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『超人バロム・1』感想10

◆第13話「魔人タコゲルゲが子供をねらう!」◆ (監督:田口勝彦 脚本:島田真之)
海底を蠢く悪のエージェント・タコゲルゲがダム爆破作戦に取りかかるが、警備員を殺害した姿を写真に撮られてしまう。現像した写真を警察に持ち込むも相手にされなかった少年だが、猛と健太郎と出会い、松五郎の発案で写真を街頭で公開し、それを始末して油断したエージェントの後を追う事に……。
前回同様、怪人に合わせて凝った手持ち武器を用いるアントマン。今回はタコの足を鞭に見立てて襲ってくるのですが、まるで痛そうに見えず、集団でタコ足を振り回して人質を叩いたり、首を絞めたりする映像がひどくシュールな事に。
バロムワンに葬られたかに見えたタコだが、それは油断を誘う計略であり、逆に捕まってしまう松五郎達。第13話にしてとうとう人質になる猛姉だが、松五郎、ゲスト少年と一緒であり、その価値は三分の一なのであった……扱いが面倒くさいからと、一人だけ放置されずに本当に良かった(笑)
駆けつけた猛は、健太郎の策略でタコにダム爆破について喋らせると、バロムクロス。ダムに仕掛けられた爆弾を無事に解除すると、爆弾パンチによりタコを撃破するのであった、
タコは冒頭でダムに爆弾を仕掛けた後、少年に写真を撮影されてしまい、「なんたる失敗、本当は処刑する所だが、その少年を始末してついでにバロム・1も倒せば許してやる」という命令で行動しているのですが、その爆弾がそのまま設置されていた為、余計な事をしなければ最初の作戦は明らかに成功していたという、何とも言えない締まりの悪さ(^^;
バロムワンのアクション尺が増量している関係で、それに対抗する悪のエージェントの個性を強めようという意図は見えるのですが、タコが何か喋る前に、いちいち変な動作をしたり、口元で何やらぶつぶつ言う、というのが物凄くテンポが悪くて大失敗。
頭から湯気を出したり、ハゲ頭をポンと叩いたりするので、基本は「タコ入道」という事かと思われるのですが、繰り返し入る謎の間合いにも当時の視聴者にはわかる元ネタが何があったのでしょうか……とにかくこれといって面白い要素が無いまま、ひたすらテンポの悪い展開で、残念な出来。
ところでバロム・1のスーツの黄身が増している気がするのですが、モデルチェンジ? それとも、融合が進んでいる?


◆第14話「魔人アリゲルゲと13のドルゲ魔人」◆ (監督:田口勝彦 脚本:伊上勝
「もっと岩をーーー!」
ドルゲは、昼夜問わず働かずにはいられない悪のエージェント・アリゲルゲに、宇宙から飛来するドルゲ菌満載のカプセルを回収し、首都を狙った細菌テロ計画を指示。ところがそのカプセルは海水浴に来ていた松五郎に直撃、徹夫という少年に拾われる事になり、少年に迫るやたらと気ぜわしいアリゲルゲの前に、立ちはだかるバロムワン。
「蟻酸の匂い……するとお前はアリから変化した、ドルゲ魔人!」
素体が人間ではなく動植物という新設定(?)を、主人公の方から強引にねじ込んできました(笑)
「がきぃーーーん! ドルゲのエージェント、アリゲルゲ。がきーん!」
一度はアリゲルゲを退け少年からカプセルを受け取るバロムワンだったが、その前に、一挙13人の復活ドルゲ魔人が現れる大盤振る舞い!
EDテーマをバックにしばらく派手なバトルが続き、力技もいい所なのですが、なんだかんだ、怪人軍団との大立ち回りというのは一定の盛り上がりが生まれます。ところが松五郎と徹夫が人質に取られてしまい、バロムワンはカプセルとの交換を迫られる。
しかし……バロムワンに人質は通用しないのだ!
「爆弾パーンチ!」
おもむろに跳び上がるので人質を助けに動いたのかと思ったら、天辺の首を獲ってやる! とばかり不意打ちでアリを強襲するバロムだったが、
「パンチがえーし!」
で、ここ2話のフィニッシュブローを防がれてしまう。
後の『仮面ライダーストロンガー』でも悪の幹部タイタンが、「ファイヤー返し」などでストロンガーの必殺技を無効化していましたが、「○○返し」は伊上さんの中でお約束なのでしょうか。
「駄目だ……! 正義の為とはいえ、二人の命を見殺しにはできない!」
不意打ちを失敗したので理論武装を始めた正義のエージェントは、そんな事を言いながらもカプセルはしっかりと抱きかかえたままで、人質が本格的にどうでもいい事だけは、濃厚に伝わってきます。
弱ったバロムワンは13魔人の攻撃を次々と受けて遂にカプセルを奪われてしまうが、松五郎のファインプレーで何とか窮地を脱出。強敵アリゲルゲを破り、ドルゲの作戦を阻止するべく、さっそく松五郎をパートナーに特訓を開始する。
「その岩を落としてくれー!」
「え? この岩を受けるつもりかい? 俺知らねぇよー? 責任持たねぇよー?」
と言いつつ、一抱えもある岩を崖下へ向けて投げ落とすバロム五郎。
コプーは正義! ドルゲは悪!
そもそもバロム爆弾パンチがここ2話で登場した必殺技なので、破られたから新しい必殺技を修得しなくては、という説得力は薄いのですが、とにもかくにも厳しい特訓の末、雨のように崩れ落ちてくる岩を打ち砕く事に成功したバロムワンは、必殺爆弾パンチに開眼。直後にさらっと急斜面を降りてバロムワンの元へ辿り着いている松五郎は、やはり海野とバロムクロスしているとしか思えません。
バロムワンは再び人質に取られた徹夫少年を救出すると、今度はOPをバックにちぎっては投げちぎっては投げ13魔人を打ち破り、アリゲルゲも新必殺技で撃破、ドルゲ菌風船爆弾作戦の阻止に成功するのであった。
元々「爆弾パンチ」は、爆撃機から落下する爆弾のイメージで高空から脳天へのパンチ攻撃だったと思われるのですが、「必殺爆弾パンチ」はただの空中パンチになっており、色々と意味不明な特訓編(笑)
しかし、特訓に意味を求めてはいけないのだ!!
全怪人登場・特訓・新必殺技、と大盤振る舞いのアクション編。猛と健太郎の出番が3シーン程でしたが、このままドンドン出番が減ってしまうのか(^^; 最近ほぼ「友情」要素が存在しないので、そろそろ初期のテイストも見たい所ですが、どちらへ向かっていくのかバロム・1。