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『獣拳戦隊ゲキレンジャー』感想・第30話

◆修行その30「セイセイでドウドウの女」◆ (監督:諸田敏 脚本:荒川稔久
クマにちょっかいかけられた理央は黒獅子モードで怒臨気を放つも苦戦。このままでは理央は死ぬ……とロンに囁かれたメレは戦いを止めに入り、ロンは段々、メレ様にしか見えない守護霊みたいになってきました!(笑)
(演出意図として、そういうものはありそうですが)
操獣刀の在処を掴んだ、というメレの言葉に理央も膝を屈して頭を下げ、メレは操獣刀の奪取に強い決意を燃やす……一方、その操獣刀はネコによってケンに預けられていた。
「おまえ、臨獣殿と戦うって覚悟が、明らかに足りなくねぇか」
「ふざけてる。絶対ふざけてる」
だが何かと態度の軽いケンへのメンバーの視線は冷たく、相変わらずの四面楚歌。レツに至ってはものすごーく嫌な感じで胸を突き飛ばし、4人+真咲+ネコで取り囲むのは、パワハラアーツ名物の新人への洗礼です。
この程度のストレスに耐えられないようでは臨獣殿と戦い抜く事はできません。
昔の偉い人は言いました。
パワハラの中に修行あり、じゃ。
囲みを突破して逃げ出したケンは誕生日の妹・幸子にプレゼントを贈り、会話で「恐竜や」のカレーネタ。この世界に謎のフィクサー(日本各地の結婚式を全て中止してもらうコネクションの持ち主)・介さんが居るのなら、かなりの確率でスクラッチの大株主に名を連ねていそう。
途中、メレの気配に気付いたケンは妹と別れ、操獣刀を欠けて一対一の戦いをする事に。
「姑息な真似は嫌いなのよ。欲しいものは、この手で堂々と掴み取る。操獣刀も、理央様の愛もね」
その戦いに、思い切り乱入して膝蹴りを決めるゲキバイオレット!
事前の会話は多分聞いてなかったから仕方なかったといえ、兄さん! 今、視聴者から兄さんへの好感度メーターが、物凄い勢いで下がったよ兄さん!
メレは撤収するがジャンは別のゾワゾワを感じ、気配の元に向かったゲキレンジャーが目にしたのは、ダチョウ拳士の遺した卵から生まれ、名古屋弁を捨てた真ダチョウ。先代ダチョウが受けたあらゆる攻撃を弾き返す真ダチョウだったが、初顔合わせのチョッパーのドリルフィンガーがクリティカルヒット
前回チョッパーがダチョウとの戦いに加わらなかったのはここで存在感を出す為だったようですが、先代は耐久力を超える攻撃を一気に叩き込んだら倒せてしまうし、真はダメージの最大値の問題ではなく属性が違うと特殊スキルを発揮できないしで、前後編扱いの敵にしては、ダチョウの臨技が大変微妙。
この理屈だと、「よし、前回のおまえはピストルで撃ってないからな(ばきゅーん)」でダメージ与えられそう、というか、普通にゲキバズーカで倒せそう(笑)
まあ激気研鑽の基本威力が高いという事ではあるのでしょうが、(一応)20話かけた過激気、ゴウの葛藤と関わっていた紫激気、と比べると、「天才」だからで済ませた激気研鑽の強さをそこまで素直に受け入れにくい、という心証の問題もあり、チョッパーを上げるつもりが、ダチョウが下がっているだけになっています。
あと、そこの青いのも実は先代ダチョウと戦っていないのですが、多分、似たようなものだから、という理由で赤黄と同じ攻撃カテゴリにされてしまっており、エース……えーすってナンダロウ、いったいなにがノコルンダロウ……大きな光が、飛んだり跳ねたりしている……あはは……大きい! バット・リーかな? いや違う、違うな。激獣バット拳はもっと、ばぁーって動くもんな!
で、ケンの場合は、天才だけど性格に難あり、という事で長短のバランスを取ろうとしているのですが、そもそもゲキレンジャー、社会0の野生児、権力に溺れたキャプテン、ファンタジック・ナルシスト、俺・オレ流と割と自由度高い為、ケンだけ不条理にしばかれているように見えなくもない獣拳の闇。
むしろ、まとめ役のお母さんであるランはまだともかく、自分大好きレツとゴウはどうして協調性だけ妙に高いのか、という序盤から中盤、話の都合でダッシュで処理してしまった部分の粗さが浮き上がってしまっているのですが、やはり尾を引いているのはトラック殺人未遂の一件であり、メンチカツの闇は深い。
或いは胸毛か、胸毛が悪いのか。
ところでこうして振り返ると、元々ランはそれぞれ尖ったジャンとレツを「心」で繋ぐ役割(三山戦で象徴される)だったのかと思われるのですが、スポ根路線で好感度を稼ぐ事に失敗(?)→お母さん路線に転向→(メレ様にヒロインの座を完全に奪われる)→支配欲と権力志向に覚醒、ってなんという闇のヒロイン。
ジーク・キャプテン!
……話は戻って戦闘中、奇妙な様子の幸子を目撃したチョッパーは戦線を離脱。「おまえら、3人で粘っとけ!」と割と酷い事を言って紫はその後を追い、幸子に化けていたロンから、人質にした幸子と操獣刀を交換するとケンが持ちかけられているのを目撃。人質救出の助力を申し出たゴウだが、鳩尾パンチで気絶させたケンは大事な妹を救う為にメレの元へ向かうと、理央様を救う為だとそそのかされ、心ならずも人質を取ったメレに、生身で一対一の勝負を挑む。
「やっぱりあんた……正々で堂々だな」
「なに?」
「あんた悪い奴だけど、なんとなく正々で堂々な香り、してたんだよな」
「うるさい!」
人質の利を活かさず、その勝負を受けて立ったメレは心中の葛藤から平静さを乱し、ケンは大胆に操獣刀を囮にした不意打ちで一本を取る事に成功。敗北を認めたメレは、いずれ必ず真っ正面から奪うと宣言して背を向けるが、そこで黒い囁きを吹き込むロン。
「何をしているのですかメレ様。あの小娘を殺しなさい」
ロンは理央の姿を取る事でメレの心の隙間につけ込み、自らの誇りと理央への愛、苦悩に引き裂かれたメレは、幸子を縛り付けた鉄塔を切り落とし、ケンから操獣刀を奪取。
「おめでとうございます。大変良い勝ち方でした」
目的を果たすも眉根を厳しく寄せ、苦悶するメレを見下ろしながら乾いた拍手を送るロンが、大変素晴らしくなってきました(笑)
そしてその拍手を浴びながら、メレは怒臨気に覚醒。
「おお、怒臨気! お見事ですメレ様。それでこそ臨獣殿の女にふさわしい」
下方では、川に落ちた幸子を紫がお姫様だっこで救出しており、絆ランクの上がったおっさんコンビはダチョウ戦に戻ると、5人で揃い踏み。怒濤の連続攻撃から最後はチョッパーのクルクルみじん切りでダチョウを撃破する。メレ様が怒臨気に飲み込まれた影響かバエの登場しない巨大戦では代わりに主題歌がかかり、実況=主題歌だったのか、というか、激獣フライ拳の特質を考えると、まさに実況=主題歌(勢いブースト)だったのか、という事実に震撼する中、ゲキゴリラはジャイアントスイングからの駄々っ子パンチで真ダチョウを粉々にするのであった。
理央同様、自分自身の弱さへの怒りから怒臨気に覚醒したメレは、反省部屋へ入れられていた理央を救出。そう――王子様は、自分で捕まえるのです。
「メレ……おまえも怒臨気を。フッ、その身に、黒い怒りを、纏ったか」
「理央様の心の雨を、いつか止ませる事が出来るなら……私は何にでもなります」
メレは理央に操獣刀を差し出して二人は獣幻郷へ向かうために臨獣殿を脱出し、さっきまで物凄くシリアスだったのに、理央様に声をかけられるや否や(きゃっ、理央様とハネムーン?)みたいな仕草を見せるメレ様の変わり身、あざとい(笑)
諸田さん、荒川さん、戦隊メンバーにも女子が居る事を、お忘れでは無いでしょうかでしょうかでしょうか……。
エピソードとしては、人質作戦を断行したメレ様を「卑怯」「卑劣」「やっぱり臨獣拳さいてー」と激獣拳サイドでこき下ろし、可愛く描き過ぎてきたメレ様を改めて「臨獣殿の女」として研磨して立たせ、臨獣拳という邪悪を強調し直した上で理央と一緒に地獄行へと踏み出させるのですが、その上でなお前回今回と、スタッフのメレ様への愛が大爆発。
何を捨てて何を得るのか、という葛藤と選択が丁寧に盛り込まれ、苦悶の表情をドラマチックに映し、己の未熟さへの怒りから怒臨気に至るという流れにおいて、キャラクターがとても大事にされています。また、理央様べったりの為に獣拳サイドとの絡みが薄かったのですが、ここでケンと多少なりとも絡みを作ってくれたのは、好材料
なお、おまけコーナーで、ゴキレンジャー、なかった、新生ゲキレンジャーは、「心技体」のトライアングルに、ゴウの「意思」とケンの「才能」が加わって「まさに無敵」と表現。トライアングルが綺麗すぎた為に無理矢理感は否めませんが、これはもう、仕方がないか。