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『宇宙戦隊キュウレンジャー』感想・第11話

◆Space.11「宇宙を救う3つのキュータマ」◆ (監督:柴崎貴行 脚本:毛利亘宏)
 「「ラッキーがアンラッキー?」」
 宇宙懸賞が外れたり(出すな)、腰掛けていた椅子が壊れたり(オリオン号の椅子は呪いのアイテム)、不運続きのラッキー。88星座占いでも運勢は最下位と告げられるが出撃キューレットには選ばれ、めでたく仕込み確定。
 伝説のアルゴ船の復活の為、羅針盤キュータマを用いて、ほ座、とも座、りゅうこつ座、というアルゴ船を構成する3つの星座のキュータマを探す事になるキュウレンジャー。星座のネタ元通りなのですが、大宇宙に帆船を飛ばす、の図は見たいかも。そして宇宙×帆船×東映といえば『宇宙からのメッセージ』であり、故にドン・アルマゲの正体は真田広之(元・宇宙忍者)なのではないか(待て)。来年で40周年ですし。
 「キュウレンジャーの伝説が本当だった以上、アルゴ船に賭けてみる価値があるとは思わないか?」
 詳細不明のアルゴ船についてこう語る司令ですが、現状キュウレンジャーが決定的な何かを為したわけではないので、何をもって「キュウレンジャーの伝説が本当だった」とするのかは、ひどく曖昧(^^;
 ここまでの話の限りではセイザブラスターなどのメカニックはリベリオン由来に見えますし、ここ2回の「伝説を超える」というテーゼもあり、伝説を担保する為の伝説の価値が不明瞭という、今作らしい脇の甘い事に。
 敢えて探すなら、キュウレンオーが出てきた事、が伝説の伝説たる所なのでしょうが、キュウレンオー自体がそこまで強調されていないので、説得力はもう一つになってしまっています。
 羅針盤キュータマが座標を示したトモキュータマを求めて地球に降り立つ赤黒黄橙紫……そして、こっそりついてきた空。不気味なほど静まりかえった街に幕府兵空挺部隊が降下し、更にイカ、そして足の破片からあっさり甦ったタコが襲来。タコが復活の度に人格が変わる、というネタは面白かったですが、これっきりか……?(^^;
 「言った筈じゃないイカ。君たちの運命がわかると」
 「運命?! そんなの勝手に決めるなぁ!」
 全ての攻撃を軽々とかわすイカに翻弄されるレッドは大ダメージで変身解除。オレンジは「戦いを舐めるな」とスカイブルーを叱責して不穏な空気になる中、突如、地底から巨大なミミズ状の宇宙生物デスワームが出現。街が閑散としていたのはデスワームによって住民が全滅していたからであり、どういう経緯か、トモキュータマはデスワームの体内に飲み込まれていたのだった!
 怪獣めいた姿にせずに、巨大宇宙生物といえばワーム、とミミズ状の怪物を出してきたのは、SFぽさと意外性があって良かったです。戦闘の都合で着ぐるみモードになると面白くなくなってしまいましたが、かなり頑張ってワーム状態で使いましたし、次々と幕府兵が呑み込まれ、住民全滅がさらっと語られるのも、今作の世界観を感じさせて良し。
 食事を終えて地中に引っ込んだワームを倒そうと血気に逸った小熊と、それをフォローに入ったサソリが諸共に地底へと落下してしまい、残りのメンバーはその救出に向かう事に。イカとの戦いで怪我をしたラッキーはオリオン号に帰るように命じられるが、何やら歯車の噛み合わない様子のままイカを倒す事にこだわり、命令を無視して一人走り去ってしまう……。
 先日、「命令違反、良くない」という話をしたばかりなのに、今回だけで2回行われる命令違反(小太郎とラッキー)。
 特にラッキーに関しては、仲間の救援活動を無視する点は感じ悪いもののむしろ小太郎の命さえも同じ皿の上に乗せている姿勢がいっそ清々しいといえますが、“明らかに自分を見失った状態で実力差のある敵幹部に単独で突撃を敢行”しているのは、命令違反がきっかけの命の危機が手に取るように予想される上に過去の司令と鏡写しのような行動にも関わらず、あれだけ究極の救世主にこだわっていた司令が、後を追わせるわけでもなければ増援を呼ぶわけでもなく放置という、ここ3話ほどの描写が全て血の海に沈むスプラッター
 ……てあれか、都合11人に増えたので一人ぐらい減っても大丈夫☆なのか。
 この先、救世主が次々と増えていくけど、最終的に生き残るのは9人だ!
 という、救世主サバイバルレース開幕の予感。
 上空で、どう見ても青と緑がオリオン号修理の役に立っていないだけに、こういった辻褄合わせはもう少し丁寧にやってほしい所です。居残りメンバー全員がオリオン号の修理で手一杯、というように演出するだけでも印象変わるのですが。
 その頃地下空間では、宇宙の神秘に選ばれて手に入れた力で一秒でも早く一人でも多く幕府の連中を嬲り殺しにしてやる、と息巻く小太郎を、スティンガーが諭していた。
 「弟が居たな。弟は大事か?」
 ここで声のトーンが少し変わっているのは、キャラ的に台詞のテンポを変えづらい中で、好演。
 「勿論。大事に決まってるよ」
 「だったら……弟が誇れる兄でいろ」
 「次郎が誇れる俺……」
 「そうすれば、おまえが力に溺れる事はない」
 力そのものに取り込まれた自らの兄を引き合いに出し、自分の中にある他者との繋がりを楔にしろ、というスティンガーの言葉は良かったのですが、本来ならエピソードのクライマックスに持ってくるべき要素を半分の所で出してしまった為、折り返し地点にいきなりゴールが出現したような唐突感は否めません。
司令達と合流してワームとの再戦となり、
 「小太郎――行くぞ」
 「俺、次郎の誇れる俺になる。絶対に」
 と、小太郎が戦士としての在り方を見出しその位置づけが落ち着くのも悪くないのですが、途中端折った結果、スティンガーは一言告げて満足、小太郎も一言で成長してしまうので、忙しすぎて勿体ない。
 その忙しい理由であるラッキーは、イカタコを発見。
 「なんだ、アンラッキーくんじゃなイカ
 「違う! 俺は宇宙一ラッキーな男だ!!」
 執拗に自身の運にこだわりながら、変身した赤は一人猛然とイカめがけて突撃。
 「俺の運、試してやるぜ!!」
 ところで今頃になって、横顔のアップでイカの顔面にドクロのモチーフが入っている事に気付いたのですが、ドクロを中心に見るとなかなか格好いい顔だなぁと今更。
 デスワームとの戦いではリュウコマンダーの音頭で紫黄黒橙空が揃い踏みし、一人だけ真横を向いて「八丈島キョン(古い)」みたいなポーズを取っているフードマイスターさんは何をしたいんですか。
 小熊とサソリが連携を決め、
 「やったぜアニキ!」
 「アニキ?」
 とスティンガーの心の隙間に小太郎が滑り込んでいくというのも良かったのですが、とにかくこの二人のエピソードとして1話使えなかったものか……。ラッキーの方は次回への引きネタなので、引きネタと2号ロボ登場を織り込みつつ、実質的に今回の軸となるテーゼをよく折り畳んだといえば折り畳んだといえますが。
 ちなみに降下メンバーとして同道したスティンガーとチャンプは一切言葉をかわさないのですが、チャンプは司令にテキサスラリアットからエルボードロップぐらいまでは決めても許されると思います。蓋然性としては、夜中にこっそりプラグラムを改ざんされている可能性が高い。
 「やあ、バランスくん、ちょーっと頼みがあるんだよねぇ」
 「あげポヨ〜」
 オールスタークラッシュを浴びせるもワームは巨大化し、画面を広く使って割と力の入った特撮バトルから、アメフト顔の小熊ボイジャーが登場。更にリュウボイジャーが変形して胴体と脚部となり、小熊とサソリを両腕とした3体合体で、新ロボ・リュウテイオーが誕生する。
 「龍に翼を得たるごとし」
 特にタメも無ければ前振りもなく誕生したグラサン顔の龍帝王は、球体3つが上半身に集中してしまい見た目バランスの悪いフォルムで、いかにも次のロボへの布石感。ポーズは決めてみるものの、ずんぐりむっくり体型の為、もう一つ格好良くなりません(^^;
 見た目はともかく戦闘力は高かった龍帝王は、巨大ワームを撃破。多分みんな忘れていた体内のトモキュータマは爆発の衝撃で吹き飛んでいき、事もあろうにイカに拾われてしまう。
 「さようなら。宇宙一アンラッキーな男」
 手も足も出ないままトドメを刺されそうになっていたラッキーは、ギリギリで小熊メカが回収。小熊ボイジャーは追加メカという事もあってか、一部が分離するギミックなど、割と格好いい。
 「しかし、ラッキーが負けちまうとはな……」
 ラッキーを連れた司令達はひとまずオリオン号へと帰還し、そもそもイカの方が格上なのにさも意外そうにこぼす忠犬の脳内番付が四次元殺法ですが、忠犬なので仕方ありません。
 「イカーゲンにも弱点が必ずある筈だ。それを探すんだ」
 トモキュータマを取り戻すべく、打倒イカを掲げるキュウレンジャー……先日、リュウコマンダーが圧倒していた記憶があるのですが、あれは、初登場の見せた幻だったのか。今回妙に、ラッキーがイカに手も足も出ないのは今日がアンラッキーな為、と言い訳めいた描写が目立つのですが、これはレッドを負けさせにくい事情によるものでしょうか(^^; 全体的にイカとの戦力差の描き方(というか周囲の認識)がちぐはぐなのですが、竹本監督が脚本5割増しぐらいでリュウコマンダーを強く撮ってしまったのでは疑惑。
 「宇宙一アンラッキーな男か…………。確かに、そうかもしれないな」
 舷窓から宇宙の闇を見つめるラッキーの脳裏に浮かぶのは、燃え盛る宮殿のような場所で一人泣きじゃくる小さな子供の姿……それは果たして幼き日のラッキーなのか? と、いよいよラッキーの過去が匂わされた所で続く。
 どうもラッキー、どこかの王族か何かだった様子ですが、やはりその過去は重苦しいものである気配。次回――合体ロボ登場、11人揃い踏み、と第1章クライマックスの雰囲気ですが、第1クールの山場という以上に、次回ラッキーをどう描いてくるのかが、物語を貫く芯になりそうで、作品として大きな分水嶺を迎えそう。
 次回が好みかどうか、どのぐらい頷けるかで、私自身の今作に対するテンションも大幅に変わりそうなので、果たしてどんな目が出るか、期待と不安が半分ずつ。
 なお今回、小熊は凄く普通にOPに参戦。一番最後だったので、もしかしたら今後の展開で差し替わりなどはあるかもですが。そして、コップ、水瓶、ウサギ、炉、と、『仮面ライダーフォーゼ』のアストロスイッチばりにスキルキュータマを立て続けに使用。どうもキュータマは、キューエナジーを変換してエネルギーを発生させたり特定の物質を作り出す事が出来るようですが、この辺り、ただ勢いではなく、プラネジウムなどと絡めて最終的に繋がってくると面白いですけど。