はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2019〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『獣拳戦隊ゲキレンジャー』感想・第23−24話

◆修行その23「グレグレ!スケ番キャプテン」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:荒川稔久
「浦島太郎ってのは、こんな気分か」
前回ラストでちらりと登場した、裸足で上半身裸の男が森の中を彷徨っている内に苦しみ呻きだした頃、臨獣殿ではクマ様が大暴れをしていた。
「悲鳴だ! 悲鳴が全然足りぬわ!」
「だから、マク様を甦らせてはならぬと!」
「夜通し暴れ続けて、まだ怒り足りないっていうの」
タカとクラゲを片手で放り投げるクマ様は、大変困った人だった。
普段、鷹だけにか高みから物を言う傾向のあるカタが、本気で嫌がっていて面白い(笑)
臨獣殿当主の座を賭けて正面から喧嘩を売った理央様は、クマの振るう爪にスーパーゲキクローの面影を見出し、クマの発する究極の臨気・怒臨気に敢えなく吹き飛ばされるが、むしろ喜びの笑みを浮かべる。
「これだ……これが欲しかったのだ」
一方スクラッチでは、ゲキレンジャー増員に向けてキャプテンに指名されたランがリーダーシップを発揮……しようとしすぎて、ジャンとレツを高圧的に指導していた。
「これからは、キャプテンの言う事に、24時間従ってもらいます」
権力を与えてはいけないタイプだった。
そこにヤマアラシ拳士が出現し、勇んで作戦の指揮を執るイエローだが、基本的に獣の勘で戦っているゲキレンジャーはかえって足並みが乱れてしまい、敗北。そして強烈な臨気を連続でツボに打ち込まれたイエローが、その作用により、グレてしまう。
古風なスケ番と化し、ゲキハンマーを振り回すランはスクラッチ内部で大暴れし、締め上げられる諸田課長(笑) そのままランはバイクで走り去ってしまい、ヤマアラシ拳士の気配に出撃したジャンとレツは、2人で戦いを挑む事に。
「それにしても、ランはどこへ行ってしまったんじゃろう」
「……あそこしかない。わかるの。私もかつて、不良少女とよばれてたから」
それがやりたかったの?!
「懐かしいわね、この空気」
自ら心当たりのある不良の溜まり場に乗り込んだ真咲はランを締め上げると、手に手に武器を握って色めき立つ男達を睥睨。
「関東スケバン連合、初代総長・真咲美希にたてつく気かい」
「まさか……あの伝説のミッキー?!」
「ざけんじゃねえ」
腰を抜かす男達を睨み付けて颯爽とランの身柄を回収し……よくは知らないのですが、真咲役:伊藤かずえさんが若かりし頃に出演して脚光を浴びたドラマ『不良少女とよばれて』(1984/大映)のパロディという事のようで、ラン回かと思ったら真咲回でした!
クラッチに連れ戻されたランはひたすら「心」という文字を書き続ける 拷問 精神修養によって、ビーストアーツに 再洗脳 再教育され、ヤマアラシ拳士をバイクで轢く事でヒーローとしてのイニシエーションを果たすと、ジャンとレツからの熱烈な大好きコールにハグを返してトライアングルを再結成。
「心ピカピカ……こんじょぉぉぉ!!」
により臨気を吹き飛ばして正気に戻り、主題歌が流れ始めるとなんでも盛り上がってしまうの、ホント、ズルい(笑)
そしてジャンとレツは、ランに説教されると喜ぶ体質に目覚めるのであった。
……ランでも真咲でもなく、脇に回っていたジャンとレツが一番、後戻りできない道へ踏み込んでしまったのはどういう事なんですか関係者各位……?!
「心技体、ゲキレンジャーは無敵よ!」
スーパー化した3人はバズーカ無用のトライアングルダッシュパンチでヤマアラシを撃破し、巨大化後はゾウファイヤーで撲殺。
前半のドタバタギャグ&パロディから、後半は人格改造を受けたランが“心”を取り戻して「……ワタ、シ……ハ……ゲキ……イエロー……!」する過程で心技体、三つ揃ってこそのトライアングルを再確認。そして一見忘れてしまったように見えてもランの心の奥には消せないピカピカがある……というのは、要するに第1話のジャンのラン版アレンジなのですが、第21話で必要だったのに放り捨てたものを拾い直しているといえ、改めて、スーパーゲキレンジャー変身は、3人個別のテーゼに則って描くべきであったな、と思います。
逆にこのタイミングで半分ギャグとはいえこうしたエピソードを持ってきたという事は、本来はそうしたかったのでは、という未練を感じなくもないですが。
もはや、未練、になってしまっているのが苦しい。
臨獣殿では、若社長を蹴落としたクマが新社長に就任すると激臨の大乱の再開を宣言し、怒臨気(どうしても、音から浮かぶ印象がエリンギで困る……)を身につける為、その風下に立って膝を付く事を理央は選ぶ。その姿を見ていられず背を向けたメレは、派手な衣装で怪しげな金髪男と廊下で遭遇。
「怪しい者ではございません。名前は仮に、そう、ロンとでも申しておきましょう」
「どうやってここに入ったの」
「いや、前からおりましたよ。耳寄りな話があるので……メレ様に、お聞かせしようと思いましてね。ふふふふ、ふふふふ」
顔を近付けメレに囁く謎の男……今作のネーミング傾向からすると、どう考えてもラスボス候補なのですが、果たして、課長補佐まで降格された理央様の立場はいかに?!
一方、勝利とランの復帰を喜んでいたトライアングルは、ジャンとレツがヤマアラシと戦う前に出会った狼男と再び遭遇。だがその狼男は、3人の目の前で浦島太郎……半裸の青年の姿になるのだった。
「……兄さん……ゴウ兄さん!」
なんとその青年は、死んだとばかり思われていたレツの兄?! と衝撃の発言が飛び出すのですが、お台場?の夜景をバックに半裸の男とレツが向かいあうという、どうしても笑ってしまうカットで、つづく。


◆修行その24「ガルガル!なんてこった、弟が!?」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:横手美智子
見所は、推定15年ぐらいぶりに再会し、40過ぎた(?)拳友の女性に開口一番、
「美希は……綺麗になった」
と言ってのけるレツ兄。
格好いい! 格好いいよ兄貴ぃ!
戦隊男子に革命を起こしそうな勢いの兄貴は、かつて事務所移籍しようとした理央を止めようと禁断の激気技を使って獣人と化し、それを最後に意識を失い、恐らく狼男として世界中を彷徨っていた為に10数年分の記憶が無いのでは、と判明。
「我々拳聖ですら人の姿を失い、不老という報いを受けた」
聖達も同様に禁断の激気技を使っていた事、そして、理央様いくつ?! と立て続けに衝撃の展開。
拳聖の獣人化は激臨の大乱絡みのなんらかの呪いだろうとは思っていたので、むしろさらっと自己申告されて拍子抜けしましたが、先日ジャンを「若造」呼ばわりしていた理央様、体脂肪が気になり始める年齢なの?! 回想シーンと見た目変わっていないので、黒獅子変身がゲキレンジャーよりも獣人化に近く、既に理央様も不老の存在なのか、或いは毎晩、寝る前にスキンケアを欠かしていないか。……まあ、最強を目指す理央様として、臨気を用いて肉体の若さをトップフォームに保つぐらいの事はやっていそうですが。
というわけで理央様の強さへの執着が、若さ故の焦りと血気よりも、より深く重く煮詰められた情念である事が明らかになって少し見方が変わってきそうですが、ジャンとの関係性も含め、今後どんな形で描かれていくか楽しみです。
「無茶と無謀は俺の戦術。幸運は俺の得意技ですよ」
拳聖に向けても物怖じせずに言い放つゴウだが、美希から「ゴウが自爆している内に理央は今では臨獣殿の首領」と世界の危機的状況を伝えられると共に、人が後進の面倒見たり新装備の開発に苦労している間に記憶失って放浪していた間抜けがどの口で幸運言っているんだコラ、と暗にたしなめられ、漂う、頭の上がらなかった感。
「約束したよな、レツ。おまえが何をやるべきか、どの道を進むべきか」
話題を変えたゴウはレツが激獣拳士となっている事に不満を示してシャーフーにも食ってかかるが、シャーフーはレツを激獣拳のエースと宣言する。
……ええと前回、ランをキャプテンに指名した結果、空回りとチームの不和しか生まないどころか、あわやラン永久追放という致命的な危機を招く大外れをやらかしたのになんの反省も見えないシャーフー、今回はレツをエースと表現し、信頼度が春山の雪崩のように崩れ落ちていきます。
「フ……参ったぜ。エース! ばからしい」
登場する度に師匠達(今回はレツを褒める役としてバットとガゼルが登場)への信頼度が落ちていくので、兄さんが正しく見えますね!
レツに対して厳しく当たるゴウだが、ジャンとランに心配されたレツは親代わりだった兄との美しい思い出を二人に語り……
(あの泣き虫が、エースだって? 参ったぜ。あいつに激獣拳は無理だ。そんな危険な事、向いているわけがない)
兄さんは勿論、重度のブラコンだった。
足音荒くスクラッチを出て行ったゴウは、クマの親衛隊であるヒヒと遭遇すると、紫の闘気を纏って生身で圧倒。
「おまえ、激獣拳使いの癖に、なぜ臨気を出す?!」
「俺のは臨気じゃない。かといって激気でもない。俺オリジナルの気、紫激気」
なんか滅茶苦茶な事を言い出しました。
「しげき?」
「フン、そう、俺の拳は我流。獣拳深見流、ウルフ拳!」


――獣を心に感じ、獣の力を手にする拳法、獣拳。
獣拳に、気がつくと三つの流派あり。
一つ、正義の獣拳、激獣拳ビーストアーツ。
一つ、邪悪な獣拳、臨獣拳アクガタ。
もう一つ、俺を愛する獣拳、深見流ウルフ拳。
戦う宿命の拳士たちは日々、高みを目指して、脱ぎ、回る!

実は第三勢力だったゴウは格好良く構えるが、謎の気配と共に漂ってきた黄色い靄に絡まれると頭を抱えて激しく苦しみ出し、再び獣人化。ゲキレンジャーがやってきてヒヒは逃走し、残ったブルーの前で人間の姿に戻ったゴウは、レツを、かつて兄弟が約束を交わした場所へと連れて行く。
「獣拳を学ぶということは、戦いの宿命に巻き込まれるという事なんだ」
自分に憧れ、獣拳を真似する幼いレツを諭すゴウ。
「おまえは、大人になっても、ずっと大好きな絵を描き続けるんだ」
廃屋となった教会で幼かったレツとの約束を回想するゴウは、ロケーションからいっても基本的には、弟の成長を受け入れる事ができない、現実に置いて行かれてしまった男の依怙地さと切なさを表現しているのですが、海外赴任から帰ってきたら身内がヤバい宗教にはまってしまったので必死に抜けさせようとしている姿に一定の説得力が生じてしまっている為、これ、ゴウの言い分の方が正しいのでは……? と思えてきて困ります。
そもそも、「戦いの宿命に巻き込まれる」という表現に見る、軽い気持ちでジムに通い始めたら、先祖代々の因縁を強制的に背中に乗せられた感。それは大事な身内の加入には反対します! ジャン、ジャン、ちゃんと契約書は確認したかジャン?!
(俺はもう、戦いの宿命に巻き込まれた人間だ。だがなレツ、兄さんはどこにいても、どんなに離れていても、たとえ側に居なくたって、おまえの事を思ってるぜ)
レツに背中を向けて去って行くゴウの独白は格好いいのですが、俺は俺が大好きだからそんな俺の血を引く弟がもちろん大好きだ! と僕は僕が大好きだからそんな僕が加わっているトライアングルが大好きだ! のシンクロ具合が、凄く、兄弟です。
「兄さんの気持ちはわかってる! でも……僕はもう子供じゃないんだ!」
激獣拳を辞めろ、という兄の命令を拒否したレツは、放たれた拳を受け止め、押し返す。
「兄さんの時間が止まっていた間も……僕は僕の道を歩いてきたんだ」
一方、ヒヒに苦戦中だった赤と黄はスーパー化して大ダメージを与えるも、ヒヒは何故か新たな臨気を放って再起動。そこに真咲からの連絡で駆けつけたレツがスーパー化し、ゴウはその戦いぶりを目にする。
「参ったぜ……これほどとは。――レツの戦い自体が絵になってる。あいつは獣拳で絵を描いている」
兄弟のアレっぷりはともかく、表現としては非常に格好いいのですが、これをそもそも過激気覚醒に組み込めなかったのが、実に惜しい……。
「最高の技でゲキレンジャーを引っ張る拳士、あれを、エースというんじゃ」
それらしい事を言ってまとめる猫ですが、今、私の中で物語開始以降最高に株価が下がっているので、若い頃の猫は、「僕の一番の恋人は君だけさ、ラゲク」「僕の最高のヒロインは君に決まってるよ、ミシェル」「ああハニー、僕のプリマドンナ」とかやっていたに違いありません!(風評被害
「……参ったぜ。あいつ、いつの間にかすっかり男になってやがったぜ」
ゲキブルーはジャガースペシャルでヒヒを撃破し、巨大化したヒヒのハイジャンプに対抗する為、ゲキバットを獣拳武装。物凄く禍々しい見た目のバットファイヤーは、空中グルグルパンチでヒヒを粉砕し、その戦いぶりを見たゴウは、一人の男として立派に成長したレツの選択を認めて和解するのであった。
ところが、ロンの助言を聞いてヒヒを見張っていたメレの目前で、怒臨気を発動したヒヒは強化復活。それに気付いた理央の背後をよぎった黄色い靄は密やかに笑うロンへと姿を変え、ヒヒヒの攻撃を受けて吹き飛ぶトライアングル、でつづく。
次回――紫色は、ジャスティスの色だ!!(断定)