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『ビーファイターカブト』感想32

◆第47話「BFビーファイターの父 老師死す!!」◆ (監督:東條昭平 脚本:宮下隼一)
神頼みも破れ、現生人類(ホモ・パピリア)を絶滅させる筈がむしろ自分たちが絶滅寸前のマザーメルザードは、最強にして最大のパワーを持つ闇の波動獣・ダーグリフォンを誕生させる。
「このダーグリフォンの超低周波で一掃してやる。喰らえ、闇のはどぉーーー!!」
闇の波動=超低周波なのか(笑)
闇の波動は一撃で高層ビルを吹き飛ばす破壊力のみならず、昆虫への特攻効果も持ち、直撃を受けたビーファイターは超重甲が強制解除されてしまう大ピンチ。迫り来るダーグリフォンに追い詰められる3人だが、その時、ニューヨーク本部から筋肉の使徒達がやってくる!
「貴様の相手は俺たちだ! ダーグリフォン!」
「覚悟しろよ、怪物野郎!」
「舞ちゃんも忘れないでよね!」
先代ビーファイター3人は、どこかの建物の屋上ドーム部分の外周という、なにやら凄い所にヒーロー仁王立ちし……拓也の人相はどうして出てくる度に悪くなっているのでしょう(笑)
「重甲!」「重甲!」「重甲!」
先輩3人はなんだかんだ好感度が高いのと、ここで流れる前作主題歌が熱い。
先代ビーファイターが再登場し、ダーグリフォンに襲いかかる、筋肉!筋肉!筋肉!
これを見ていたメルザードではBCが大至急加勢に行こうとし、サソリの戦士の誇りはどこへ消えたのか。……いやこの場合、増援加わって6人となったBF相手にバランス取るべく、加勢に行く方がフェアなのかもしれませんが。
だがマザーはそれを制止し、そうこうしている内に超低周波の攻撃で吹き飛ばされた先代BFは、冒頭で見せていた超高周波発生キャノンを構えて反撃。
「やはり超高周波を使ったか。狙い通りだ」
うひょー! さすがマザー! そこに痺れる憧れるー! と、兄弟達はマザーの知謀を讃え、ずらりと雁首並べた幹部クラス6人が、一斉にマザーに仕事欲しいと頼んだり、一斉にマザーに質問したり、一斉にマザーを褒めちぎったり、説明台詞を仲良く分け合ったり、面白くない絵面で面白くない言葉を交わし続け、本当に残念すぎる扱い。
結局、超低周波と超高周波のぶつかり合いはお互いに決め手を欠いて痛み分けに終わるが、その衝突によって広がる謎の黒雲にマザーは満足げにほくそ笑む。
「ゆけダーグリフォン! 死して残せ、闇の意思の勝利への道を!」
ブラックアカデミアではダーグリフォンを打ち破るべく、拓也が超高周波を光の波動にレベルアップさせようとしていた。
「闇の波動=超低周波」の時点でだいぶ困惑しましたが、「光の波動=超高周波」なのか。この宇宙では、開闢以来、超低周波と超高周波が戦っていたのか。そういう世界、にしてもさすがに意味がわかりませんが、とにかく光だ。
「でも、どうやって?」
「超高周波発生システムを、ブルービートのソニックフラップに組み込むんだ」
そして光とは、鍛え抜いたマッスルだ。
ダーグリフォンが再出現し、システム完成までの時間稼ぎに出撃する後輩3人。拓也らはビーコマンダー格納状態のインセクトアーマーを改造していくが、光の波動もまた昆虫たちに悪影響を与え、インセクトアーマーが耐えきれずに拓也自身の命が危うい可能性さえあった。
「だが、これが俺の、地球の命を守る戦いを始めた、ビーファイター、ブルービートの使命なんだ!」
そう、何千何億の昆虫たちが屍山血河を築こうと、最後に立っている者が居れば、それが勝利だ!
第45話で甲平が前作のアンチテーゼに到達しましたが、別に拓也と話し合ったわけではないので、もちろん拓也は何も変わっていませんでした(笑) むしろ、先鋭化していた。
昆虫たちへの悪影響は何とかする、と老師が請け合い、赤と緑のソニックフラップを移植し、3倍のマッスルを得るブルービート。
闇の波動=超低周波に始まり、光の波動も昆虫たちに悪影響、ソニックフラップの移植、と画面の向こうの言葉遊びのような展開が続いてしまい、非常に置き去り気分。
健闘虚しく、またも変身解除に追い込まれる後輩3人だが、そこへ先輩3人が駆けつける。
ソニックフラップ! 光の波動!」
今、磨き上げた筋肉が光を生む!!
ブルービートは合わせた両手を前に突き出すポーズ――かめはめ波なのか波動拳なのか――で光線を放ち、いっそ、ボディビルのようなポーズで光を放った方が世界観に合致したのでは、と思わずには居られません。
立て続けに詰め込まれた新要素、手から光線を放つ先輩を観客席から見つめる後輩3人、折角出てきたけどこれといって見せ場のない緑赤、と「どうしてこうなった……」が脳裏を高速で回転します。
「闇の雲よ……もっと……もっと大きくなるー!」
光と闇の波動の衝突によりマザーの求める闇の雲は急速に成長し、昆虫たちへの被害を食い止めるべく、その影響を一身に集める老師。昆虫パワーを宿した青は至高の筋肉が生み出す光のオラトリオで闇の波動を上回り、待ってましたと客席から飛び出した後輩達がダーグリフォンを撃破するが、限界に達した老師は遂に力尽きてしまう。
「戦士達よ……地球の……生命たちを、頼んだぞ」
あまりにも都合の良すぎるジョーカーキャラなので特別好きだったわけではない老師ですが、それにしても、酷すぎる最期(^^;
ダーグリフォンの恐ろしさや、拓也が苦渋の決断として光の波動の使用を選ぶ、という要素がもう少し強調されていれば違ったかもしれませんが、描写上はこれまで通りの都市破壊、最初から覚悟完了している拓也、すんなり同調する老師、と強調すべき部分が強調されない為に、何もかも画面の向こう側で勝手に進行。
「拓也……連れて帰ってくれ、あの場所へ」
という台詞は良く、“地球の命を守る為の戦い”において深く通じ合う拓也と老師というのは伝わるのですが、前作ならともかくスポット出演の今作にそれを持ち込まれても、話の軸がそこには無かったので、まるっきり劇的さを欠いてしまいました。どうしても老師を始末したかったのなら甲平達と絡めて語るべきだったと思うのですが、究極的には、ジョーカーである老師と先代3人@勇者キャノン持ち、というカードを葬り去る為のエピソードで、もはや彼らは、特攻魂を捨てられない過去の遺物、という事なのか。
「俺は……俺は泣かない。泣くもんか。敵を倒すその日まで、俺は戦う。戦い続ける!」
5人が老師の亡骸を囲んで涙にくれる中、ひとりインセクトアーマーに身を包んだままのカブトンは、決戦へ向けて意志を高めるのであった。
――後日、あの場所。老師の墓に手を合わせる拓也。
「世界中で、雨が降り続いている。まるで老師、あなたの死を、悼むように」
それは、そんなポエムな状況ではないのでは……。
「教えてくれ老師! ……俺たちは、甲平たちは勝てるのか?! メルザードに、闇の意思に勝てるのか?! 老師、老師ぃ!」
不在になった途端に急に皆がすがりついて存在感をアピールする、というのは某道士を思い出しますが、老師から帰る言葉はなく、そして雨が降り続く……。
「我が切り札は放たれた。いよいよ上がる、最終決戦の幕が。大いなる闇よ、我に力を!!」
43−46話でキャラとテーマ性を強く押し出した単発エピソードに秀作が続いた所で迎えた最終章、ラストパスを受けた宮下隼一が、きっちりと平常運行に戻してきました。
45−46話と重量級の2本が続けざまに放たれたので見ている側も眩惑されそうになりましたが、前2話が無かったと考えると、持て余されるキャラクター、軸が無いのに急に浮上してくるテーゼ、格付け不明瞭な新兵器での殴り合い……凄くいつも通りの『ビーファイターカブト』です。


◆第48話「BF基地(ビートルベース) 大爆破?!」◆ (監督:東條昭平 脚本:宮下隼一)
一週間、世界中でひたすら降り続く雨……それこそが、マザーメルザードが放った闇の切り札であった。熱を出して倒れたゆい、そして健吾と蘭の体内に、見たこともない細胞が発見され、世界中から同じ症例の報告が続々ともたらされる。
闇の雨を浴びた者の体内に根付く謎の細胞……前回、老師の死を看取る時にネオインセクトアーマーを着っぱなしだったので甲平だけは無事だったとされるのですが、甲平、ずっとアーマー着っぱなしで基地まで戻ったのか。そして、この1週間、一度も雨に濡れた事がないのか。
と、いきなり色々と無理のある展開。
ゆい達に根付いた闇の細胞を通してビートルベースの所在を掴んだマザーは、カマキリとハチにネオビートマシン破壊を命令し、精密検査中の健吾と蘭を残し、一人それを迎撃するカブトン。同時に、デズルとドードもBF基地に潜入すると小山内博士の身柄を拘束し、博士に変装したデズルは司令室のコンピューターを操作して、基地の自爆装置を作動させる!
PCを操作しているのは、洗脳した博士ではなく変装したデズルで、以前に占い師になりきって地上で工作活動していた事はありましたが、「兄者! この地上のパソコンというものは素晴らしいな!」とか、メルザードに持ち帰って自室でプログラムの通信講座を受けていたりしたのか。
世紀末では当然のセキュリティの起動により、BF基地の自爆まであと15分。しかもそれは、日本支部が自爆すると同時に、ネットワーク回線を通して世界中のコスモアカデミア支部(&ニューヨーク本部)の自爆システムが作動するという、世界同時自爆プログラムであった!
新帝国ビートルに、栄光あれーーーーー!!
どれだけ後ろ暗いんだ、コスモアカデミア。
物語最終盤、敵幹部の直接攻撃により大事な基地が大ピンチなのですが、とにかく敵の魅力が分散してしまっている為、それぞれの格が物語を動かす重要性と噛み合わず、盛り上がってきません。加えて頭数の始末をつけるだけでプロットが細切れになってテンポも悪くなるという悪循環。
拘束を脱した博士が司令室で自爆プログラムを解除しようと奮闘する、というのも何かも今更。
整備ドックでは、カブトンに攻撃を回避されて同士討ちの形になったハチとカマキリが、死を覚悟。
「こうなればネオビートマシンごと!」
「ビークラッシャーとして、栄光の死を!」
斜に構えた自信家集団→マザーの忠実な臣下→希釈しすぎて戦闘員同然、という変遷を得てきたビークラッシャーですが、紆余曲折のキャラ付け破綻の末、昆虫魂に目覚める事に。
「「うぁぁぁぁぁぉぉぉぁぁ!!」」
「待て! 待てー!」
爆弾片手に握ってよたよたと走るセミとカマキリ、それを追うカブトンの映像が悲しいほど間抜け……。
ネオビートマシンはBC爆弾を手にしたセミとカマキリの肉弾特攻により吹き飛ばされ、前半あれだけフォーカスされたネオビートマシンが、穴の空いた靴のように無惨に放り捨てられ、BC2名も殉職。今、私の頭の中でリピートしているのは、『機動警視ジバン』の主題歌です……!
なんとか世界同時自爆は解除した博士は、ゆいにビットと闇の細胞の分析データを託して脱出させ、自らはギリギリまでBF基地の自爆解除を試みる。
BF3人は基地に潜入していたデズル&ドードと野外で戦闘にもつれこみ、直接戦闘に参加したと思ったら、カブトランサーにぐっさり突き刺されるドード。最後の力を振り絞ったドードがカブトンの動きを封じ、攻勢にかかるデズルはしかし至近距離で銃撃を受けて後方に吹き飛んだ所、ドードに突き刺さったままだったランサーの反対側がぐっさり。じたばたしていた所を主従まとめてインプットライフルで消し飛ばされるという、ちょっと前例を思いつかないレベルの無惨な最期を遂げるのであった。
溜まりに溜まったツケが自棄っぱちを感じる形で次々と精算。
思えば、

『機動刑事ジバン』:大惨事
特警ウインスペクター』:続編の都合で微妙な事に
特救指令ソルブレイン』:大惨事
特捜エクシードラフト』:炎の黙示録
『特捜ロボ ジャンパーソン』:かおるエンド
ブルースワット』:大惨事
重甲ビーファイター』:炎の黙示録再び

と、杉村−扇澤−宮下時代(堀学校期)の《メタルヒーロー》シリーズ最終盤(最終回)といえば、ごく一部の例外を除いて大惨事をこそ基本とするので、90年代メタルヒーローの終焉を飾るには大惨事こそふさわしいという事なのか!
「デズル……デズル……おのれぇ……!」
BF3人はゆいと合流し、BF基地へとひた走る4人の目の前で、ブラックアカデミア日本支部、壊滅!
もはや乾いた笑いしか浮かばないのですが、博士はキャラ的にあまり死にそうにないので、ひょっこり出てきそうなのが輪をかけます。
そこへ最後の戦いを挑みにムカデが単身現れるが、闇の雨を浴びたその体内ではマザーの切り札――高性能の生体時限爆弾――が形成されている事が判明する。闇の細胞の正体はその爆弾であり、あと半日でゼロアワーを迎えて一斉に爆発するのであった!
「地球を滅ぼすのは人間だ。何も知らず気付かぬ内にに、自らの爆弾で、炎で、地上を破滅させるのだ。これこそ我が、闇の意思の最終作戦だ」
地球規模人間爆弾という作戦自体は面白いのですが、とにかく積み重ねの薄い作品という事もあり、メルザードらしさ・闇の意志らしさというのを感じ取れず、最終作戦としての盛り上がりは今一歩。
「あと半日の命か、ははははは、面白い! 今こそ我が使命を果たしてやる。虫けらどもを道連れに、地上を地獄に変えてやる!」
体内の爆弾の存在を知り、これまた昆虫魂をヒートアップさせるムカデは人格が破綻しすぎてもはや誰だかわかりません。第46話は46話で扇澤さんによる人格改造だったとはいえ、せめてもの一貫性を持たせるならこれはサソリの役割だったと思うのですが、今回のサソリは本拠地に立っているだけで、BCはひたすらに虚無。
「許さねぇメルザード! 人間は貴様等の、玩具なんかじゃない! 博士ばかりじゃなくゆいまで、俺の仲間達まで、許さねぇ!!」
「行くぞ、ビーファイター!」
単身突っ込んでくるムカデ、迎え撃つビーファイター、待ち受ける運命に座り込んで絶望するゆい、と、身内も人間爆弾に巻き込み、その恐怖を示すゆいちゃんの位置づけは面白いのですが、どうしてここでムカデを相手に引っ張るのか……と激しく困惑しながら、つづく。