なダイブもあり、なかなかの面白さとなりました。
いい所にキノコパンチをもらって割と苦戦するバロムワンだったが、巨大な反射鏡を利用してキノコに強い太陽光線を浴びせると、大ジャンプから脳天に叩きつけるバロム爆弾パンチを直撃させる。物凄い勢いで崖を落下したキノコが無惨に爆死するとキノコ人間達は正気に戻り、かくして房総の平和は守られた!
母子が必死に探していたお父さんは無事に戻ったものの、家族ぐるみの付き合いをしていた老人は日光の塵となりましたが!
恐らくキノコ教授はこの件について口をつぐむ(或いは自己防衛反応として悪夢や幻だと思い込む)ので、老人は失踪・行方不明で処理されると思われますが、コプーは正義!(「フォージャスティス!」に並ぶ汎用性の高さ)
エピソードの下敷きはかの有名な『マタンゴ』(未見)でしょうが、ハワイアンショーと巨大キノコ増産が交互に描かれる映像が凄くシュール。それにしても日本全国(?)、ハワイアンショーにそんなに需要があるものなのか、と70〜90年代作品まで、どこで見ても謎(いや今でも、観光地では需要あるのかもですが)。
そこかしこに路線修正の芽が見え隠れしますが、次回あっさりいつのも調子に戻る可能性もあるので、判断保留。とりあえず前回今回の限りでは、「行くぞ!」と声をかけられて勢いでマッハロッドの助手席に乗り込む(第11話)など、バロム・1とバロム・五郎のコンビ化が急速に進行しましたが、一方で猛&健太郎の個性と存在感が薄れてしまい、妥当性を強めたらセールスポイントが見えなくなってしまったのは気に掛かる点。