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『獣拳戦隊ゲキレンジャー』感想・第33−34話

◆修行その33「フレフレガッチリ!カンフー忠臣蔵」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:荒川稔久
というわけで、7拳聖vs3拳魔! 聖地・獣源郷に集う因縁! と盛り上げまくった所で、太秦回です。
太秦回です。
クラゲの秘伝臨技により江戸時代に送り込まれたゲキレンジャーは、そこでチョウチンアンコウ拳士と遭遇。後の世に言う赤穂事件で著名な吉良上野介に憑依したアンコウ拳士を倒すために、四十七士の討ち入り前に討ち入りをする事に。
通りすがりの人に話しかけたら元禄15年だと教えてもらえたり、タイムトラベルものとしては大変大雑把なのですが、瑤泉院役の伊藤かずえさんの、強烈な存在感で全て吹き飛びます(笑)
忠臣蔵』を解説して歴史好きな一面を見せるランママは、すっかり大石内蔵助気取りで、ホント、権力志向の塊(笑)
「根性で探すのよ! こんじょぉぉぉぉぉぉ!!」
そして、駄目リーダー……(笑)
5人は、着物コスプレ(ジャン:遊び人A、レツ:商家の手代風、ラン:町娘、ゴウ:大店の若旦那風、ケン:遊び人B) → 浪士コスプレで吉良邸に討ち入りし、わざわざ雪を降らせた撮影には、中澤監督の強固な意志と趣味を感じます。
斬られ役として著名な福本清三さんがゲスト出演し、チャンバラから刀を捨ててカンフー忠臣蔵へ、という流れは映像的には面白い。
一方、時間移動のショックで記憶を失った理央様@素浪人は、酒をかっくらい続ける駄目人間と化していた。これ幸いと捏造夫婦を主張して甲斐甲斐しく世話を焼くメレ様@和服であったが、操獣刀を失った二人は江戸時代で迷子状態。
「いっそこのまま、夫婦として……」
思いあまって眠れる理央に迫るメレだったが……
「そのようなお戯れをなさっている場合ですか」
しれっとロンが出てきて、畳を叩く(笑)
「ロン?! あんたこんなとこまでどうやって?!」
「ふふふふふふ」
操獣刀には元の世界に戻る力がある、と助言したロンは、至近距離から変な粒子を吹きかけて理央を正気に戻し、話の筋はともかくあちらもこちらもサービス満点で、タイミングさえ目をつぶればバラエティ回としては楽しい出来。……タイミングさえ目をつぶれば。
いつもの格好に戻って吉良邸に姿を見せた理央メレは臨気を辿ってアンコウを見つけだし、操獣刀を奪い返す為に、ゲキレンジャーと仮初めの共闘。赤黒ダブルキックから同時必殺攻撃を決め、追い詰められたアンコウは刀を飲み込んで巨大化。
ゲキレンジャーども、操獣刀を奪い返すぞ」
呉越同舟・獣拳合体により、ゲキトージャがライオンとカメレオン装甲を身に纏ったゲキリントージャがバーニングアップし、回転斬りで大勝利。えらく格好いいのですが、タイミング的に、劇場版ネタ……?
「とりあえず、吉良邸の人達は、ちゃんと寝かしつけておいたぜ」
先行討ち入りの後始末をつけていたゴウとケンが合流し、正しい歴史を守る為という名目ではあるのですが、これから討ち入りで斬殺される人達を丁寧に布団に寝かして回っていたというのが、かなりサイコ。
「これで元の世界に戻れる」
「待ってくれよ、おまえさん」
理央様は回収した操獣刀を用いて時空の亀裂を作り出すと現代へ戻っていき、ぴょんと跳ねて理央様に続くメレ様、あざとい……! どんな回でも、あざとい……!! こういう時の台詞回しが容赦なく可愛い、というのもメレ様の強さであります。
ゲキレンジャー達も次々と亀裂に飛び込んでいき、最後尾となったランは、打ち鳴らされる陣太鼓の響きを耳にするのであった…………そして、現代に帰還した7人が目にしたのは、炎に包まれた獣源郷が崩れ落ちる光景であった! で、つづく。


◆修行その34「ゴワンゴワンのダインダイン!獣拳巨神、見参」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:横手美智子
サブタイトルが凄い事になっていますが、見所は、床に大の字に転がってジタバタする真咲室長(おまけコーナー)
ケンと理央メレは燃え落ちた大樹の元へと走り、追いかけようとするジャン達4人だが、その前に立ちはだかったタカが、7拳聖達の顔が刻まれた巨岩を見せつける。ジャン達がタイムトラベルしている間にクマ様に負けた7人は、秘伝臨技によって岩にこねられ、その生命力を搾り取られていたのだった!
怒りに燃えるゲキレンジャーとタカが初戦闘に突入し、ケンと理央メレは燃え落ちた聖地手前でクラゲと遭遇。
「ギャルとメンチカツには目がない俺だが! てめぇだけは絶対ゆるさねぇ!」
クラゲはギャルでもメンチカツでもないのでケンの台詞がおかしいのですが、ケンの中ではクラゲがギャル認定だとすると、ケンの目がおかしい。
「いやぁよ熱くなっちゃ。こっちが干からびちゃうじゃない、の!」
変身したチョッパーとクラゲは戦闘開始。
「小虫ちゃんといえども、ちゃんと潰しておくとしましょう。激臨の大乱、その最終決着として」
一方、4対1でも余裕の戦いを見せるタカは、スーパーゲキバズーカと紫激気俺砲にも無傷。
「愚かな者は賢い者に従えばいいのだ。力無きものは強い者に従う。それが自然の道理というもの」
「ふざけるな……ふざけるなぁぁ!!」
「己の力量もわからずに、闇雲に争う。激獣拳というのは罪深き獣拳だ」
「人々を苦しめ、自分たちだけが強くなろうとする臨獣拳の、どこが正しい?!」
「――全て!!」
紫に顔を寄せてアップで言い切るタカは、更に得意の幻術を用い、幻覚の中で翻弄されるゲキレンジャー
「落ち着くんだ! 下手に戦えば、同士討ちになる」
「「「だが、戦わねば死ぬ」」」
第34話にしてゲキレンジャー相手に実力を見せつけるタカが、デザイン・声・台詞回し、の総合力の高さで悪役としての魅力を大爆発させ、やたらめったら格好いい。
一方、単身でクラゲに立ち向かう白もまた、ドリルミサイルをジェリー拳で完全回避され、苦境に陥っていた。
「負けるか……誓いがあるんだ」
かつて聖地での修行に行き詰まりを感じていた時、心に響く「考えるな、感じろ」というサイの声を聞いていたケン。
「もっと強くなって、戻ってきてやるよ! 覚えとけよ!」
それがケンの誓いであり、ジャンもまた、ネコから聞いたネコの師匠(つまりサイ)の言葉を思い出し……拳魔を相手にした二つの死闘で激獣拳士の胸に響く、「考えるな、感じろ」の大合唱。
「頭じゃ無くて、体に任せる。そうすれば、ホントの事がパッキリ見えてくる!」
ゲキレッドは幻影を見切ってタカにスーパーゲキクローの一撃を食らわせ、チョッパーも突然、サイブレードにマスター・ブルーサの魂を感じてヒートアップすると、いきなりクラゲに攻撃がヒットするようになり、逆転勝利。
「拳魔を圧倒するとは……あやつ、どこにそんな力が」
「これが誓いの力だ! 見たか、感じたか! 誓いを、果たしたぜ」
ケンの個人的心情というと、「女の子の涙はさ、嬉し涙以外、この世からなくす。それが、俺の夢なんだよね」があったのですが、そんなものは一切思い出される事なく、今回冒頭で触れ、数分前に口にした積み重ね皆無の誓いで唐突にパワーアップし、赤も白も拳魔に逆転するキーが、100%パロディという、愕然とする展開。
拳法物オマージュとしてブルース・リーのこの象徴的な台詞を外したくなかったのでしょうが、第34話にして物語の中核に取り込むというのは、幾らなんでもいかがなものか。
理央の手にしていた操獣刀はチョッパーのところへ自ら飛んでいき、え、これで、伝説のアイテムに認められたみたいな展開なの……?!
タカが憎しみのオーラ力でハイパー巨大化する一方、崩れた神殿の中で無事だったサイの石像が光を放って動き出し、どうやらネコの言っていた臨獣拳とか一気に殲滅する力とはサイダインの事だったようですが、7拳聖は、大乱の終戦直後にこれを仕込んでいた訳か。
そしてサイダインに宿っているのが、殺されたサイマスク師匠の魂だという事は、やはり、巨大な怨霊と化している。
「これがサイダインだ! 俺たち獣拳の、神だ!」
巨大タカに敗北するゲキトージャとゲキファイヤーだったが、そこへチョッパーが乗ったサイダインが姿を見せ、そこから降り注ぐマスター・ブルーサの激気魂シャワーを浴びる一同。
「理央様、私もなにか湧いてくるのを感じます」
「激獣拳にも臨獣拳にも、等しく降り注ぐ。これがブルーサ・イーの考えなのか」
「獣力開花、完了ですね」
思惑取りの展開にロンがほくそ笑む中、サイは人型ロボに変形し、獣拳巨神サイダイオーが誕生。サイモチーフから甲冑に繋がったのでしょうが、何故かナイトスタイルのサイ大王は、タカの攻撃をその分厚い装甲で無効化すると、青竜刀風味の大剣による怨念の篭もった連続攻撃でみじん切りに。
「激臨の大乱は、俺たちの勝ちだ!」
「我の死は……始まりにすぎぬ。おまえ達は、本当のマク様を知る!」
……え。
「まさか……マスター・カタがやられた?」
……え。
先程から顎の外れるような展開が目白押しなのですが、幾ら新ロボの踏み台にしても、一気のタカ退場に目が点。
時期的には、新ロボのお披露目も兼ねて幹部の1人ぐらい始末しておかないとね、という納得の展開の筈なのですが、そもそもタカがゲキレンジャーと絡んだ事がほとんどなく、チョッパーに至っては恐らく前々回が初顔合わせなので、理央様の因縁の相手を何故かほぼ初対面のチョッパーが一人で倒してしまうという、大変意味不明な事に。
加えて、さすがにチョッパーに加勢こそしなかったものの、理央メレは何をするでもなくクラゲと白の戦いを棒立ちで観戦していただけで、おこぼれで激気魂シャワーを浴びるという、まごう事なき大惨事。
今作ここまで、激獣拳サイドの「修行」の説得力不足がしばしば問題になってきましたが、今回は、理央メレサイドがチラシについてきた50円引きクーポンのような扱いで、とにかくあちら立てればこちらが立ちません。
ゲキレンサイドもゲキレンサイドで、タカ対4人、クラゲ対白、というマッチアップの時点でバランスが悪すぎる上に、赤がタカの幻覚を破りはしたものの、実質、チョッパー1人が謎のパワーで強化されてクラゲとタカを倒してしまう、という目を覆ういびつさ。
そしてチョッパー強化の引き金となった「誓い」には、チョッパー登場後から8話分のキャラクターの蓄積はほとんど活かされず、エピソードのキーワードはその「誓い」ですらない、100%オマージュというかパロディ、というカタストロフ。せめてこれ、2話前のサイ仮面の回想シーンで用いていれば良かったのですが、何もかもが今回限りの要素であり、災害のレベルでいうと、レジェンドマジレンジャー編を思い出す、特A級。
ドラマツルギーとしては、獣人化に象徴される道を踏み外したマスター達は退場していき、若い世代の拳士達にこそ力を与えられるのが摂理、という善なる世代交代の理念が背景にあるのでしょうが、それと販促展開が、破滅的な化学反応を起こした感あり。
「面白くなってきましたねぇ。いよいよ」
ロンは舌なめずりしながら嗤い、生命力の抽出こそ止まったものの、元に戻りはしなかった拳聖ボールを見つめるゲキレンジャーはマクを倒す事を誓う。そしてクマ様は、抽出された分の拳聖汁をぐっと一杯やるのであった、でつづく。