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『快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』感想・第21話

◆#21「敵か味方か、乗るか乗らないか」◆ (監督:加藤弘之 脚本:香村純子)
「待ってたよ、快盗くん達」
帰宅した快盗を悠然と待ち受けていたノエルは、さっそくグッティとハイタッチ。
「君たちの華々しい活躍は、フランスまで轟いていたよ。これは僕からのご褒美。ほんの気持ちだ」
そして回収した二つのコレクションを、“予告状通り”にプレゼントし、3人を動揺させて場の主導権を完全にキープしてみせる。
「おまえ……いったいなんなんだ」
「俺らの事知ってたり、警察に逮捕された癖に、一緒に行動してたり」
透真と魁利の問いに対して含み笑いを浮かべたノエルは、その場で無駄にバック宙。
「ある時は孤高の快盗……ある時は、気高い警察官! しかして、その実体は! ――高尾ノエル。君たちの味方さ」
過剰に芝居がかった仕草に加えて、事あるごとに白い歯を見せつけるようにして笑うのが、実に良い具合に信用なりません(笑)
「ね……コグレさん」
「え?」
「久しぶりですね、ノエルくん」
ミノフスキー粒子のごとく不信を撒き散らすノエルが声をかけると、その反対側にはいつの間にやらコグレの姿があり、ここでコグレとノエルが同じ側ではなく、快盗達を挟んで正対する位置に立っているというのはなかなか意味深で、相変わらずグッティもコグレからは逃げるような対応。
「大丈夫、僕がついてる」
とグッティをなだめるノエルが一瞬コグレに向ける視線にも割と真剣みがあります。
「国際警察が、VSチェンジャーを使い始めたのは、君の仕業でしたか」
「え?」
「彼は、コレクションを改造する、エンジニアでしてね。私と同じく、ルパン家に仕える者です」
そんなノエルの素性はコグレがあっさりと明かし、コレクションを改造できるノエルはルパン家の関係者という、最も自然な形に。当代当主の可能性も考えていたのですが、この後のコグレの反応を見ると、そこまでひねってはいない感じか……?
そしてノエルがあくまで一エンジニアであった場合、コレクションを人間の手で使えるように改造可能なエンジニアを抱えているルパン家は何を考えているかというのが改めて不穏になってきましたが、後半に向けてルパン家にも物語内部での相応の役割を期待したいところです。
快盗の使うVSチェンジャーとジェットの類はルパン家に古くから伝わるものだが、ジャイロはノエル製と判明。
「国際警察がコレクションを持ってるという情報を掴んでね。潜り込んで、利用したんだ」
「利用した? 「された」んじゃないのか? 現に警察にも配備されてるんだぞ」
「申し訳ない。痛恨のミステイクだ」
笑って誤魔化したゾ(笑)
「僕の知らない内に、戦力部隊に送られていてね」
「ホント、酷い目に遭ったぜ」
……どうやらグッティ、友達のノエルに協力していたら、知らない内に眠らされて日本へ送り込まれていたらしいのですが、友達は、選んだ方がいいのではないかグッティ。
「どんなうっかりだよ」
「……しかも、ギャングラーと繋がっている疑いもあってね」
それ以上追求される前に、クレーンとドリルがギャングラーの手に渡っていた問題を、国際警察にスルーパスした!
「あれもおまえのせいか」
「ごめんごめん。だから、僕も現場に来たのさ」
そしてさらりと、恩に着せた!
「もう国際警察には、コレクションは残ってないしね」
「……なるほど」
口の端をねじまげたコグレが顔を横に向けたところでOPに入り、長いアバンタイトル約4分40秒、胡散臭さしかない!!
国際警察にVSチェンジャーが渡ったのはルパン家のエンジニアが関与していた為だが、当人は「痛恨のミステイク」「知らない内に」を主張、とよく考えなくても問題の根幹は何も解決していないのですが、そのミステリーを高尾ノエルというトリックスターに人格化する事で押し通す、という力技でフルスイングしてきて、両レッドに負けず劣らずノエルというキャラは大変そうですが、面白く転がってほしい。
翌日、白地に金のアクセントという、ド派手な制服で戦力部隊の部屋を訪れるノエルだが、いきなり3方向から囲まれ睨み付けられるフロントライン。
「率直に言おう。私たちは、おまえが快盗のスパイじゃないかと疑っている」
つまり国際警察の権限において、このまま衛星電話さえ通じない地下室へ連れて行って、“平和的”で“有意義”な話し合いをじっくりと行えるという事だ。
選択肢によっては命の危機待った無しながら、圭一郎らの詰問を柳に風と受け流すノエルは、全ての質問に対する解答を一切拒否。
「ただ、一つだけ。僕はコレクションを、人類の未来の為に役立てようとしている。ギャングラーを倒せる、装備を作ったようにね」
お婆ちゃんが言ってた。「超巨大コンピューターに「愛」とかインプットしてしまう人と、恥ずかしげもなく「人類の未来の為に」と口にする人は信用しちゃいけない」って。
悲しい中間管理職であるところのヒルトップが会話を打ち切らせるも、信頼できない同僚とは一緒に戦えない、と自分を曲げず直談判する圭一郎だが、ギャングラーの目撃情報がもたらされ、出動。そしてノエルは、その情報を魁利達へと流す……。
「どうする、この話。乗る? 乗らない?」
早速のノエルの内通を知らず、パトレンジャーはダムを崩壊させようとするカバギャングに立ち向かい、今回の金庫は一つ。ただ大口開けたカバの頭部が左右の胴体を構成し、その片方の口の中に金庫があるというデザインは、金庫二つ持ちの可能性もあったのかなと思ってみたり。まあ、毎度コレクションの能力を二つ見せるのも大変そうなので、やはり二つ持ちは節目の敵だけになりそうでしょうか。
ノエルの持ちかけてきた話に乗ったルパンレンジャーが参上し、戦闘員も現れて三つ巴の戦いに突入。コレクションの能力で鋼鉄化するカバだが、桃と緑が怒濤の攻撃を浴びせている間に、レッドが画面下の見えない所でコレクションをこっそり回収(笑)
「間抜けの極みだな」
カバは成り行きにより、今作ではかなり珍しいW戦隊6人の連続攻撃を受ける事になり、最後は警察ストライク。その金庫は勢いあまってダム湖の中に落ちてしまい、逃げた快盗をパトレンジャーが追っている間に、水底に沈んだ金庫を見てゴーシュが悩む、というちょっしたギャングシーンが挿入されました。……まあ、ゴーシュの愛嬌で展開の都合を誤魔化しているのですが、本当はパトレンジャーは、快盗よりも金庫を優先して回収しなくてはいけなかったのでは。とはいえ追跡と回収を手分けした場合、確実にダムの底へ潜る係となったパトレン2号がゴーシュに銃殺されていたかもしれない為、結果的には3人で追いかけて良かったですが。
一方、軽快に先を行く快盗達の前に、売れない手品師のようなど派手な銀色のシルクハットと燕尾服に身を包んだノエルが姿を見せる。
「では――情報量を払ってもらおう」
「うちらの味方じゃなかったの?!」
「さっきまではね。今は、快盗からお宝を奪う、快盗さ」
ノエルはルパンXに変身すると、追いついてきた警察3人が困惑して見つめる中、コレクションを奪い取ろうとルパンレンジャーを攻撃。
「やるねぇ。でも、ここで負けるわけにはいかないのさ。これでも、国際警察の一員だからね」
3対1でも優位な戦いを見せたルパンXは、レッドに蹴り飛ばされると、聴衆を意識したわざとらしい語りからパトレンXに警察チェンジ。
「気高く輝く警察官――パトレンX!」
パトレンXの名乗りポーズの最後、投げキッスめいた仕草は何か既視感あると思っていたのですが……激獣拳一のファンタジスタ・大輪の華のEDのポーズと近い路線を感じます(笑)
表裏比興のテクニシャン・パトレンXが武器をモードチェンジして快盗めがけて突撃する所で例のパノラマカメラに切り替わり、突撃から回転のスピーディなアクションを広い画角で収めたのは、銀→金へのスタイルチェンジの印象も強くなって効果的でした。
「誰かと違って、卑怯なお巡りさんだ」
「ごめんね。平和な未来の、ためなんだ!」
コレクションを強奪したXは高々と両手を広げ、いかにも上っ面な語り口に役者さんの声質が絶妙にはまり、胡散臭さが青天井(笑)
そこに忘れられていたカバが巨大化して出現し、Xは2号と3号に電車ビークルを渡して連携バトル。黙り込んでいた1号も警察ビークルを起動して参戦し、ゴールド機関車と1号ビークルの並走シーンが格好いい。
「いいのかい? 信頼できない、僕と一緒に戦っても」
「……」
公式サイトによると、佛田組に電車の好きな方が居るそうで、力の入った巨大烈車特撮となり、最後はパトカイザートレインズの電撃パンチでデリート。
「僕を信じてくれるんだね。……でも、僕は僕のやり方を貫くよ?」
「わかっている。俺は平和の為に戦おうとする、おまえのその覚悟だけは信じたい」
「……メルシー」
二人はひとまず握手をかわすが、快盗相手には白い歯をくっきり見せつけていたノエルが、警察サイドでは口角だけを吊り上げた笑いを多用し、ただ双方に対して胡散臭いのではなく、場に応じて変化をつけた二重三重の胡散臭さの見せ方が秀逸。
「僕も信じますよ、ノエルさん。一緒に頑張りましょう。ね、つかさ先輩」
ルパン家の関係者でもある露骨に怪しい人物が登場し、そろそろ、咲也は純粋に人の好い(そして少々流されやすい)後輩キャラである事を認めざるをえないようですが、しかしあまりにも切り替えが早すぎて、警察側の仲介役としてノエルを信じているアピールをする役目にも見えます!
「……仕方がない。とりあえずだ」
メンバーの中では最も疑り深い位置づけになりつつあるつかさは半分背を向けたまま不承不承頷き、なにはともあれ戦力部隊に受け入れられるノエル。
「丸く収まりそうダネ」
「良かったです」
上司と事務方はホッと胸をなで下ろし、夕陽に照らされた部屋の中で、圭一郎とノエルはお互いの手を握り合い、握りしめ合い、握り潰さんばかりの勢いで力を入れながら、乾いた笑いを共に浮かべるのであった。
ノエルの「平和な未来のため」発言はあからさまに上っ面めいているのですが、圭一郎が圭一郎でそれを頭から信じているのかというと断定はしきれず、VSルパンレンジャー〜巨大戦冒頭まで、パトレン1号の姿(仮面)+無言により、表情を見せない事でどちらに転がっても大丈夫なようにしておく、という形で戦隊ヒーローの特性を活かしている勘。
「信じている」かはともかく、「信じたい」は本気に思えるので、この先、圭一郎の異常な真っ直ぐさがノエルの心を動かす、という形もありそうですが。
あと、ルパン本家そのものが不穏な目的を持っていると考えた場合、やり方はともかくとしてノエルが、本家に忠誠を誓っているように見せて実は本家の野望を阻もうとしている、という可能性も考えられたりで、その場合は全くの虚言では無いというのもまた、ありそう。様々な謎と思惑がますます拡散しておりますが、主要キャラの発言の裏を常に読まないといけない、というのはやり過ぎるとストレスになったり何でもありになってしまうので、ある程度の時点でノエルの目的に関するガイドラインは設定してほしいところ。
その夜、快盗レストランでは、ルパンレンジャーとルパンXの戦いは、ノエルが国際警察の信用を得るための茶番劇であった事が明かされる。
「どうする、この話。乗る? 乗らない?」
極めて胡乱な協力者、高尾ノエルと手を組むか組まないか――。
「うちらもノエルさんの事、信用していいの?」
「……とりあえず、コレクションが破壊されるリスクが減ったのは有り難い」
「信用するんじゃなくて利用する。そんくらいの覚悟で付き合うしかねぇな」
圭一郎達がそれでも「信用」を軸に置いているのに対して、あくまで「実利」を軸に置くのが快盗らしいのですが、そもそもルパンレンジャーはルパン家に取ってコマであり、ルパン家の関係者が直接出馬してきた事で、ルパン家と快盗戦隊の関係性がどうなっていくのかは、楽しみな所です。
そして、回収したコレクションを手に夜の街を闊歩するノエルの前にコグレが現れ、ノエルはコレクションを手渡す……寸前にすかす。
「その前に少し……お話しましょう」
コグレは顔をしかめ、二人の関係や如何に、でつづく。
前回の雰囲気から、ノエルはもっと双方にいい顔をするキャラクターかと思っていたのですが、快盗サイドではコグレにより身分を保障された上で積極的に有効な態度を見せ、警察サイドでは守秘義務を盾に情報提供を拒否。表向きはルパンレンジャー寄りの立場と位置づけて露骨に偏らせる事で、かえって「実は……?」と視聴者に疑心暗鬼を生じさせる作劇が憎らしい。
上述したように、胡散臭さの風呂敷をあまりに広げすると、なんでもありのアクロバットがかえって面白くなくなってしまう事があるので、どこかである程度のフィールドとルールを設定して、その中での華麗なアクロバットを期待したいです。
ところで、OP終了後の提供あおり、たまに本編のネタバレを含むので目を逸らして読まない事にしているのですが、視聴後にクレジットの確認がてら見てみたら、

ノエルはルパン家に仕える人だった?!
国際警察ではどんな言い訳を?

って、「言い訳」と断定される、結構酷いあおりだった(笑)
次回――「人生に恋はつきもの」。
なぜそこ可愛く言うんですか安元さーーーん。
どうやらしばらく、ノエルがメンバーを懐柔していく編?に入りそうですが、既にOPでトンデモギミックが披露されているXロボがどう描かれるのか、楽しみ。