◆#15「警察官の仕事」◆ (監督:加藤弘之 脚本:香村純子)
トゲトゲの毒により意識不明の圭一郎は緊急搬送され、付き添った咲也とつかさもその場で入院、警察戦隊が壊滅的な打撃を受けた一方、瓢箪から駒の成り行きでルパンコレクションを手に入れて気の緩むビストロを訪れたのは、ヒルトップ管理官。
見舞い用の菓子を買いがてら、是非ともお見舞いしてあげて欲しいと咲也の援護射撃をするも、
「無理です」
と即答され、思った以上に好感度低いぞ咲也!
「無理」は女性の拒否反応としては、かなり強い否定だぞ咲也!!
……にしても、ビストロに圭一郎達の入院を伝えるヒルトップは、そもそも捜査中に負傷した警察官の病室を一般人が簡単に見舞える体制なのだろうか(咲也とつかさが同室なのも、警護の都合なのでは……?)と疑問があったり(つまり管理官がわざわざ先に話を通している可能性)、どうにも胡散臭くてならず、情報伝達の都合による理由付けといえばそれまでですが、どうしても、部下の恋路を援護射撃するいい上司、と素直に受け止める事が出来ません(^^;
ビストロ組の様子を窺って泳がせているなら泳がせているで、何故そんな事をしているのか、というのがちっとも思いつかないので、単純に胡散臭く感じるという印象だけの話ではあるのですが。
性根に裏があるかはさておき、詳細の明かせないブラックボックスの塊を配備してくるどす黒い上層部と、それを使って最前線に立つ実働部隊の間に立つ人なので、まだ見せていない顔があるのでは、とどうしても穿った視線を向けてしまいます。
ストーカー候補生とのイベントCG回収は断固拒否だが、情報収集のチャンスを見過ごすのは惜しい、と角突き合わせた怪盗一味は、初美花と魁利がつかさのお見舞いに行く、という名目の妥協案を締結。
それにしても、毎度気軽に乙女に媚びの安売りを要求する魁利は、歴代戦隊男子の中でも屈指の駄目男ぶりというかピカレスク戦隊ならではの新しい駄目ジャンルというか、いつか痛い目を見てもいいのではと思います(笑)
一方の初美花は見た目アイドルだけど根がオタク気質なのでそういうのが苦手、と大切な友人絡みの回想シーンで示しているのは、ブレーキとして納得のいく部分。
かくして嫌がる魁利を連れて病院を訪れる初美花だが、受付で病室を問い合わせている内に魁利が姿を消してしまい、更に咲也とばったり遭遇。独り合点して見舞いを喜ぶ咲也だが「僕ちょっと行くとこあって」とそそくさと病院の外へ出て行ってしまい、悩んだ末にその後をこっそり追う事に。
一方、初美花を焚き付ける割に自分は警察の見舞いなどまっぴら御免、と姿を消して病院内をうろちょろしていた魁利は、土気色の顔で呼吸器を付け、ベッドに横たわる瀕死の圭一郎の姿を目にしてしまう。
「……え?」
魁利からすれば、入院といってもせいぜい骨折ぐらいでしょ、程度のつもりだったのかと思われ、ここで、全く想像の外のものを見てしまった、という表情が、同じ物語の中で同じく戦隊を冠しながらも怪盗と警察は全く違う立場にある、という事も改めて含んで非常に良かったです。
そして、命を賭けているのが別に自分たちの専売特許ではないと突きつけられてしまう、というのが実に強烈な展開。
「魁利くん?」
そこをつかさに見つかり、慌てて見舞いに来たと誤魔化す魁利。
「てか……あの人、どうしたの?」
「毒を喰らったまま、任務を続けたんだ」
「毒?」
「圭一郎は、時々、ブレーキが利かなくなるからな」
物言わぬ圭一郎の姿を見つめ……いつもの韜晦を出す余裕もなく、魁利は首を左右に振る。
「……や、……俺わかんないんだけど…………だって仕事でしょ? なんでそこまでして」
呆れればいいのか、驚けばいいのか、いっそ怯えればいいのか、理解を隔絶した存在を前にし、整理不能な感情が入り交じって、この言い回しも非常に良かったです。
「――みんなが笑って暮らせる日々を、守る仕事だからな。警察官は」
圭一郎の姿を見つめたまま、びしっと言い切るつかさも格好いい。
「……みんなだぞ。わかってるのか、圭一郎」
その言葉は横たわる圭一郎自身にも向けられ、ブレーキの無さと無軌道な自己犠牲を、つかさのスタンスからは否定的に扱う、というのは“仕事だから”という言葉の元に価値観を一つにまとめてしまうのではなく、個人の意志と価値観、そこに生まれるそれぞれの距離感を重視する、香村さんらしいバランス感覚。
その頃、病院を抜け出した咲也は、圭一郎の代わりに幼稚園に事件の解決を連絡していた。
「でも、まだギャングラーたおしてないんだろ……?」
「それは……うん。……でもだいじょうぶ。先輩が約束しただろ?」
倒れた先輩の代理を進んで務めようとする咲也がいい奴ぶりを発揮するのですが、しかし私はまだ、咲也には裏があると信じています……!
「僕たち国際警察が、絶対倒すよ」
咲也は怪盗ファンの少年に約束し、病院から後を追いかけてきた初美花は、思わぬ形でイベントCGを回収してしまう。
(各自、背景に花とか星とか背負いながら、キラキラした瞳で少年に優しく微笑む咲也のイラストをご想像下さい)
魁利と初美花がそれぞれ、“仕事でやっている”警察官達の想像もしなかった一面を見せつけられている頃、クラッシュ兄弟の持っていたコレクションの情報を話せば汚名返上のチャンスをやろう、とデストラさんから自前のコレクションを預けられたトゲトゲが、街で無差別毒針銃撃を開始。
時々、婚約者の次に大事なのはビストロなのではないか、というか、婚約者を取り戻した暁にはこのままオーナーシェフになれないかなーとか考えていそうな気配もある情報収集お任せで買い物帰りの透真がこの乱射事件に巻き込まれ、怪盗チェンジ。
単独変身で今頃気付きましたが、変身コード「260」で「ブルー」という事なのか! いつもの「010」は「レッド」という事だったのか! イエロー単独変身のコードを覚えていないのですが、「1?6」?
毒針を華麗にかわしながらVSチェンジャーの有効射程に飛び込もうとするブルー、調子にのってスタイリッシュ回避を始めるとまた、足をくじいて全身に毒針を浴びたりするのではないかと心配されましたが、今回は、ちっとも近付けないだけでした。
「うわはははは! 新たなコレクションを手に入れた、俺の毒針は、今までの10倍は飛ぶ! 近付けるもんなら、近付いてみやがれ!!」
ギャングラー出現の報は幼稚園にも伝わり、咲也は現場に向かう事を告げる。
「怪盗に任せればいいじゃん」
少年の言葉に微笑む咲也、負傷メイク×眉を隠す包帯×元々の目つきの悪さが悪魔の錬金術でベストマッチしてしまい、ものすっごく邪悪な笑みに(笑)
「心配してくれてるんだ。ありがとうな。でも、じっとしてられないんだ。お兄ちゃん、警察官だから」
目線を合わせて少年の頭をなでた咲也は立ち上がってびしっと敬礼し、くしくも圭一郎が幼年時代に出会った警察官の役割を担う事になる、というのが毎度ながら手堅い作りで外しません。
国際警察に戻った咲也が目にしたのは、既に装備に身を包んでいる最中のつかさ。
「つかさ先輩!」
「遅いぞ咲也」
「何考えてるんですか無茶ですよ! 先輩の方が重傷なのに!」
「圭一郎の馬鹿と一緒にするな。……可能な限り対策を考え、目標を倒し、無事生還する。それが我々の仕事だ」
病院でのやり取りも踏まえた上で、闇雲に勢いだけで突撃するのではなく可能な限り事前に頭を使う、目的を達成できればそれでいいのではなく生還するところまでが仕事、と言い切るつかさの警察戦隊における立ち位置も改めて明確になり、複数の価値観を織り交ぜながらチームアップしていく手法も香村さんらしい巧みさ。
「つかさ先輩……」
「君には後方支援を任せる。……射撃が得意なんだろ?」
「……はい!」
褒められて伸びるタイプです!
第6話に続いて、警察戦隊第二の山場となった今回ですが、圭一郎、つかさ、咲也、“それぞれの格好良さ”が描かれたのは大変良かったです。
また第6話の際は、圭一郎中心&古なじみのつかさとの間で問題がまとまってしまった部分があったのですが、今回はつかさが、軽薄なストーカー予備軍で困った奴だとは思っていつつも「遅いぞ咲也」と来るのを確信して支援射撃を任せる信頼感を見せ、そんな咲也はつかさの思い及ばない所で圭一郎の代役を務めている、とチームとしての形が一歩先に進んだのも秀逸。
その頃、延々と孤独なスタイリッシュ回避を続けていたブルー(無差別銃撃犯を足止めしていたと思うと、社会的貢献度は高い)の元に駆けつけた赤黄は、ギャングの口にした新たなコレクションの情報を得る。
「だったら警察来る前に、さっさと盗って、さっさと倒そう!」
「賛成」
「待て! 何を慌ててる?!」
赤黄は変身するや銃口の前に飛び出していき、瀕死の圭一郎を目の当たりにした魁利、普段おちゃらけている咲也の信念を知った初美花、二人と透真の情報量に明確な差が生じ、ただでさえ3人の中で最も警察サイドと接点が少ない透真と、残り二人との温度差がより広がったのですが、この温度差がどんな意味を持ってくるのかは、大変注目。
「悪いな。俺とあんたは相性がいいらしい」
イエローが挑発してトゲトゲを引きつけている間に、シールド発動したレッドは完全防御しながら間合いを詰めてブーメランで切りかかり、接近戦で足をかけて転ばせると銃を弾き飛ばすという立ち回りを見せ、一刀両断マジックアイテム化していたブーメランと、シールドという大型の装備を両手にしながら近接アクションしてくれたのは良かった。
そして倒れたトゲトゲの金庫を開けて中に手を伸ばすレッドだが……お宝を手にした瞬間、金庫内部に仕掛けられていた毒針を受けてしまう、という前回に引き続いての強烈なセオリー破り。
なんとかコレクションは回収するも、毒針の突き刺さったレッドは某ヒゲ長官ばりの階段落ちを披露すると変身解除で戦闘不能に。親分に再び取り入る為、警察だけではなく怪盗も始末しようとするトゲトゲに対し、一時撤退を促すブルーだが、あくまでも警察の来る前に決着をつけようとするイエローに銃口が向けられたその時――
「動くな! 国際警察だ!」
「……あぁん?」
全身に怪我を負いながらも銃を構えるつかさと咲也が現着する。
「国際警察の権限において、実力を行使する!」
「「警察チェンジ!!」」
迫り来る毒針を3号が警棒二刀流で弾き落とし、『無駄な抵抗はやめなさい』と喋るアイテム音声が凄くいい味(笑) そして2号が二丁チェンジャーで銃弾を浴びせるという前衛・後衛に分かれてのコンビ攻撃で善戦する二人だったが、負傷の影響もあって反撃を受けてしまい、ピンチに。
「惜しかったな……死ね」
しかしその時、真横からトゲトゲに銃撃が浴びせられ、そこにはVSチェンジャーとグッティを手に、しっかりと制服に着替えるも、まともに銃を構える事すらままならない圭一郎の姿が。
「圭一郎!」
「先輩!」
この呼びかけを耳にして、青に肩を借りながら撤退姿勢の魁利――同じ毒を受けて戦闘不能――の顔アップが入るのが印象的。
「どうして来た、まだ動ける体じゃ」
「お前達が言えた立場か」
「そうですけど!」
ここから、前傾姿勢・血の気のない顔・瀕死メイクにより炯々と輝く据わった目の圭一郎をカメラ寄せながら見せていくカットで、大・爆・笑。
いやなんかもう、笑う以外にこのシーンの受け止めようがなくて!
「俺たち国際警察が最も優先すべきは、この場でギャングラーを倒し、平和を取り戻す事。でなきゃおちおち入院も出来ん!!」
震える体から声を振り絞った圭一郎は、阿修羅の形相で遂に仁王立ち。
前回、圭一郎の孕む“危うさ”が描かれ、今回もそれをつかさが指摘しているのですが、さて物語としてはこの圭一郎の危うさを肯定的に描くのか、否定的に描くのか、或いは保留しておくのかと思っていったら……まさか、“突き抜けてくる”とは!
凄い、凄いよ朝加圭一郎!!
肯定も否定も超えてそれが朝加圭一郎であり、まさか人間を見て、派手すぎる火薬の爆発を見た時の気持ちで笑ってしまうとは、夢にも思いませんでした。
科学戦隊の火薬と同じレベルで爆発する男、その名は朝加圭一郎。
檄に応えて2号と3号は立ち上がり、第6話以来となるパトレンジャーソロ主題歌をバックに、圭一郎変身からフル名乗り。
「「「警察戦隊・パトレンジャー!!!」」」
「国際警察の権限において、実力を行使する!」
3人はグッティを使って久々に融合し、毒と怪我の痛みを分かち合う一致団結により、三分の一だからむしろ楽になった気がする、と揃って向こう側へ突入。
この世界の公務員はオカシイ……!と勲章そっちのけで逃亡をはかろうとするトゲトゲだが、ブーメランが一閃してその行く手を妨害し、くるっと回ってブーメランを手に取り、必要以上の言葉は口にせずに「アデュー♪」と背中を向けて去るイエローが格好いい。
元々、細身のルパンレンジャーとのアンバランスを狙った大型武器のブーメランなのでしょうが、回転キャッチが華麗にはまり、レッドvs怪人も合わせて、ブーメランのアクションに工夫があったのはとても良かったです。
動きの止まったトゲトゲを一撃ストライクして倒す事で、トゲトゲの能力だった毒は消滅。分裂した途端に一人だけ完全回復した1号は踊り出し、被害を受けた魁利や市民達も元通りに。
「……あがいたようだが、残念だったな」
4Kテレビで観戦していた親分は席を立ち、ゴーシュ、一応お伺いを立ててから巨大化。指示は出ていないけどいつも通りにやらないとへそ曲げるかもしれないし、かといって何も言われずにやるとますます機嫌悪くするかもしれないし、とゴーシュの対応も怖い&面倒くさい上司向けとなっており、前回−今回とかなり、絶対君主としてのボスの存在が強調されました。
警察戦隊はパトカイザーに合体し、射撃対決で押されると、クレーンとドリルを発動。
「おっと! そいつはクレーン&ドリル。いつの間に引き金付きになったんだ?」
ニンジンから、凄く不穏な発言が(笑)
現場の人間は装備品の子細は問わない、とクレーンを右腕、ドリルを左腕に警察武装してパトカイザーストロングとなり、「奴ら……いつの間にあんなコレクションを?」と、それを見上げる怪盗視点の言及が入ったのは、怪盗の目的意識はあくまでそこにある、という事がしっかり盛り込まれて良かったです。
ストロングは、クレーンで吊ってドリルで貫く、ボウケンスピリッツ溢れるお仕置きで、トゲトゲギャングをクリーニング。
「……ホント、よくやるよ」
口の端を歪めて呟く魁利の胸中に去来するのは、いったい如何なる思いなのか……。
後日、改めて幼稚園を訪れた圭一郎達の前に現れたのは、怪盗ファンから警察ファンに乗り換え、パトレン融号のコスプレをした少年。歓喜のハグをしようと待ち受ける圭一郎だったが、少年が飛びついたのは咲也、という安定のオチ。
「格好いい! 俺も大人になったら、警察になる!」
色々と立場があるので、「違う違う、あっち」と促す咲也、おいしい(笑)
「残念だったな、圭一郎」
「いや……これでいいんだ」
圭一郎は決して自分自身が報われなくても、みんなが笑って暮らせる日々を守れた事を喜び、少年をかまってあげる咲也も案外と子供好き?で、つづく。
前回の展開から、暴走という他ない圭一郎の在り方への疑念が提示されたり、それを補う仲間の存在がクローズアップされたりするのかと思っていたら、つかさと咲也の立ち位置は確かにクローズアップされたのですが、それ以上に、肯定も否定も超えて向こう側へ突き抜けてしまう圭一郎、という前回以上の朝加圭一郎大爆発に度肝を抜かれて予想の遙か上を行かれ、、面白かったです(笑)
前回に続いてバトルも警察メインという事で、怪盗の活躍は弱め、今回は正直踏み台扱いでしたが、各自がスタイリッシュアクションをそれぞれ見せた上で、ストーリー面では魁利と初美花(特に魁利)が精神的に強烈なパンチを貰う事で、警察を主軸に物語を展開しながら、怪盗の心理にとっても重要なエピソードにしてみせたのは、実にお見事。
覚悟がある・色々なものを捨てている・大切な人のための行動である、というのは、魁利にとってある種の心理的な免罪符になっていたと思うのですが、みんなの為というお題目に、本気で命を賭けている圭一郎の姿を見た時、魁利はその覚悟で後れを取っているかもと感じてしまう。
そして、「遊びじゃねぇ。命がけで」「俺たちはこれしかないから」快盗やっている魁利達にとって、「だって仕事でしょ?」を理由にしゃしゃり出てくるお邪魔虫だったパトレンジャーの、「仕事」に賭ける重さを知ってしまった時、その存在を、これまで以上に認めざるを得なくなる。
一方で、警察にとってはこれまで同様に、快盗は詳しい目的は不明だが世間を騒がす愉快犯でしかなく、両者は同じ土俵に上がる事ができない。
むしろ怪盗にとって同じ土俵で戦わない事こそがアドバンテージなのですが、そうはいっても男の子、ここまでの描写からも、兄への劣等感の影響も含め、負けず嫌いな所の見え隠れする魁利にとって、同じ毒を食らって身動きできなかった事で具体的な差を突きつけられたのは今後に影響を与えそうな出来事に思えるのですが、さてさて。
同時に、理解を深める事が必ずしも互いにとって幸せとは限らない……という危険性を、警察と快盗の関係は孕んでいると思うのですが、それを香村さんがどう調理していくのか、大変楽しみです。
初美花は現状、ストーカー予備軍とはいえ存外真っ当なお巡りさんを見殺しにするのが忍びない(初美花の本質的な優しさ、というのはいい加減信用しても良さそう)、と情に流されているのが主体のようですが、この二人と、それを知る機会を与えられなかった透真との温度差が、広がっていくかどうかも波乱要素としては楽しみ……次回、そんな透真回のようなので、果たしてどうなるか(さらっと情報共有される可能性もありますが)。
夢物語を現実にしようとする快盗一味が狂っているようで狂っておらず、どちらかといえば正気と狂気の間で揺れ動いている描写が続いており、香村さんはあまり「狂気」という要素は重視していないのかな……と思っていた今作ですが、それがここで、快盗から相対化する事で警察戦隊のヒーロー的「狂気」が炙り出される、という仕掛けは完全にしてやられて、この行き着く先がどうなるか、先へ向けた興味の深まる大変満足のエピソードでした。
あとデストラさん自前のコレクションがあっさり回収されましたが、デストラさん的にはコレクションよりもビークルの情報が重要だったようで、伏線をしっかり展開してくれて、今後の転がし方も楽しみ。まあデストラさんクラスになると、所持コレクションが2つ以上の可能性もあるな……とかは思ってみたりもしますが。
なんかほら親分が、「ふむ……余ったやつは全部おまえにやるぞ、デストラ」「え……」みたいな。
嗚呼でもこの千点頭脳電卓は帳簿付けがはかどって、つい頼ってしまうがこれでいいのかぁぁぁと日々悩む、デストラさん(苦労人)であった。