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『快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』感想・第25話

◆#25「最高に強くしてやる」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:香村純子)
OPの映画宣伝映像に出てくる、ルパンカイザーフェニックス的なの、格好いいなぁ。初めてルパンカイザーを、格好いいと思いました。
前回ラストで超巨大化を見せたライオンは、二大ロボを蹴散らすとエネルギー波で周囲を吹き飛ばし、今作史上最大規模の広域破壊。
「ライモンが本気出せば、世界の一つや二つ、あっという間になくなっちゃうわ〜。人間どもはどうするかしらね」
「さーて……面白くなってきた」
ドグラニオ邸ではこの光景を上層部が興味深そうに見つめ、ライオンの凄まじいパワーを余裕で愉しむボスの底知れなさが補強。やはりボスには、強大で凶悪で残酷な路線でいってほしいなぁ……。
なんとか退却に成功した警察戦隊は、被害報告に唇を噛みしめながら連絡のつかないノエルを心配していたが……そのノエルが目を覚ましたのは、物凄く殺風景な魁利の部屋。
仮住まいといえば仮住まいなのですが、実質、カーテン・ベッド・テーブルしか無い部屋において、ベッドとテーブルの間の空白が強調された映像が、魁利の心の空虚を示しているようで、大変寒々しく感じさせます。またここで、以前に登場した雑然と(モテたい!)というオーラが拡散していた咲也の部屋との対比がより虚無的な印象を強め、効果的に。
包帯グルグル巻きのノエルはテーブルの上の写真立てに気がついて手を伸ばし……
「これは……魁利くん(がコグレと東京ディズニーランドでミッキーの耳をつけて満面の笑顔でパフェを食べている写真?!)」
とかでなくて良かった。
「勝手に見んなよ」
「ごめんね……とっても可愛かったから」
真面目な話としては、魁利の数少ない私物がお兄さんとの写真で、それがいつでも確認できる場所に置いてあるというのは、実にきつい。……まあ、机の引き出しの中にダンベルの一つや二つ、入ってないとは言い切れませんが。だって雑誌に、「夏の海ではやっぱり筋肉!」て書いてあったから!
「庭にでも転がしときゃ良かった」
今回の、妙に好きな台詞(笑)
僕を信用してくれないのかい、と嘯くノエルにお互い様だと返した魁利は「利用したりされたりの関係」を強調して部屋を去って行き、考え込むノエル……翌日、再びザミーゴに共同戦線を持ちかけるライオンだが、ザミーゴは勧誘を拒否し、更に挑発。
「おまえは俺を自分の手の内に置きたいんだ。おまえのコレクションは、俺には通用しないから。はははははははははははは!!」
怒りのライオンは背後から攻撃を仕掛けるが、ザミーゴはそれを身軽にかわすと追撃も受け止め、両者の視線が至近距離で火花を散らす。
「その短気……直した方が身のためだよ。ふふへへへへ」
ザミーゴは正体を現し、以前にモササウルスかイクチオサウルスあたりの意匠も入っているのでは、というコメントをいただきましたが、改めて見ると確かに、腰から左右下に広がっているパーツは、大きく広げた歯の並んだ口に見えてきます。そして凄く今更ですが、ザミーゴとボスは、“帽子をかぶっている”点において、警察&快盗と共通のモチーフが入っているのか。
出番不足が心配になるザミーゴですが、氷片手にはったりの効いた芝居でライオンと渡り合い、少ない出番でしっかりと印象を確保してきました。趣味は利きロックアイスです。
ライオンvsザミーゴ、この喧嘩が国際警察の監視網に引っかかり、パトレンジャー出動。一方、なんだかんだ「おはー」とノエルを朝食に呼びに来る魁利だったが、部屋はもぬけの殻。
階下ではきっちり、ホテルのブレックファースト的なものが4人分用意されていて透真ーーー! ジュレではこれぐらい当たり前なのか、今日はちょっと気合い入れてみたのか、気になります。
まあ透真さん、「体は資本だ。俺たちが快盗である限り、お前達に必要な栄養素を不足させる事など絶対にない」とか1日3食バランスのいいメニューを考えていそうなので、買い出し(サボり)のついでにホットドッグの買い食いとかして、魁利はたまに透真にマジギレされるのです。
突如現れたコグレが快盗達にライオンの居場所を伝え、喧嘩の現場に駆けつけた警察戦隊は、ザミーゴともちらっと顔合わせ。
「国際警察の権限において、実力を行使する!」
一斉射撃をものともせず、爪の一振りでパトレンジャーをまとめて吹き飛ばすライオンだが、その間にザミーゴは姿をくらませてしまう。
「馬鹿の相手は頼んだぜ。人間ども」
憤怒のライオンはまず人間社会にその牙を剥く事を決め、猛攻に苦戦する警察戦隊は一気にバイク&援護射撃ストライクで仕留めようとするが……仁王立ちでその直撃を受けたライオンのダメージが、瞬時に回復してしまう!
ライオンが持つルパンコレクションの能力とは、超回復。そしてザミーゴの凍結能力(?)が、超回復さえ無効にするというのが今回久々の登場でわざわざ強調されたというのは、快盗の目的にとっては不穏、ひたすら不穏。
「良かったよライモン、まだ倒されてなくて。そのゴールドの金庫に、大事な用があってね」
超回復能力と絶大な攻撃力を併せ持つライオンに、かつてなく苦戦するパトレンジャーだが、そこに傷だらけのノエルが現れ、快盗チェンジ。
「孤高に煌めく快盗――ルパンX! 予告する……君のコレクションは、必ずいただく」
ライオンの猛攻を受けながらも足技から懐に飛び込んだルパンXは、快盗スマホでなにやら金庫を解析するもチャージ技を受け、変身解除から階段落ち。ライオンが再び警察戦隊と戦っている内に、現場へ現れた快盗がもろに素顔なのは気になりましたが、この後の芝居が長めなので仕方が無かったか(^^;
傷だらけでスマホを広げるノエルに突っかかろうとする魁利を、エンジニアとしてのノエルの能力を知る透真が止める、というのはまず良かった。そしてノエルは、入手したデータから、ゴールドの金庫は暗証番号が6桁である事を突き止める……つまり、同時に2つのVSビークルを使えば、解錠可能。
「それを調べるためにおまえ……一人で」
「なんであんたがそこまで。そういう捨て駒的な仕事させる為に、俺等雇ってんじゃないのかよ」
「…………僕も君たちと同じだからさ。僕にも……取り戻したい大事な人が居る。だから快盗になったんだ」
ここでノエルが、“魁利達と同じ立場に居る”というのはどうも出来すぎには思えるのですが、珍しく感情を表に出して正面から迫る魁利に対して、この告白の際のノエルが目を逸らす、というのはむしろ真実のサインと見るべきなのか。
「……魁利くん? これで信じてくれたかな?」
軽い口調になると目を合わせ、今度は魁利の方が視線を外すと立ち上がって背を向け……面倒くさいなこの二人!(笑)
「そういうの自分で言うのが信じらんないんだよ」
「……そうか」
「……でも、命を張る覚悟があるのはわかった。……信じてやるよ、快盗としてはな」
半身ながらも魁利はノエルの“快盗として”の覚悟を認め、4人は情報を交換。そろそろ上でパトレンジャーのHPが尽きそうになっていた所で、ダメージの大きいノエルを残し、快盗戦隊が参上する。
「予告する――あんたのお宝、いただくぜ」
地味に凄い動きをしているのは戦隊あるあるですが、CM明け、赤とライオンが鍔迫り合いしている所に、後ろから振ってきた青がライオンの後頭部を蹴り飛ばしながら転がり着地、って実際に踏んでいても踏んでいなくても、結構凄い事しているような。
パトレンジャーとの戦闘の消耗を感じさせないライオンに赤が囮となって食らいつき、青と黄がダブル解錠を狙うが、力尽くで振り払われた上にライオンミサイルを受け、戦闘不能に。
「へっ! 貴様等如きの思惑に、この俺様が気付いてねぇと思ったかぁ?! ひゃーはっはははははは……!」
「ならしゃあない。俺一人で、やるしかないな!」
赤はシザーを発動してブーメラン&シールドで切りかかり、苦戦しながらも果敢に一人で立ち向かうルパンレッド……その戦いを目にする、つかさ。
ルパンコレクションの為に“命を懸けてしまえる”ルパンレッドの覚悟を知るつかさは、一つの決断をする。
「ルパンレッドを援護する」
ライオン強襲で続いた事で、事件後のビストロ的なシーンが無かった為、前回の魁利(ルパンレッド)×つかさ(パトレン3号)の関係性の変化が何となくふわっとしたままだったのは、共闘展開の布石だったというのは非常に上手く繋げてきて、カメラがつかささんにグッと寄った所で、おおお、と思いました。
またエピソードの構造としてノエルと魁利の関係が軸となり、一生懸命戦っていたパトレンジャーが真打ち登場の前座扱いになるのは仕方ないけど嫌だなぁ……と思っていたので、パトレンジャー側が共闘の決断をする、という場面に転換点として劇的な焦点がしっかり当たり、この後もその協力に大きな意味があったのは、バランスとして非常に嬉しかったです。
「……先輩!」
「……何を言い出すんだ。快盗に手を貸すなど、警察官のする事では!」
「今最も優先すべきはライモンを倒す事。――違うか」
女性メンバーとしては初美花が優先されそうだし、演技の幅も初美花(役)の方が広そうだし、W戦隊構造で埋没しない為の掴みのキャラ付け(男言葉)に引っ張られて、かえってそれ以上の色を出しにくいのでは、というのを前半からつかさに関して心配していたのですが、ここで視線の圧力が強い圭一郎を、眼力でねじ伏せてみせるというのは大変良い芝居でした。
最初に第4話でつかさのキャラクターの方向性を演出したのは中澤監督でしたが、「生きて帰る」だけではなく「生きて帰らせる」為に、時に朝加圭一郎と正面からぶつかり合える、明神つかさという存在がここに確立。恐らくそこには、圭一郎を止める事が出来なかったクレーン&ドリル回の自戒が強くあるのだろう、というのも流れとして綺麗。
「……確かに、快盗がルパンコレクションを回収してくれれば、ライモンの治癒能力は失われる。攻撃が効きます!」
「使える手は、なんだって使うべきだ」
ルパンレッドvsライオンの戦いを目にしたつかさの視点が前回と重なっている事を考えれば、スタートは明らかに、「ルパンレッドを死なせない為に」という情にウェイトがあるのですが、ここですかさずそれを圭一郎を説得する為の理に繋げてみせるのが、つかさの頭の回転の速いところ。
咲也の柔軟さも含めて、登場人物がしっかりと頭を使ってくれるのが気持ちがいい(「愚か」か「賢い」かではなく、「使う」か「使わない」かの問題)。
「………………ぅぁぁ! …………わかった」
そして圭一郎もまた、頭の回転は人並み以上に速いわけで(基本、エリートなので)、それでも苦渋の決断となるのは快盗(犯罪者)と協力するのが倫理的に受け入れがたいというのが勿論あるでしょうが、自分たちの力だけで人々を守れない弱さに対して自分自身を許せないタイプでもあると思うので、この調子でストレスが蓄積されていくと、夏休み中に滝行とかしそう。
あと実は割と、メンバーの中で「力が欲しいか?」に「はい」を押しそうな人材なのではないか、という気がしてきました(笑)
快盗との共闘を決断したパトレンジャーは、ライオンに投げ飛ばされたルパンレッドをかばい、援護射撃。
「手を貸す。必ずコレクションを取れ!」
地面に転がっていたルパンレッドは3人それぞれに視線をやり、最初に言葉をかける3号、頷いてみせる2号、背中を向けたまま無言の1号、と三者三様の態度ですが、3人の正体を知っている魁利には、それがどんな光景に見えるのか、お巡りさん達の姿に何を思うのか、そんな事を考えると実に痺れるシーン。
「…………了解!」
軽く苦笑したルパンレッドはマスクの帽子部分に手をやって承諾し、ライオンに挑む4人。1号が懐に食らい付いた所でルパンブルーとイエローも復帰して両腕をワイヤーで拘束し、桃と緑が協力してそれを補助。
ここまで鮮やかな共闘連携を描いた上でなお、完全な拘束を許さずにワイヤーごとW戦隊を放り投げようとするライオンの強敵表現が実に素晴らしいのですが、W戦隊の共闘に説得力を与えると共に今後のハードルを物凄く高くしているのが少し心配(笑)
金庫目がけて突撃してくるルパンレッドに対して切り札の隠し腕を繰り出すライオンだが、弾き飛ばされたジャイロビークルを空中で回収したのは――ルパンX! 隙を突いて1号が隠し腕も押さえ込み、そのままの勢いで飛び込む赤と銀。
「「ルパンコレクション、いただくぜ!」」
コレクションを奪うや否や炸裂する、両サイドからの回し蹴り(ダブル赤)&正面からの蹴り(銀)という、三人同時キックがまた、格好いい。
「助かった。ありがちゅー」
「こちらこそ、メルシー」
ルパン赤は顔を横にしながらも、赤と銀はハイタッチをかわし、その姿をホッと見つめる桃。
……実は前回、ラッキーを使い果たして植物化した快盗赤を見ての「ルパン、レッド……」という呟きに、マンガ『闇のイージス』(作:七月鏡一/画:藤原芳秀)における守渡洋子の「そんな…そんな生き方があるっていうの……闇の……イージス…!」と似た気配をなんとなく感じていたのですが(大変通じにくいたとえ)、これは、もしかして、ひょっとするとひょっとする?!
いやまあ、基本的につかさの決断を支えたのは、前回、快盗の命を賭す覚悟を肌で感じた事により、犯罪者とはいえルパンレッドもまた、「死なせてはいけない」対象であるから、という事であり、それを「生かして帰せる」事にひとまず安心したのでしょうが。
そしてこのルパンレッドの覚悟をつかさが、お題目でも絵空事でもなく肌感覚で本物だと理解できたのは、身近にブレーキの利かなくなる男・朝加圭一郎が居たからなわけですが、気がつくとつかささんが、「放っておくと死にそう」な両レッドの面倒を見る係になってしまったのは、一体どう転がるのか。
…………あれ、なんか凄く、つかささんとデストラさんがお似合いの気がしてきたゾ(待て)
たまの休暇、気まぐれに化けの皮をかぶって人間界の観察に出たデストラさんが、同じく休日のつかささんが落としたレアぬいぐるみを拾った事から二人は思わぬ冒険に巻き込まれ、な話とか凄く見たくなってきたのですが、どうすればいいですか。東映にお手紙を送ればいいですか。
ええまあ、妄想はひとまず脇に置きまして、コレクションを奪われて七つの銃口を向けられたライオンは固有能力で自ら巨大化し、そこにぶらっと飛んでくるグッティ……を巡って早速始まる奪い合い。桃と黄が両レッドを引きはがし、1号にがしっと決まる3号のアイアンクロー(笑)
「よーしわかった! こうなったら、みんなの力を合わせちゃおうぜ」
「出来るのかい? グッドストライカー?」
「任せときな。ルパンコレクション強くするコレクションの名に懸けて、最高に強くしてやるぜ」
適当な事を言い出したグッティですが、そういえばそんな設定でした。
というわけで割と勢いで、ジェット3+カー3+トレイン4+ニンジン1の都合11台のビークルが超越X合体ム、グットクルカイザーVSXが完成する!
……このニンジン、しれっと自分の名前を頭に入れたぞ。
「じゃーん!」
「でけぇ……!」
2クールの締め、折り返し地点で遂に登場した快盗×警察共闘合体は、オーソドックスな下駄型強化ながら、両下駄のサイドにマグナムと警棒が光り、右手はブレード、左手はキャノン砲、左右の肩からバルカン砲と丸鋸が伸びている、という物凄い殺意の高さ。
「すごーい! ホントにみんな合体しちゃった!」
「これでデカさも負けてない!」
そう、デカさは強さで、これが快盗と警察とコウモリ、響き合う8つの魂から生まれた絆の力だ!
「いいな快盗! ここは俺たちに従うんだぞ!」
「なんであんたに命令されなきゃいけないんだよ」
…………きずな?
これはきずなですか? いいえ、ペンです。
「席、替えます!」
「「え?」」
当然のように揉めていた最上階の二人だが、グッティが強健発動して1号と3号が入れ替わり、改めまして……
「さあ! 力を合わせて……行くよ!」
立場を考えるとそれしかないのですが、しれっとセンターに陣取るXの音頭で起動したグットクルカイザーVSXは、ビル街をリングとして派手なCGバトルでライオンと激突し、全身の武装を駆使してライオンを追い詰めると、トドメはビークルクラッシュで粉砕。
劇場版合わせの意図もあったのか、フルCGでぐにぐに動いたグッと来るカイザーですが、デザイン的にはこれ、人が入って動けるのでしょうか……?(^^; まあ、共闘合体をお約束にはしてほしくないので、ここぞの山場でしか使わないのがむしろ前提、ならそれはそれで嬉しいのですが。
「永遠に……」
「「アデュー」」「任務か……え、ええっ?!」
「ん?」
「いや、ちょっと、それは……」
ルパンレッドに水を向けられるも、快盗の決め台詞を恥ずかしがる3号が大変おいしく、前回との関連含めて、隠れつかささん回でありました。
「気分はサイコーー! それじゃまた、揉める前に」
快盗と警察は再び敵味方に分かれ、カメラはこの戦いの決着を見届けたドグラニオ邸へ。
「あーら残念、折角いい所まで行ったのに」
「……私は良かったと思いますよ。ドグラニオ様の後継者が、あのような下品な輩にならずに済んだのですから」
「しかし……ライモンまで敗れたとなると、俺も少し考えなきゃならんな」
出オチを心配され、結局人数通りに3話でリタイアしたライモン軍団のボスライオンでしたが、ステータスゴールドの段違いの戦闘力を見せつけ、それによって仲の悪いザミーゴの株も上げ、コレクションを奪わなければ倒せない敵として共闘展開に十分な説得力を与え、グッと来るカイザーの見事な踏み台となり、その死によって親分の態度に変化をもたらす引き金となる、と骨の髄までしゃぶり尽くされる使われ方で、最終的には大変良い悪役でした。
戦隊声優としては常連である江川央生さんの下品な乱暴者演技も、いつもながら存在感があって素晴らしかったです。
そして快盗レストランでは……
「いいから帰れよ! いつまで俺の部屋に居るんだ!」
「酷いな〜。傷だらけの僕を、寒空の下、放り出すのかい?」
「夏! めっちゃ夏!」
ノエルが魁利の部屋に居座ろうとしていた。
「おまえ、自分の家があるんじゃないのか?」
「……いや、ま……ああ、あるよ? あるけど……家事とか辛いし寂しいし……」
帰りたくないアピールをするノエル、「寂しい」はともかく、幾らでも手抜きできる男の一人暮らしで「家事とか辛い」はどうも不自然ですが、前半の反応も妙に挙動不審に見えるのは、さすがに考えすぎでしょーか……?(笑) ……「できれば家に帰りたくない」「あまり家の話をしたくない」「家事とか辛くて寂しい」を総合して出てくる結論は…………ノエルは4人の姉を持つ5人姉弟の末っ子で家庭内ヒエラルキーが最下層!
或いは、姉がゴーシュ。
そういえば、透真の料理教室で助手を務められる程度には調理スキルを持っているようですし、実はそういう所でも、透真と魂のシンクロする所があるのでは……
「そうだ!」
しゃがみ込んだ状態から膝抱えバック宙という無駄身体能力を発揮したノエルは、魂の友(仮)に笑顔で接近。
「透真くん! ご飯作りに……」
「断る」
「初美花ちゃん、手当にきてく」
「警察の人に頼んで下さい」
……なんか、咲也に頼んだらぶーぶー言いながらやってくれそうな気がしてきました。
「魁利君」
「やだ」
「えーーーーっ、快盗の仲間として、認めてくれたんじゃないのかい?」
その言葉に、微笑を浮かべる魁利。
「だからだよ」
「必要以上に助け合わない」
「それが俺たちのルールだ」
「……おーらら」
快盗達の言葉にちょっぴり嬉しそうになりながら、両手を広げたノエルは外に追い出されそうになるも必死に抵抗するのであった……で、つづく。
番組史上最大の破壊と危機・魁利とノエル・ノエルの覚悟・つかさの決断・W戦隊共闘・ゴールド金庫解錠・グットクルカイザーVSX誕生! と劇場版公開前に詰めに詰め込み、最後は快盗戦隊のモットーで鮮やかに締めてみせた、頭のてっぺんから尻尾の先まで、特盛りの一編。
地味に素晴らしかったのは、そのぎゅうぎゅう詰めの展開の中に、パトレンジャー・ルパンX・ルパンレンジャー、それぞれのフル名乗りを収めている事。共闘合体というクライマックスに繋がる流れの中に、パトレンXを除く今作ここまでの要素が象徴的に練り込まれており、この情報量の内容をテンポ良くまとめ、終わってみれば痛快で爽快なアクション巨編になっているという、中澤監督の手腕が本当にお見事(かつ、香村脚本との相性の良さ)。
そういう点ではパトレンXの不在が画竜点睛を欠いたとはいえますが、内容といいオチといい、現時点ではやはりノエルの本性は快盗であり、警察サイドとは距離がある、と捉えてもいいのかもしれません。
明確な試練として用意されていたゴールド金庫が、既存のアイテムの応用で解錠されたのは少々意外でしたが、それをノエルと魁利の関係性の変化に繋げたのは、劇的で良かったです。
てっきり対ゴールド金庫か共闘合体で使うのかと思ってた新ビークルは伏せられたままとなり、これは秋のお楽しみになりそうでしょうか。こういった伏線がしっかり設置されているのも良い所ですが、この流れだとしばらく夏休み閑話休題編となりそうで、キャラ掘り下げのターンとしては丁度良いタイミングですし、バラエティエピソードにも期待したい。